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ワンルームマンション投資は一括購入すべき?ローンとの利回り比較と判断基準

2,500万円の物件を現金で買えば金利を1円も払わずに済み、家賃収入がそっくり手取りとして残るという分かりやすさが一括購入の魅力です。同じ物件を金利2%・35年のローンで買うと、35年間で支払う利息の総額は900万円を超えます。

一方で、手元の2,500万円を1戸に集中させると、空室や修繕が重なったときに動かせる資金がなくなります。団体信用生命保険を使えないうえ、支払利息を経費にできず課税所得が増える点も一括購入を選ぶ前に知っておきたい論点です。

ワンルームマンション投資の一括購入について、次の4点を整理して解説します。

  • 利息ゼロと価格交渉という一括購入のメリット
  • 団信・経費・流動性という3つのデメリット
  • 自己資金利回りで見た一括購入とローンの比較
  • 一括購入が向いている人と、確認しておくべき点
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ワンルームマンション投資を一括購入するメリット

一括購入の利点は、金利という不確実な要素を投資の計算から完全に取り除ける点に集約されます。返済がないため家賃収入から経費を引いた金額がそっくり手元に残り、空室が発生しても持ち出しは生まれません。

手続き面の負担が軽いことも見逃せない利点で、融資審査に落ちる心配をせずに物件を選べ、売主にとっても決済が確実で早いため、価格の交渉で有利な立場に立てる場面が生まれます。

良い物件を見つけてから決済までを1か月以内に収められるため、競合が融資特約を付けて申し込むなかでは売主から優先されやすい立場に立てます。

金利が上がる局面では、返済のない状態を保てること自体が大きな安心につながり、政策金利が動いても収支は一切変わらず、収入の見通しを長期にわたって固定できるからです。

利息がかからず手取りが厚くなる

最大のメリットは、支払う利息がゼロになることで、2,500万円を金利2%・35年で借りた場合、35年間で支払う利息の総額は900万円を超えます。

金利が3%なら利息の総額は1,540万円まで膨らみ、物件価格の6割を超える金額を金融機関へ支払う計算になります。一括購入なら利息の負担が丸ごと消えるため、同じ物件でも生涯の収支は大きく変わってきます。

毎月のキャッシュフローも厚くなり、表面利回り5%で年125万円の家賃収入がある物件なら、経費20万円を引いた105万円が手取りとして残ります。ローンを組んだ場合は年間の返済額99万円が引かれ、手取りは6万円まで縮んでしまう計算です。

空室が発生しても返済に追われないため、焦って家賃を下げる必要がなく入居者を選ぶ余裕も生まれます。結果として滞納や短期退去のリスクを避けやすくなり、長期入居につながる好循環が期待できます。

家賃を相場より下げずに募集を続けられるため、長期的には物件の収益力を保つことにもつながり、返済に追われた結果として値下げを繰り返す状態は、次の売却価格にも響いてきます。

2,500万円の物件で年間105万円の手取りが安定して続けば、退職後の生活費を支える収入源として機能し、年金に月8万円が上乗せされる形になり、労働から離れた後の家計に厚みが出ます。

審査が不要で価格交渉も有利になる

資金の調達に金融機関が絡まないため、購入の意思決定を自分だけで完結でき、融資審査に落ちて契約が流れる心配がなく、旧耐震や築古といった融資の付きにくい物件も候補に入れられます。

売主の立場から見ると、現金の買主は決済が確実で日程も読みやすいという安心感があり、同じ価格で複数の申し込みが入った場合、現金購入者が優先されるケースは珍しくありません。

早期に売却したい事情を抱えた売主に対しては、価格の交渉材料としても機能し、決済までの期間を1か月以内に短縮できる点を提示すれば、数十万円単位の値引きに応じてもらえる場面もあります。

契約から決済までの期間が短くなることで、金利の変動や市況の悪化に巻き込まれるリスクも減ります。融資を使う場合は本審査に2週間から4週間かかり、待っている間に条件が変わる可能性も残ります。

2,500万円を金利2%・35年で借りると利息の総額は900万円を超え、金利3%なら1,540万円まで膨らみ、一括購入は利息の負担を丸ごと消せるため、生涯の収支が大きく変わります。

R-EAL編集部

現金購入なら旧耐震や築古など融資の付きにくい物件も候補に入り、決済の早さを交渉材料にして値引きを引き出せる場面もあります。

項目一括購入ローン購入
35年間の利息(金利2%)0円約900万円
年間の手取り(利回り5%)約105万円約6万円
融資審査不要2〜4週間
買える物件の幅旧耐震・築古も可金融機関の基準内に限る
空室時の持ち出しなし返済額が丸ごと持ち出し

ワンルームマンション投資を一括購入するデメリット

一括購入の弱点は、資金効率と保険の面に集中して現れ、2,500万円を1戸に投じれば、同じ資金で複数戸を持つ場合に比べて資産の分散が効かなくなります。

税務の面でも不利が生じ、支払利息を必要経費に計上できないため課税所得が増え、団体信用生命保険にも加入できず、生命保険の代わりという不動産投資の利点を得られません。

どちらのデメリットも、資金の余力がどれだけあるかで深刻さが変わってき、手元に十分な資産が残るなら流動性の問題は小さく、保障が別に確保されていれば団信の不在も気になりません。

資金に余裕がないまま一括購入に踏み切ると、両方のデメリットが同時に効いてくる形になり、自分がどちらの状況にあるのかを、購入前に金融資産の総額と保険の加入状況で確かめておきましょう。

デメリットはいずれも購入後には取り返しがつかず、あとから借入へ切り替えることは基本的にできません。買い方を決める前に、資金の使い道と保障の必要性を並べて検討しておく必要があります。

手元資金が一気に減る

現金購入の最大のリスクは、流動性を失うことにあり、不動産は売却に3か月から6か月かかるため、資金が必要になっても即座に現金化できません。

給湯器やエアコンの交換で20万円、原状回復で30万円といった支出は保有中に必ず発生します。物件購入で手元資金を使い切ってしまうと、こうした支出に対応できず修繕を先送りする悪循環に陥ります。

修繕を先送りすると入居付けが難しくなり、家賃を下げても決まらない状態が続き、手元資金の不足が空室を招き、空室が収入を減らしてさらに資金が細るという流れに入ってしまいます。

2,500万円の物件を買うには、諸費用として物件価格の7%前後にあたる175万円ほどが別に必要です。仲介手数料・登記費用・不動産取得税・火災保険料を合わせると、実際に用意すべき金額は2,700万円近くになります。

投じた資金を家賃収入で回収するには、年間105万円の手取りでおよそ24年かかる計算で、回収を終える前に大規模修繕や設備の更新が重なるため、余力を残さない購入は避ける必要があります。

売却して現金化する場合も、仲介手数料と譲渡所得税を引いた金額しか手元には戻りません。所有期間が5年以下なら譲渡所得税は39.63%と高く、急いで売ると手取りは大きく目減りします。

団体信用生命保険を使えない

ローンを組まないという選択をする以上、団体信用生命保険の保障はいっさい受けられません。団信は契約者が死亡または高度障害となった場合にローンが完済され、無借金の物件と家賃収入がそのまま家族に残る仕組みです。

生命保険の代わりとして不動産投資を始める人にとっては、団信の保障を得ること自体が目的になっている場合もあります。一括購入では保険としての機能がまったく働かず、家族に残るのは購入した物件だけという結果になります。

もっとも、現金で買った時点で家族に残るのは無借金の物件であり、団信で得られる状態と最終的には同じで、違いは、投じた2,500万円が生きているうちに使えなくなる点にあります。

三大疾病や八大疾病の保障を付けた団信なら、がんと診断された時点で残債がゼロになる商品も用意されています。金利に0.2%前後の上乗せは必要ですが、保険としての価値を重く見るならローンを選ぶ十分な理由になります。

すでに十分な生命保険へ加入しているなら、団信を使えない点は大きな損失になりません。既存の保障内容を確認したうえで、団信の価値をどこまで重く見るかを判断しましょう。

掛け捨ての定期保険なら、40代男性が死亡保障2,500万円を確保する保険料は月5,000円前後が目安になります。団信の代わりに定期保険へ加入し、物件は現金で買うという組み合わせも成り立ちます。

利息を経費にできず課税所得が増える

税務上の扱いでも、一括購入は不利に働き、ローンの支払利息は必要経費に計上できますが、一括購入では計上できる利息が存在しません。

2,500万円を金利2%で借りた初年度の利息はおよそ50万円で、同額だけ不動産所得が圧縮されます。課税所得330万円超の会社員なら所得税と住民税で30%が適用され、年間15万円の税負担が軽くなる計算です。

一括購入では家賃収入から経費と減価償却費を引いた金額がそっくり所得となり、黒字になれば納税額が増え、手取りが厚くなる代わりに、税金の面では負担が重くなる構図です。

相続を見据える場合も、借入がある物件のほうが有利になる場面があり、ローンの残債は債務控除の対象になるため、相続税の課税価格を圧縮する効果が生まれるからです。

ローンの支払利息は必要経費になり、2,500万円を金利2%で借りた初年度なら約50万円が所得から引けます。課税所得330万円超なら年間15万円の節税効果が生まれ、一括購入では受けられない利点です。

R-EAL編集部

2,500万円の物件には諸費用が175万円前後かかるため、実際に用意すべき金額は2,700万円近くになり、投じた資金の回収には24年ほど必要です。

デメリット内容影響の大きさ
流動性の喪失売却に3〜6か月かかる急な出費に対応できない
団信が使えない生命保険の代替効果なし保障目的なら致命的
利息を経費にできない課税所得が増える年15万円前後の差
分散が効かない1戸に資金が集中空室で収入がゼロ
相続対策に不利債務控除を使えない相続税評価が下がらない

一括購入とローンの自己資金利回りを比較する

どちらが有利かを判断する物差しになるのが、投じた自己資金に対する年間の手取りの割合で、物件の表面利回りではなく、自分が出したお金がどれだけ働いているかで比べる考え方になります。

ローンを使うと自己資金が小さくなるため、同じ手取りでも利回りは高く出、ただし金利が上がって借入金利が実質利回りを超えると、有利さは逆転します。

比較の前提として、物件価格2,500万円・表面利回り5%・経費年20万円という条件をそろえて計算します。ローンは返済期間35年とし、諸費用175万円は自己資金から支払う想定で試算しました。

実際の判断では物件価格の値動きや空室率も影響しますが、まずは金利と利回りの関係だけを取り出して比べます。

2,500万円を1戸に投じた場合

まず現金で1戸を買うケースを計算し、表面利回り5%なら家賃収入は年125万円で、経費20万円を引いた手取りは105万円になります。

諸費用175万円を含めた投資額は2,675万円のため、自己資金に対する利回りは3.9%という結果です。預金や国債と比べれば高い水準ですが、株式のインデックス投資が期待する年5%から7%には届きません。

3.9%という数字には物件の値下がりが織り込まれていない点に注意が必要で、ワンルームは築年数とともに価格が下がるため、売却まで含めた収益は3.9%を下回る可能性があります。

反対に、返済がないぶん収支が安定する強みは数字に表れにくい価値で、空室が半年続いても持ち出しはゼロで、金利がいくら上がっても収支は変わりません。

数字の上での効率だけを見ればローンに軍配が上がる局面もありますが、収支が読める安心感は判断材料として無視できません。

2,500万円の物件で年間105万円の手取りが安定して続けば、退職後の生活費を支える収入源として機能し、年金に月8万円が上乗せされる形になり、労働から離れた後の家計に厚みが出ます。

頭金を分けて複数戸を持つ場合

同じ2,500万円を頭金として分散させると、扱える資産の規模は数倍になり、1戸あたり自己資金500万円で5戸を購入すれば、運用する資産の総額は1億2,500万円まで広がります。

1戸あたりの計算では、頭金250万円と諸費用175万円で自己資金は425万円、借入は2,250万円になります。金利2%・35年なら年間の返済額は89万円で、家賃125万円から経費20万円と返済89万円を引いた手取りは16万円です。

自己資金425万円に対して手取り16万円なら、自己資金利回りは3.8%という水準になり、5戸に広げても利回り自体はほぼ変わらず、増えるのは手取りの絶対額と資産の総額です。

資産規模が大きくなれば、家賃の上昇や物件価格の値上がりによる恩恵も大きくなり、反面、空室や金利上昇の影響も同じ倍率で効いてくるため、リスクの振れ幅は確実に広がります。

5戸のうち1戸が空室になっても他の4戸で補える点は、1戸だけを現金で持つ場合にはない強みで、空室リスクを分散できるかどうかは、戸数を増やす最大の意味だといえます。

金利が3%を超えると関係が逆転する

レバレッジが有利に働くのは、実質利回りが借入金利を上回っている間に限られ、金利3%では年間の返済額が104万円まで増え、手取りは1万円まで縮んでしまいます。

金利4%になると返済は年119万円となり、経費を引いた後の手取りはマイナス14万円の赤字に転じ、自己資金425万円を投じて毎年14万円を持ち出す状態になり、投資として成立しているとはいえません。

収益が減っていく状態は逆レバレッジと呼ばれ、借入をしたことで手取りが目減りする状態を指します。政策金利が上昇している局面では、レバレッジという前提自体が崩れる可能性を織り込む必要があります。

安全圏の目安として、実質利回りと借入金利の差であるイールドギャップを2%以上確保する考え方が一般的です。実質利回り4.2%なら金利2.2%が上限で、上限を超えるとレバレッジの効果は急速に薄れます。

金利2%なら自己資金利回りは現金3.9%・ローン3.8%とほぼ互角ですが、金利3%で手取りは1万円、4%ではマイナス14万円の赤字に転じます。イールドギャップ2%以上が安全圏の目安です。

R-EAL編集部

レバレッジで増えるのは自己資金利回りではなく、手取りの絶対額と資産の総額で、空室や金利上昇の影響も同じ倍率で効いてきます。

条件自己資金年間の手取り自己資金利回り
現金一括2,675万円105万円3.9%
ローン・金利2%425万円16万円3.8%
ローン・金利3%425万円1万円0.2%
ローン・金利4%425万円マイナス14万円マイナス3.3%

物件価格2,500万円・表面利回り5%・経費年20万円・返済期間35年の前提で試算しています。

ワンルームマンション投資の一括購入が向いている人

一括購入が合理的になるのは、資金に余裕があってレバレッジを必要としない状況に置かれた人で、数字の上での効率より、収支の安定と管理の手間の少なさを重視する場合にも選ぶ価値があります。

融資を受けにくい属性の人にとっては、そもそも一括購入以外の選択肢がないという事情もあり、年齢や健康状態によっては条件の良いローンを組めない場面が現実に出てきます。

逆に言えば、若くて年収が安定していて健康な人ほど融資の条件は良くなり、レバレッジを使う価値も高まり、自分がどちらの立場にあるかで、選ぶべき買い方は変わってきます。

年齢が上がるほど返済期間は短くなり、レバレッジの効果も小さくなっていく関係にあります。60歳を過ぎた段階では、借入を前提とした拡大戦略は現実的な選択肢から外れます。

手元資金に十分な余裕がある人

物件価格の3倍以上の金融資産があるなら、一括購入は無理のない選択になり、2,500万円の物件を買っても手元に5,000万円以上残るなら、修繕や空室に対応する余力は十分です。

退職金や相続で得たまとまった資金の置き場所として、預金から不動産へ移すという考え方も十分に成り立ちます。年0.3%の定期預金に置き続けるより、実質利回り3.9%で回すほうが物価上昇にも対応しやすくなります。

ただし資産の大半を1戸のワンルームに集中させる形は、分散という観点からは望ましい状態とはいえません。金融資産全体のなかで不動産が占める割合を、3割から5割程度に抑える設計にしておくと安全です。

すでに複数の物件をローンで保有している人が、残債を増やしたくない段階で現金購入に切り替える例もあり、返済比率が上限に近づいた状態でも現金なら物件を増やせるという利点があります。

手元資金が物件価格ぎりぎりしかない状態での一括購入は、最も避けたいパターンになり、購入した瞬間に修繕へ回す資金が尽き、空室が出た時点で打つ手がなくなるためです。

年齢や健康状態で融資を受けにくい人

投資用ローンには年齢の制限があり、多くの金融機関が完済時80歳未満を条件にしており、60歳で申し込めば返済期間は最長20年となり、毎月の返済額が大きくなって収支が回りにくくなります。

団信の加入には健康状態の告知が必要で、持病があると審査に通らない場合もあり、引受基準を緩めたワイド団信という商品もありますが、金利に0.3%前後が上乗せされる条件になります。

団信の加入を任意としている金融機関を選べば持病があっても借りられますが、保障がないまま借入だけを抱える形になります。保障のない借入を抱えるくらいなら、現金購入のほうがリスクは小さいという判断も成り立ちます。

65歳以降で新たに始めるなら、返済期間の短さと審査の厳しさから一括購入が現実的な選択になり、相続まで見据えるなら、あえて借入を残す設計も検討する余地があります。

R-EAL編集部

投資用ローンは完済時80歳未満を条件にする金融機関が多く、60歳で申し込むと返済期間は最長20年で、毎月の返済額が増えて収支が回りにくくなります。

  • 物件価格の3倍以上の金融資産があり、購入後も余力が残る
  • 退職金や相続で得た資金の置き場所を探している
  • 年齢や健康状態から有利な条件で融資を受けられない
  • 返済比率が上限に近く、これ以上の借入ができない

一括購入で失敗しないための確認点

現金で買えば安全という考え方は、収支の安定という面では正しくても資産全体では別の話になり、1戸に集中させた資金が動かせなくなる点は、購入前に必ず確認しておくべきリスクです。

相続や次の物件まで見据えると、あえて借入を残す設計が有利になる場面もあり、目的が資産形成なのか、安定した収入なのか、相続対策なのかで最適解は変わってきます。

一括購入を選ぶ場合でも、購入後に手元へどれだけ資金が残るかを先に計算しておく必要があり、物件価格と諸費用を足した金額を、金融資産から差し引いた残りが安全圏にあるかを確かめましょう。

安全圏の目安は、生活費6か月分に物件1戸あたり100万円の修繕費を加えた金額で、目安を下回るなら、購入価格を下げるか借入を併用する設計へ切り替える必要があります。

生活防衛資金と修繕費を残しておく

購入で手元資金を使い切る判断は、どの局面でも避けるべきで、生活費の6か月分に加えて、物件1戸あたり100万円程度は修繕の備えとして残しておきましょう。

給湯器の交換で15万円から20万円、エアコンで10万円前後、原状回復で20万円から30万円といった支出が保有中に発生します。築15年を超えた物件では、こうした支出が数年おきに重なる前提で資金を用意しておく必要があります。

管理組合の修繕積立金が不足している物件では、大規模修繕のたびに一時金を求められる可能性もあり、購入前に重要事項調査報告書で積立金の残高と長期修繕計画を確認しておきましょう。

不動産取得税は購入から半年ほど経ってから納付書が届くため、決済時に払い終わったと考えていると資金が足りなくなります。2,500万円のワンルームなら10万円から20万円を見込んでおきます。

固定資産税と都市計画税も毎年発生し、ワンルーム1戸あたり年5万円から10万円が目安になり、決済時に日割りで精算した分とは別に、翌年からは自分で全額を負担する形に変わります。

相続まで見据えるなら借入も選択肢になる

相続対策を目的に含めるなら、借入を残す設計のほうが有利で、ローンの残債は債務控除の対象になり、相続財産から差し引いて課税価格を圧縮できます。

現金2,500万円を現金のまま相続すれば2,500万円が課税対象ですが、同額の不動産に変えると評価額は6割から7割まで下がります。さらに賃貸中の物件は貸家建付地や貸家の評価減が使えるため、圧縮の効果はより大きくなります。

借入を使って購入した場合は、評価減に加えて残債分を債務控除でき、ただし相続税の圧縮だけを目的にした過度な借入は、税務署に否認された裁判例もあるため注意が必要です。

相続まで10年以上あるなら、まずは収支の安定を優先して判断するほうが現実的で、相続が近づいた段階で、保有する資産の構成を見直せば間に合います。

購入で手元資金を使い切ってはいけません。生活費の6か月分に加え、物件1戸あたり100万円程度は修繕の備えとして残しましょう。不動産取得税は決済の半年後に請求されます。

R-EAL編集部

現金2,500万円を現金のまま相続すると全額が課税対象ですが、不動産に変えると評価額は6割から7割まで下がり、賃貸中ならさらに評価減が使えます。

目的向いている買い方理由
安定した収入を得たい一括購入返済がなく空室でも持ち出しゼロ
資産規模を広げたいローンレバレッジで扱える資産が増える
生命保険の代わりにしたいローン団信で残債がゼロになる
相続税を圧縮したいローン債務控除を使える
融資を受けにくい一括購入年齢や健康状態の制約を受けない

まとめ

ワンルームマンション投資を一括購入すれば利息の負担がなくなり、2,500万円を金利2%・35年で借りた場合の900万円を丸ごと節約できます。返済がないため空室が長く続いても持ち出しは発生せず、金利がどれだけ上がっても収支はまったく変わりません。

一方で団体信用生命保険を使えないうえ、支払利息を経費に計上できないため課税所得は増えることになります。売却に3か月から6か月かかる資産に2,500万円を固定するため、急な出費に対応できなくなる点も見落とせません。

投じた自己資金に対する利回りで比べると、金利2%なら現金3.9%・ローン3.8%とほぼ互角の水準になります。金利3%で手取りは1万円まで縮み、4%ではマイナス14万円の赤字に転じるため、イールドギャップ2%以上を確保できるかが分かれ目になります。

一括購入を選ぶ前に必ず確認しておきたいのは、次の3点です。

  • 生活費6か月分と物件1戸あたり100万円の修繕費を残せるか
  • 金融資産に占める不動産の割合が3〜5割に収まるか
  • 相続対策を目的に含めるなら、債務控除を使う設計のほうが有利ではないか

目的が収入の安定なのか資産形成なのかを決めてから、買い方を選びましょう。

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