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ワンルーム投資に年末調整は必要?確定申告との違いと還付額の目安を解説

ワンルーム投資を始めた年に、会社の年末調整だけで手続きが終わると考える方は少なくありません。給与から天引きされた税金は精算されますが、家賃収入や経費は年末調整では一切扱われません。

不動産所得の申告先は税務署であり、勤務先ではないためです。年末調整と確定申告の役割を分けて理解すれば、初年度の赤字を給与所得と相殺して税金を取り戻せます。

ワンルーム投資家が年末調整で書き間違えやすい欄、還付額の目安、確定申告の手順まで順に解説します。

目次

ワンルーム投資をしていても年末調整は必要

ワンルーム投資を始めても、勤務先の年末調整は今までどおり受けます。年末調整は給与から源泉徴収された所得税を精算する手続きだからです。

会社は毎月の給与から概算の所得税を天引きしています。扶養家族の増減や生命保険料控除は反映されていません。

12月の給与で1年分を計算し直し、払いすぎた分が戻る仕組みです。ワンルーム投資の有無で扱いは変わりません。

一方で、家賃収入から経費を引いた不動産所得は年末調整の対象外です。給与とは別に自分で税務署へ申告します。

ワンルーム投資を始めた年は、11月に年末調整、翌年2月に確定申告という流れです。2つの手続きは目的も提出先も別々に動きます。

年末調整で税金の話が完結すると考えると、還付の機会を逃します。給与と不動産の2本立てで手続きを組み立てましょう。

年末調整で精算されるのは給与所得だけ

年末調整が精算する範囲は、勤務先が支払った給与と賞与に限られます。副業や投資で得た所得を会社が代わりに申告する制度ではありません。

勤務先は従業員の家賃収入を把握していません。把握していない所得を精算のしようがないためです。

年末調整で提出する書類も、扶養親族・保険料・住宅ローンなど給与所得者向けの控除に絞られています。不動産所得を書き込む欄は用意されていません。

所得税は給与所得と不動産所得を合算して計算します。合算の作業を担うのが確定申告です。

年末調整だけで終わらせると、赤字を給与所得と相殺する損益通算が使えません。初年度に払いすぎた税金は戻らないままです。

ワンルーム1戸の運用でも手続きの流れは変わりません。所得の種類が2つになった時点で確定申告の対象です。

会社によっては、年末調整の書類に副業の有無を尋ねる欄を設けています。記入しても勤務先が申告を代行するわけではありません。

給与所得者の手続きとして完結する範囲に変わりはないためです。不動産所得の計算に必要な帳簿も、自分で用意します。

管理会社の送金明細と通帳があれば作成できます。還付を受けたいなら、年末調整の後に確定申告まで進めましょう。

不動産所得は年末調整の対象外

不動産所得は、家賃や管理費収入の合計から必要経費を差し引いて求めます。経費には管理委託費・修繕積立金・固定資産税・ローン金利・減価償却費が含まれます。

差し引いた結果がマイナスなら、不動産所得は赤字です。赤字は給与所得から控除できます。

年末調整の書類には、家賃収入も減価償却費も記入する欄がありません。勤務先の経理担当者が計算に関わることもありません。

ワンルーム1戸あたりの年間家賃収入は、都内なら90万円前後が目安です。管理費・修繕積立金・固定資産税で年20万円ほど出ていきます。

ローン金利と減価償却費を加えると、初年度は経費が家賃収入を上回りやすくなります。購入時の登録免許税や不動産取得税、司法書士報酬が初年度だけ経費に乗るためです。

初年度は数十万円の赤字になる例が多く見られます。赤字を給与所得と通算するには確定申告が欠かせません。

R-EAL編集部

年末調整は給与所得の精算、確定申告は不動産所得の申告です。ワンルーム投資を始めた年は両方の手続きが発生します。

  • 年末調整で精算されるもの:給与・賞与の所得税、扶養控除、保険料控除、住宅ローン控除(2年目以降)
  • 年末調整で精算されないもの:家賃収入、管理委託費、減価償却費、ローン金利、不動産取得税

ワンルーム投資における年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告は、扱う所得も提出先も期限も別々です。混同すると還付を受け損ねます。

年末調整の提出先は勤務先で、11月から12月にかけて書類を出します。確定申告の提出先は住所地の税務署です。

2026年分の確定申告の期間は、2027年2月16日から3月15日までです。期間を過ぎると加算税の対象になります。

年末調整は勤務先が計算しますが、確定申告は自分で計算します。手続きの主体が違う点を押さえておきましょう。

年末調整の書類は勤務先が回収し、翌年1月に税務署へまとめて提出されます。確定申告は本人が直接税務署へ出す手続きです。

両方を終えて初めて、1年分の所得税が確定します。片方だけでは計算が途中で止まります。

年末調整で提出する3種類の書類

勤務先に提出する年末調整の書類は3種類です。扶養控除等申告書、基礎控除申告書等の3枚組、保険料控除申告書に分かれます。

扶養控除等申告書は、扶養親族と自分の情報を書く基本の1枚です。翌年分と当年分の2枚を同時に求められる会社もあります。

基礎控除申告書は、正式には「給与所得者の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書」と呼ばれます。長い名称ですが、ワンルーム投資家が最も注意すべき1枚です。

保険料控除申告書には、生命保険料・地震保険料・iDeCoの掛金を記入します。控除証明書の原本を添付します。

3枚とも不動産所得を直接記入する欄はありません。ただし基礎控除申告書だけは、給与以外の所得を見積もって書く欄があります。

3枚は同じタイミングで配布され、まとめて提出します。会社によっては専用のWebシステムで入力する形式です。

提出期限を過ぎると、年末調整を受けられず自分で確定申告する必要が出ます。ワンルーム投資の申告と一緒に処理はできますが、手間は増えます。

期限は11月末から12月上旬に設定する会社が大半です。記入漏れがあると控除が反映されず、手取りが減ります。

提出前に3枚そろっているか確認しましょう。

確定申告が必要になる基準

給与を1か所から受けている会社員は、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。ワンルーム投資の不動産所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は義務ではありません。

20万円の基準は所得税だけの取り扱いです。住民税には同じ基準がありません。

不動産所得が1円でも出たなら、市区町村への住民税の申告は必要です。申告を怠ると住民税の計算が合わなくなります。

赤字の場合は申告義務が生じません。義務がなくても、還付を受けるには確定申告を出す必要があります。

年収2,000万円を超える会社員は、金額にかかわらず全員が確定申告の対象です。給与所得だけでも年末調整を受けられません。

医療費控除やワンストップ特例を外れた寄付も、確定申告で処理します。ワンルーム投資の申告と同時に済ませられます。

R-EAL編集部

不動産所得20万円以下でも住民税の申告は必要です。所得税と住民税で基準が異なります。

項目年末調整確定申告
対象の所得給与・賞与不動産所得を含む全所得
手続きする人勤務先本人
提出先勤務先の経理住所地の税務署
時期11月〜12月2月16日〜3月15日
損益通算できないできる

ワンルーム投資の損益通算でいくら戻るのか

ワンルーム投資の赤字は、給与所得から差し引けます。損益通算と呼ばれる仕組みです。

差し引いた後の所得で所得税を計算し直すため、源泉徴収された税金の一部が戻ります。戻る金額は課税所得の税率で決まります。

所得税の税率は課税所得330万円超で20%、695万円超で23%です。住民税10%を足すと、実質30%前後が還付の目安になります。

赤字50万円なら、15万円前後が戻る計算です。年収が高いほど還付額は増えます。

損益通算できる赤字には条件があります。土地取得にかかるローン利息は通算の対象外です。

建物部分の利息は全額を経費にできます。ワンルームは建物比率が高いため、制限を受ける金額は限られます。

年収別の還付額シミュレーション

還付額は、赤字の大きさと本人の税率で決まります。年収600万円の会社員が50万円の赤字を通算すると、所得税と住民税で約10万円が軽くなります。

年収600万円の課税所得は、各種控除を引いておよそ300万円です。所得税率10%と住民税率10%を合わせた20%が適用されます。

年収800万円なら課税所得は約450万円になります。所得税率20%と住民税10%で、合計30%が目安です。

同じ50万円の赤字でも、年収800万円の人は15万円前後が戻ります。年収400万円の人は5%と10%で7万5,000円ほどです。

還付は確定申告の1〜2か月後に指定口座へ振り込まれます。源泉徴収税額を超える還付は受けられません。

還付額は源泉徴収税額が上限になります。年末調整で税金が戻りきっている場合、追加の還付は発生しません。

給与から天引きされた所得税の総額を、源泉徴収票で確認しておきます。住民税の軽減は、還付ではなく翌年度の税額から差し引かれる形です。

6月に届く住民税決定通知書で効果を確認できます。納めた税金の範囲内で戻ると理解しておきましょう。

初年度に還付額が大きくなる理由

初年度の赤字が膨らむ理由は、購入時だけに発生する費用が経費に入るためです。不動産取得税・登録免許税・司法書士報酬・ローン事務手数料は初年度に一括計上します。

2,500万円のワンルームなら、不動産取得税と登録免許税で40万円前後かかります。司法書士報酬は10万円前後が相場です。

初年度は購入諸費用だけで50万円を超えるケースが珍しくありません。家賃収入90万円に対し、経費が140万円に達する構図です。

減価償却費も初年度から通年で計上できます。鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年です。

建物価格1,200万円なら、年間25万円ほどが減価償却費になります。現金の支出をともなわない経費のため、手元資金を減らさず赤字を作れます。

仲介手数料も初年度の経費です。売買価格2,500万円なら、上限は約85万円になります。

新築の販売会社から直接購入した場合、仲介手数料はかかりません。中古を仲介会社経由で買うと発生します。

火災保険料は契約期間で按分し、初年度分だけを計上します。5年一括払いなら5分の1が経費です。

初年度の還付額が最も大きくなる仕組みです。

2年目以降は還付が細る

2年目以降は購入諸費用が消えるため、赤字幅は一気に縮みます。初年度に50万円の赤字だった物件が、2年目には10万円前後に収まる例が目立ちます。

ローン金利も返済が進むにつれて減る一方です。元利均等返済では、返済初期ほど金利部分の割合が高いためです。

金利部分が減ると、経費に計上できる金額も下がります。家賃収入が変わらなければ、不動産所得は黒字へ近づく一方です。

黒字化すると還付ではなく追加の納税が発生します。節税目的だけで購入すると、数年後に想定が崩れる可能性があります。

減価償却が終わる年も要注意です。設備部分の償却期間は15年で切れます。

購入前に10年分の収支を試算しておきましょう。

R-EAL編集部

初年度の赤字50万円に対する還付は、年収600万円で約10万円、年収800万円で約15万円です。2年目以降は赤字幅が縮み、還付額も下がります。

年収課税所得の目安所得税+住民税の税率赤字50万円の還付額
400万円約180万円15%約7万5,000円
600万円約300万円20%約10万円
800万円約450万円30%約15万円
1,000万円約650万円30%約15万円

ワンルーム投資家が年末調整の書類で間違えやすい3点

ワンルーム投資家が年末調整でつまずく箇所は、ほぼ3つに絞られます。基礎控除申告書の所得欄、配偶者の所得見積もり、按分計算です。

いずれも書き間違えると控除額がずれ、確定申告で修正する手間が増えます。勤務先から書類の再提出を求められる場合もあります。

年末調整の書類は11月中旬に配られ、月末が期限の会社が多く見られます。配布された時点で不動産所得の見込みを立てておくと迷いません。

3点はいずれも、不動産所得を持つ人だけが直面する論点です。給与だけの会社員なら悩む場面はありません。

1年目に一度覚えれば、2年目からは同じ手順で処理できます。記入例をコピーして保管しておきましょう。

3つの注意点を順に確認します。

基礎控除申告書の「給与所得以外の所得」欄

基礎控除申告書には、本人の合計所得金額を見積もって書く欄があります。給与所得以外の所得欄に、ワンルーム投資の不動産所得の見込みを記入します。

赤字の場合の記入は0円です。マイナスの金額を書き込む欄ではありません。

基礎控除は合計所得金額2,400万円以下で48万円、2,450万円以下で32万円と減ります。会社員のワンルーム投資で基礎控除が減るケースはまれです。

記入した見込み額が実際とずれても、確定申告で正しい金額に直せます。年末調整の時点で完璧な数字を出す必要はありません。

空欄のまま提出する人が目立ちますが、0円と書けば記入漏れを疑われません。所得金額調整控除の判定にも使われる欄です。

見込み額は、購入時のシミュレーションから逆算します。年間家賃収入から管理費・修繕積立金・ローン金利・減価償却費を引いた金額です。

販売会社の収支計画書に、年間の不動産所得が載っている場合もあります。数字が手元にないなら、管理会社へ問い合わせます。

11月時点では12月分の家賃が未確定です。概算で構いません。

記入した金額と確定申告の金額がずれても、罰則はありません。年末調整はあくまで概算の精算だからです。

配偶者の合計所得金額の見積もり

配偶者控除と配偶者特別控除は、配偶者の合計所得金額で控除額が変わります。配偶者名義でワンルームを保有していれば、配偶者の不動産所得も合計所得金額に入ります。

パート収入だけで判断した見積もりは誤りです。給与所得と不動産所得の合計で判定します。

配偶者控除が満額の38万円になるのは、合計所得金額48万円以下の場合です。95万円以下なら配偶者特別控除が38万円適用されます。

不動産所得が加わって48万円を超えると、控除額は段階的に下がります。133万円を超えると控除は受けられません。

年末調整で過大に控除を受けたままだと、後から追徴されます。確定申告で配偶者の所得を正しく反映させましょう。

共働きで配偶者の給与収入が150万円を超えると、配偶者特別控除は受けられません。ワンルームの名義を配偶者にしている家庭は、判定がさらに複雑になります。

配偶者の不動産所得が黒字なら、給与所得と足して48万円の基準で判定します。赤字なら合計所得金額は給与所得だけです。

配偶者が青色申告特別控除を使っている場合、控除後の金額で判定します。65万円の控除を引くと、判定額は大きく下がります。

名義を分ける前に、控除への影響を試算しておきましょう。

地震保険料と住宅ローン控除の按分

自宅の一部を賃貸に出す賃貸併用住宅では、按分計算が必要です。地震保険料控除も住宅ローン控除も、自宅部分に対応する金額しか使えません。

床面積の割合で自宅部分と賃貸部分を分けます。自宅50%・賃貸50%なら、地震保険料の半分だけを年末調整で申告します。

残りの半分は不動産所得の必要経費です。二重に控除すると過大申告になります。

住宅ローン控除は、床面積の50%以上を自宅として使う条件があります。賃貸部分が半分を超えると適用外です。

ワンルームを別途購入した会社員に按分は発生しません。自宅と投資用が完全に別の物件だからです。

投資用ワンルームのローンは住宅ローン控除の対象外です。金利の扱いは、不動産所得側の必要経費です。

R-EAL編集部

基礎控除申告書の給与所得以外の所得欄は、赤字なら0円と記入します。配偶者名義の物件がある場合は、配偶者の合計所得金額にも不動産所得を含めます。

書類記入する内容間違えたときの影響
基礎控除申告書給与所得以外の所得(赤字は0円)基礎控除と所得金額調整控除の判定がずれる
配偶者控除等申告書配偶者の給与所得+不動産所得控除の過大適用で後日追徴
保険料控除申告書自宅部分の地震保険料賃貸部分と二重控除になる

ワンルーム投資の確定申告の手順

確定申告は、書類集め・申告書の作成・提出の3段階で進みます。慣れれば1時間ほどで終わります。

難所は書類集めです。管理会社・金融機関・勤務先の3か所から届く書類を、順にそろえます。

申告書の作成に使うのは、国税庁の確定申告書等作成コーナーです。画面の質問に答える形式のため、税務の知識がなくても進められます。

提出はe-Taxが最短です。マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、税務署へ行かずに完了します。

3段階のうち、時間がかかるのは書類集めだけです。入力と送信は合わせて1時間で終わります。

初年度は減価償却の設定に迷う場面が出ます。売買契約書の建物価格と消費税額から、建物と土地を分けて登録しましょう。

12月から1月に必要書類をそろえる

確定申告に必要な書類は、12月から1月にかけて手元に届きます。勤務先の源泉徴収票、管理会社の家賃送金明細、金融機関の返済予定表が中心です。

源泉徴収票が配られる時期は、年末調整の後の12月か1月です。給与収入と源泉徴収税額を申告書に転記します。

家賃送金明細には、家賃収入と管理委託費・原状回復費が並びます。管理会社によっては年間収支報告書という名称の1枚。

ローン返済予定表からは、1年分の支払利息だけを抜き出します。元金部分は経費になりません。

固定資産税の納税通知書は、6月ごろに市区町村から届きます。購入年なら売買契約書と登記費用の領収書も必要です。

管理会社によっては、年間収支報告書の発行が1月下旬になります。到着が遅れる場合は、毎月の送金明細を集計して代用できます。

賃貸管理と建物管理で会社が分かれているケースもあります。管理費と修繕積立金の明細は、建物管理会社から届きます。

ローン返済予定表が見当たらないなら、金融機関に年末残高証明書を請求します。到着は1月中旬が目安です。

火災保険と地震保険の証券も、経費計上に必要です。書類が1点でも欠けると経費の計上漏れが起きます。

1月末までに封筒1つへまとめておきましょう。

確定申告書等作成コーナーで作成する

申告書の作成は、国税庁の確定申告書等作成コーナーが最も手軽です。不動産所得は決算書・収支内訳書の画面から、物件ごとに収入と経費を入力します。

選ぶ様式は、白色申告なら収支内訳書、青色申告なら青色申告決算書です。物件の所在地・入居状況・賃貸料を入力し、経費を科目ごとに振り分けます。

減価償却費は取得価額と耐用年数を入れると自動で計算されます。建物と設備を分けて登録した方が償却額は正確です。

入力を終えると、給与所得と損益通算した税額が自動表示されます。還付額の確認まで画面上で完結します。

2年目以降の入力はさらに短時間です。e-Taxで送信すれば、控えもPDFで保存できます。

紙で提出する場合の宛先は住所地の税務署です。初年度だけ税理士に依頼し、2年目から自分で入力する方法もあります。

入力の途中でデータを保存できます。作業を分けて進めても問題ありません。

経費の科目は、租税公課・損害保険料・修繕費・減価償却費・借入金利子・管理費に分かれます。科目の選択に迷ったら、家賃送金明細の項目名に沿って当てはめます。

e-Taxの利用にはマイナンバーカードの読み取りが必要です。スマートフォンのマイナポータルアプリで代用できます。

住民税を普通徴収にする

確定申告書の第二表には、住民税の徴収方法を選ぶ欄があります。「自分で納付」に丸を付けると、不動産所得分の住民税が勤務先を経由しません。

給与から天引きされる特別徴収を選ぶと、住民税額が勤務先に通知されます。通知された住民税が給与額と釣り合わないと、経理担当者が気づくケースもあります。

普通徴収を選べば、自宅に納付書が届きます。納期は年4回。

就業規則で副業を禁じている会社でも、小規模な不動産賃貸は認める規定を置く例があります。事前に就業規則を確認しておきましょう。

普通徴収を選んでも、給与分の住民税は特別徴収のままです。2つの徴収方法が併存する形で運用されます。

納付書の支払い忘れには延滞金がかかります。口座振替を設定しておくと安全です。

R-EAL編集部

確定申告書第二表で住民税を「自分で納付」にすると、不動産所得分の住民税額は勤務先へ通知されません。給与分の住民税は特別徴収のまま続きます。

時期やること入手先
12月年末調整の書類を提出勤務先
1月源泉徴収票・家賃送金明細・返済予定表を回収勤務先/管理会社/金融機関
2月上旬確定申告書等作成コーナーで入力国税庁サイト
2月16日〜3月15日e-Taxで送信または郵送住所地の税務署
3月〜5月還付金の入金を確認指定口座

ワンルーム投資の確定申告をしなかった場合のリスク

申告義務があるのに提出しないと、加算税と延滞税が上乗せされます。税務署は法定調書や登記情報から不動産の取得を把握しています。

家賃収入の申告漏れは見つかりやすい部類です。無申告のまま5年、悪質と判断されれば7年さかのぼって課税されます。

還付を受けられる年でも、期限を過ぎた手続きは煩雑です。申告しない状態は次の融資審査にも響きます。

金融機関は確定申告書の控えで返済能力を判断するためです。1戸目の申告を怠ると2戸目が買えません。

税務署は、不動産の売買契約時に提出される情報を保有しています。登記後には「お尋ね」という書面が届く場合もあります。

購入資金の出どころと申告状況を確認する書面です。回答しないまま放置すると調査に発展します。

無申告加算税と延滞税

期限内に申告しなかった場合、無申告加算税が課されます。上乗せされる割合は、税額50万円までが15%、50万円を超える部分は20%です。

税務調査の通知を受ける前に自主的に申告すれば、5%に軽くなります。延滞税は法定納期限の翌日から日割りで加算されます。

延滞税率は、納期限から2か月以内が年2%台、以降は年8%台が近年の水準です。意図的な隠ぺいと判断されると重加算税40%の対象です。

単なる申告忘れで重加算税まで課される例は多くありません。無申告加算税と延滞税だけでも、税額の2割前後が上乗せされます。

期限内に申告する方が確実に安く済みます。過去分に気づいたら、期限後申告を早めに出しましょう。

自主的な申告なら加算税は軽減されます。還付申告は5年前の分までさかのぼれます。

還付申告に期限後申告のペナルティはありません。納める税金がない場合、無申告加算税も延滞税も発生しないためです。

赤字を申告し忘れた年があるなら、5年以内に提出すれば還付を受けられます。2021年分までなら2026年中に間に合います。

黒字を申告していなかった年は、早めの対応が必要です。日数が延びるほど延滞税は膨らみます。

次の融資審査への影響

2戸目以降を購入する場面で、金融機関は確定申告書の控えを求めます。直近2〜3年分の申告書がそろっていないと、賃貸経営の実績を証明できません。

1戸目の収支が黒字か赤字かも、審査で確認されます。赤字が続く状態は返済能力の評価にマイナスです。

節税目的で意図的に赤字にする方針は、融資の面では不利に働きます。減価償却費による赤字は、金融機関側で足し戻して評価する場合もあります。

現金の支出をともなわない経費だからです。帳簿上の赤字と実際のキャッシュフローを分けて説明できると有利です。

確定申告書と家賃送金明細を毎年ファイルしておきましょう。申告を続けた年数が実績として評価されます。

無申告の期間がある人は、審査で不利に扱われがちです。1戸目から正しく申告する習慣が次につながります。

R-EAL編集部

無申告加算税は税額の15〜20%、重加算税は40%です。還付申告は5年前の分までさかのぼって提出できます。

  • 無申告加算税:税額50万円までは15%、超える部分は20%(調査前の自主申告は5%)
  • 延滞税:納期限から2か月以内は年2%台、以降は年8%台
  • 重加算税:意図的な隠ぺいと判断された場合に40%
  • 時効:原則5年、悪質と判断されると7年

まとめ

ワンルーム投資を始めても、勤務先の年末調整は今までどおり受けます。年末調整が精算するのは給与所得だけです。

家賃収入から経費を引いた不動産所得は、確定申告で申告します。不動産所得が20万円を超える会社員には申告義務があります。

20万円以下でも住民税の申告は必要です。赤字なら義務はありませんが、確定申告をすれば損益通算で税金が戻ります。

初年度は購入諸費用が乗り、年収600万円なら約10万円の還付が目安です。年末調整では、基礎控除申告書の給与所得以外の所得欄を0円と記入します。

配偶者名義の物件がある場合は、配偶者の合計所得金額にも忘れず加えましょう。確定申告書第二表で住民税を「自分で納付」にすれば、勤務先への通知を避けられます。

必要書類は12月から1月にそろい、申告期間は2月16日から3月15日までです。期限内の申告が、還付と次の融資審査の両方につながります。

  • 年末調整:勤務先へ提出、給与所得のみ精算、11〜12月
  • 確定申告:税務署へ提出、不動産所得を申告して損益通算、2月16日〜3月15日
  • 住民税:不動産所得が1円でも出たら申告、第二表で「自分で納付」を選択
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