不動産投資をはじめるにあたっては、物件の選び方から学ぶことをおすすめします。失敗を回避するために、自分の目で見て判断し、良い物件を賢く選びましょう。
本記事では不動産投資物件の選び方を詳しく紹介していきます。物件選びに欠かせない3つのポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産投資で物件選びが大切な理由
不動産投資の対称となる物件にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。そのため、自分の投資目的に合った不動産を知り運用方針を決めて物件を選ぶことが大切です。物件選びが重要な理由は以下の3つです。
- 投資の目的により適した物件が異なる
- 投資金額は投資商品の中で高額である
- 一度保有すると長期間保有することになる
理由①:投資の目的により適した物件が異なる
一般的に価値の変動の大きい物件や金融商品は、大きな収益が得られる可能性がある一方で、損失も多額になる可能性があるため、リスクは高くなります。老後の資産形成のために不動産投資を考えているのであれば、リスクが少ない投資商品を選ぶべきでしょう。
不動産投資は、長期保有を前提とした投資商品であり、老後の資産形成には適した商品です。その中でもリスクの少ない不動産を選ぶのであれば、区分マンションの分散投資やニーズの高いエリアの不動産への投資が考えられるでしょう。
一方、短期間で大きな利益を得ることが目的であれば、ある程度のリスクは許容することができます。一棟アパート投資や戸建て投資は、リスクが相対的に高い不動産投資の方法です。
不動産投資の種類については、こちらの記事もご覧ください。
理由②:投資金額は投資商品の中で高額である
不動産投資信託のように、株式投資と同程度の投資金額の投資商品もありますが、基本的には高額なものが多く、最低でも数百万円以上の資産が必要となります。
銀行融資を利用することで、元手の自己資金を減らせる場合もありますが、投資がうまくいかず、融資されたお金が返済できなくなるリスクを考慮しなければなりません。
不動産投資の出口戦略については、こちらの記事も合わせてご覧ください。
理由③:一度保有すると長期間保有することになる
不動産は一般的に一度保有すると、少なくとも数年単位は同じ物件を保有し続けることになります。そのため、利益計画も数年単位で収益が得られる前提で計画を立てます。もし、数か月~1年と短期間で売却すると、売却先が見つからない、もしくは元本割れとなる可能性が高いです。
立地の選び方のポイント
不動産投資をする場合、まずどの立地の物件にするかを決める必要があります。場所選びのポイントは以下の3つです。
- 入居者ニーズのあるエリアか
- 周辺は生活しやすい住環境か
- 長期的にニーズや住環境が損なわれないか
選び方のポイント①:入居者ニーズのあるエリアか
入居者ニーズがあるエリアの例としては、首都圏や大都市の中心部や主要駅の駅近エリアが相当します。大都市であれば人口減少の影響を受けにくく、不景気でも一定以上の賃貸ニーズが期待できます。
一方で、地方都市や中心部から離れたエリアでも入居者ニーズがある場合があります。商業施設や企業の事業所や工場、大学キャンパスなどが立地しているエリアは、地方都市であっても入居者ニーズの高いエリアです。
入居者ニーズは、住みたい街ランキングや近隣エリアの賃貸相場の比較、人口予測データ、再開発計画などが参考になるでしょう。
地方物件の不動産投資については、こちらの記事も合わせてご覧ください。
選び方のポイント➁:周辺は生活しやすい住環境か
入居者ニーズのあるエリアの中でも、人気のある区画と不人気の区画があります。
人気のある区画の一例は、商業施設の近くの住居専用地域や、コンビニ、公園など周辺施設が充実しているエリアです。
一方で不人気の区画としては、嫌悪施設がある場所です。嫌悪施設の例としては、工場や工業団地の付近、大きな幹線道路の近くなど騒音が発生しやすいエリア、ガソリンスタンドや高圧電線が近くに立地しているために、事故などの危険性のあるエリアが挙げられます。
住環境については地元の不動産業者に確認する方法もありますが、実際に現地に足を運ぶ方法が良いでしょう。
選び方のポイント③:長期的にニーズや住環境が損なわれないか
今、その地域に入居者ニーズがあり、生活環境が良い人気のエリアであっても、将来的に不動産価値の高い状況が続くとは限りません。将来の都市計画なども見据えて物件を選ぶためには、エリアの土地勘や都市計画に対する理解も大切です。
投資物件の選び方のポイント
選び方の主なポイントは以下の3つです。
- 不動産物件の収益性で選ぶ
- 空き室率で選ぶ
- 自分に適した物件を選ぶ
本記事では、実際に自分で物件を運用する場合について投資物件の選び方を解説します。不動産投資信託については、投資信託会社と金融商品を決定すると自分で物件を選ぶ必要はないため本記事からは除いています。
不動産投資信託については、こちらの記事をご覧ください。
選び方のポイント①:不動産物件の収益性で選ぶ
物件選びで最も大事な要素が収益性です。物件の収益性は、物件情報などにパーセント表示で記載されている利回りです。つまり、投資額に対するリターンを表す数値で判断します。
不動産投資で注目すべき利回りには、表面利回りと実質利回りの2種類があります。収益性を考える上では実質利回りが重要ですが、不動産物件の紹介で表示されているのは表面利回りです。
「実質利回り」は、経費を含めて収入予想を立てたときの収益性を示す数値ですが個別に算出しなければいけません。
実質利回り=(年間収入-運営経費)÷(物件価格+購入経費)×100
算出に必要になる諸経費には、不動産売買や運営管理に関わるさまざまな経費が含まれています。物件の種類や立地、間取り、設備、環境、築年数などによって大きな差がでるため、個別の物件について確認する必要があります。
運営経費
- 固定資産税
- 都市計画税
- 空室損失費用
- 管理料
- 修繕費用
- 修繕積立金
- 水道光熱費
- リース料
- 出張費用 など
購入経費
- 不動産
- 仲介手数料
- 司法書士手数料
- 印紙代
- 登記費用 など
不動産投資信託の利回りについては、こちらの記事も合わせてご覧ください。
選び方のポイント②:空室率が低い物件を選ぶ
不動産投資では、安定した家賃収入を得ることが第一の目的です。家賃が得られなければローンの返済や物件の維持費を自己資金で賄わなくてはならないため、空室率が低い物件を選ぶことが重要です。
人口が少ないエリアでは賃貸需要が多くないため、空室率が低い傾向である人口の多い都市部で物件を探す必要があります。
一般的に、駅近くは人気があり、空室率が低い傾向があります。ファミリータイプの物件の場合は近隣に学校や公園がある物件が好まれる傾向のため、周辺環境もチェックしましょう。
選び方のポイント③:管理状態の良い物件を選ぶ
物件の管理状態も重要な要素です。清掃や修繕が行き届いていない物件は資産価値が低く、入居率も低くなります。
仮に修繕やリノベーションを行う場合、多額の資金が必要となります。費用対効果を試算して物件の収支シミュレーションを行って慎重に検討することが大切です。
選び方のポイント④:自分に適した物件を選ぶ
不動産投資で長期にわたって資産形成をするためには、自分の経済力に適した物件を選ぶことが大切です。不動産投資物件にはさまざまな種類があり、それぞれで収益性だけでなく、必要な資金、リスクも異なります。
マンション投資やアパート投資では一棟投資と区分投資のふたつの選択肢があります。
- 一棟投資:投資用アパートや投資用マンションを一棟まるごと投資する手法
- 区分投資:分譲マンションを部屋単位で投資対象とする手法
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを説明します。投資スタイルにあうかチェックしてください。
一棟投資のメリット
一棟投資では複数の利用者と賃貸契約を結ぶことで、毎月高い収入(家賃収入)を得ることができます。また、複数の部屋を所有することで、空き室が発生しても家賃収入がゼロになるリスクはなく、比較的安定した不動産投資ができます。
一棟投資のデメリット
一棟投資は規模が大きいぶん、物件価格が高額です。物件を購入するときに大きな資金が必要です。金融機関からの借り入れ金額も高額化し、投資できる人は限られます。
また複数の部屋を管理、維持するために、ランニングコストがかかることが予想されます。定期的に高い修繕費を支払う必要があるので、堅実な資金計画を立てましょう。
一棟投資は運用スケールが大きいため、潤沢な資金力や経営に関する豊富な知識がある不動産投資家向きです。一般投資家や初心者には向いた投資方法ではありません。
区分投資のメリット
区分投資は規模が小さいため、比較的低額で投資が可能です。自己資金が少ない人でも取り始めやすいため、初心者向けといえるでしょう。
とくに単身用のワンルーム物件は学生、若手のビジネスパーソン、単身赴任者と需要が高いため、立地が良ければ安定した家賃収入が見込めます。維持費も抑えることができ売却がしやすいのも区分投資のメリットです。
区分投資のデメリット
区分投資は一棟投資に比べると、家賃収入が少なくなります。また、所有物件が一室の場合は、空室になると家賃収入がゼロになるリスクもあります。
初めての不動産投資なら、初期費用を抑えられる中古ワンルームマンションという選択肢があります。
まとめ:自分の投資スタイルに合わせて物件を選ぼう
不動産投資は、物件の選び方次第で資産形成の成績に大きな差が出ます。また、投資にはさまざまなリスクが伴うため、収入が大きい物件が良い物件とは単純に判断できません。
不動産投資は長期間にわたるため、総合的に良し悪しを判断する必要があります。収益性や将来性もチェックして、自分の投資スタイルにあう物件を選んでください。