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ワンルーム投資の赤字はなぜ膨らむ?原因4つと収支改善4つの方法・損切り基準

毎月の収支がマイナスで、今後も持ち続けるべきか迷っていませんか。ワンルーム投資の赤字は、原因を特定できれば改善できるケースが多くあります。

一方で、早く手放したほうが損失を抑えられる物件も存在するのです。本記事では赤字の原因から改善方法、損切りの判断基準までを整理しました。

自分の物件がどちらに当てはまるかを確認してください。

目次

ワンルーム投資の赤字には2種類ある

ワンルーム投資の赤字と一口に言っても、中身は2種類に分かれます。毎月の現金が減る「キャッシュフロー赤字」と、帳簿上だけマイナスになる「会計上の赤字」です。

両者を混同すると、改善すべき赤字と放置してよい赤字の区別がつきません。区別がつかないまま時間が過ぎると、損失は静かに拡大していきます。

「収支がマイナスでも節税になるので問題ない」と説明を受けた方も多いでしょう。営業担当者の説明が当てはまるのは、会計上の赤字に限った話です。

手元の現金が毎月出ていく状態が続けば、家計全体が圧迫されます。赤字の正体を見極める作業から始めましょう。

毎月の持ち出しが発生する「キャッシュフロー赤字」

キャッシュフロー赤字は、家賃収入よりも支出が上回り、毎月現金が減る状態です。支出には、ローン返済・管理費・修繕積立金・賃貸管理手数料・固定資産税が含まれます。

見落としやすいのは、年1回発生する固定資産税と、退去時の原状回復費用です。家賃8万円に対し支出が9万円なら、毎月1万円を給与から補てんします。

年間では12万円、10年で120万円の持ち出し。金額が小さいうちは気づきにくく、家計の中に埋もれてしまいます。

家計簿では雑費に紛れ込み、正確な赤字額を把握できていない方が多くいます。深刻なのは、持ち出し額が年々増えていく点です。

家賃は経年で下がる一方、修繕積立金は段階的に上がっていくためです。国土交通省のガイドラインでも、修繕積立金を段階的に引き上げる方式が一般的とされています。

大規模修繕を控えた築15年前後の物件では、値上げ幅が大きくなる傾向にあります。購入時に月3,000円だった持ち出しが、10年後に月2万円へ膨らむ例も珍しくありません。

キャッシュフロー赤字は、放置しても自然に解消することはありません。通帳の入出金を12か月分さかのぼり、年間の持ち出し総額を確認してください。

減価償却で生まれる「会計上の赤字」

会計上の赤字は、確定申告の計算上でマイナスになる状態を指します。大きな要因は減価償却費です。

減価償却費は建物の価値の目減りを費用として計上する仕組みで、現金の支出をともないません。現金が出ていくのは購入時であり、以降は帳簿上で費用化されるだけです。

帳簿の上では赤字でも、手元の現金は減っていないケースがあるのです。不動産所得の赤字は給与所得と損益通算でき、源泉徴収された所得税の一部が還付されます。

年収700万円の会社員が年間50万円の赤字を計上すれば、10万円前後の還付を受けられます。「節税になる」と説明される仕組みの正体。

注意点は、減価償却費が永久に使えるわけではない点です。建物の耐用年数を過ぎると減価償却費は計上できなくなり、節税効果は消えます。

鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。木造アパートの22年と比べると長い一方、償却できる金額は毎年少しずつ減っていきます。

節税目的だけで保有を続けると、減価償却が終わった時点で赤字だけが残ります。会計上の赤字は許容できても、現金が減り続ける状態は別問題として考えましょう。

ワンルーム投資が赤字になる4つの原因

キャッシュフロー赤字には、はっきりした原因があります。大きく分けると、購入時点で決まっているものと、運用中に発生するものの2つ。

購入時点の要因は、新築プレミアム価格での取得や、フルローンによる過大な返済負担です。運用中の要因には、空室の長期化・家賃下落・修繕積立金の値上げ・金利上昇が挙げられます。

自分の物件の要因を特定できれば、打ち手は絞り込めます。金利上昇が原因なら借り換え、空室が原因なら募集条件の見直しが有効です。

逆に原因を特定しないまま管理会社だけ変えても、収支は改善しません。4つの原因を順番に確認していきましょう。

新築プレミアム価格で購入している

新築ワンルームの販売価格には、業者の利益と広告宣伝費が上乗せされています。上乗せ分は物件価格の2〜3割にのぼるといわれます。

販売会社の営業人件費やモデルルームの運営費も価格に含まれます。購入した瞬間に、市場価格は販売価格を下回るのです。

家賃も同じ構造を抱えています。新築時は相場より高い家賃を設定できる、いわゆる新築プレミアムが乗った状態。

最初の入居者が退去すると、中古物件として相場家賃まで下がります。家賃が8万円から7万2,000円へ下がれば、年間収入は約10万円減ります。

築年数が進むほど下落は続き、20年後には当初の7割程度まで落ち込む例も。一方でローン返済額は変わりません。

減った家賃分が、毎月の持ち出しへ変わります。中古ワンルームなら、購入時点で相場家賃が反映済み。

新築ワンルームの赤字は、購入した時点でほぼ確定しています。すでに購入済みなら、下落分を取り戻す手段は多くありません。

損失を確定させるか、家賃下落が止まる築15年以降まで持ちこたえるかの二択です。保有か売却かの判断を早めに下しましょう。

空室の長期化と家賃下落が重なる

ワンルーム1室の運用では、空室になった瞬間に家賃収入がゼロになります。満室か空室かの二択しかなく、収入は0%か100%で振れます。

分散が効かない点が区分投資の弱点です。空室でも、ローン返済・管理費・修繕積立金・固定資産税の支払いは続きます。

家賃8万円の物件が3か月空けば、24万円の収入を失います。支出は3か月分が変わらず発生するため、実質的な損失はさらに膨らむのです。

空室が長引くと、管理会社から家賃の引き下げを提案されます。一度下げた家賃は、次の募集でも基準になります。

元の水準へ戻すことは簡単ではありません。空室の長期化と家賃下落が重なると、収支は一段階下のレベルで固定されます。

単身者向け物件は入退去のサイクルが短く、2〜4年で入れ替わるのが一般的です。大学や勤務先の移転が起きると、エリア全体の需要が一気に落ち込みます。

入退去のたびに原状回復費と広告料が発生します。広告料は家賃の1〜2か月分が相場。

年間の空室損と入替コストを合計すると、家賃1〜2か月分に相当します。空室率と入替コストを織り込んだ収支計画を立て直してください。

管理費・修繕積立金が値上がりする

投資用ワンルームの修繕積立金は、販売時に低く設定される傾向があります。毎月の収支をよく見せるためです。

積立金が安いほど、表面上の利回りは高く見えます。購入後は築年数の経過とともに引き上げられます。

国土交通省のガイドラインでも、段階的に増額する積立方式が主流です。大規模修繕は12〜15年周期で実施されるのが一般的。

1回目の大規模修繕を前に、積立金が2倍近くまで上がるケースもあります。月5,000円だった積立金が1万円になれば、年間6万円の支出増です。

家賃が上がらない以上、増加分はすべて持ち出しに直結します。管理費も、人件費や光熱費の上昇を受けて改定されます。

家賃は下がり続け、管理費と修繕積立金は上がり続けるのが区分マンションの構造です。収支のシミュレーションで値上げを織り込んでいない場合、想定は簡単に崩れます。

積立金の残高が不足していると、一時金を請求されることもあります。数十万円単位の請求が突然届くかもしれません。

総会資料や長期修繕計画書で、今後の値上げ予定を確認してください。

変動金利の上昇で返済額が増える

投資用ローンの多くは変動金利型です。日本銀行の政策転換により、変動金利は上昇局面に入りました。

短期プライムレートの引き上げに連動し、投資用ローンの金利も動いています。金利が0.5%上がると、返済額はいくら増えるでしょうか。

借入2,000万円・35年返済のケースで試算します。金利2.0%なら月66,251円、2.5%なら月71,499円。

差額は月5,248円、年間では6万3,000円に達します。借入額が大きいほど影響も大きくなります。

ワンルーム投資はフルローンに近い借入が多く、金利上昇の影響を受けやすい構造です。変動金利には5年ルールと125%ルールが設けられている場合があります。

5年ルールは返済額の見直しを5年ごとに限る仕組みです。返済額の急増は抑えられる一方、未払い利息が積み上がる点に注意が必要です。

元本が減らず、完済時期が後ろへずれ込みます。総返済額は膨らみ、売却時の残債も想定より多く残ります。

借入条件と金利タイプを、返済予定表で確認しておきましょう。

ワンルーム投資の赤字を放置する3つのリスク

毎月1万円の赤字なら我慢できる、と考える方は少なくありません。判断が危険なのは、赤字が時間とともに拡大する性質を持つためです。

購入時の収支計画は、多くの場合で最も条件の良い前提に基づいています。家賃は下がり、修繕積立金は上がり、金利も上昇します。

3つの変化はすべて収支を悪化させる方向に働くのです。好転する要素が入っていない点が、区分ワンルームの難しさ。

赤字の放置は、家計の圧迫だけで終わりません。信用情報の悪化や、売却時の債務超過にもつながっていきます。

影響は不動産投資の枠を超えて広がります。損失が拡大する前に、リスクの中身を把握しておきましょう。

給与からの持ち出しが年々膨らむ

赤字の第一のリスクは、給与からの補てん額が増え続ける点です。購入時は月3,000円の持ち出しでも、10年後には月2万円を超えるケースがあります。

増加は緩やかに進むため、変化に気づきにくい特徴があります。家賃下落・修繕積立金の増額・金利上昇が同時に進むためです。

年間の持ち出しは3万6,000円から24万円へ、約7倍。家計への影響は、教育費や住宅ローンの負担が重なる時期ほど大きくなります。

40代で購入した場合、負担のピークは50代です。補てんを続けるうちに、貯蓄が取り崩されていきます。

老後資金づくりのために始めた投資が、逆に資産を減らす皮肉な状態。持ち出しの増加は、購入から5〜10年目に表面化するケースが目立ちます。

対策を打つなら、赤字額が小さいうちのほうが選択肢は多く残ります。残債より高く売れる時期を逃さない判断が必要です。

赤字が数万円まで膨らんだ後は、売却しても残債が残りかねません。直近3年分の収支を並べ、増加ペースを数字で把握してください。

信用情報が傷つき住宅ローンが組めなくなる

持ち出しが続き、ローン返済が遅れると信用情報に記録が残ります。61日以上または3か月以上の延滞は、いわゆる異動情報として登録されます。

登録期間は完済から5年間。一度登録されると、本人の申告では削除できません。

期間中は、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなります。マイホームの購入計画が立てられなくなる事態も起こりえます。

延滞に至らない場合でも、影響は残ります。投資用ローンの残債は、住宅ローン審査で負債として扱われるためです。

赤字物件を抱えたままでは、借入可能額が大きく削られます。3,000万円借りられたはずが、2,000万円まで下がる例も。

年収から算出される返済比率に、投資用ローンの返済額が加算されます。家賃収入の一部は収入として認められるものの、全額ではありません。

金融機関によって扱いは異なります。賃貸経営の実績や物件の収益性も判断材料になります。

マイホーム購入を予定しているなら、赤字物件の整理を先に検討してください。

売却価格がローン残債を下回る

3つ目のリスクは、売却しても借金が残る状態です。売却価格がローン残債を下回る状況をオーバーローンと呼びます。

新築ワンルームでは、購入直後から数年間はオーバーローンになりやすい傾向。販売価格に業者の利益が上乗せされているためです。

中古市場では、上乗せ分が評価されません。2,000万円で購入した物件が1,500万円でしか売れず、残債が1,800万円なら300万円が不足します。

不足分は自己資金で埋める必要があります。現金を用意できなければ、売却は成立しません。

赤字を放置するほど、売却という出口も塞がっていきます。保有すれば赤字、売れば損失という板挟み。

家賃が下がれば物件の収益価値も下がり、査定額は連動して低下します。一方でローン残債は、元利均等返済の初期ほど減りが遅いのです。

両者の差が縮まるまでに10年以上かかるケースもあります。繰り上げ返済で残債を圧縮すれば、期間は短縮できます。

年に一度は査定を取り、残債との差額を把握してください。

ワンルーム投資の赤字を改善する4つの方法

赤字は、原因に応じた対策で改善できます。金利が高いなら借り換え、空室が続くなら管理会社の変更が有効です。

原因の特定を飛ばした対策は、費用だけがかさみます。手元資金に余裕があれば、繰り上げ返済という選択肢もあります。

改善の余地がない物件は、売却して組み替える判断が欠かせません。大切なのは、複数の方法を比較したうえで順番を決める点。

借り換えと管理会社の変更は、物件を手放さずに試せます。いきなり売却を選ぶと、回復できたはずの収支を手放すことになります。

効果を確かめてから出口を考えても遅くはありません。4つの方法を、負担の軽い順に見ていきましょう。

ローンを借り換えて金利を下げる

金利が高いローンを抱えている場合、借り換えの効果は大きくなります。投資用ローンの金利は、金融機関によって1.5%から4.5%程度まで幅があります。

購入時に条件を比較せず契約した方も多いでしょう。販売会社の提携ローンは、金利が高めに設定されている場合が多いのです。

借入2,000万円・残り30年で、金利3.0%から2.0%へ下げた例を考えます。月々の返済額は約84,300円から約73,900円へ、1万円以上下がります。

年間では12万円を超える改善。30年間の総返済額では、370万円以上の差が生まれます。

借り換えには事務手数料や保証料、抵当権の設定費用がかかります。目安は借入額の2〜3%です。

残債1,000万円以上・残期間10年以上・金利差1%以上が、借り換えを検討する目安です。審査では、物件の収益性と本人の属性の両方が見られます。

賃貸中で滞納がなければ、通る可能性は高まります。提携ローン以外に、地銀や信金も候補。

複数の金融機関へ同時に相談し、条件を比較してください。

繰り上げ返済で毎月の返済額を減らす

手元資金に余裕があるなら、繰り上げ返済で収支を改善できます。繰り上げ返済には期間短縮型と返済額軽減型の2種類。

毎月の赤字を減らす目的なら、返済額軽減型を選びます。期間短縮型は総返済額を減らせる一方、毎月の負担は変わりません。

返済額軽減型は、返済期間を変えずに毎月の支払額を下げる方式です。借入2,000万円・金利2.0%・残り30年で200万円を繰り上げ返済したケース。

月々の返済額は約73,900円から約66,500円へ下がります。毎月7,400円の改善、年間では約8万9,000円。

月1万円の赤字なら、7割以上を解消できる計算です。完済時期を早めたい場合は、期間短縮型との併用も検討できます。

注意点は、手元資金が減る点にあります。空室や修繕に備える現金を残しておかないと、次の支出に対応できません。

赤字補てんのために生活資金を削るなら、本末転倒です。繰り上げ返済は、家賃6か月分以上の予備資金を確保したうえで実行してください。

手数料の有無も、事前に金融機関へ確認しましょう。

管理会社を変えて空室期間を短くする

空室が原因の赤字は、管理会社の変更で改善するケースがあります。客付け力は会社によって差が大きいためです。

同じ物件でも、募集開始から成約までの期間が2か月変わることもあります。空室2か月分の家賃は、年間収支を大きく左右します。

判断材料は、過去の空室期間と募集条件の提案内容。空室が3か月以上続いているなら、募集方法に問題がある可能性を疑いましょう。

内見数と申込数を月次で報告してもらうと、課題が見えます。賃貸管理手数料の見直しも、収支に直結します。

相場は家賃の3〜5%です。家賃8万円で手数料5%なら月4,000円、3%なら月2,400円。

差額の1,600円が、毎月の収支改善につながります。年間では1万9,200円の差。

サブリース契約の場合は、解約前に契約条件を必ず確認してください。借地借家法により、オーナー側からの解約が制限される場合があります。

正当事由や立退料が必要になるケースも報告されています。契約書の解約条項を読み直し、専門家へ相談しましょう。

売却して資産を組み替える

改善の余地がない物件は、売却して組み替える判断が現実的です。借り換えも管理会社の変更も試したうえで赤字が続くなら、構造的な問題を抱えています。

立地や価格の問題は、運用の工夫では解決できません。新築ワンルームを複数所有し、毎月4万円の持ち出しが続いていた事例があります。

全室を売却し、1棟アパートへ組み替えた結果、収支は月18万円のプラスへ転じたケース。区分から1棟へ移すと、空室リスクを分散できます。

1棟なら、1室が空いても他室の家賃で補えるためです。売却損は、同年の他の譲渡益と相殺できます。

売却時は、譲渡所得税の扱いを確認しておきましょう。所有期間5年以下の短期譲渡は39.63%、5年超の長期譲渡は20.315%です。

税率の差は約2倍。売却を急ぐ前に、所有期間が5年を超えるかどうかを必ず確認してください。

期間の起算日は、売却した年の1月1日時点で判定されます。2021年1月に購入した物件なら、2027年以降の売却で長期扱いになります。

購入日から単純に5年ではない点に注意が必要です。複数の不動産会社へ査定を依頼し、価格の幅を把握しましょう。

赤字のワンルーム投資を損切りすべきかの判断基準

赤字物件を売却すべきか、保有を続けるべきか。判断を分ける基準は、将来のキャッシュフローが改善する見込みの有無です。

過去にいくら払ったかは、判断材料になりません。改善が見込めるなら保有、見込めないなら売却が原則になります。

単純な原則ながら、実行できる方は多くありません。感情で判断すると、損失を確定させたくない心理が働きます。

損失回避バイアスと呼ばれる心理傾向です。赤字を抱えたまま時間だけが過ぎる状態に陥りがち。

数字で線を引く作業が欠かせません。客観的な基準を先に決めておくと、判断がぶれません。

損切りのサインと、保有を続けるべきケースを整理しました。

損切りを検討すべき3つのサイン

損切りを検討すべきサインは3つあります。1つ目は、慢性的な赤字が改善しない状態です。

借り換え・繰り上げ返済・管理会社の変更をすべて試しても月2万円以上の持ち出しが続くなら、構造的な問題。運用の工夫で覆せる範囲を超えています。

2つ目は、エリアの人口減少です。単身者向け需要が縮小するエリアでは、家賃下落が止まりません。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、多くの地方都市で単身世帯の減少が見込まれます。需要が縮む市場で、家賃を維持する手段は限られます。

3つ目は、大規模修繕を控えた築年数です。築25年を超えると、修繕積立金の値上げと設備更新が重なります。

給湯器やエアコンの交換費用は、1回で20万円前後。築年数が進むほど、想定外の支出は増えていきます。

3つのサインが2つ以上重なるなら、売却を本格的に検討する段階です。判断を先送りするほど、残債と売却価格の差は開いていきます。

査定を取ったうえで、保有と売却の総額を比較してください。

保有を続けたほうがよいケース

赤字でも保有を続けたほうがよいケースは存在します。代表的なのは、ローン完済後に安定した家賃収入が見込める物件です。

都心の駅徒歩5分圏で、単身者需要が続くエリアが該当します。賃貸需要が読める立地は、空室リスクが低い点が強みです。

完済後は家賃が丸ごと収入になり、年金の補完として機能します。判断の目安は、完済時の年齢。

65歳までに完済できる返済計画なら、老後の収入源として成立します。持ち出し額の水準も基準になります。

月数千円であれば、生命保険料に近い感覚で負担を続けられるでしょう。団体信用生命保険が付いているためです。

死亡時にはローン残債がゼロになり、家族に無借金の物件が残ります。月々の持ち出しが3,000円以内で、65歳までに完済できるなら保有を続ける判断もあります。

売却しても残債が残る場合、慌てて手放す必要はありません。収支改善を進めながら、価格が戻る時期を待つ選択肢も残されています。

家賃相場が回復するエリアなら、待つ価値はあります。自分の完済年齢と持ち出し額を、紙に書き出してみてください。

売却は所有期間5年超が分かれ目

売却を決めたなら、実行する時期で手取り額が変わります。鍵を握るのは、譲渡所得税の税率です。

所有期間5年以下の短期譲渡は39.63%、5年超の長期譲渡は20.315%になります。譲渡益500万円なら、税額は約198万円と約102万円。

差額は約96万円にのぼります。手取りが100万円近く変わる計算です。

起算日の数え方には注意が必要です。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかで判定されます。

2020年6月に購入した物件は、2026年1月1日時点で5年7か月。2026年中の売却で長期譲渡が適用されます。

購入日から単純に5年後ではありません。数か月待つだけで税額が半分近くまで下がるケースもあります。

譲渡損が出る場合、税金は発生しません。損失を翌年へ繰り越すこともできません。

個人の不動産譲渡損は、給与所得と損益通算できない点に注意しましょう。売却時期は、税理士へ確認したうえで決めてください。

まとめ|ワンルーム投資の赤字は原因の特定から始める

ワンルーム投資の赤字は、キャッシュフロー赤字と会計上の赤字に分かれます。改善すべきは、現金が毎月出ていくキャッシュフロー赤字です。

原因は、新築プレミアム価格・空室と家賃下落・修繕積立金の値上げ・金利上昇の4つ。対策は、借り換え・繰り上げ返済・管理会社の変更・売却の順で検討します。

放置すると、持ち出しの増加や信用情報の悪化を招きます。損切りの判断基準は、将来のキャッシュフローが改善するかどうか。

月々の持ち出しが3,000円以内で65歳までに完済できるなら、保有も選択肢に入ります。まずは直近3年の収支を並べ、赤字額の推移を確認してください。

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