不動産投資で家賃収入を得ると、不動産所得は総合課税として、給与などの他の所得と合算して税額が決まります。仕組みを知らないまま購入すると、所得が増えたときの税率の上昇や、赤字が出たときの損益通算の扱いを読み違え、想定した手残りが得られない原因になります。
本記事では、総合課税の意味と分離課税との違い、所得税と住民税の税率、不動産所得の計算方法を解説します。損益通算と青色申告、会社員の確定申告、事業的規模と法人化の目安も、ワンルーム投資の例でまとめました。


不動産投資の総合課税とは?分離課税との違い
総合課税とは、複数の種類の所得を1年分合算して、合計の所得に対して税率を掛ける課税方式で、不動産所得は給与所得や事業所得と合算して、所得税と住民税が計算されます。
一方で、不動産を売却して得る譲渡所得は、他の所得と切り離して、別の税率で計算する分離課税で、家賃収入と売却益は、課税の方式が異なります。
所得の種類ごとの課税方式は、次の表のとおりです。
家賃収入は総合課税、不動産の売却益は分離課税で計算します。
| 所得の種類 | 具体例 | 課税方式 |
|---|---|---|
| 不動産所得 | 家賃収入から経費を引いた所得 | 総合課税 |
| 給与所得 | 会社からの給料や賞与 | 総合課税 |
| 事業所得・雑所得 | 個人事業の利益、副業の収入など | 総合課税 |
| 譲渡所得 | 不動産を売却して得た利益 | 分離課税(長期20.315%、短期39.63%) |
不動産所得は他の所得と合算して税率が決まる
不動産所得は、給与所得などの他の所得と合算した合計額に応じて税率が決まるため、本業の収入が高い人ほど、不動産所得にかかる税率も高くなります。会社員が賃貸経営を始めると、給与所得に不動産所得が上乗せされる形で計算されます。
税率は、所得が増えるほど段階的に上がる累進課税のため、不動産所得が黒字になるほど、増えた分に対して給与と同じ高い税率が掛かります。購入前に、自分の課税所得の区分を確認しましょう。
売却益は分離課税で別の税率になる
不動産を売却して得た利益は、譲渡所得として分離課税になり、家賃収入とは別に、所有期間に応じた一定の税率で計算します。所有期間が5年を超えるかどうかで、税率が変わります。
譲渡所得の税率は、所有5年超の長期で20.315%、5年以下の短期で39.63%で、所得の大きさに関係なく一定です。売却で損失が出た場合は、原則として家賃収入などの他の所得と損益通算できません。
総合課税のメリットは損益通算と青色申告特別控除
総合課税のメリットは、不動産所得の赤字を給与所得などと損益通算できる点と、青色申告で最大65万円の特別控除を受けられる点にあります。赤字が出た年は、給与から引かれた所得税や住民税が減る場合があります。
青色申告特別控除は、複式簿記で帳簿をつけ、期限内に申告するなどの要件を満たすと使えます。控除の額は、事業的規模かどうかや、申告の方法で変わるため、事前に条件を確認しましょう。
総合課税のデメリットは所得が増えると税率が上がる点
総合課税のデメリットは、不動産所得が増えるほど、合計の所得が大きくなって、高い税率の区分に入り、手残りが想定より減る点にあります。給与が高い人ほど、不動産所得の増加分に高い税率が掛かるため、同じ家賃収入でも、手残りは人によって異なります。
課税所得が900万円を超えると、所得税の税率は33%に上がり、住民税を加えた負担は4割を超えるため、収益が増える物件ほど、税引後の手残りを別に試算する必要があります。投資の判断では、自分の税率で試算した数字を使いましょう。
総合課税の不動産所得にかかる税率|所得税と住民税の合計
不動産所得にかかる税金は、所得税、復興特別所得税、住民税の3つで、課税所得に応じて、所得税率が5〜45%の7段階に分かれ、住民税は一律の10%が加わります。
復興特別所得税は、基準所得税額の2.1%が上乗せされるため、所得税率に1.021を掛けて計算します。
課税所得ごとの税率は、次の表のとおりです。
所得税の税率は、課税所得が195万円以下で5%、4,000万円超で45%です。
| 課税所得 | 所得税率 | 復興税込み | 住民税を加えた合計 |
|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 5.105% | 約15.1% |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 10.21% | 約20.2% |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 20.42% | 約30.4% |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 23.483% | 約33.5% |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 33.693% | 約43.7% |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 40.84% | 約50.8% |
| 4,000万円超 | 45% | 45.945% | 約55.9% |
所得税は5〜45%の7段階で課税所得が増えると上がる
所得税の税率は、課税所得が増えるほど段階的に上がる累進課税で、5%から45%までの7段階に分かれています。課税所得は、収入から経費や各種の控除を引いた後の金額で、給与の額面とは異なります。
課税所得が330万円超〜695万円以下の区分では、所得税20.42%と住民税10%を合わせて約30.4%です。不動産所得が50万円増えると、税負担は約15.2万円増えます。
会社員が副業で不動産所得を得る場合は、給与所得を含めた課税所得の区分で、増えた分の税率が決まります。源泉徴収票の課税所得の欄を確認しておきましょう。
住民税は一律10%で翌年に課税される
住民税の所得割は、課税所得に対して一律の10%で、都道府県民税が4%、市区町村民税が6%の内訳になっています。所得税と違って、所得が増えても税率は変わりません。
住民税は、前年の所得に対して翌年の6月から課税されるため、賃貸経営を始めた翌年に、住民税の通知が届いて負担の大きさに気づく例があります。納税の資金を、あらかじめ確保しておきましょう。
住民税の納付は、普通徴収なら年4回に分けて自分で払い、特別徴収なら給与から12回に分けて天引きされます。納付の方法によって、手元の現金の動きが変わるため、資金計画に反映しましょう。
復興特別所得税として2.1%が上乗せされる
所得税には、復興特別所得税として、基準所得税額の2.1%が上乗せされ、実際の負担は、表の所得税率より少し高くなります。所得税率が20%の区分なら、実際の税率は20.42%で、課税所得が大きい人ほど、上乗せ分が積み上がります。
確定申告書の計算では、所得税の額に2.1%を掛けた金額を別の欄に記入して合算し、会計ソフトを使えば自動で計算されるため、手計算の必要はありません。税引後の試算にも、含めておきましょう。
課税所得の区分をまたぐと追加の負担が大きく変わる
不動産所得が増えて課税所得が区分の境目を超えると、超えた部分にだけ高い税率が掛かり、追加の税負担が大きく変わります。税率が上がる境目を意識すると、経費の計上や設備投資の時期を判断しやすくなります。
課税所得が900万円を超えると、所得税率は23%から33%に上がり、住民税を加えた合計は約33.5%から約43.7%へ変わります。区分の境目に近い人は、所得の増加分の税率を、事前に試算しましょう。
総合課税の対象になる不動産所得の計算方法|収入・経費・青色申告特別控除
不動産所得は、1年間の総収入金額から必要経費を引いて計算し、青色申告をしている場合は、さらに青色申告特別控除を引いた額が、他の所得と合算される所得になります。
経費に入れられる範囲と、減価償却の扱いを正しく理解すれば、税金を過大に払う失敗を避けられ、帳簿のつけ方も明確になります。
計算の流れと主な項目は、次の表のとおりです。
不動産所得は、総収入金額から必要経費と青色申告特別控除を引いて求めます。
| 項目 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 総収入金額 | その年に得た家賃などの収入 | 家賃、礼金、更新料 |
| 必要経費 | 賃貸経営のために支出した費用 | 管理費、修繕積立金、管理手数料、固定資産税、保険料、広告料 |
| 減価償却費 | 建物の取得費を年数で配分した経費 | 購入した建物価格の分 |
| ローン利息 | 借入金の利息部分 | 元本の返済は経費にならない |
| 青色申告特別控除 | 一定の要件を満たす場合の控除 | 最大65万円、または10万円 |
総収入金額は家賃のほか礼金や更新料も含む
不動産所得の総収入金額には、毎月の家賃だけでなく、礼金、更新料、共益費など、年内に受け取った賃貸に関する収入が含まれます。空室で受け取っていない家賃は、収入に含めません。
年の途中で売却した場合は、売却までの家賃が収入になり、売却益は別の譲渡所得で計算します。入金の記録を、通帳と管理会社の収支報告書で管理しましょう。
家賃の入金が翌月になる契約でも、収入に計上する時期は、原則として支払日が基準で、年末年始の入金のずれに注意が必要です。年の収入の合計は、管理会社の年間の収支報告書で確認しましょう。
必要経費には管理費・修繕積立金・税金・保険料が入る
必要経費には、管理費、修繕積立金、賃貸管理手数料、固定資産税、火災保険料、広告料など、賃貸経営のために払った費用が入ります。領収書や請求書を、年間を通して整理しておくと、計上漏れを防げます。
賃貸に関する交通費、税理士への報酬、物件の見学や管理のための出張費も、経費にできる場合があります。個人の生活費と混ざらないように、不動産専用の口座を用意しましょう。
必要経費にできるかどうかは、賃貸経営との関係の有無で判断され、個人の生活費に当たる支出は経費にできません。判断に迷う支出は、領収書の使い道をメモに残しておきましょう。
減価償却費は経費でも現金が出ず、元本返済は経費にならない
建物の購入費用は、減価償却費として、年数に分けて経費にでき、ローンは利息だけが経費になり、元本の返済は経費になりません。減価償却費は、実際に現金が出ていかない経費のため、帳簿上の所得を小さくします。
鉄筋コンクリート造の住宅用建物の法定耐用年数は47年で、建物の価格に償却率を掛けて、毎年の額を計算します。帳簿上の赤字と、現金の収支は異なるため、両方を確認しましょう。
青色申告特別控除は最大65万円で事業的規模かで変わる
青色申告特別控除は、事業的規模なら最大65万円、事業的規模に満たない場合は10万円で、事前に承認を受けて、複式簿記で帳簿をつける必要があります。65万円の控除を受けるには、電子申告か、電子帳簿保存の要件も満たします。
青色申告の承認申請書は、原則として、適用を受ける年の3月15日までに提出します。新しく開業する場合は、開始から2か月以内で、期限を過ぎると、当年分は白色申告になるため注意しましょう。
総合課税の損益通算の仕組み|不動産所得の赤字を給与と合算する
損益通算とは、不動産所得が赤字の年に、赤字額を給与所得などの他の所得から差し引ける仕組みで、総合課税の大きな特徴であり、会社員の不動産投資で節税の効果が語られる理由です。
ただし、赤字になる理由には、現金が出ない減価償却費と、土地の借入金の利息が含まれるため、損益通算の効果と、実際の現金の持ち出しとは、切り分けて考える必要があります。
損益通算の流れと効果は、次の表のとおりです。
損益通算の効果は、赤字の額に、自分の税率を掛けた金額にとどまります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通算できるもの | 不動産所得の赤字を、給与所得などと通算する |
| 通算できないもの | 土地の取得に充てた借入金の利子にあたる部分 |
| 効果 | 給与から引かれた所得税の還付、翌年の住民税の減少 |
| 繰越 | 青色申告なら、通算しきれない赤字を3年間繰り越せる |
不動産所得の赤字は給与所得などから差し引ける
不動産所得が赤字の年は、赤字額を給与所得などの他の所得から差し引け、合計の所得が小さくなって、税額が減ります。給与から源泉徴収された所得税は、確定申告で還付される場合があり、住民税も、翌年の課税所得が小さくなる分だけ減ります。
会社員が不動産投資を始める際に、節税の効果が語られるのは、損益通算の仕組みがあるためです。還付の手続きは、確定申告書に給与の源泉徴収票を添付し、不動産所得の収支内訳を記入して進めます。
赤字10万円なら税金の減少は約3万円にとどまる
損益通算で減る税金は、赤字の額に自分の税率を掛けた金額にとどまり、赤字の大半は、自分の持ち出しとして残ります。課税所得が330万円超〜695万円以下の人なら、税率は住民税を合わせて約30.4%です。
不動産所得が10万円の赤字なら、所得税の減少が約2.0万円、住民税の減少が約1.0万円で、合計の税金の減少は約3万円です。
赤字を出して税金を減らす目的で物件を買うと、減る税金より持ち出しのほうが大きくなります。節税は、収益が確保できる物件を前提に、考えましょう。
土地の借入金の利子にあたる部分は損益通算できない
不動産所得の赤字のうち、土地の取得に充てた借入金の利子にあたる部分は、損益通算の対象外とされ、他の所得と通算できません。区分所有のワンルームでは、敷地の持分に対応する利息が、通算できない部分にあたり、赤字の全額で税金が戻るとは限りません。
通算できない部分の金額は、借入金の利息のうち、土地に対応する割合で計算され、確定申告書の記載にも影響します。土地と建物の按分は、売買契約書の価格の内訳や、固定資産税評価額の比率で決めるのが一般的で、計算の根拠を残しておくと、確定申告の際に説明できます。
青色申告なら通算しきれない赤字を3年間繰り越せる
青色申告をしている場合は、損益通算しても残った赤字を、翌年以降の3年間にわたって繰り越し、将来の所得から差し引けます。純損失の繰越控除という制度です。
白色申告では、原則として繰越控除を使えないため、赤字が出る可能性のある年は、青色申告の承認を受けておくと有利です。承認申請の期限を、事前に確認しておきましょう。
繰越控除を使うには、赤字の年に青色申告で申告し、翌年以降も連続して申告書を提出する必要があります。申告を忘れた年があると、繰越の権利を失う場合があるため、毎年の提出を続けましょう。
不動産投資をする会社員の確定申告と住民税の注意点
会社員が不動産投資を始めると、給与は会社が年末調整で処理しますが、不動産所得の分は、自分で確定申告を行って、所得税と住民税の精算をする必要があります。
申告の要否と必要な書類を理解し、住民税の納付方法を選べば、申告の漏れや、予想外の負担を避けられるため、手続きの流れを購入前に確認しておくことが重要です。
確定申告に必要な書類は、次の表のとおりです。
確定申告の書類は、収入、経費、ローン利息の3つを証明するものがそろえば足ります。
| 書類 | 用途 |
|---|---|
| 給与の源泉徴収票 | 給与所得の金額と、源泉徴収された税額の確認 |
| 賃貸借契約書、管理会社の収支報告書 | 家賃収入の証明 |
| 固定資産税・都市計画税の納税通知書 | 経費の計上 |
| 管理費・修繕積立金・保険料の領収書 | 経費の計上 |
| ローンの返済予定表、年間の利息の証明 | 利息の経費計上(元本は含めない) |
| 売買契約書、重要事項説明書 | 減価償却費の計算(建物価格の確認) |
給与以外の所得が20万円以下なら所得税の申告は不要
会社員で、給与以外の所得の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は、別に必要になる場合があります。20万円の基準は、収入ではなく経費を引いた後の所得の額で、給与以外に複数の所得があれば、合計して判定します。
給与以外の所得が20万円以下でも、不動産所得が赤字で損益通算の還付を受けたいなら、確定申告が必要です。住民税の申告は、自治体ごとに扱いが異なります。
申告が不要な水準でも、住民税の申告が必要になる場合があるため、お住まいの自治体の窓口で、扱いを確認しておくと安心です。
赤字で還付を受けるには自分で確定申告をする
不動産所得が赤字で、給与から引かれた所得税の還付を受けたい場合は、確定申告をしないと還付されず、自分で申告する必要があります。申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日です。
還付の申告は、期限を過ぎても5年間は提出できるため、申告を忘れていた場合も、手続きを進められます。電子申告のe-Taxを使うと、自宅で手続きでき、青色申告の65万円控除の要件も満たせます。
住民税の納付方法は普通徴収を選べる場合がある
給与以外の所得にかかる住民税は、確定申告書の記載で、会社の給与から天引きされる特別徴収か、自分で納付する普通徴収かを、選べる場合があります。扱いは自治体によって異なります。
賃貸経営を始めた翌年は、住民税の納付書が自宅に届く場合があり、納付の資金を確保しておく必要があります。副業の禁止を定める会社の場合は、就業規則も、事前に確認しておきましょう。
普通徴収を希望しても、自治体の判断で特別徴収になる場合があるため、事前に市区町村の住民税の担当窓口へ確認すると確実です。
確定申告の手順と必要書類を整理しておく
確定申告は、収入と経費の集計、青色申告決算書の作成、確定申告書の作成の順に進め、会計ソフトを使うと、入力から書類の作成まで効率化できます。書類の提出は、e-Taxで行えます。
初年度は、減価償却費の計算や、土地と建物の按分に時間がかかるため、税理士に相談すると、誤りを避けられます。領収書や契約書は、年間を通して整理し、申告期間に慌てないようにしましょう。
申告書の提出前に、収入と経費の合計を、通帳の入出金と照らし合わせて確認すると、入力の誤りを減らせます。控えと帳簿は、法定の期間にわたって保存しましょう。
不動産投資の事業的規模・個人事業税・法人化の検討
不動産投資の規模が大きくなると、事業的規模に当たって、青色申告特別控除が増える一方で、個人事業税の課税対象になり、さらに所得が大きくなれば、法人化の検討も必要になります。
ワンルームを1戸から数戸持つ段階では、事業的規模に満たない場合が多いですが、増やしていく計画があるなら、規模ごとの税制の違いを、あらかじめ知っておくことが重要です。
規模ごとの違いは、次の表のとおりです。
事業的規模の目安は、貸室10室以上、または独立した家屋5棟以上とされています。
| 項目 | 事業的規模に満たない場合 | 事業的規模の場合 |
|---|---|---|
| 目安 | 貸室10室未満、独立家屋5棟未満 | 貸室10室以上、独立家屋5棟以上 |
| 青色申告特別控除 | 10万円 | 最大65万円 |
| 個人事業税 | 課税されない | 税率5%(事業主控除あり) |
| その他 | 経費の扱いに制限がある | 家族への給与を経費にできる場合がある |
事業的規模の目安は貸室10室または独立家屋5棟
不動産貸付が事業的規模に当たるかの目安は、貸家なら5棟以上、貸室なら10室以上とされ、ワンルーム投資の多くは、5棟10室の規模に届きません。目安は、5棟10室基準とも呼ばれます。
目安に満たなくても、賃貸の管理の実態から、事業的規模と判断される場合があります。所得税の取り扱いは、税務署や税理士に、個別に確認しましょう。
事業的規模に当たると、青色申告特別控除が増え、家族への給与を経費にできる場合があるなど、税制上の扱いが変わります。購入する戸数の計画があるなら、将来の規模も見据えて、帳簿のつけ方を決めましょう。
個人事業税は事業的規模で税率5%が課される
不動産貸付が事業的規模に当たる場合は、所得税と住民税に加えて、個人事業税が課税され、税率は5%です。事業主控除として年290万円が差し引かれるため、所得が小さい間は、課税されません。
ワンルームを数戸持つ程度では、個人事業税の課税はありませんが、戸数が増えて所得が大きくなると、負担が加わります。購入を増やす前に、課税の条件を確認しましょう。
個人事業税の納付は、年2回に分けて行い、所得税の確定申告の内容を基に、都道府県から納税通知書が届きます。経費として計上できるため、納付した年の経費に入れましょう。
所得が大きくなったら法人化を検討する
不動産所得が増えて、課税所得が高い区分に入ってくると、法人化によって税負担を抑えられる場合があるため、法人化を検討する時期になります。法人税は、個人の累進課税とは異なる仕組みです。
法人化には、設立の費用、法人住民税の均等割、決算の手間などが伴うため、一定以上の所得がないと、かえって負担が増えます。税理士に、自分の状況での損益の分岐点を試算してもらいましょう。
まとめ|不動産投資の総合課税は税率と損益通算の理解が欠かせない
不動産投資の家賃収入は、不動産所得として総合課税になり、給与などと合算して税率が決まり、売却益は譲渡所得として分離課税で、別に計算されます。
所得税は5〜45%の7段階に、復興特別所得税2.1%と住民税10%が加わり、課税所得が330万円超〜695万円以下の人なら、合計の税率は約30.4%です。
損益通算で赤字を給与と合算できても、減る税金は赤字額の3割程度で、土地の借入金の利子は通算できないため、節税を目的に赤字の物件を選ぶのは避けます。
確認のポイントは、次の3つです。
- 自分の課税所得の区分を確認し、不動産所得が増えた場合の税負担を試算する
- 青色申告の承認を受け、経費と減価償却費を正しく計算して、帳簿を整える
- 赤字の損益通算に頼らず、収益が確保できる物件を選ぶ
確定申告の準備は、購入の前から始め、必要に応じて税理士に相談しましょう。











