サラリーマンでも不動産投資はできる?メリット・デメリットを解説

監修者

出口慎一

出口慎一

1級建築士、宅地建物取引士、2級福祉住環境コーディネーター、2級建築施工管理技士、2級管工事施工管理技士

不動産投資は、サラリーマンの資産形成方法の1つです。しかし、不動産投資を始めるにはある程度まとまった資金が必要な上、失敗するリスクもあるため、不動産投資を始めるべきか迷う人もいるでしょう。

今回は、サラリーマンが不動産投資を行うメリットやデメリットについて紹介した上で、サラリーマンでも不動産投資ができるのかお伝えします。

不動産投資に興味があるサラリーマンの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

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サラリーマンが不動産投資を行うメリット

不動産投資と聞くと、「リスクが高そう」「お金持ちでなければ始められないのではないか」といったイメージを抱く人が多いです。このようなイメージを抱いていると、「サラリーマンである自分は到底始めることができない」と考える人もいるでしょう。

しかし、サラリーマンでも不動産投資を始めることは可能であり、不動産投資を行っているサラリーマンはたくさんいます。不動産投資を始める際には、まずは不動産投資のメリットを理解することが大切です。

メリット1:銀行から融資を受けやすい

不動産投資を始める際には、物件取得を目的として、金融機関から融資を受ける人が多いです。融資を受けるには、金融機関が実施する審査に通過する必要がありますが、サラリーマンは収入が比較的安定していることから金融機関の信用を得やすく、融資が受けやすいというメリットがあります。

勤務先の企業の規模が、審査で有利に働くこともあるでしょう。

メリット2:節税効果がある

節税効果が期待できる点も、サラリーマンが不動産投資を行うメリットの1つです。サラリーマンの場合、給与所得をもとに所得税額住民税額が決定されます。不動産投資を始めた場合は、給与所得と不動産所得を損益通算した金額を基準として、所得税額や住民税額が算出されます。

損益通算をすることで所得を圧縮し、さらに確定申告をすることで給与所得から引かれ過ぎた税金が還付されるため、一定の節税効果が期待できるでしょう。なお、不動産投資における損益通算を利用した節税は、給与所得の水準が高い人のほうが効果が大きいです。

損益通算とは?(不動産投資の場合)

  • 赤字になった不動産所得を、他の黒字所得から差し引いて計算することを損益通算といいます。

メリット3:本業に影響がない

株式投資やFXといった投資方法は、自分でレートをチェックしたり、売買手続きをする必要があり、煩雑だと感じることがあるかもしれません。また、これらの投資方法は、たくさんの時間と手間がかかるため、本業に影響が出ることも想定されます。

しかし、不動産投資なら、不動産の管理業務を管理会社に任せられるため投資を行う上での負担は小さいです。また、確定申告など税金に関する事柄は税理士に一任することで、不動産投資に関わる手間や負担を最小限にできます。

メリット4:給与以外の収入源を見込める

サラリーマンにとっては給与収入が家計の柱となりますが、不動産投資で収益が上がれば、給与以外の収入源として見込む事が出来ます。不動産投資は毎月の家賃収入が見込めるので、本業の収入が減ったとしても投資で得る収入で減少分を補填できる可能性があります。

また、安定的に増やすことが出来れば老後の蓄えとすることもでき、サラリーマンにとって不動産投資は資産運用として適性の高いものとなります。

サラリーマンが不動産投資を行うデメリット

いくつかのメリットがあるサラリーマンの不動産投資ですが、もちろんデメリットもあります。失敗しないためにも、どんなデメリットがあるのか確認しておきましょう。

デメリット1:時間や手間がかかる

いざ不動産投資を始めると、物件の管理を管理会社に任せることができるため、不動産の管理に関わる負担はほとんどありません。しかし、不動産投資は投資を始める際の準備に時間や手間がかかり、特に物件選びの負担が大きいです。

不動産投資における成功の秘訣は、良い物件を選ぶことといっても過言ではなく、良い物件を選ぶためには不動産に関する知識が必要です。物件を選ぶ際は、物件情報を調べたり、実際に物件を見に行く必要があります。普段はサラリーマンとして働きながら、不動産投資の勉強や物件選びの時間を確保することは、簡単ではないでしょう。

物件探しを不動産会社に任せる方法も一案ですが、良い物件ではなく不動産会社が売りたい物件を勧められる恐れもあります。不動産投資を始める際には、ある程度の知識を身に付けておくと良いでしょう。

また、確定申告が不要というサラリーマンも多いです。しかし、不動産投資を始めると、これまで必要がなかった人も確定申告をせねばならず、確定申告の際に必要な書類の準備に時間がかかるかもしれません。

不動産投資を始める際の準備や、確定申告などの負担を考慮した上で、投資を始めるかどうか判断しましょう。

デメリット2:ある程度の資金が必要

不動産投資を始めるためには、ある程度の自己資金が必要です。先述の通り、サラリーマンは融資を受けやすいものの、不動産の取得にかかる費用の全額を融資でカバーできるとは限りません。

融資が物件の取得費用に満たない場合は、自分で資金を用意する必要があり、時には頭金の支払いを求められることもあるでしょう。また、管理会社に管理を委託した場合は管理費が発生するほか、設備のメンテナンス修繕にも費用がかかります。

融資の返済に困らないように、予めある程度の資金を確保しておくこと、そして返済額と収益のバランスを確認することが大切です。

サラリーマンが融資を受ける際のポイント

不動産投資を始めるサラリーマンの中には、融資の利用を検討している人も多いのではないでしょうか。融資の利用には審査があるため、時には審査に落ちたり、希望額を借りられないケースもあります。

融資の可否融資額を左右するポイントはいくつかあり、それぞれの詳細を理解しておくことは非常に大切です。サラリーマンが融資を受ける際のポイントを解説しますので、スムーズな借入れのためにも必ず確認してください。

融資のポイント1:物件の収益性

不動産投資における融資では、購入する物件を担保とすることが多いです。そのため、銀行側の審査では物件の担保価値を確認します。具体的には、物件の立地周辺環境を加味し、条件が良い場合は融資が受けられる可能性が高くなります。

さらに、物件の収益性も確認されることを覚えておきましょう。不動産投資の場合、月々の収益を融資の返済の原資に充てることが多く、より収益性の高い物件のほうが審査において有利です。

融資のポイント2:個人の与信力

サラリーマンが融資を受ける際には、与信力についても知っておく必要があります。融資の際は、「後で必ず返済してくれるだろう」という相手への信用を前提に契約が締結されます。不動産投資における融資では、金融機関が融資利用者の収入負債資産の状況を調べ、融資額を決定します。

与信力は、いわば信用の度合いを表すものであり、どのような場合に与信の毀損が生じるかは金融機関ごとに異なる点には注意が必要です。

融資のポイント3:属性

融資の利用時は、勤務先の詳細勤続年数も審査の対象です。これらの項目は、収入の安定性を考慮する上で重要な項目であり、転職回数が多い場合や極端に勤続年数が短い場合は、審査において不利になる可能性がありますので注意しましょう。

不動産投資で成功するサラリーマンの特徴

不動産投資のメリット・デメリットを確認した上で、「すぐに不動産投資を始めよう」と考えるサラリーマンもいるでしょう。しかし、不動産投資は誰でも成功するわけではなく、成功する人には共通した特徴があります。

不動産投資で成功するサラリーマンの特徴は以下の通りです。

      • 不動産投資に関する勉強が苦にならない
      • コミュニケーション能力が高い
      • 計画性がある
      • 決断力がある

不動産投資の主な利益は、家賃収入不動産の売却益です。安定した収益を上げるには、入居者が途絶えない物件や売却可能な物件を見つける必要があり、不動産に関する知識の有無が投資の結果を大きく左右するといっても過言ではありません。

また、不動産投資を始めると、不動産会社や管理会社、入居者などさまざまな人と関わるため、高いコミュニケーション能力を持つ人のほうが有利です。さらに、計画性や、売り時・買い時を逃さない決断力を持ち合わせたサラリーマンは、不動産投資で成功する確率が高いでしょう。

サラリーマンが不動産投資で失敗しないためにはどうすればいい?

不動産投資は初期費用がかかり、失敗したときの損失が大きくなることが予想されます。サラリーマンが不動産投資で失敗しないためには、以下の3つのポイントを理解し、リスク軽減に努めましょう。

キャッシュフローがマイナスの物件を購入しない

不動産投資では、キャッシュフローがマイナスの物件を避けることが重要です。入ってくるお金が出ていくお金より多ければキャッシュフローはプラス、入ってくるお金よりも出ていくお金が多ければキャッシュフローはマイナスです。

不動産投資で得る利益よりも経費などの支出が多いと、徐々に返済が苦しくなっていくでしょう。購入後に、大きな値上がりが見込める物件であれば、多少マイナスが出ても、物件を売却することでキャッシュフローがプラスに転じるかもしれません。

ただし、物件の価値が上がるかどうかは誰にもわからないため、キャッシュフローがマイナスの物件を避けるのが賢明といえます。

相場より高い物件に手を出さない

不動産投資は大きなお金が必要になり、日常の買い物とは金額が全く異なります。不動産投資を始めるサラリーマンの中には、相場が分からず割高な物件を購入してしまう人がいます。

しかし、購入額が高かったからといってむやみに家賃を上げると、退去者が出たり入居希望者が減少する恐れがあります。そのため、家賃を周辺の物件と同水準にすることが良いと言われているものの、あまりに購入金額が高すぎるとキャッシュフローに悪影響を及ぼします。

利益がなかなか出なければ不動産投資が失敗に終わる可能性が高まるため、物件購入時は相場を必ずチェックしましょう

将来性やリスクを知る

不動産投資で注意すべき大きなリスクが、空室リスクです。所有している物件で空室が増えると、家賃収入が得られないため利益が減少します。例えば、大学付近の物件は学生の需要が見込めます。しかし、大学の移転が決まると数年後には一気に空室が増えるでしょう。

不動産投資で失敗しないためには、物件や周辺エリアにおいて考えられる将来性やリスクを見極めることが重要です。

また、不動産を所有していると、自然災害経年劣化で大規模な修繕が必要になることがあります。修繕に必要な資金が用意できないと、不動産を売却したり取り壊すことになるため、「災害の被害を受けやすい立地ではないか」「修繕費がいくらかかるか」といった点についても予め考慮しておきましょう。

まとめ:サラリーマンが不動産投資を始める際はメリット・デメリットを要チェック

収入が安定していることが多いサラリーマンは、融資の審査に通過しやすく、不動産投資を始めやすい傾向にあります。資産形成の方法の1つであることはもちろん、節税メリットもあるので、興味がある人はこの機会にチャレンジしてみましょう。

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