ワンルームマンションを1戸買うと建物の部屋と一緒に土地の権利も手に入りますが、権利の大きさは敷地全体を区分所有者全員で分け合った数平方メートルにすぎません。土地は建物と違って年数が経っても価値が目減りしにくい一方、ワンルームの土地は建物から切り離して売ることができないため、一棟物件の土地と同じ感覚で資産価値を見積もると判断を誤ります。
ワンルーム投資の土地について押さえておくべき点は、次の4つに整理できます。
- 自分の持分がどれだけあり、どの書類で確認できるか
- 購入価格のうち土地と建物がどんな割合になっているか
- 土地の価値がいくらあり、どうすれば現金に変えられるか
- 土地にかかる税金と、税務上の扱いで注意する点
記事では敷地600平方メートル、全80戸の物件で25平方メートルの部屋を買った場合を例に、土地持分の大きさと価値を具体的に計算します。土地と建物の割合が減価償却や売却時の税金にどう効いてくるかや、一棟投資と比べた土地の違いまで数字で解説します。


ワンルーム投資で手に入る土地は敷地権という持分
分譲マンションの土地は区分所有者全員の共有となっており、各部屋の所有者は敷地全体に対する持分を敷地権として持つ形になっています。ワンルームを1戸買った場合に手に入るのは土地の一部分ではなく、敷地全体に対する数百分の1から数千分の1という割合の権利であり、特定の場所を自分の土地として使えるわけではありません。
土地持分の特徴を、一戸建てや一棟物件の土地と比べて整理すると次のとおりです。
| 項目 | ワンルーム(区分所有) | 一戸建て・一棟物件 |
|---|---|---|
| 土地の持ち方 | 敷地全体の共有持分 | 土地を単独で所有 |
| 土地の広さ | 1戸あたり数平方メートル | 数十から数百平方メートル |
| 土地だけの売却 | できない(建物と一体) | できる |
| 建て替えの判断 | 区分所有者の5分の4以上の決議 | 所有者の判断だけで可能 |
土地は区分所有者全員の共有で持分は数平方メートル
ワンルームマンションは限られた敷地に多くの住戸を積み上げて建てられているため、1戸あたりに割り当てられる土地は非常に小さくなります。敷地600平方メートルに25平方メートルの部屋が80戸ある物件であれば、1戸あたりの土地持分は7.5平方メートル、坪に直すと約2.3坪にとどまります。
同じ敷地に建っていても、ファミリー向けのマンションは1戸の専有面積が広いぶん、1戸あたりの土地持分も大きくなります。70平方メートルの部屋であれば同じ条件で21平方メートルの持分となり、ワンルームの約2.8倍の土地を持つ計算です。
階数が多く戸数の多い大規模なマンションほど1戸あたりの持分は小さくなり、タワーマンションでは1戸の持分が数平方メートルを下回ることもあります。駅前の商業地に建つ高層のワンルームは容積率が高いぶん敷地を効率よく使っており、1戸あたりの土地はさらに小さくなる傾向があります。
持分が小さいこと自体は悪いことではなく、購入価格を抑えて都心の好立地に投資できるという利点の裏返しでもあります。ただし土地の価値で資産を守るという考え方は、持分が小さいワンルームでは効果が限られると理解しておく必要があります。
土地持分の計算方法と確認する書類
土地持分は、敷地全体の面積に自分の専有面積を掛け、全住戸の専有面積の合計で割って求めるのが一般的な計算方法です。先ほどの例であれば600平方メートルに25平方メートルを掛け、専有面積の合計2,000平方メートルで割ると、持分は7.5平方メートルになります。
実際の持分は、法務局で取得できる登記事項証明書の「敷地権の表示」に「200000分の2500」のような割合で記載されています。敷地全体の面積に記載された割合を掛ければ、自分の土地持分が何平方メートルかを正確に求められます。
敷地権の割合は専有面積の比率で決められることが多いものの、分譲時の規約で別の割合を定めている物件もあるため、計算式だけに頼らず登記を確認することが大切です。登記事項証明書は1通480円から600円で取得でき、オンラインで請求すれば郵送で受け取れます。
購入前であれば、重要事項説明書にも敷地の面積と敷地権の割合が記載されているため、契約前の段階で確認できます。販売会社の資料に土地持分の記載がない場合は、重要事項説明を受ける前に敷地権の割合を問い合わせておくと、購入価格の妥当性を判断する材料になります。
土地だけを切り離して売ることはできない
区分所有法では、専有部分の建物と敷地の持分を切り離して処分することが原則として禁じられています。ワンルームの土地持分は部屋と一体でしか売れないため、建物が古くなっても土地の価値だけを取り出して現金に変えることはできません。
一戸建てであれば建物を取り壊して土地だけを売る選択肢がありますが、ワンルームでは建物の状態が売却価格に直接反映されます。建物の管理が行き届かずに評価が下がれば、土地持分の価値が残っていても部屋としての買い手が付かず、価格は大きく下がります。
土地の価値を現金として受け取れるのは、区分所有者の決議で建物と敷地をまとめて売却する場合か、建て替えをする場合に限られます。どちらも多数の所有者の合意が必要であり、個々の所有者が自分の判断だけで選べる出口ではない点を押さえておく必要があります。
土地を自由に扱えないという制約は、管理組合の運営が物件の価値を左右するという区分所有の特徴にもつながっています。購入前には土地持分の大きさだけでなく、管理組合が修繕を計画どおりに進められているかも合わせて確認します。
25平方メートルのワンルームの土地持分は、例の条件で7.5平方メートルです。実際の割合は登記事項証明書の敷地権の表示で確認できます。
ワンルームマンションの土地と建物の割合
ワンルームの購入価格は土地と建物の合計額ですが、売買契約書には総額しか記載されていないことが多く、内訳を自分で把握していない所有者も少なくありません。土地と建物の割合は減価償却費や売却時の税金、消費税の計算に直接かかわるため、購入した時点で根拠のある数字を確かめておく必要があります。
割合を決める方法は1つではなく、使える資料によって確実さが変わるため、手元の書類で最も根拠のある方法を選ぶことが大切です。
土地と建物の割合が影響する主な場面は、次のとおりです。
- 毎年の確定申告で計上する減価償却費の金額
- 売却するときに譲渡所得を計算する取得費
- 新築を業者から買ったときの消費税の範囲
一般的な割合と立地による違い
マンションの土地と建物の割合は、一般的に土地が3割、建物が7割程度になるケースが多いとされています。ただし地価の高い都心の駅前では土地の割合が4割を超える一方、戸数の多いタワーマンションでは土地が1割を下回ることもあり、立地と建物の規模によって大きく変わります。
築年数によっても割合は変わり、新築のときは建物の割合が高く、年数が経つにつれて建物の価値が下がるぶん土地の割合が上がっていきます。中古で購入する場合は、同じ価格でも新築より土地の割合が高くなるのが通常であり、建物の割合を新築と同じ水準で計算すると実態から外れます。
郊外の物件は地価が低いため土地の割合が小さく、購入価格の大半を建物が占める構成になります。建物は年数とともに価値が下がるため、土地の割合が小さい物件ほど築年数が進んだときの価格の下落が大きくなる傾向があります。
割合の目安は判断の参考にとどめ、実際の数字は個別の物件ごとに根拠のある方法で確かめることが大切です。目安の数字を根拠なく使って確定申告をすると、税務調査で根拠を示せずに修正を求められる可能性があります。
土地と建物の割合を確認する4つの方法
最も確実なのは、売買契約書に土地と建物の価格が分けて記載されているかを確認することで、記載があれば契約書の金額を按分の根拠として使えます。記載がない場合は、契約書に書かれた消費税から建物の価格を逆算する方法が次に確実で、土地には消費税がかからないため建物の価格だけを正確に割り出せます。
税込2,000万円の新築で消費税が120万円と記載されていれば、税率10%で割り戻した1,200万円が建物の税抜価格です。建物の税込価格は1,320万円となり、残りの680万円が土地の価格で、割合は土地34%、建物66%になります。
個人が売主の中古物件では消費税がかからないため、購入した年の固定資産税評価額の土地と建物の比率を購入価格に当てはめる方法を使います。固定資産税評価額は毎年届く課税明細書に土地と家屋に分けて記載されており、比率を計算すれば合理的な按分として税務上も認められやすくなります。
固定資産税評価額も手元にない場合は、国税庁が公表している建物の標準的な建築価額表を使って建物の価格を求める方法もあります。構造と建築年から1平方メートルあたりの単価を調べ、延床面積を掛けて建物の価格を出し、購入価格から差し引いた残りを土地の価格とします。
割合が税金に与える影響
減価償却できるのは建物の部分だけであり、土地は年数が経っても価値が減らないとみなされるため経費に計上できません。2,000万円の物件で建物の割合が60%なら年間の減価償却費は約26万4,000円、70%なら約30万8,000円となり、割合の違いだけで毎年4万4,000円の差が生まれます。
建物の割合を高くすれば毎年の経費が増えて税金は減りますが、売却するときには減価償却した分だけ取得費が小さくなり、譲渡所得が増えます。減価償却による節税は税金を消すのではなく売却の時点まで先送りする効果にとどまるため、割合を操作しても長い目で見た税負担は大きく変わりません。
販売会社のシミュレーションで建物の割合が不自然に高く設定されている場合は、節税効果を大きく見せるためである可能性があります。根拠のない割合で申告すると税務署から否認されて追加の税金を求められる可能性があるため、先に挙げた根拠のある方法で割合を決めます。
土地の部分には消費税がかからないため、業者から新築を買った場合でも消費税の負担は建物の部分にだけ生じます。売却する際に個人が売主であれば消費税はかからず、土地と建物の割合は譲渡所得の計算に使う取得費を求めるためにだけ用いられます。
建物の割合を高くすると毎年の税金は減りますが、売却時の譲渡所得が増えます。割合は根拠のある方法で決めることが前提です。
ワンルーム投資の土地の価値と評価額
ワンルームの土地持分は数平方メートルと小さいものの、都心の地価の高い場所では持分の価値が数百万円に達することもあります。建物が年数とともに価値を失っていくなかで土地の価値は残りやすいため、築年数が進むほど購入価格に占める土地の比重は大きくなっていきます。
土地の価値を測る指標は目的によって複数あり、どの指標を使うかで同じ土地でも金額が2割から3割変わるため、使い分けを知っておく必要があります。
土地持分の価値を測る主な指標は、次のとおりです。
| 指標 | 内容 | 時価に対する水準 |
|---|---|---|
| 公示地価 | 国が毎年公表する標準的な地価 | 時価の目安 |
| 路線価 | 相続税や贈与税の計算に使う地価 | 公示地価の約8割 |
| 固定資産税評価額 | 固定資産税の計算に使う評価額 | 公示地価の約7割 |
路線価で見る土地持分の価値
土地持分の価値は、物件の前面道路に付けられた路線価に持分の面積を掛けると概算でき、国税庁のウェブサイトで住所から路線価を調べられます。路線価が1平方メートルあたり80万円の場所で持分が7.5平方メートルなら路線価ベースで600万円、時価に直すと約750万円の土地を持っている計算になります。
購入価格が2,000万円であれば、価格の約4割が土地の価値にあたることになり、残りの約6割が建物と分譲時の上乗せ分です。同じ2,000万円でも、路線価が30万円の郊外の物件なら土地の価値は約280万円にとどまり、購入価格の大半は年数とともに目減りする建物の価値になります。
路線価は毎年7月に公表され、地価の動きを反映して見直されるため、保有している間も定期的に確認しておくと資産の推移を把握できます。地価が上がっている地域では土地持分の価値も上がり、建物の価値の目減りを一部打ち消す働きをします。
購入を検討する際は、提示された価格に対して土地持分の価値がどれだけの割合を占めるかを計算しておくと、割高かどうかを判断する材料になります。土地の割合が極端に低い物件は、将来の価格が建物の状態に大きく左右されるため、慎重に検討する必要があります。
築年数が進むほど価格に占める土地の割合が上がる
建物は築年数とともに価値が下がり続けますが、土地は地価が大きく動かない限り価値を保つため、時間が経つほど物件価格に占める土地の割合は上がっていきます。新築時に2,000万円のうち750万円が土地だった物件が築30年で1,200万円になった場合、地価が変わらなければ土地の割合は約6割まで高まります。
築年数が進んだ物件ほど、価格の下支えになるのは建物ではなく土地持分の価値です。中古を選ぶ場合は、購入価格と土地持分の時価の差がどれだけあるかを計算し、差が小さい物件ほど将来の値下がりの余地が小さいと判断できます。
ただし先に触れたとおり、ワンルームの土地持分は建物と切り離して売れないため、土地の価値が売却価格の下限として保証されるわけではありません。建物の管理状態が悪化して部屋としての需要がなくなれば、土地持分の価値を下回る価格でしか売れないこともあります。
土地持分の価値は相続税の評価にも使われ、賃貸中の物件であれば貸家建付地として評価をさらに下げられます。2024年1月以降の相続では、マンションの評価額が市場価格とかけ離れないように補正する新しいルールが適用されており、以前より評価額が高くなる場合がある点に注意します。
土地の価値を現金化できるのは一括売却か建て替えのとき
ワンルームの土地の価値を現金として受け取れるのは、区分所有者の決議で建物と敷地をまとめて売却するか、建て替えを行う場合に限られます。2026年4月に施行された改正区分所有法では、建物と敷地の一括売却が5分の4以上の賛成で決議できるようになり、全員の合意が必要だった以前より実現しやすくなりました。
一括売却では買い手が支払った代金が各所有者の持分に応じて配分されるため、土地持分の大きさが受け取れる金額を直接左右します。立地が良く容積率に余裕のある敷地ほど開発用地として高く評価されるため、土地持分の価値が大きく残っている物件ほど一括売却の恩恵を受けやすくなります。
建て替えは1戸あたり平均で約2,000万円の自己負担が必要とされ、投資用ワンルームで実現した例はほとんどありません。土地の価値を回収する出口として現実的なのは、建て替えではなく一括売却のほうだと考えておく必要があります。
いずれの出口も多数の所有者の合意が前提となるため、個々の所有者が自分の判断だけで選べるわけではありません。保有している物件の管理組合でどのような議論がされているかを総会の議事録で確認し、将来の出口の可能性を把握しておきます。
土地持分の価値は、国税庁の路線価に持分の面積を掛ければ概算できます。購入価格のうち何割が土地かを確かめておきます。
ワンルームの土地にかかる税金
ワンルームの土地持分にも固定資産税と都市計画税がかかりますが、住宅用地の特例によって税額は大きく軽減されています。土地に関する税金は金額が小さい一方で、ローンの利子のうち土地に対応する部分の扱いなど、確定申告で見落としやすい点があります。
土地部分の税額は小さくても、確定申告での扱いを誤ると還付額や納税額に影響が出るため、仕組みを理解しておく必要があります。
土地にかかる主な税金と注意点は、次のとおりです。
- 固定資産税と都市計画税は住宅用地の特例で軽減される
- 土地は減価償却できないため経費になるのは税金と利子だけ
- 土地の取得に使った借入の利子は損益通算の対象外になる
固定資産税は住宅用地の特例で6分の1
住宅が建っている土地のうち1戸あたり200平方メートル以下の部分は小規模住宅用地として、固定資産税の課税標準が6分の1、都市計画税が3分の1に軽減されます。ワンルームの土地持分は数平方メートルしかないため全体が小規模住宅用地に該当し、土地部分の税額は建物部分に比べてかなり小さくなります。
土地持分7.5平方メートルで固定資産税評価額が1平方メートルあたり70万円なら評価額は525万円となり、特例を適用した固定資産税は年間1万2,250円です。都市計画税を合わせても土地部分の税額は年間2万円に届かず、ワンルームの固定資産税の大半は建物部分が占める構成になります。
固定資産税の課税明細書には土地と家屋の評価額と税額が分けて記載されているため、毎年届く明細で土地部分の金額を確認できます。土地部分の評価額は地価の動きに合わせて3年ごとに見直されるため、地価が上がっている地域では少しずつ税額が上がっていきます。
固定資産税と都市計画税は土地部分も含めて全額が不動産所得の必要経費になるため、課税明細書の金額を確定申告で漏れなく計上します。
土地の借入利子は損益通算できない
不動産所得が赤字になった場合は給与所得と損益通算して税金を減らせますが、赤字のうち土地を取得するための借入の利子に相当する部分は損益通算の対象から外れます。ワンルームの借入は土地と建物の両方の購入に使われているため、借入の利子を土地と建物の割合で按分し、土地に対応する部分を赤字から除いて計算する必要があります。
土地の割合が高い物件ほど損益通算できない利子の金額が大きくなるため、都心の物件で赤字による節税を見込んでいる場合は特に注意が必要です。先に確認した土地と建物の割合が利子の按分にも使われるため、購入時に根拠のある割合を決めておくことが確定申告の正確さにつながります。
損益通算の制限は赤字の年にだけ関係し、不動産所得が黒字であれば土地の借入利子も経費として差し引けます。赤字の年の計算方法は国税庁のウェブサイトに計算例が掲載されているため、初めての年は計算例に沿って確かめると誤りを防げます。
損益通算による還付を前提に購入を決めていると、制限によって想定より還付額が小さくなることがあるため、還付を当てにしない収支で判断します。
赤字の年は、借入の利子のうち土地に対応する部分を損益通算から外します。土地と建物の割合が利子の按分にも使われます。
一棟投資・戸建て投資と比べたワンルームの土地の違い
不動産投資で土地の価値を重視するなら、ワンルームと一棟物件や戸建てでは土地の持ち方がまったく異なる点を理解しておく必要があります。一棟物件や戸建ては土地を単独で所有するため自由に活用できる一方、ワンルームは土地の比重が小さいぶん少ない資金で都心の立地に投資できるという違いがあります。
どちらを選ぶかは、土地の価値を資産として残したいのか、少ない資金で好立地の賃貸需要を取り込みたいのかによって変わります。
| 項目 | ワンルーム | 一棟・戸建て |
|---|---|---|
| 必要な資金 | 数百万円から2,000万円台 | 数千万円から億単位 |
| 土地の比重 | 小さい | 大きい |
| 土地の活用 | 区分所有者の合意が必要 | 所有者の判断で自由 |
| 売却のしやすさ | 買い手が多く売りやすい | 金額が大きく買い手が限られる |
一棟・戸建ては土地をまるごと持てる
一棟アパートや戸建ては土地を単独で所有するため、建物が古くなっても取り壊して更地として売ったり、新しい建物に建て替えたりする判断を所有者だけで下せます。土地の価値が売却価格の下限として働くため、建物の価値がなくなったあとでも土地の時価に近い価格で売れる可能性が高くなります。
地方や郊外の一棟物件では購入価格の半分以上を土地が占めることもあり、建物の減価償却が終わったあとも資産としての価値が残りやすい構造です。ただし土地の割合が高いと減価償却できる建物の部分が小さくなり、毎年の経費として計上できる金額は限られます。
一棟物件は必要な資金が数千万円から億単位となり、融資の審査も物件の収益性と本人の資産の両方が厳しく見られます。空室が複数出たときの損失も大きくなるため、土地を持てるという利点の裏側で、ワンルームより大きなリスクを抱えることになります。
土地を自由に使えることは、将来の建て替えや用途の変更で価値を高める余地があるという点で、ワンルームにはない選択肢になります。
ワンルームは土地の比重が小さいぶん流動性が高い
ワンルームは1戸の価格が数百万円から2,000万円台に収まるため、買い手となる個人投資家の数が多く、売りたいときに売りやすいという利点があります。土地の比重が小さい代わりに、都心の駅前といった一棟では手の届かない立地に少ない資金で投資でき、賃貸需要の強さで収益を確保する考え方になります。
土地の価値で資産を守ることよりも、家賃収入と売却のしやすさで投資を回すのがワンルームの基本的な性格です。土地持分の大きさだけで物件を比べるのではなく、駅からの距離や入居者の需要、管理組合の状態といった賃貸経営の条件を優先して選びます。
同じワンルームでも、土地持分が大きく地価の高い場所にある物件は、築年数が進んだときの価格の下支えが強くなります。複数の候補で迷ったときは、登記事項証明書で敷地権の割合を確認し、路線価から土地持分の価値を計算して比べると判断材料が1つ増えます。
土地の比重が小さいワンルームで資産を守るには、立地と管理組合の状態で建物の需要を保ち続けることが欠かせません。
ワンルームは土地の比重が小さい代わりに、少ない資金で都心の好立地に投資できます。土地で守るか立地で稼ぐかの違いです。
まとめ|ワンルーム投資の土地は持分の大きさと価値を数字で確かめる
ワンルームを買って手に入る土地は敷地全体に対する共有持分であり、25平方メートルの部屋なら例の条件で7.5平方メートル程度にとどまります。土地持分は建物と切り離して売れないため、土地の価値を現金として受け取れるのは一括売却か建て替えのときに限られます。
自分の物件や購入を検討している物件について、確認しておく項目は次のとおりです。
- 登記事項証明書の敷地権の表示に記載された持分の割合
- 売買契約書の消費税や課税明細書から求めた土地と建物の割合
- 路線価に持分の面積を掛けて求めた土地持分の価値
- 赤字の年に損益通算から外す土地の借入利子の金額
土地と建物の割合は減価償却費と売却時の税金の両方に影響するため、根拠のある方法で決めておくことが欠かせません。手元にある登記事項証明書と課税明細書を並べて、土地持分の大きさと価値を計算するところから始めてみましょう。












