国民共済の6つのデメリットとは?メリットと向いている人・向いていない人を紹介

全労済(以下、こくみん共済)って聞いたことはあるけど、
「具体的にはどんな内容なの?」
「民間保険とは何が違うの?」
「メリットは聞くけど、デメリットは本当にないの?」
こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

今回はこくみん共済のデメリットを中心に、どんな人にこくみん共済がおすすめなのか、またどんな人にはおすすめできないのかを分かりやすく解説していきます。「デメリットを理解した上で、しっかりと加入の際の参考にしたい」と考えている方は、ぜひこの記事を最後まで読んで参考にしてください。

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目次

国民共済とは何?基本情報を確認

そもそもこくみん共済とはどんな制度のことなのでしょうか。運営母体や民間保険との違いなどから、こくみん共済について見ていきましょう。

  • こくみん共済とは全労済が行なう保障事業のこと
  • こくみん共済と民間保険の違い
  • こくみん共済の3つのメリット

こくみん共済とは全労済が行なう保障事業のこと

こくみん共済とは、全国労働者共済生活協同組合連合会(以下、全労済)が行う保障事業のことです。その内容は、「リスクに対する経済的保障(補償)を行うもの」であり、保険と同じ意味を持ちます。

民間企業では一般に「保険」と呼ばれるのに対し、こくみん共済は、全労済の組合員同士が困った時に共に助け合う制度のため、共済と呼ばれます。こくみん共済が取り扱う商品は、「生命共済(こくみん共済・総合医療共済・せいめい共済)」、「火災共済(住まいる共済)」、「自動車共済(マイカー共済・自賠責共済)」の3つに大きく分けられます。

こくみん共済と民間保険の違い

ここまで見ると、民間の保険と全く同じようにも感じますが、大きく違う部分もいくつかあります。それでは、実際にどんな点が違うのかを解説していきます。

こくみん共済 民間保険
監督官庁(法律) 厚生労働省(消費生活協同組合法) 金融庁(保険業法)
運営目的 非営利 営利
保険料 一律 契約者によって異なる

まず、民間の保険を監督しているのが「金融庁」であるのに対し、こくみん共済を監督しているのは「厚生労働省」となっております。そのため、監督に当たって適用される法令も異なっています。

つまり、違うルールの下で運営されるということです。最も大きな違いは、営利目的か非営利目的かという点です。民間の保険会社は営利事業となっています。

一方でこくみん共済は営利を目的としておりません。そもそも共済というのは、組合員同士が相互に助け合う精神を元に運営されているため、利益を求めていないことが違いになっています。

最後に、保険料の違いです。こくみん共済は老若男女問わず、全員一律の保険料で共済に加入することができます。

一方、民間の保険は、年齢や性別、持病の有無など、様々な条件によってそれぞれの保険料が設定されることが一般的です。

こくみん共済の3つのメリット

それでは、ここでこくみん共済のメリットを整理してみましょう。こくみん共済の主なメリットは以下の3つが挙げられます。

こくみん共済の3つのメリット:

  1. 保険料が手頃
  2. 医師の診断書がなくてもOK
  3. 共済金の支払いがスピーディー

1つ1つ詳しく見ていきましょう。

保険料が手頃

「こくみん共済は保険料が安い」というのは、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これは本当にその通りで、営利を目的としていないこくみん共済では、保険料が非常に手頃で加入しやすくなっています

こくみん共済には、「お子さまの備え」「医療費の備え」「幅広い備え」「65歳からの備え」「けがへの備え」など様々なタイプの備えがあります。中でも、入院・通院から死亡・障がいまで幅広く保障される「総合保障タイプ」には、月々900円の掛金から加入することが可能です。

万が一の出来事には備えておきたいけれど、月々の保険料を安く抑えたいという方には非常に魅力的なポイントとなっております。さらに、こくみん共済には割戻金という制度もあります。

これは、全労済の決算時に剰余金が発生すると加入者へ戻されるというものです。毎年必ず受け取れるというものではありませんが、多い時には数千円が戻ってくることもあります。

医師の診断書がなくてもOK

民間の保険では、入りたい保険があっても医師の診断が必要で、加入までに手間や時間がかかったり、診断結果によっては加入できないこともあります。こくみん共済では、加入手続きの際の医師の診断は不要なので、加入手続きがスムーズで簡単です。

さらに、持病の有無も問われず、過去の病歴の大きさにもよりますが、基本的には持病や既往歴があっても加入できます。

共済金の支払いがスピーディー

こくみん共済の共済金は、請求書類が全労済に到着後10営業日以内を目安に、支払われるようになっています。

また、こくみん共済は会員がアクセス可能なマイページやHP、電話などから補償請求の受付をしており、もしもの時に速やかに請求ができる環境が整っています。必要なお金が必要な時にすぐに受け取れるのは非常に大きなメリットと言えるでしょう。

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こくみん共済の6つのデメリット

安くてお得なこくみん共済ですが、実はデメリットも存在します。ここでは、こくみん共済の6つのデメリットを整理して解説していきます。

こくみん共済の6つのデメリット:

  1. 組合員でないと加入できない
  2. 保障額が低い
  3. 60歳以降の保障額が下がる
  4. 保障内容のカスタマイズ性がない
  5. 保障の見直しができない
  6. 若い人は保険料が割高

1.組合員でないと加入できない

こくみん共済は、全労済の組合員が互いに助け合うための制度です。そのため、全労済の組合員限定の共済となっており、組合員でない人は加入することができません

組合員とは、全労済の会員である全国の職場、または地域の生活協同組合などの組合員を指します。現在組合員ではなく、こくみん共済に加入したい場合には、都道府県の生活協同組合(生協)に出資すれば、組合員になることができます。

出資額は1口100円で、最低でも10口(1,000円)以上となっており、毎月収める保険料とは別に金銭的な負担が生じる点はデメリットと言えるでしょう。ただし、組合員の死亡時やすべての共済契約を解約する場合には、脱退手続きをすることで出資金は全額返還されます。

2.保障額が低い

月々の保険料が低いことをメリットにてお伝えしましたが、その一方で、手厚い保障を求める方には保障額が物足りなく感じるかもしれません。こくみん共済では、死亡共済金額は最大で3000万円となっております。

民間の保険では、死亡保険で1億円などのプランもありますので、小さなお子様をたくさん抱える世帯主様など、扶養ご家族がたくさんいる方には、少ないと感じる場合もあるでしょう。

3.60歳以降の保障額が下がる

保険料金が老若男女問わず一律のこくみん共済ですが、その保障内容は年齢によって異なります。総合保障タイプの死亡保障や入院保障は、60歳以降は年齢によってどんどん保障内容が少なくなっていきます。

例えば、総合保障タイプ2口(月々の掛金1,800円)に加入していた場合の交通事故による死亡保障は以下の通りです。

満18歳~満60歳の場合、1,200万円。満60歳~満65歳の場合、300万円。満65歳~満70歳の場合、100万円。満80歳~満85歳の場合はなんと、20万円まで減ってしまいます。

人生100年時代とも言われる現代、60歳以降に保障金額が大きく減ってしまうことはデメリットに感じる方も多いでしょう。

4.保障内容をカスタマイズしにくい

こくみん共済は、保障内容がシンプルで分かりやすいと言われますが、これは裏を返すと、1人1人の状況に合わせたカスタマイズがしにくいとも言えます。例えば、入院・通院から死亡・障がいまでカバーしている総合保障タイプでは、口数を1口~6口まで選んで、保障の手厚さを変えることはできます。

しかし、死亡保障だけを手厚くしたり、入院日額だけを増やすなどといったカスタマイズはできません。民間の保険商品のように自分に必要な内容に合わせて設定したいという方には、不便に感じる点となっています。

5.貯蓄性のある商品が少ない

保険の加入を検討する時に貯蓄としての役割を期待する方も多いでしょう。しかし、こくみん共済の多くは掛け捨ての内容となっており、貯蓄型の共済プランはほとんどありません

貯蓄性のある商品は「こども保障満期金付タイプ」など限られたものだけとなっております。保険や共済を貯蓄を兼ねて積み立てていきたいと考えている方には不向きと言えます。

6.若い人は保険料が割高

一般的な民間の保険は、契約年齢が若ければ若いほど、保険料はお安くなります。しかし、すでにこくみん共済の特徴の1つとして出てきている通り、こくみん共済の保険料は老若男女問わず一律となっています。

これはつまり、若い人にとっては、割高な保険料金を支払っていると言えるでしょう

どんな人がこくみん共済に向いている?向いている人・向いていない人をチェック

それではここまで、こくみん共済のメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、以上を踏まえて、実際にこくみん共済に向いている人と向いていない人を確認していきます

こくみん共済の加入に向いている・おすすめできる人

まずは、メリットがピッタリ合うこくみん共済の加入に向いている人・おすすめできる人を見ていきましょう。

こくみん共済の加入に向いている人:

  • 保険料を抑えて最低限の保障に入りたい人
  • 加入中の保険に保障を上乗せしたい人
  • 持病や既往歴があって保険に入れなかったことがある人

こくみん共済は民間の保険と比べて、保険料を抑えることができますので、まずは保険料を抑えて最低限の保障に入りたい人にはピッタリでしょう。こくみん共済の保障は手厚くはありませんが、死亡保障や入院保障、障がいが残った時や、医療タイプであれば手術費用など、最低限の保障はしっかりとカバーされています。

また、加入中の保険に保障を上乗せしたい人にも、こくみん共済はおすすめできます。保険料が安いので、死亡保険や入院保障など今加入済みの保険をもう少し手厚くしたいと考える人にとっても、別の保険に加入するよりもお得になる可能性があるのです。

最後に、持病や既往歴があって保険に入れなかったことがある人にもおすすめです。こくみん共済には、「終身医療保障引受基準緩和タイプ」というプランがあり、持病がある方や通院・服薬中の方でも、たった3つの告知項目に全て「いいえ」であれば、加入ができるようになっています。

こくみん共済の加入に向いていない・おすすめできない人

上記の方にはおすすめのこくみん共済ですが、一部の方にはあまりおすすめはできません。それでは、どんな方にはあまり向いていないのかを解説していきます。

こくみん共済の加入に向いていない人:

  • 大きな補償をひとつの保険で賄いたい人
  • ライフプランに合わせて保障内容を変えたい人

まず1つ目には、大きな保障をひとつの保険で賄いたい人です。こくみん共済は手頃で入りやすい共済ですが、保障内容はあまり手厚くないことはご紹介させていただきました。

そのため、充実した保障内容を求める方には、こくみん共済は不向きと言えるでしょう。また、ライフプランに合わせて保障内容を変えたい人にもおすすめできません。

こくみん共済の保障内容はすでにパッケージ化されており、1人1人の状況やライフプランに合わせて保障内容を変更することはできないからです。

まとめ:デメリットを理解した上で保険料の安いこくみん共済の加入を検討しよう

今回の記事では、こくみん共済のデメリットを中心にお伝えさせていただきました。しかし、もちろんお安く保障を受けられたり、民間の保険には入れない方も加入できたりのメリットも多くあります。

必要な保障内容は、年齢やご自身の体の状況、家族構成や収入などによって人それぞれ異なっております。大事なことは、自分の年齢と欲しい保障内容を踏まえて、自分に必要な保障を選び取っていくことです。

今のご自分を取り巻く環境から、自分にこくみん共済が必要なのかよく考えて、加入を検討してみましょう。

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