不動産投資は、購入したアパートやマンションなどを第三者に貸し出したり、売却したりして収益を得る投資方法です。
そんな不動産投資の種類は豊富で、リスクの高いものから手軽に始められるものまであります。
今回は、不動産投資の種類やそれぞれのメリット・デメリット、不動産投資の選び方などを紹介します。自分に合った不動産投資を選ぶためにも、本記事の内容を参考にしてみてください。
代表的な不動産投資8種類
不動産投資は、その投資金額や投資商品の特徴から以下の3つの枠組みに分類できます。
代表的な不動産投資8種類
①物件の区分に投資
- 区分マンション投資
- 一棟アパート投資
- 戸建て投資
- シェアハウス投資
- 民泊投資
- 駐車場・駐輪場投資
- トランクルーム投資
- REIT(不動産投資信託)
①物件の区分に投資する方法の特徴
区分マンション投資とは、マンションを部屋単位で購入し、賃貸物件として運用する投資方法です。
同じく集合住宅としてはアパートもありますが、アパートでは部屋単位の売買はほとんど行われていないため、投資対象はマンションが一般的です。
区分マンション投資のメリット区分マンション投資は、他の不動産投資と比べて低価格で始めることができます。経験を積めばより良い条件で運用できることから、初心者から中級者向きの不動産投資です。
区分マンション投資のメリットは、ほかの不動産投資よりも比較的少ない資金で始められることでしょう。
物件価格も数百万円~数億円と、幅広い価格帯が揃っているため、購入できる物件数が多く、ほかの物件の立地や条件などを比較検討したうえで購入できます。
また、自分一人でマンションの管理をしなくて済みます。管理場所が少なくなるのは、不動産投資初心者にとってうれしいメリットでしょう。
区分マンション投資はマンションを部屋単位で購入するため、空室が出ると収入がゼロになるリスクがあります。
たとえば、マンションの1部屋のみを購入している場合、入居者がいれば家賃収入を得られますが、入居者が退去してしまうと、その時点で収入がゼロになります。
加えて、修繕積立金を毎月支払う必要があり、入居者がいなければ、収入が増えるどころか減り続けます。
また、修繕や建て替え、リフォームの自由度が低いデメリットもあります。
区分マンション投資だと、ほかの投資家や入居者と協力してマンション全体を管理しなければなりません。
区分マンション投資(ワンルームマンション投資)については、下記の記事もご覧ください。
②集合住宅一棟に投資する方法の特徴
一棟投資とは、アパートやマンションを一棟まるごと購入し、賃貸物件として運用して家賃収入を得る投資方法です。
区分マンション投資と違い、1棟すべての部屋を所有することになるため、退去者が出ても収入がゼロになりにくい特徴があります。ほかの不動産投資よりもハイリスクハイリターンであることから、上級者向きの投資方法といえます。
一棟マンション投資の場合、多くは数億円の資産が必要となるため、上級者かつ資産家向けです。本記事では、対象外とします。
一棟アパート投資のメリット一棟アパート投資のメリットは、高い利回りを見込めることです。
ほかの不動産投資よりも運用する部屋数が多く、入居者がたくさんいれば、その分家賃収入も増えます。また、退去者が出ても、ほかの入居者からの家賃収入でカバーできます。
加えて、アパート1棟まるごと購入するため、修繕や建て替え、リフォームといった意思決定を自身の裁量で行うことができます。
ある程度不動産投資に慣れていて、物件の管理ルールなどを自分で決めたい人にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
一棟アパート投資のデメリット一棟アパート投資のデメリットは、1棟あたり数千万円と多額の資金が必要になることです。得られる家賃収入は大きいですが、投資額が高額な分、失敗したときのリスクも大きいです。
ほかにも、物件の管理や家賃回収に手間がかかることもデメリットといえます。大きいマンションだと自分だけで管理をするのは難しいため、管理委託をするのが得策でしょう。
一棟投資は、ハイリスクハイリターンの投資方法であることを知ったうえで、始めるかどうか検討しましょう。
「自分にとって効率のいい投資って何かな?」とお悩みの方は、投資を始める上で重要なポイントを、まずは押さえておくことが大切です。それは、自分がどのような「投資タイプ」なのかを事前に把握しておくことです。 MIRAPの投資診断ではLINEでカンタンに「投資タイプ」を知ることができます。あなたは一体 なにタイプでしょう?
③戸建てその他の物件に投資する方法
戸建て投資とは、購入した戸建て物件を賃貸物件として運用し、入居者から家賃収入を得る投資方法です。戸建て物件については、通常の住宅用途の物件もあれば、シェアハウスや民泊などの商業利用を目的とした物件もあります。本章では商業利用を目的とした戸建て物件投資と住居用戸建て物件に対する投資を紹介します。
一般的に、戸建ては都心部より郊外や地方に多くあります。物件のあるエリア周辺について詳しくないと、良い物件を選ぶのは難しいです。物件の利用目的も様々であり、その物件の所在するエリアでその物件がどの程度の価値があるかを正確に見積もって投資する必要があります。
そのため、戸建て投資は不動産投資に慣れている中級者から上級者向きだといえるでしょう。
戸建て投資のメリット戸建て投資のメリットは、入居者が決まれば長期間の家賃収入が見込めることです。戸建て投資で物件を貸す対象は、基本的にファミリー層です。ファミリー層なら長期間の入居や、地域によっては安価で戸建てを購入でき、高い利回りも期待できます。
また、戸建て投資は物件だけでなく、土地も購入します。そのため、経年劣化で物件を解体した際も、駐車場や倉庫にするなど、土地を使った幅広い活用方法があるのもメリットです。
戸建て投資のデメリットは、まとまった資金が必要であることです。戸建て投資は、建物に加えて土地も購入します。地域や物件などの条件によっては、空室期間が長くなることも考えられるでしょう。
また、ほかの不動産投資よりも目利きが重要になることもデメリットです。戸建ての需要が高いエリアか、物件は適正価格かなど、判断すべき点が多くあります。
判断を誤ると、入居者が決まらず管理費や維持費で収支がマイナスになってしまいます。
シェアハウス投資のメリット
シェアハウス投資とは、一戸建てなどの大きな物件に複数の部屋を設け、複数人に貸して運用する投資方法です。
個々の部屋は用意し、リビングや水回りを共有することが一般的とされています。シェアハウス投資のメリットは、高収益を狙えることです。
たとえば、3LDKの物件を購入したとします。このとき、入居者がファミリー層で月10万円の家賃収入しか得られなかったとしても、シェアハウスで家賃を1人あたり4万円にすれば、月12万円の家賃収入が得られます。
学生や若者向けのシェアハウスや観光客をターゲットにしたシェアハウスなど、収益モデルは様々です。
また、シェアハウス投資は家賃を低く設定できるため空室リスクが低いメリットもあります。
シェアハウス投資のデメリットは、管理に手間がかかることです。
部屋のゴミ出しやトイレ・キッチンの掃除など、管理するべきことがたくさんあります。トイレットペーパーといった消耗品の補充も、管理者がするのが一般的です。
管理会社に委託する方法もありますが、委託料金は比較的に高めとなっています。
また、入居者の素行が悪いと、クレームやトラブルが続いて、複数人の退去につながる場合があります。ルールを具体的に設けて、入居者が快適に生活できるように対策しましょう。
民泊投資のメリット
民泊投資とは、ホテルや旅館などではなく、マンションや戸建てなどの物件を宿泊施設として運用し、宿泊費を収入とする投資方法です。
現在はコロナ禍にありますが、かつては海外から来るお客様をターゲット層とすることが多く、日本への旅行数が増えて民宿の需要が高まり、将来性のある投資方法とされていました。
民泊投資のメリットは、通常の賃貸物件よりも収益性が高いことです。ほかの不動産投資と違って、民泊投資は宿泊費を収入としています。そのため、稼働率が良ければ、その分家賃収入をしのぐ利益が期待できます。
また、民泊投資は比較的新しい投資で、サービスに工夫の余地があります。具体的には、「民宿までの送迎サービスを追加する」「民宿近くや人気の観光地の案内パンフレットを作成する」などの手段が考えられます。
コロナ禍は続きますが、今後は国内客向け海外観光客向けの需要もある程度回復してくるでしょう。
民泊投資のデメリット民泊投資のデメリットは、トラブルや事故のリスクがあることです。家賃収入を得る不動産投資と違い、民泊投資はどのような利用者が来るか分かりません。良い利用者もいれば、悪質な利用者もいます。
悪質な利用者が民宿を利用した場合、ゴミや騒音など、さまざまなトラブルや事故が発生するリスクがあります。近隣とのトラブルにまで発展してしまうと、その後の民宿運用に影響が出かねません。
また、 時期によって収入が変動しやすいことも、民泊投資のデメリットです。長期休暇やイベントがある時期は、民宿の利用客が増えますが、シーズンオフの時期は利用客が少なくなるため、収入があまり得られません。
駐車場・駐輪場投資のメリット
購入した土地を駐車場や駐輪場として運用して、利用料金を収益とする投資方法です。駐車場・駐輪場の運用方法は、主に「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類があります。
土地さえあれば整備するだけで始められるため、駐車場・駐輪場投資は初心者向けの投資方法です。余った土地を所有している人にも向いています。
駐車場・駐輪場投資のメリットは、やはり初期費用を抑えられることです。
ほかの不動産投資は、物件と土地を一緒に購入することが多いですが、駐車場・駐輪場投資で購入するのは基本的に土地だけです。建物を作る必要がなく、車が駐車できるようにするための整備費だけで始めることができます。
また、維持費用も少なく、管理の手間がかかりにくいこともメリットです。
駐車場・駐輪場投資のデメリットは、需要の高いエリア選びが難しいことです。
たとえば、周辺が戸建てばかりだと、家庭ごとに駐車スペースが設けられていることが多いため、需要があまりありません。車が必要ないような立地も同様です。周辺エリアの需要によって、駐車場・駐輪場投資の収益は大きく上下します。
また、駐車場・駐輪場投資は建物がないことから、固定資産税や都市計画税など、税に関する優遇措置を受けられません。そのため、年間コストが高くなり、収益性が下がってしまうのもデメリットです。
トランクルーム投資のメリット
トランクルーム投資とは、土地に設置したコンテナをトランクルームとして運用する投資方法です。トランクルームの利用客から得られる使用料が収入となります。
トランクルーム投資は、主に「屋外コンテナタイプ」と「屋内コンテナタイプ」の2種類に分けられます。
主な使用目的としては、屋外コンテナタイプにはバイクや自転車などを、屋内コンテナタイプには精密機械や重要書類などを保管します。
トランクルーム投資のメリットは、初期費用を抑えられることです。
ほかの不動産投資の初期費用は数千万円かかる場合も多いですが、トランクルーム投資の初期費用は高くても500万円程度です。加えて、人が住まないことから経年劣化も少なく、維持費も数万円程度と低くなります。
土地とコンテナを購入するだけで始められることから、トランクルーム投資は不動産投資に慣れていない初心者におすすめです。
また、トランクルーム投資は物置として利用する人が大半のため、トラブル発生のリスクが低く、管理の手間がかからないメリットもあります。
トランクルーム投資のデメリットは、高い収入が見込めないことです。
トランクルームの利用料金は、一般的に月数千円ほどです。そのため、ほかの不動産投資のように数万円以上稼ぐことは難しいでしょう。
また、満室になるまでに時間がかかるデメリットもあります。
トランクルームを必要としている人は少なく、利用者を募集できる環境がまだまだ整っていません。賃貸や戸建てのようになければ困るものでない点も、満室になるまでに時間がかかる原因でしょう。
REIT(不動産投資信託)のメリット
REIT(不動産投資信託)とは、信託会社に資金を提供し、不動産投資の運用を委託する投資方法です。
投資家によって得た利益は、投資した運用資金に応じて出資者へと分配されます。
REITのメリットは、少額から始められることです。
ほかの不動産投資だと、少なくても数百万円以上なければ始められません。しかし、REITは数十万円の資金があれば、すぐに始められます。
また、投資運用をプロの投資家に委託できるため、物件選択や運用管理に手間がかかりません。知識もそこまで必要とせず、誰でも気軽に始められる点が魅力です。
さらに、REITは現金化しやすいメリットもあります。REITは証券化された不動産を取引します。ほかの不動産投資のように、「買い手が見つからずに売れない」というリスクを回避できます。REITならではのメリットといえるでしょう。
REITのデメリットは、配当金の減少リスクがあることです。REITは株式と同じように、金利変動や物件価格の低下などの影響を受けます。もちろん上昇すれば配当金が増えますが、その分の減少リスクがあることも覚えておきましょう。
また、ほかの不動産投資と違い、REITは信託会社の倒産リスクがあります。そのため、投資先は慎重に選ぶことが大切です。
【投資経験度別】おすすめ不動産投資
不動産投資は、一般的に「ミドルリスク・ミドルリターン」といわれる投資商品です。リスクとリターンはトレードオフの関係であり、リスクが高いほど、リターン(利率)も高い傾向にあります。前述の不動産投8種類の中で、あなたのタイプにおすすめの投資商品をご紹介します。
高いリスクを許容する上級者向けの投資
多くの利益を得るためには高いリスクを許容する人について、区分マンション投資がおすすめです。区分マンションにて多くの物件を持つことで、リスクを分散しつつ、収益を狙うことができます。
物件所在地の都市開発や不動産価格について知見のある上級者は、戸建てその他の物件(シェアハウスや民泊など)への投資を考えると、難易度は高いですが、さらに投資資産を分散し高収益が狙えるでしょう。
リスクはできるだけ低くしたい初心者向けの投資
できるだけリスクを低くしたい初心者の方は、不動産投資信託や区分マンション投資などがおすすめです。
どちらも比較的少額の資産から始めることができ、物件の種類も豊富で流動性が高いです。投資について相談できる企業やサービスも豊富です。弊社でも、不動産投資サービス「MIRAP」を提供しています。
【投資目的別】おすすめ不動産投資
次に、目的別にどのような投資先が向いているのか紹介します。
【収入を増やしたい】利回りが狙える投資先を選ぶ
不動産投資で収入の増加を目的としている人は、高い利回りが狙える投資先を選びましょう。「金銭面で心にゆとりを持たせるために数万円稼ぎたい」など、副収入として不動産投資を行う場合も同様です。
このような人は、短期間で収益を増やす必要があります。そのため、不動産投資のマンションのように4~5%の年間利回りが期待できる物件に投資して、ミドルリスク・ミドルリターンを狙うのがおすすめです。
不動産投資の利回りについては想定利回り、実質利回りなどの複数の値があります。詳しくは下記の記事もご覧ください。
【将来に備えたい】長期的に運用できる投資先を選ぶ
「年金」や「病気、ケガのリスクに備えたい」など、将来的な収益を求める場合は、長期的な資産価値に目を向けましょう。
収益を増やすために利回りを見がちですが、将来に備える場合は「数十年後も需要の見込める立地かどうか」が重要です。
むしろ、利回りが高いとその分失敗したときのリスクも高くなります。無理なく確実に投資し続けていくためにも、リスクを抑えつつ、需要のある立地の物件を購入する方が得策でしょう。
【相続税対策がしたい】「評価額」を抑えられる投資先を選ぶ
相続税対策のために不動産投資をする人は、「評価額」を抑えられる投資先を選びましょう。
相続税の税率は、物件の「評価額」で決まります。物件は年に1回、土地は3年に1回評価が更新され、元値の7~8割で評価されます。そのため、その分相続税の節税対策につながるのです。
たとえば、1億円の物件を購入したとします。その土地が1億円で売れる状態だったとしても、元値の7割で評価されれば評価額は7,000万円となります。
また、相続税対策を行う際、資産価値だけでなく、以下のようなポイントも押さえておきましょう。
- 賃貸需要の高いエリアにあるか
- 入居率が高いか
- 売却しやすいか
- 取得後4年間の利回りが高いか
上記4点を意識することは、評価額を圧縮する効果的な相続税対策へとつながります。
まとめ
今回は、不動産投資の種類やそれぞれのメリット・デメリット、不動産投資の選び方などについて紹介していきました。
不動産投資には、種類によってさまざまなメリットやデメリットがあります。本記事を参考にして、自分に合った不動産投資を探し、始めるかどうか検討してみてください。