不動産投資に興味はあるものの、専門知識が多く金額も大きいため、自分には難しいと感じて一歩を踏み出せない人は少なくありません。不動産投資の森が511人に行った調査でも、7割以上が「とても難しそう」と回答しています。
本記事では、不動産投資が難しいと言われる理由を整理したうえで、物件タイプ別・他の投資との比較で難易度を具体的に示し、初心者が難しさを乗り越えるためのコツを解説します。


不動産投資の難易度は高いのか
不動産投資の難易度は、家賃収入で利益を得るという仕組みの理解だけなら高くありませんが、利益の出る物件を適正な価格で買う判断は初心者にとって難しい部類に入ります。物件の立地や築年数、ローンの条件、税金まで、購入前に確認すべき項目が株式投資より多いためです。
難しさの中身を分解すると、知識不足よりも、判断の材料を自分で集められないことが原因になっている場合が多く見られます。
不動産投資の森が2023年に511人を対象に行った調査では、不動産投資の印象として次のような結果が出ています。
| 難しいと感じる理由 | 回答の割合 |
|---|---|
| 専門知識が必要になる | 43.8% |
| 投資金額が大きい | 20.5% |
| 詐欺に引っ掛かりそう | 13.3% |
| 失敗時の損失が大きそう | 13.1% |
仕組みはシンプルだが判断する項目が多い
不動産投資の仕組みは、物件を買って入居者に貸し、家賃からローン返済や経費を引いた残りが利益になるというシンプルなものです。難しいのは仕組みの理解ではなく、エリアや価格帯、家賃、築年数、税金など、1つの物件を買うまでに判断する項目の多さにあります。
項目の一つひとつは本や専門サイトで学べる内容ですが、すべてを組み合わせて1つの結論を出すには経験が必要です。最初の1戸で判断の流れを経験すると、2戸目以降の難易度は大きく下がります。
難易度を左右するのは買う価格の判断
不動産投資の成否は、購入した時点の価格でほぼ決まると言われるほど、適正な価格で買えるかどうかが難易度を左右します。相場より数百万円高く買った物件は、家賃収入で割高分を取り戻すまでに何年もかかり、売却しても損失が残るからです。
市場に出ている物件の多くは、価格さえ適正であれば運用に大きな問題はありません。初心者が失敗する原因は物件の良し悪しより、相場を知らずに割高な価格で買ってしまう点にあると考えられます。
不動産投資が難しいと言われる5つの理由
不動産投資が難しいと言われる理由は、必要な知識の範囲の広さ、投資金額の大きさ、物件を見極める難しさ、利回り計算の複雑さ、短期間では利益が出にくい点の5つに整理できます。いずれも事前に知っておけば対策できるもので、原因を知らないまま始めることが最も大きなリスクです。
不動産投資の森の調査では、最初のハードルの1位が「投資資金を確保する」で64.4%でした。
5つの理由と、理由ごとに必要な対策をまとめると以下のとおりです。
| 難しい理由 | 主な対策 |
|---|---|
| 知識の範囲が広い | 融資・税金・管理の順に優先して学ぶ |
| 投資金額が大きい | 中古ワンルームや少額の出資型から始める |
| 物件の見極めが難しい | 同じ条件の物件を3件以上比べる |
| 利回り計算が複雑 | 表面利回りでなく実質利回りで比べる |
| 短期で利益が出にくい | 10年以上の保有を前提に収支を組む |
不動産・融資・税金と必要な知識の範囲が広い
不動産投資では、物件の知識に加えて、ローンの審査や金利、所得税や固定資産税、賃貸借契約の法律まで、幅広い分野の知識が求められます。株式投資なら企業の業績と株価を見れば判断できますが、不動産は購入から売却までの各段階で異なる専門知識を使うためです。
すべてを最初から完璧に理解する必要はなく、融資と税金、管理の3分野を優先して学べば最初の1戸は判断できます。細かな法律の知識は、管理会社や税理士に相談しながら少しずつ身につけましょう。
投資金額が大きく借入への不安がある
中古ワンルームでも1,500万〜2,500万円、一棟アパートなら数千万〜1億円以上と、不動産投資は1回の投資金額が大きいことが心理的な壁になります。多くの場合はローンを組むため、数千万円の借金を背負うことへの不安から始められない人も多いでしょう。
ただしローンの返済は家賃収入から行うため、入居者がいる限り給与から返済するわけではありません。借入額が不安な人は、自己資金を多めに入れるか、物件価格の安い中古ワンルームから始めましょう。
利益の出る物件を見極めるのが難しい
利益の出る物件を見極めるには、立地の需要や家賃の相場、建物の管理状態を総合的に判断する必要があり、初心者にとって最も難しい工程です。営業担当者が勧める物件が相場と比べて適正かどうかを、経験のない投資家が1件だけで判断するのは困難だからです。
楽待や健美家などのポータルサイトで、同じ駅・同じ広さ・同じ築年数の物件を3件以上比べると相場の感覚がつかめます。比較の手間を惜しまないことが、割高な物件を避ける最も確実な方法です。
表面利回りと実質利回りの差が大きい
広告に表示される表面利回りは経費を引く前の数字で、管理費や修繕積立金、固定資産税を差し引いた実質利回りは1〜2%ほど低くなるのが一般的です。表面利回り5%の物件でも、実質利回りは3%台にとどまることが多く、数字の違いを知らずに買うと想定の収支を下回ります。
実質利回りは、年間の家賃収入から年間の経費を差し引き、物件価格と購入時の諸費用の合計で割って計算します。物件を比べるときは、必ず実質利回りをそろえて判断しましょう。
実質利回り=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件価格+購入諸費用)×100。表面利回りより1〜2%低くなるのが目安です。
短期間で大きな利益を出しにくい
不動産投資は毎月の家賃収入を積み上げる投資なので、株式投資のように数か月で資産が倍になるような短期の利益はほとんど期待できません。購入時には物件価格の7〜10%の諸費用がかかり、諸費用を家賃収入で回収するだけでも数年を要するためです。
購入後すぐに売ると諸費用の分だけ損失が出るうえ、保有期間が5年以下の売却益には約39%の税率がかかります。10年以上の長期保有を前提に、毎月の収支と返済計画を組み立てましょう。
物件タイプ別に見る不動産投資の難易度
不動産投資の難易度は、どの種類の物件を選ぶかによって大きく変わります。管理を委託できる区分マンションは比較的やさしく、建物全体の修繕や入居者対応を担う一棟物件は、判断の範囲が広く難易度が高くなります。
主な物件タイプの必要資金と難易度を比べると、以下のようになります。
| 物件タイプ | 必要資金の目安 | 難易度 | 主な難しさ |
|---|---|---|---|
| 不動産クラウドファンディング | 1万円〜 | 低い | 事業者の選定 |
| 中古ワンルーム(区分) | 自己資金100万〜200万円 | やや低い | 物件価格の見極め |
| 地方の築古戸建て | 現金300万〜500万円 | 中程度 | 修繕費の見積もり |
| 一棟アパート | 自己資金500万〜1,000万円以上 | 高い | 空室対策と大規模修繕 |
不動産クラウドファンディングは物件選びが不要
不動産クラウドファンディングは、運営会社が選んだ物件に1万円から出資する仕組みなので、物件選びや管理の判断が不要で難易度は最も低くなります。投資家が判断するのは、運営会社の実績と案件ごとの想定利回り、運用期間、劣後出資の割合などに限られます。
融資を使えないため資産を大きく増やすことはできませんが、不動産の利回りの仕組みを少額で体験できます。実物不動産を買う前の練習として、数万円から出資してみる方法もあるでしょう。
中古ワンルームは管理を任せられるため難易度が低い
中古ワンルームは、建物の管理を管理組合が担い、入居者対応を管理会社に委託できるため、実物不動産の中では最も難易度が低い投資です。オーナーが判断する場面は、購入時の価格と家賃の確認、退去時の原状回復や家賃設定の承認などに限られます。
東京23区の駅に近い物件なら入居者の需要も安定しており、空室期間が長引く心配も比較的少なくなります。初めての実物不動産として選ばれることが多いのは、判断する項目の少なさが理由です。
築古戸建ては修繕費の見積もりが難しい
地方の築古戸建ては数百万円の現金で買える一方、購入後に必要な修繕費を正確に見積もるのが難しく、難易度は中程度です。屋根や外壁、水回りの傷み具合によって、修繕費が数十万円で済むか数百万円かかるかが大きく変わるからです。
リフォーム業者の手配や入居者募集をオーナー自身が進める場面も多く、会社員が本業と両立するには時間の確保が必要になります。内見の段階から工務店に同行してもらい、修繕費を含めた総額で判断しましょう。
一棟アパートは空室と大規模修繕の判断が難しい
一棟アパートは家賃収入が大きい反面、複数の部屋の空室対策と建物全体の大規模修繕をオーナーが判断するため、最も難易度の高い投資です。8室のアパートで2室が空くと家賃収入は25%減り、ローン返済が家賃を上回る月も出てきます。
外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕は1回で数百万円かかり、修繕積立金のように毎月積み立てる仕組みもありません。区分マンションで数年の経験を積み、自己資金を十分に貯めてから検討しましょう。
他の投資と比べた不動産投資の難易度
不動産投資の難易度を株式投資や投資信託、FXなどと比べると、必要な知識の幅は広い一方で、価格の変動がゆるやかで短期間の値動きに振り回されにくいという特徴があります。難しさの種類が他の金融商品とは異なるため、自分に合うかどうかを比べて判断することが大切です。
主な投資商品と比べた場合の、最低投資額や知識の幅、融資の有無の違いは以下のとおりです。
| 投資の種類 | 最低投資額 | 必要な知識の幅 | 価格変動 | 融資 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産投資 | 100万円台〜 | 広い | 小さい | 使える |
| 株式投資 | 数万円〜 | 中程度 | 大きい | 原則なし |
| 投資信託 | 100円〜 | 狭い | 中程度 | なし |
| FX | 数千円〜 | 中程度 | 非常に大きい | なし |
投資信託より学ぶ範囲は広いが値動きは小さい
投資信託は運用をプロに任せられるため知識がほとんど不要ですが、不動産投資は物件選びや管理の判断を自分で行うぶん学ぶ範囲が広くなります。一方で不動産の価格は株式市場のように毎日大きく動かないので、短期の値動きに一喜一憂する必要はありません。
日々の相場を見る時間が取れない会社員にとっては、価格変動の小さい不動産投資のほうが向いている場合もあります。知識の量と値動きの大きさの両面から、自分に合う投資を選びましょう。
株式投資より売買の判断の回数は少ない
株式投資では値動きに合わせて売買のタイミングを何度も判断しますが、不動産投資は購入と売却の2回の判断が中心で、判断の回数は少なくなります。購入後は家賃収入が毎月入り、日々の価格変動を見て売るかどうかを考える必要がないためです。
1回あたりの判断は金額が大きく慎重さが求められる一方、回数が少ないぶん準備に時間をかけられます。短期の売買に疲れた株式投資の経験者が、不動産投資に移る例も少なくありません。
融資を使えるのは不動産投資だけの特徴
株式や投資信託と違い、不動産投資は金融機関の融資を使って自己資金の何倍もの資産を持てる点が大きな特徴です。自己資金200万円で2,000万円の物件を買えば、自己資金の10倍の資産から家賃収入を得られます。
ただし借入が大きいほど、空室や金利上昇が起きたときの影響も大きくなるので、融資の使い方を誤ると難易度は一気に上がります。返済比率を家賃収入の50%以下に抑え、無理のない借入額で始めましょう。
ローン返済は家賃収入の50%以下が目安です。家賃月8万円なら、返済を月4万円以内に抑えましょう。
購入前に不動産投資の難易度を下げるコツ
不動産投資の難しさの多くは、購入前の準備で大きく減らせます。目的を決めて相場を調べ、実質利回りで物件を比べるという3つの手順を踏むだけで、割高な物件や収支の合わない物件を買う失敗は避けられるでしょう。
購入前の準備にかける時間は、物件を1戸選ぶまでに1〜3か月程度を見込んでおくと、焦らずに比較と検討を進められます。
購入前に比べる物件は、同じ駅・同じ広さ・同じ築年数で3件以上が目安です。
購入前に済ませておきたい準備は、次の3つです。
- 投資の目的と、10年後に達成したい家賃収入の目標を決める
- ポータルサイトで希望エリアの価格と家賃の相場を調べる
- 候補の物件を実質利回りと毎月の手残りで比べる
投資の目的と目標額を先に決める
不動産投資を始める前に、老後の年金代わりにしたいのか、資産を増やしたいのかなど、目的と10年後の目標額を決めておきます。目的が決まれば、選ぶべき物件のエリアや価格帯、ローンを組む期間が自然と絞られ、判断する項目が大きく減るためです。
目的があいまいなまま営業担当者の話を聞くと、節税や生命保険の代わりといった説明に流されて本来不要な物件を買うことがあります。目標の家賃収入と保有期間を紙に書き出してから、物件探しを始めましょう。
ポータルサイトで相場を自分で調べる
楽待や健美家、SUUMOなどのポータルサイトを使えば、希望するエリアの物件価格と家賃の相場を自分で調べられます。相場を知っていれば、営業担当者から提示された価格が割高かどうかを面談の場で判断でき、交渉の材料にもなります。
売り出し中の物件価格だけでなく、同じマンションの賃貸募集の家賃も合わせて確認すると、想定家賃が現実的かどうかも分かります。気になるエリアを1〜2つに絞り、毎週決まった曜日に新着物件を見る習慣をつけましょう。
物件は実質利回りと毎月の手残りで比べる
候補の物件は、表面利回りではなく実質利回りと、ローン返済後の毎月の手残りの2つの数字で比べます。表面利回りが高くても管理費や修繕積立金が高い物件は手残りが少なく、ローンの金利によっては毎月赤字になることもあるからです。
家賃・管理費・修繕積立金・固定資産税・ローン返済を1行ずつ書き出すと、物件ごとの手残りの差がはっきりします。手残りがプラスにならない物件は、利回りの数字がどれほど魅力的でも候補から外しましょう。
購入後に不動産投資の難易度を下げるコツ
物件を買った後の運用でも、事前の準備と管理会社の選び方次第で、不動産投資の難易度は大きく下げられます。急な出費に備える予備費を生活費とは別に用意し、入居率の高い信頼できる管理会社に運営を任せることで、オーナーが判断に迷う場面は大きく減らせます。
購入後の10年、20年という長い運用期間のうちには、空室や設備の故障、金利の上昇などが必ず起こると考えておく必要があります。トラブルが起こる前提で資金と相談先を備えておけば、実際に起きたときも慌てずに落ち着いて対応できるでしょう。
物件を購入した後の運用で、難易度を下げるために押さえておきたいポイントは次の3つです。
- 空室や修繕に備えて、半年分のローン返済額に相当する予備費を残す
- 入居率と管理手数料を比べて管理会社を選ぶ
- 確定申告の数字で、年間の収支を毎年確認する
予備費として半年分のローン返済額を残す
購入後に慌てないためには、半年分のローン返済額に相当する予備費を、生活費とは別の口座に残しておくことが大切です。ワンルームでも給湯器の交換で15万〜25万円、退去後の原状回復で10万〜30万円ほどの出費が突然発生します。
予備費があれば、空室が数か月続いても給与から返済を補う必要がなく、冷静に家賃の見直しなどの対策を考えられます。貯蓄をすべて頭金に回さず、予備費を確保してから購入の判断をしましょう。
予備費の目安は半年分のローン返済額です。月6万円の返済なら36万円を別口座に残しておきましょう。
入居率と手数料で管理会社を選ぶ
管理会社は、管理している物件の入居率と管理手数料の2つを比べて選ぶと、運用の難しさを大きく減らせます。入居率が95%を超える管理会社は入居者募集に強く、空室期間を短くできる可能性が高いためです。
管理手数料は家賃の3〜5%が相場で、安さだけで選ぶと入居者募集や退去時の対応が手薄になることもあります。複数の管理会社から実績と対応範囲の説明を受け、比べてから契約しましょう。
確定申告で年間の収支を毎年確認する
不動産所得の確定申告を毎年自分で行い、年間の収支を数字で確認しておくと、運用の問題点に早く気づけます。家賃の下落や修繕費の増加は毎月の明細では気づきにくく、1年分を並べて初めて傾向が見えてくるからです。
収支が悪化している場合は、家賃設定の見直しや繰り上げ返済、売却などの選択肢を早めに検討できます。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、初めてでも画面の案内に沿って申告書を作れるでしょう。
不動産投資の初心者がつまずきやすい失敗例
不動産投資の難しさを実感するのは、多くの場合、物件を購入して1〜2年がたち、想定と違う収支に気づいたときです。初心者に多い失敗例を購入前に知っておけば、先輩の投資家と同じ判断ミスを避けられ、不動産投資の難易度を実際より低く抑えられます。
失敗例の多くは物件自体の問題ではなく、購入前の確認不足や、販売会社が示した収支の前提を自分で検証しなかったことから生じています。
区分マンションを初めて購入した初心者がつまずきやすい代表的な失敗例として、次の3つが挙げられます。
- 営業担当者の収支シミュレーションを信じて検証せずに買う
- 節税効果だけを理由に新築ワンルームを買う
- 空室期間や家賃の下落を想定せずに返済計画を組む
業者の収支シミュレーションをうのみにする
販売会社が作る収支シミュレーションは、満室で家賃が下がらない前提になっていることが多く、数字を信じて買うと実際の収支との差に苦しみます。築年数が経つと家賃は年1%前後下がり、退去のたびに1〜2か月の空室も発生するためです。
シミュレーションを受け取ったら、家賃を1割下げ、年1か月の空室を入れた条件で自分で計算し直します。厳しい条件でも手残りがプラスになるかどうかを、購入の判断基準にしましょう。
節税効果だけを理由に新築ワンルームを買う
節税になるという説明だけで新築ワンルームを買うと、毎月の持ち出しが続き、節税額より赤字のほうが大きくなる失敗につながります。所得税の還付は減価償却が大きい最初の数年に限られ、数年後には還付が減って持ち出しだけが残るためです。
新築ワンルームは価格に販売会社の利益が上乗せされており、購入直後に売っても買値を大きく下回ります。節税は結果として得られる効果と考え、家賃収入で黒字になるかどうかで判断しましょう。
空室と家賃の下落を想定しない
空室期間や家賃の下落を想定せずに返済計画を組むと、1回の退去で数か月分の赤字が発生し、給与から返済を補う状態に陥ります。ワンルームは入居期間が平均3〜4年と短く、10年保有すれば2〜3回の退去が起こると考えておく必要があるからです。
退去が起きると、原状回復費と入居者募集の広告料で家賃の2〜3か月分の出費が重なり、空室期間の家賃収入もなくなります。10年間で2〜3回の退去が起きる前提で費用を積み上げ、収支計画に入れておきましょう。
不動産投資に向いている人・向いていない人
不動産投資の難易度は、投資する人の収入や性格によっても変わります。安定した収入があり長期で考えられる人にとっては難しくない投資ですが、短期で結果を求める人や借入に強い不安を感じる人には、難易度の高い投資になるでしょう。
不動産投資家は30〜50代の会社員が中心で、世帯年収500万円以上の人が多い傾向です。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 年収500万円以上で勤続年数が長い | 年収が低く、他の借入が多い |
| 10年以上の長期で資産を育てたい | 数か月〜1年で大きな利益を得たい |
| 数字を比べて冷静に判断できる | 営業担当者の説明を検証せずに信じてしまう |
安定収入があり長期で考えられる人に向いている
不動産投資に向いているのは、年収500万円以上の安定した収入があり、10年以上の長期で資産を育てる考え方ができる人です。安定収入があれば融資を受けやすく、空室などで一時的に赤字になっても生活に影響せずに運用を続けられます。
数字を比べて冷静に判断できる性格の人も、物件選びや売却のタイミングで大きな失敗をしにくい傾向があります。勤続年数が長く信用情報に問題がない会社員や公務員は、始めやすい条件がそろっていると言えます。
短期の利益を求める人には難易度が高い
数か月から1年程度で大きな利益を得たい人にとって、不動産投資は難易度が高く、期待どおりの結果を得にくい投資です。購入時の諸費用や短期売却の高い税率を考えると、短期間で売買を繰り返しても利益はほとんど残らないためです。
借入に強い不安を感じる人も、空室や金利の変動のたびに判断を急いでしまい、損失を広げる傾向があります。自分に合わないと感じたら、少額の不動産クラウドファンディングから始める選択肢もあるでしょう。
まとめ
不動産投資の難易度は、仕組みの理解だけなら高くありませんが、利益の出る物件を適正な価格で買う判断には幅広い知識と比較の手間が必要です。難しさの多くは、購入前の準備と購入後の運用のコツを知っておくことで大きく減らせます。
本記事で解説したポイントは、次の4つです。
- 難しいと感じる理由の1位は専門知識の多さで、43.8%の人が挙げている
- 物件タイプでは中古ワンルームの難易度が低く、一棟アパートが最も高い
- 物件は表面利回りでなく、実質利回りと毎月の手残りで比べる
- 購入後は半年分のローン返済額を予備費として残す
まずは投資の目的を決め、ポータルサイトで希望エリアの相場を調べるところから始めてみましょう。











