資産運用の選択肢として、近年人気が高まっているのが海外不動産投資です。しかし、興味を持っていても実際にどの国に投資すれば良いか分からず、行動できない人も多いのではないでしょうか。また、「海外不動産はリスクが高そう」と心配になるかもしれません。
そこで本記事では、海外不動産の特徴を解説し、おすすめの投資先5カ国を紹介します。おすすめする各国は特徴が異なるため、自分の好みに合う投資先を見つけることができます。
また、海外不動産投資のリスクについても解説しているので、リスクを踏まえた投資が可能です。ぜひ、リスクを最小化して自分に合う海外不動産投資を始めてみてください。
海外不動産投資の特徴とは?
海外不動産投資は、資産運用のひとつとして人気が高まっています。日本には地震や水害などの災害リスクがあるため、海外の不動産に投資するとリスク分散になります。また、経済成長が著しい国の不動産に投資することで大きな運用益を得ることも可能です。
ただし、海外不動産投資にはデメリットもあります。メリット・デメリットを含む海外不動産投資の特徴は、次の3点にまとめられます。
- 多くの日本人投資家に注目されている投資先である
- 資金調達の方法が非常に難しい
- 海外になじみがある人や住んでいる人には向いている投資である
いずれも、海外不動産投資を始める前にぜひ知っておきたい事項です。各特徴について、以下で詳しく解説します。
多くの日本人投資家に注目されている投資先である
海外不動産投資は、多くの日本人投資家に注目されています。日本は災害リスクの大きな国であり、人口減少や経済成長の鈍化が見られます。
特に、経済成長が著しい国では不動産価格も大きく上昇するため、不動産を購入価格よりも高く売却することで売買差益(キャピタルゲイン)を得られます。
また、人口成長が続いている国では常に住宅需要があり空室リスクが低いため、安定した家賃収入(インカムゲイン)獲得の可能性が高いです。このように、海外不動産投資はリスク分散と、キャピタルゲイン、インカムゲインを一気に狙える手法です。
資金調達の方法が非常に難しい
海外不動産投資は、国内の不動産投資と比べると資金調達の方法が非常に難しいといえます。海外不動産を購入する方法は、次の3つです。
- 全額現金で購入する
- 現地の金融機関でローンを利用する
- 日本の金融機関でローンを利用する
全額現金で購入する方法は、不動産投資のメリットであるレバレッジを活用できません。現地の金融機関でローンを申し込む場合、交渉や契約をすべて外国語で行う必要があります。そもそも外国人はローン不可の場合もあります。
海外ではなく、日本の金融機関でローンを組むことも可能です。ただし、海外不動産を対象としたローンは少ないため、選択肢がごく限られます。
不動産投資のローンについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
海外になじみがある人や住んでいる人には向いている投資である
海外不動産投資を行う際は、言語の問題がハードルになります。不動産情報や、交渉、契約、現地の管理会社との意思疎通などをすべて外国語で行わなければなりません。そのため、使える言語が日本語だけの場合、かなりの困難に直面します。
しかし、海外になじみがある人や、現地に住んでいる人には海外不動産投資はぴったりです。不動産情報を獲得でき、現地の金融機関や不動産会社、管理会社と意思疎通できる言語能力があれば、コミュニケーション面については問題なく投資を行えます。
また、海外の不動産業界は日本の不動産業界とは異なり、サービスや対応が不十分な場合もあり得ます。現地独特のビジネス習慣などを既に知っているなら、ストレスを感じることなく対応できるでしょう。
海外不動産投資をするならこの国!おすすめの投資先5つを紹介
「海外不動産投資について概要を理解できたけれど、どこに投資すればいいのか」と思うかもしれません。日本人の不動産投資が可能で、法整備がなされており人口増加や経済成長が見込めるおすすめの投資先を5つ選びました。
- アメリカ
- タイ
- イギリス
- マレーシア
- フィリピン
海外のどの国でも不動産投資が可能なわけではなく、日本人が投資のできる国は限られています。紹介する5カ国であれば、投資がしやすく運用益も期待できます。以下で各国の不動産投資の特徴を紹介するので、ぜひ投資先選びの参考にしてください。
アメリカの不動産投資|人口増加率が高く賃貸需要も増加が見込める
アメリカは世界超大国であり先進国でありながら、人口増加率が高いため賃貸需要の増加が見込まれる国です。先進国の多くが人口減少に陥っている一方、アメリカでは毎年人口が増加しています。そのため、住宅需要も増加し、安定したインカムゲインを狙えます。
また、不動産エリアによっては物件の価格上昇が見られるため、売却によるキャピタルゲインも獲得可能です。大国であるため法整備もなされており、外国人も不動産市場に参入でき、売買が行いやすいです。
唯一のデメリットとして、時差による意思疎通の難しさが挙げられます。日本とニューヨークの時差は14時間(サマータイム期間は13時間)あり、物件管理の意思疎通が難しいです。そのため、現地在住の日本人エージェントへの依頼をおすすめします。
タイの不動産投資|時差によるコミュニケーションの難易度も低い
タイには日本人が多く住んでいる上に、時差が2時間だけなのでコミュニケーションの難易度が低く、不動産投資を行いやすいです。特に首都バンコクでは日本人が多く居住し、不動産業を営む人もいるため、現地のエージェントとして依頼できます。
法整備も進んでおり、トラブルが起きにくいのもメリットです。時差が少ないため現地日本人エージェントとのコミュニケーションをとりやすく、運用に適した不動産を購入・管理できます。投資対象としては首都バンコクがおすすめです。
ただし、現在バンコクの物件価格は高騰しています。良い物件を探すためには、現地日本人エージェントと密にコミュニケーションをとる必要があります。
イギリスの不動産投資|法整備が進んでおり、法的な事故が起きにくい
イギリスは法整備が進んでいるため、法的なアクシデントが起きにくく安心して投資ができます。イギリスで不動産投資を行う場合、法的専門家が間に入るため、契約や登記で問題になることを避けられます。
イギリスでおすすめの不動産は学生寮です。留学生数の多さではイギリスはアメリカに次ぐ世界第2位であり、毎年55万人以上が渡英しています。国家としても、今後さらに留学生受け入れ数を増やそうとしているため、学生寮の需要増加が見込まれます。
イギリスに関する不安材料は、EU離脱です。EUを離脱したことで今後経済が不安定になる可能性もあり、常に動向を注視する必要があります。
マレーシアの不動産投資|経済の発展に伴う将来性が高い
マレーシアは、経済の発展に伴う将来性が高く、今のうちに購入しておくことで値上がり益を狙える投資先です。現在でも中進国レベルに達しており、2025年までの先進国入りを政府が目指しているため、さらなる経済成長が期待できます。
経済成長が進むと平均所得も増加し不動産価格も上がるため、家賃収入の増加と売買差益の両方を狙うことも可能です。現在は不動産市場がやや停滞していますが、今後の進展を期待し、早めに不動産を取得しておくと大きな利益を得られるかもしれません。
ただし、経済情勢や不動産市場に常に注意しておく必要があります。現地のエージェントと密に連絡を取り情報をつかんでおきましょう。
フィリピンの不動産投資|人口増加率が高く、安価で投資可能
フィリピンは人口増加率が高い上に、安価で投資可能なので投資しやすい国といえるでしょう。人口増加率が1.6%と高く、2030年までには日本の人口を上回ると予測されています。また、平均年齢が26歳と若く若年人口が多いことも特徴です。
多数の若年人口が家族・次世代を作ると考えると、今後さらに住宅需要が増えると期待できます。現段階でのフィリピンの不動産は比較的安価で購入できるので、将来の値上がりを見込んで投資することをおすすめします。
ただし、新興国であるため、建設がストップしたり家賃が支払われなかったり、さまざまなトラブルがあり得る点がデメリットです。信頼できる現地エージェントや不動産会社、管理会社を見極める必要があります。
「自分にとって効率のいい投資って何かな?」とお悩みの方は、投資を始める上で重要なポイントを、まずは押さえておくことが大切です。それは、自分がどのような「投資タイプ」なのかを事前に把握しておくことです。 MIRAPの投資診断ではLINEでカンタンに「投資タイプ」を知ることができます。あなたは一体 なにタイプでしょう?
海外不動産投資のリスクとは何か?
海外不動産投資は大きな利益を得られる可能性がありますが、リスクも存在します。代表的なリスクは次の3点です。
- 安定してインカムゲインが得られるとは限らない
- 日本の不動産よりも、海外の方が管理が難しい
- 為替変動により損失を被る可能性がある
これら3点は、自分でどれほど努力をしても避けられないリスクです。3つのリスクを理解した上で海外不動産投資に取り組むと、いざという時も落ち着いて対処できるでしょう。以下で各リスクについて解説します。
安定してインカムゲインが得られるとは限らない
海外不動産に限ったことではありませんが、安定してインカムゲインが得られるとは限りません。人口増加と、今後の経済成長が予測される国は、不動産投資の対象として適しています。しかし、国全体と各国内の地域別では事情が異なります。
例えば、日本の場合は人口減少に陥っていますが、東京の一定地域では不動産価格の上昇が見られます。国全体のデータではなく、地域ごとの状況を知っておかなければ安定したインカムゲインは得られません。
しかし、日本在住の日本人が各国の各地域事情を熟知することは、相当難しいといえるでしょう。現地情報をどのように収集できるかがポイントとなります。
日本の不動産よりも、海外の方が管理が難しい
同じ不動産投資であっても、日本の不動産より海外の不動産は管理が難しいです。日本の不動産の場合、自分で物件を見に行くことができ、管理会社との意思疎通も図りやすいため、管理がスムーズに行えます。場合によっては自主管理も可能です。
しかし、海外の不動産では自主管理は不可能です。現地の管理会社に任せるしかありません。また、日本の管理会社と比較すると対応がずさんな場合も見られます。物件管理がいい加減になると入居者が減り、インカムゲインが得られなくなるおそれがあります。
為替変動により損失を被る可能性がある
海外不動産投資の場合、為替変動によって損失を被る可能性があります。例えば、アメリカの不動産を以下の条件で購入したとします。
- 1ドル=110円
- 利回り10%
- 購入価格40万ドル
この場合、購入価格は日本円で4,400万円、想定年間家賃収入は「購入価格×利回り=440万円」です。しかし、購入後に1ドル=100円になった場合、物件価値は日本円で4,000万円となり、年間家賃収入は400万円に下がります。想定収入額より40万円少なくなりました。
為替変動は、世界全体および各国の政治・経済事情に左右されるため、予測は困難です。海外不動産投資は、想定とは異なる結果になる可能性があると理解しておいてください。
コロナによる不動産への影響について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
まとめ:色々な国を比較検討して、不動産投資を成功させよう!
海外不動産投資の特徴と、おすすめの投資先、3つのリスクを解説しました。海外不動産投資は利益が見込めるだけではなく、リスク分散にもなります。おすすめの投資先は先進国から新興国まで幅広く、特徴もさまざまです。
事前に海外不動産投資に伴うリスクを知っておくと、トラブルへの対応も行いやすいです。色々な国を比較検討して、自分の資金状況や好みに合う投資先を見つけ、海外不動産投資を成功させてください。