ワンルームマンションは、同じ金額の現金より相続税の計算に使う評価額が低くなるため、相続対策として購入する人が少なくありません。2024年1月からマンションの評価の新しいルールが始まり、以前ほど評価額は下がらなくなったものの、時価の6割程度までは抑えられる仕組みが残っています。
ワンルームマンション投資と相続について押さえておくべき点は、次の4つです。
- ワンルームの評価額が現金より低くなる仕組み
- 2024年から始まったマンションの評価の新しいルール
- 購入から3年以内の相続や、団信で完済された場合の注意点
- 相続した側が行う手続きと、複数の相続人での分け方
記事では25平方メートル・築10年のワンルームを例に、新しいルールでの評価額を順を追って計算し、現金で持つ場合との差を具体的に示します。


ワンルームマンション投資が相続対策になる仕組み
相続税は亡くなった人の財産を評価額に置き換えて計算するため、同じ価値の財産でも評価額が低い形で持っているほど、相続税は少なくなります。ワンルームマンションは土地も建物も時価より低い基準で評価し、賃貸中であればさらに評価額を下げられるため、現金をワンルームに換えると相続税の負担を軽くできます。
現金とワンルームで、相続税の評価の基準を比べると次のとおりです。
| 財産 | 評価の基準 | 時価に対する目安 |
|---|---|---|
| 現金・預金 | 額面の金額 | 100% |
| 土地(敷地権) | 路線価 × 持分の面積 | 約80% |
| 建物(専有部分) | 固定資産税評価額 | 約50〜70% |
| 賃貸中のワンルーム | 上記から貸家・貸家建付地の減額 | さらに2〜3割減 |
現金は額面で、不動産は時価より低く評価される
現金や預金は1,000万円あれば1,000万円のまま相続税の計算に入りますが、不動産は国が定めた基準で評価するため、売買される価格より低い金額になります。同じ2,000万円の財産でも、現金で持つかワンルームで持つかによって、相続税の計算に使う金額が1,000万円以上変わることもあります。
評価額が下がった分だけ課税の対象が減り、相続税の税率が高い人ほど節税の効果は大きくなります。相続税の税率は財産の額に応じて10%から55%まで上がるため、財産が多い人ほど評価額を下げる効果が大きく表れます。
土地の持分は路線価で評価する
ワンルームの土地は、敷地全体を路線価で評価した金額に、登記に記載された敷地権の割合を掛けて評価額を求めます。路線価は国が公示する土地の価格の8割程度を目安に決められているため、土地の評価額は時価より2割ほど低くなるのが一般的です。
ワンルームは1戸あたりの敷地の持分が数平方メートルと小さいため、評価額全体に占める土地の割合は一戸建てより小さくなります。路線価は国税庁のウェブサイトで毎年7月に公表されるため、物件の前面の道路に付けられた価格を調べれば、土地の評価額の目安を自分で計算できます。
建物は固定資産税評価額で評価する
ワンルームの建物は、市区町村が固定資産税を計算するために決めた固定資産税評価額を、相続税の評価額として使います。固定資産税評価額は建築費の5割から7割程度に設定されることが多く、築年数とともに下がっていくため、建物の評価額は時価より大きく低くなります。
固定資産税評価額は、毎年春に届く固定資産税の課税明細書か、市区町村で取得できる評価証明書で確かめられます。固定資産税評価額は3年ごとに見直され、築年数が進むほど下がるため、同じ物件でも相続が起きる時期によって評価額は変わります。
賃貸中なら貸家と貸家建付地で評価がさらに下がる
入居者がいるワンルームは、入居者の権利がある分だけ所有者が自由に使えないため、建物は貸家として3割、土地は貸家建付地として約2割、評価額を差し引けます。土地の減額は借地権割合と借家権割合を掛けて計算し、借地権割合が70%の地域なら、土地の評価額は21%下がる計算です。
減額は亡くなった時点で入居者がいることが条件のため、空室の期間が長いと減額を受けられない点に注意しましょう。募集中の一時的な空室であれば、賃貸中と同じ扱いを受けられる場合もあります。
相続税がかかるのは基礎控除を超える人だけ
相続税は、財産の評価額の合計が3,000万円に法定相続人1人あたり600万円を加えた基礎控除を超えた場合にだけかかります。法定相続人が配偶者と子2人の3人であれば基礎控除は4,800万円となり、財産の合計が4,800万円以下なら相続税はかからず、ワンルームで評価額を下げる意味もありません。
自分の財産が基礎控除を超えるかを先に確かめたうえで、相続対策としてワンルームを買う必要があるかを判断しましょう。
ワンルームは土地も建物も時価より低く評価され、賃貸中ならさらに下がります。ただし、財産が基礎控除以下なら相続税はかかりません。
2024年から始まったマンションの評価の新しいルール
以前はマンションの評価額が時価の3割程度にまで下がることもあり、高額なマンションを買って相続税を大きく減らす方法が問題視されていました。2024年1月1日以後の相続や贈与からは、評価額が時価に比べて低すぎるマンションについて、評価額を引き上げる補正を行う新しいルールが適用されています。
新しいルールで評価の補正に使う評価乖離率は、物件の築年数や階数などを使って、国税庁が定めた次の計算式で求めます。
| 指標 | 計算式 | 評価乖離率への影響 |
|---|---|---|
| A 築年数 | 築年数 × −0.033 | 古いほど小さくなる |
| B 総階数 | 総階数 ÷ 33(上限1)× 0.239 | 高い建物ほど大きくなる |
| C 所在階 | 所在階 × 0.018 | 上の階ほど大きくなる |
| D 敷地持分 | 敷地持分の面積 ÷ 専有面積 × −1.195 | 持分が小さいほど大きくなる |
評価乖離率はA、B、C、Dの合計に3.220を足して求め、数字が大きいほど従来の評価額が時価より低いことを示します。
評価額が時価の6割を下回ると引き上げられる
新しいルールでは、評価乖離率から逆算した評価水準が0.6を下回るマンションについて、評価額を時価の6割程度まで引き上げます。評価水準は評価乖離率の逆数で、評価乖離率が1.67を超えると評価水準が0.6を下回り、従来の評価額に評価乖離率×0.6を掛けた金額が新しい評価額になります。
評価水準が0.6から1の間にあるマンションは補正を受けず、従来の方法で計算した評価額が変わらず使われます。評価水準が1を超える、つまり評価額が時価より高くなっているマンションは、評価額を引き下げる方向の補正が行われます。
ワンルームは敷地持分が小さく評価が上がりやすい
評価乖離率を下げる要素のうち、敷地持分の指標は専有面積に対する土地の持分が小さいほど影響が弱まり、評価乖離率が大きくなります。ワンルームは1戸あたりの土地の持分が数平方メートルと小さいため、ファミリー向けのマンションより評価乖離率が高くなりやすく、評価額の引き上げを受けやすい物件です。
築年数が浅く、階数の高い建物の上の階にある部屋ほど、評価乖離率はさらに大きくなります。都心の新しいワンルームほど補正率が大きくなり、以前の評価額から2倍近くまで上がることもあります。
補正の対象にならないマンションもある
新しいルールの対象は居住用の区分所有のマンションで、総階数が2階以下の低層の集合住宅や、区分所有の登記がされていない建物は対象から外れます。一棟のアパートや一戸建ての賃貸住宅は補正の対象にならないため、同じ賃貸物件でもワンルームとは評価の計算方法が異なります。
店舗や事務所として使われている区分所有の部屋も、居住用ではないため補正の対象から外れます。自分の物件が対象になるかは、登記事項証明書で建物の種類と総階数を確かめると判断できます。
改正後も時価の6割程度に抑えられる
補正を受けても評価額は時価の6割程度にとどまるため、現金で持つ場合と比べれば、相続税の計算に使う金額は約4割低くなります。賃貸中のワンルームは補正後の評価額から貸家と貸家建付地の減額も受けられるため、実際の評価額は時価の5割を下回ることもあります。
以前と比べて節税の効果は小さくなったものの、ワンルームが相続対策として使える点は変わっていません。
2024年以降は、評価額が時価の6割を下回るマンションに補正がかかります。ワンルームは補正を受けやすいものの、現金より評価額が低い点は変わりません。
新しいルールでも評価額は時価の6割程度に抑えられます。賃貸中なら、補正後の評価額からさらに減額を受けられます。
ワンルームマンションの相続税評価額の計算例
新しいルールでの評価額を、25平方メートル・築10年のワンルームを例に計算します。物件は10階建ての5階にあり、敷地の持分は7.5平方メートル、時価は約2,150万円で、亡くなった時点で入居者がいる前提です。路線価や固定資産税評価額は物件ごとに異なるため、実際の計算では自分の物件の数字に置き換えてください。
計算の前提と、段階ごとの評価額は次のとおりです。
| 段階 | 土地 | 建物 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 従来の方法での評価額 | 450万円 | 350万円 | 800万円 |
| 補正後(補正率1.616) | 約727万円 | 約566万円 | 約1,293万円 |
| 賃貸中の減額後 | 約575万円 | 約396万円 | 約971万円 |
| 小規模宅地等の特例の適用後 | 約287万円 | 約396万円 | 約683万円 |
評価乖離率は2.694で補正率は1.616になる
例の物件の指標は、築年数が−0.33、総階数が約0.072、所在階が0.09、敷地持分が約−0.359で、合計に3.220を足すと評価乖離率は約2.694です。評価水準は約0.371と0.6を下回るため、評価乖離率に0.6を掛けた約1.616が補正率となり、従来の評価額800万円は約1,293万円に引き上げられます。
従来の評価額は、土地が路線価60万円に持分7.5平方メートルを掛けた450万円、建物が固定資産税評価額の350万円です。
賃貸中の減額で評価額は約971万円に下がる
補正後の土地の評価額約727万円に、借地権割合70%と借家権割合30%を掛けた21%の減額を行うと、土地は約575万円になります。建物は補正後の約566万円から借家権割合の30%を差し引いて約396万円となり、賃貸中のワンルームの評価額は合計で約971万円まで下がります。
時価約2,150万円の物件が、補正を受けた後でも時価の半分を下回る評価額になる計算です。入居者がいない状態で相続が起きると減額を受けられず、評価額は補正後の約1,293万円のままとなります。
小規模宅地等の特例で土地の評価額はさらに半分になる
賃貸に出している土地は、貸付事業用宅地等として200平方メートルまで評価額を50%減らせる小規模宅地等の特例の対象になります。例の物件では土地の評価額約575万円が約287万円に下がり、ワンルーム全体の評価額は約683万円と、時価の約3割まで小さくなります。
特例を使うには、相続税の申告期限までに遺産の分け方が決まり、相続した人が賃貸を続けていることが条件です。特例を使うと相続税がゼロになる場合でも申告が必要になるため、期限までに相続税の申告書を提出しましょう。
現金2,150万円と比べて評価額は約1,467万円下がる
現金2,150万円を預金で残した場合と、ワンルームに換えて残した場合を比べると、相続税の計算に使う金額は約1,467万円少なくなります。相続税の税率が30%の段階にかかる人であれば、評価額が1,467万円下がることで、相続税は約440万円少なくなる計算です。
実際の節税額は財産の総額や相続人の数で変わるため、購入前に税理士に試算を依頼しておくと、効果を具体的に確かめられます。
例の物件では、時価約2,150万円のワンルームの評価額が、補正と賃貸中の減額、小規模宅地等の特例を経て約683万円になります。
補正を受けても、賃貸中の減額と小規模宅地等の特例を使えば、評価額は時価の約3割まで下がる計算です。
ワンルームマンション投資で相続対策をするときの注意点
ワンルームで評価額を下げる方法は、購入の時期やローンの組み方によっては期待した効果が得られなかったり、税務署から評価を否認されたりすることがあります。相続対策だけを目的にワンルームを買うと、空室や家賃の下落で毎月の収支が赤字になり、残された家族に負担を引き継ぐことにもなりかねません。
相続対策としてワンルームを買う前に、確認しておきたい点は次の4つです。
- 相続が起きるまでに、購入から3年以上たつ見込みがあるか
- 相続税を減らすことだけが目的の、相続直前の購入になっていないか
- 団信でローンが完済されたときの、債務控除の扱いを理解しているか
- 家賃収入だけで毎月の収支が合う物件かどうか
購入から3年以内の相続では小規模宅地等の特例が使えない
2018年4月の改正により、相続の前3年以内に新たに賃貸を始めた土地は、原則として貸付事業用宅地等の特例の対象から外れることになりました。ワンルームを買ってから3年以内に相続が起きると、土地の評価額を50%減らす特例が使えず、例の物件では評価額が約287万円高くなります。
相続の前3年より前から、事業的規模と呼ばれる5棟10室以上の賃貸を続けている人は、3年以内に買った物件でも例外として特例を使えます。相続対策として買うなら、健康で時間に余裕のあるうちに購入を済ませておくことが大切です。
相続直前の購入は評価を否認されることがある
2022年4月の最高裁判決では、亡くなる直前に借入れでマンションを買って相続税をゼロにした事例について、通常の評価方法を使わず時価で評価した国の判断が認められました。相続税を減らすこと以外に買う理由がなく、評価額と時価の差が大きすぎる場合は、評価の基準どおりに計算しても否認される可能性があります。
家賃収入を得るための投資として無理のない金額で買い、長く保有することが、否認を避けるうえでの基本となります。判決の事例では、相続の3年ほど前から借入れで2棟の賃貸マンションを買い、評価額が時価の約4分の1まで下がっていました。
団信で完済されるとローンを債務控除できない
ローンを組んでワンルームを買った人が亡くなると、団体信用生命保険によってローンの残りが完済され、相続人は借金のない物件を受け継げます。ローンの残りは保険で消えるため、相続税の計算で財産から差し引ける債務にはならず、借入れで財産を減らす効果は得られません。
団信で完済された物件は家賃収入の全額が手取りになるため、相続税を減らす効果より、家族に収入を残す効果を重視した方法と考えておきましょう。
空室や家賃の下落で収支が赤字になると家族の負担になる
相続対策としてワンルームを買っても、空室が続いたり家賃が下がったりすれば、ローンの返済や管理費を家賃で賄えず、毎月の収支は赤字になります。相続税が数百万円減っても、赤字の物件を受け継いだ家族が毎月の持ち出しを負担し続ければ、節税の効果は年数とともに消えてしまいます。
相続対策の前に、駅からの距離や周辺の賃貸需要を確かめ、家賃収入だけで収支が合う物件を選ぶことが欠かせません。
購入から3年以内の相続では、土地の特例が使えません。相続税を減らすことだけを目的に、亡くなる直前に買うのも避けましょう。
ワンルームマンションを相続した側の手続きと分け方
ワンルームマンションを相続した人は、相続税の申告とは別に、名義の変更やローンの団信の請求など、期限のある手続きを順に進める必要があります。複数の相続人がいる場合は、物件の分け方によって後々の売却や管理のしやすさが大きく変わるため、相続が起きる前から分け方を考えておくことが大切です。
ワンルームを相続したときの主な手続きと期限は次のとおりです。
| 手続き | 期限の目安 | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 団信の請求 | 亡くなった後すぐ | ローンを借りている金融機関 |
| 相続税の申告と納付 | 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内 | 税務署 |
| 相続登記 | 相続を知った日から3年以内 | 法務局 |
| 賃貸管理の引き継ぎ | 名義の変更に合わせて | 管理会社 |
団信の請求は亡くなった後すぐ金融機関に連絡する
ローンの残りを団信で完済してもらうには、相続人がローンを借りている金融機関に連絡し、死亡診断書などをそろえて保険金の請求を行います。請求が遅れると、完済されるまでの間も毎月の返済の引き落としが続くため、亡くなった後はできるだけ早く金融機関に連絡することが大切です。
物件を買った不動産会社や管理会社に連絡すれば、金融機関の窓口や必要な書類を案内してもらえる場合もあります。団信で完済された後は、金融機関から抵当権を抹消するための書類が届くため、相続登記と合わせて手続きを進めます。
相続登記は相続を知った日から3年以内に申請する
2024年4月1日から相続登記が義務になり、不動産を相続したことを知った日から3年以内に、法務局へ名義の変更を申請しなければなりません。正当な理由なく期限までに申請しないと10万円以下の過料の対象となり、2024年3月以前に相続した物件にも義務が適用されます。
相続登記には固定資産税評価額の0.4%の登録免許税がかかり、司法書士に依頼する場合は別に報酬が必要です。土地と建物の固定資産税評価額の合計が350万円のワンルームであれば、登録免許税は1万4,000円となります。
亡くなった人の家賃収入は4か月以内に準確定申告する
ワンルームの家賃収入があった人が亡くなると、1月1日から亡くなった日までの所得について、相続人が代わりに準確定申告を行う必要があります。準確定申告の期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月以内で、相続税の申告の10か月より早く期限が来るため、家賃の入金記録や経費の領収書を早めに集めておきましょう。
亡くなった日の翌日からの家賃収入は物件を相続した人の所得となり、翌年に相続人自身の確定申告に含めて申告します。
複数の相続人には1人1戸ずつ分けると共有を避けられる
1つの物件を複数の相続人で共有すると、売却や大きな修繕のたびに共有者全員の同意が必要になり、意見が分かれて身動きが取れなくなることがあります。ワンルームは1戸あたりの価格が小さいため、相続人の数に合わせて複数戸を持っておけば、1人1戸ずつ単独で相続させることができます。
物件ごとに価格や家賃が違う場合は、遺言書で誰にどの物件を渡すかを決めておくと、相続人同士の話し合いがまとまりやすくなります。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議書を作り、全員が署名と実印の押印をする必要があります。
相続したワンルームを売るなら3年以内が有利
相続したワンルームを、相続税の申告期限から3年以内に売ると、払った相続税の一部を売却の取得費に加えられる特例を使え、売却益にかかる税金を減らせます。亡くなった人が買った時期も相続人が引き継ぐため、保有期間が5年を超えていれば、相続後すぐに売っても税率の低い長期譲渡所得として扱われます。
相続した物件を持ち続けるか売るかは、家賃の収支と特例の期限を並べて、申告期限から3年以内に判断しましょう。
生前に贈与して家賃収入を子に移す方法もある
ワンルームを生前に子へ贈与すると、贈与した後の家賃収入は子のものとなり、親の財産が家賃収入で増え続けるのを防げます。相続時精算課税を選べば、年110万円の基礎控除に加えて累計2,500万円までは贈与税がかからず、評価額の低いワンルームなら贈与しやすくなります。
相続時精算課税で贈与した財産は、年110万円の基礎控除を超えた分が相続のときに相続財産に加算されるため、税理士と試算して方法を選びましょう。
暦年贈与は亡くなる前7年分が相続財産に加算される
毎年110万円までの非課税の枠を使う暦年贈与は、2024年1月以後の贈与から、亡くなる前7年以内に贈与した財産が相続財産に加算されるように変わりました。加算の期間が3年から7年に延びたため、高齢になってから贈与を始めても、相続税を減らす効果は以前より出にくくなっています。
延長された4年分については合計100万円まで加算から除かれるため、贈与を始める時期と方法は早めに税理士と相談して決めましょう。
相続登記は3年以内の申請が義務です。相続人が複数いるなら、1人1戸ずつ分けられるように準備しておくと安心です。
まとめ|ワンルームマンション投資の相続対策は新しい評価ルールで試算する
ワンルームマンションは土地と建物が時価より低く評価され、2024年からの新しいルールで補正を受けても、評価額は時価の6割程度に抑えられます。賃貸中の減額と小規模宅地等の特例を使えば、例の物件では時価約2,150万円の評価額が約683万円まで下がります。
相続対策としてワンルームを持つ前に、確認しておく項目は次のとおりです。
- 財産の合計が相続税の基礎控除を超えるかどうか
- 新しいルールでの評価乖離率と補正後の評価額
- 購入から相続までに3年以上たつ見込みがあるか
- 家賃収入だけで毎月の収支が合うかどうか
- 複数の相続人に1人1戸ずつ分けられるか
相続税を減らす効果は財産の額や家族の構成で大きく変わるため、まずは自分の財産が基礎控除を超えるかを計算してみましょう。新しいルールでの評価額と節税の効果は、物件の資料をそろえて税理士に試算を依頼すると確実です。










