年利1パーセントで100万円を運用しても、1年後に増えるのは1万円です。税金を引くと手取りは7,968円まで下がり、物価が2%上がれば実質的な価値は減っています。
預金金利が0.001%だった時期と比べれば1%は高い水準ですが、資産を増やす利回りとしては力不足です。72の法則で計算すると、元本が倍になるまで72年かかります。
年利1パーセントについて、次の4点を整理して解説します。
- 100万円と積立で増える金額
- 税金とインフレを引いた後の実質利回り
- 年利1%を狙える金融商品
- 利回りを引き上げる方法と、1%でよいケース


年利1パーセントで資産はどれだけ増えるのか
年利1パーセントの運用では、資産の増え方は緩やかです。100万円を30年運用しても、増えるのは約35万円にとどまります。
複利で計算しても、利率が低いと効果は限定的です。年利5%なら30年で4.3倍になる一方、年利1%では1.35倍にしかなりません。
積立でも同じ構図が続きます。毎月3万円を20年続けると元本は720万円で、運用益は約77万円です。
増える金額の大半は、自分で入れた元本です。運用益が資産を押し上げる割合は、1割程度にとどまります。
年利1%は、増やす運用ではなく減らさない運用と考えます。使う時期が決まった資金の置き場所としては合理的です。
100万円を運用した場合
元本100万円を年利1%の複利で運用したときの金額を見ていきます。10年で約110万4,000円、20年で約122万円、30年でも約134万7,000円です。
30年かけて増える金額は、約34万7,000円にとどまります。同じ100万円を年利5%で運用すれば、30年後は約432万円です。
利率が4ポイント違うだけで、到達点は3倍以上の差になります。運用期間が長いほど、差は開いていきます。
年利1%では、複利の効果を体感しにくいところが特徴です。単利で計算した130万円と、複利の134万7,000円の差は5万円未満にとどまります。
元金が大きければ金額は増えますが、増え方の比率は変わりません。1,000万円でも30年で約347万円が増えるだけです。
10年で増える10万4,000円を月あたりに直すと、867円です。日々の支出を1回節約するだけで届く金額といえます。
100万円を年利1%で30年運用しても、増えるのは約34万7,000円です。同じ100万円を年利5%で回した場合の到達点は約432万円で、3倍以上の差が生まれます。
毎月3万円を積み立てた場合
積立で年利1パーセントを続けた場合の到達点も見ておきます。毎月3万円を20年積み立てると、元本720万円に対して資産は約797万円です。
運用益は約77万円で、元本に対する増加率は10.7%にとどまります。10年なら元本360万円に対して約378万円で、運用益は18万円です。
30年続けた場合の元本は1,080万円、資産は約1,258万円まで育ちます。運用益は178万円という水準です。
積立の効果は、利回りより投じた元本の大きさで決まります。年利1%の運用では、増える金額の8割以上が自分で入れたお金です。
老後資金として2,000万円を目標に置くなら、年利1%では毎月5万5,000円の積立が必要になります。利回りが低いほど、必要な積立額は増えていきます。
年利1%の積立では、増える金額の8割以上が自分で入れた元本です。2,000万円を30年で作るなら、毎月5万5,000円の積立が必要になります。
| 運用方法 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 100万円を年利1%で一括 | 約110万円 | 約122万円 | 約135万円 |
| 100万円を年利5%で一括 | 約163万円 | 約265万円 | 約432万円 |
| 毎月3万円を年利1%で積立 | 約378万円 | 約797万円 | 約1,258万円 |
| 毎月3万円の元本合計 | 360万円 | 720万円 | 1,080万円 |
年利1パーセントは税引後0.8%まで下がる
表示されている利回りが、そっくり手元に残るわけではありません。運用益には20.315%の税金がかかるためです。
年利1%の運用益から税金を引くと、実質の利回りは0.80%になります。100万円で得た1万円の利益は、手取り7,968円です。
手数料がかかる商品なら、手取りはさらに減ります。年0.5%の信託報酬がかかれば、税引後の利回りは0.40%です。
低い利回りほど、コストの影響は重くのしかかります。年0.5%の手数料は、年利1%の運用では利益の半分に相当するからです。
手数料のかかる商品で年利1%を狙う設計には無理があります。預金や国債のように、コストのかからない商品を選びましょう。
運用益への課税で2割が引かれる
金融商品の運用益には、一律で20.315%が課税されます。所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合計です。
預金の利息も同じ税率で源泉徴収されます。通帳に記帳される金額は、すでに税引後の数字です。
年利1%と表示された定期預金でも、実質的には0.80%の運用になります。100万円を1年預けて、手元に残るのは7,968円です。
NISA口座なら運用益は非課税ですが、預金や個人向け国債は対象外です。NISAで買えるのは投資信託と株式に限られます。
課税の影響は、利回りが低いほど重く感じられます。1%の2割は0.2ポイントですが、もともとの利回りが小さいため取り返しがききません。
特定口座の源泉徴収ありを選べば、確定申告は不要です。証券会社が売却のたびに税金を差し引いて納付します。
源泉徴収なしを選ぶと、自分で確定申告する必要が出てきます。利益が年20万円以下の会社員なら、申告不要のケースもあります。
手続きの手間を避けたいなら、源泉徴収ありが無難です。
72の法則では倍になるまで72年
資産が2倍になる年数は、72を年利で割ると概算できます。年利1%なら72年、税引後0.80%で計算すると90年です。
年利5%なら14.4年、年利3%でも24年で倍に届きます。1%との差は、時間に直すと50年以上です。
30歳で運用を始めても、倍になるのは102歳という計算になります。資産形成の手段としては現実的ではありません。
定期預金の0.3%に当てはめると240年です。金利が上がった局面でも、預金だけで資産を倍にする発想は成り立ちません。
72の法則は複利を前提とした概算で、税金は含まれていません。実際にかかる年数は、計算値より長くなります。
年利1%は税引後0.80%です。72の法則で計算すると、元本が倍になるまで90年かかります。
運用益への課税は20.315%です。所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%を合計した税率になります。
| 年利 | 税引後の利回り | 倍になるまでの年数 |
|---|---|---|
| 0.3%(定期預金) | 0.24% | 約300年 |
| 1% | 0.80% | 約90年 |
| 3% | 2.39% | 約30年 |
| 5% | 3.98% | 約18年 |
年利1パーセントはインフレに負ける
資産の価値は、名目の金額ではなく購買力で判断します。物価が上がれば、同じ100万円で買えるものは減る一方です。
日本銀行は物価上昇率2%を目標に掲げています。目標どおりに推移すれば、年利1%の運用では実質的に資産が目減りする計算です。
税金とインフレの両方を引くと、実質利回りはマイナス1.2%になります。運用しているつもりでも、購買力は毎年減っている状態です。
名目の利回りと実質の利回りを分けて考える習慣が必要です。通帳の残高が増えていても、買えるものが減っていれば資産は減っています。
物価の動きは、総務省が毎月公表する消費者物価指数で確認できます。
物価上昇率2%なら実質マイナス1.2%
実質利回りは、税引後の利回りから物価上昇率を引いて求めます。年利1%は税引後0.80%で、物価上昇率2%を引くとマイナス1.2%です。
100万円を1年預けて、通帳の残高は100万7,968円に増えます。ところが同じ商品の値段が2%上がっていれば、買えるものは前年より少ない量です。
10年続けば、購買力の目減りは無視できない大きさになります。年2%の物価上昇が10年続いた場合、100万円の実質的な価値は約82万円です。
物価上昇率が3%なら、実質利回りはマイナス2.2%まで悪化します。預金に置いたまま何もしない選択も、リスクを取っている状態です。
目標にすべきは、物価上昇率を上回る利回りです。物価が2%上がるなら、税引後で2%を超える運用が必要になります。
税引前に直すと年2.5%以上が目安です。年利1%では、購買力の維持にも届きません。
2022年以降、日本の消費者物価指数は前年比2%から3%台で推移してきました。1%の運用では追いつかない水準が続いています。
実質利回りがマイナスでも、名目の残高は増えます。数字が減らないため、目減りに気づきにくいところが厄介です。
10年単位で見て初めて、購買力の差が表面化します。
現金の価値が目減りする仕組み
インフレは、通貨1単位で買える量が減る現象です。物価が2倍になれば、同じ100万円の購買力は半分になります。
身近な例は、缶ジュースの価格です。1990年代に110円だった商品が、現在は180円前後で販売されています。
当時の100万円で買えた本数は9,090本でした。現在の180円で計算すると5,555本まで減っています。
金額は変わらなくても、買える量は4割近く減った計算です。現金で持ち続けること自体が、価値の目減りを受け入れる選択になります。
インフレに強い資産として挙げられるのは、株式・不動産・金です。物価と連動して価格や収益が上がりやすい性質を持っています。
年利1%は税引後0.80%で、物価上昇率2%を引くと実質マイナス1.2%です。預金に置いたまま何もしない選択も、購買力を減らすリスクを取っています。
年2%の物価上昇が10年続けば、100万円の実質的な価値は約82万円です。金額が変わらなくても購買力は減っています。
| 物価上昇率 | 年利1%の実質利回り | 10年後の100万円の実質価値 |
|---|---|---|
| 0% | +0.80% | 約108万円 |
| 1% | マイナス0.2% | 約98万円 |
| 2% | マイナス1.2% | 約89万円 |
| 3% | マイナス2.2% | 約80万円 |
年利1パーセントを狙える金融商品
年利1パーセント前後の利回りは、元本の安全性が高い商品で実現できます。値動きのある資産を持たずに済む点が利点です。
候補になるのは、預金と国債、社債です。いずれも満期まで持てば元本が戻る設計になっています。
2024年以降の金利上昇で、預金や国債の利回りは以前より改善しました。0.001%だった時期と比べれば、1%は現実的な水準です。
元本の安全性が高い分、期待できる利回りは限られます。年3%や5%を狙うなら、値動きのある資産を持つしかありません。
安全性と利回りは、どちらかを選ぶ関係にあります。両立をうたう商品は、仕組みを疑う対象です。
ネット銀行の定期預金
定期預金は、元本が保証された商品の代表です。預金保険制度により、1金融機関あたり元本1,000万円と利息までが保護されます。
金利は金融機関で差があり、ネット銀行のほうが高い水準を提示しています。大手銀行の定期預金が年0.3%前後のところ、ネット銀行では年0.5%を超える商品も出てきました。
新規口座の開設や給与振込の設定を条件に、金利を上乗せするキャンペーンもあります。期間限定の商品なら、年1%に届く条件も見つかるはずです。
満期前に解約すると、金利は普通預金並みに下がります。使う予定が決まっていない資金を長期の定期に入れるのは避けましょう。
1,000万円を超える預金は、預金保険の対象外です。複数の金融機関に分けて預ける対応が必要になります。
金利の高さだけで選ぶと、使い勝手で不便が出ます。ATMの手数料や振込の無料回数も、あわせて確認しましょう。
預入期間は1か月から10年まで選べる金融機関が一般的です。使う時期に合わせて満期を設定します。
自動継続の設定にしていると、満期後も同じ条件で預け直されます。金利が上がった局面では、いったん解約して組み直す判断も有効です。
個人向け国債
個人向け国債は、国が発行する債券を1万円から購入できる商品です。変動金利型10年満期の商品には、年0.05%の最低金利が保証されています。
変動10年は、半年ごとに適用金利が見直される仕組みです。市場金利が上がれば、受け取る利息も増える設計です。
固定金利型は3年と5年の2種類があり、購入時の金利が満期まで続きます。金利が下がる局面では有利な選択肢です。
発行後1年を経過すれば、いつでも中途換金できます。直前2回分の利息相当額が差し引かれますが、元本は割れません。
証券会社や銀行の窓口で購入でき、毎月発行されています。購入時の手数料はかかりません。
変動10年の適用金利は、10年国債の利回りに0.66を掛けて決まります。市場金利が上がるほど、受け取る利息も増える仕組みです。
金利が上昇する局面では、固定金利型より変動10年が有利に働きます。今後の金利動向が読めないなら、変動10年を選ぶ判断が無難です。
購入のキャンペーンとして、証券会社が現金をプレゼントする場合もあります。同じ商品でも、購入先によって実質の手取りは変わります。
1万円単位で購入でき、少額から試せます。
社債と地方債
社債は、企業が資金調達のために発行する債券です。国債より利回りは高く、年1%から2%台の条件で募集される銘柄もあります。
利回りが高い理由は、発行体の信用リスクを引き受けるためです。企業が経営破綻すれば、元本も利息も戻らない可能性があります。
格付けを確認すれば、リスクの水準はある程度判断できます。BBB以上が投資適格とされ、BB以下は投機的格付けの扱いです。
地方債は都道府県や政令指定都市が発行する債券で、社債より安全性が高い商品です。利回りは国債より少し高い水準に設定されます。
債券は募集期間が限られ、人気銘柄はすぐに完売する状況です。証券会社の口座を先に開いておく必要があります。
個人向け国債の変動10年には、年0.05%の最低金利が保証されています。発行後1年を過ぎれば中途換金でき、元本は割れません。
| 商品 | 利回りの目安 | 最低投資額 | 元本の扱い |
|---|---|---|---|
| 大手銀行の定期預金 | 年0.3%前後 | 1円〜 | 預金保険で1,000万円まで保護 |
| ネット銀行の定期預金 | 年0.5%前後 | 1円〜 | 預金保険で1,000万円まで保護 |
| 個人向け国債(変動10年) | 年0.5〜1%程度 | 1万円 | 国が元本を保証 |
| 社債 | 年1〜2%台 | 10万円〜 | 発行体の破綻リスクあり |
年利1パーセントから利回りを引き上げる方法
年利1パーセントを超える利回りを狙うには、2つの方向があります。税金を減らす方法と、値動きのある資産を組み入れる方法です。
税制優遇を使えば、同じ商品でも手取りは増えます。NISAなら運用益が非課税になり、1%の利回りが1%のまま残ります。
利回り自体を上げるなら、株式や不動産を一部持つ選択です。元本割れのリスクを引き受ける代わりに、期待できるリターンは上がります。
2つの方法は同時に使える関係です。NISA口座で債券と株式を組み合わせれば、非課税と利回り上昇の両方を取れます。
順番としては、税制優遇の活用が先です。リスクを増やさずに手取りを改善できるためです。
NISAで課税をなくす
NISA口座で運用すれば、運用益にかかる税金はゼロになります。年利1%の運用でも、税引後0.80%ではなく1%が残る計算です。
非課税枠は年間360万円で、生涯では1,800万円まで使えます。つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる設計です。
ただしNISAで買えるのは投資信託と株式に限られます。定期預金や個人向け国債は対象外です。
債券に近い値動きを求めるなら、国内債券や先進国債券のインデックスファンドを選びます。信託報酬が年0.2%を下回る商品も豊富です。
iDeCoを使えば、掛金が全額所得控除の対象になります。年収500万円の会社員が月2万円を拠出すれば、年間約4万8,000円の節税です。
iDeCoは60歳まで引き出せません。老後資金として割り切れる金額に絞って拠出します。
NISAとiDeCoの併用も可能です。引き出しの自由度を重視するならNISA、節税効果を重視するならiDeCoが向いています。
どちらも口座開設には2週間から1か月ほどかかります。運用を始めると決めたら、先に手続きを進めましょう。
値動きのある資産を一部組み入れる
利回りを上げるには、値動きのある資産を持つしかありません。全額を株式に振り向ける必要はなく、2割から3割の組み入れでも効果は出ます。
債券8割・株式2割の配分なら、期待リターンは年2%前後です。下落局面での目減りも、株式100%より小さく収まります。
不動産を組み入れる方法もあります。REITなら数万円から購入でき、値動きは株式と債券の中間です。
現物のワンルーム投資は、実質利回りで年3%前後が相場です。ローンを使えば自己資金に対する利回りは上がるものの、空室や修繕のリスクも付いてきます。
どの資産を選ぶ場合も、使う時期から逆算して決めます。3年以内に使う資金は、値動きのある資産に回さないことが原則です。
NISAを使えば、年利1%が税引後0.80%ではなく1%のまま残ります。ただしNISAの対象は投資信託と株式で、定期預金や個人向け国債は使えません。
債券8割・株式2割の配分なら、期待リターンは年2%前後です。全額を株式に振り向けなくても、利回りは引き上げられます。
- NISAで運用益を非課税にする(対象は投資信託と株式)
- iDeCoで掛金を所得控除に回す
- 株式やREITを2〜3割組み入れる
- 信託報酬が年0.2%を下回るファンドを選ぶ
年利1パーセントで運用してよいケース
年利1パーセントが不利とは限りません。使う時期が決まっている資金なら、元本を減らさない運用が正解です。
値動きのある資産は、使いたい時期に価格が下がっている可能性があります。必要な金額を確保できないリスクを避ける意味で、低い利回りを選ぶ判断は合理的です。
資金の性格ごとに置き場所を分けます。増やす資金と守る資金を混ぜないことが、判断を誤らないコツです。
資金を3つに分けて考えると整理しやすくなります。生活防衛資金、数年以内に使う資金、10年以上先に使う資金の3種類です。
前の2つは年利1%で構いません。10年以上先の資金だけ、値動きのある資産に回します。
3年以内に使う予定の資金
使う時期が決まっている資金は、増やすことより減らさないことを優先します。住宅の頭金や教育資金は、年利1%の商品で置いておく判断が妥当です。
3年後に必要な500万円を株式で運用した場合、下落局面で400万円まで減る可能性があります。頭金が足りずに購入を延期する事態も起こります。
定期預金なら、満期の時期を使う予定に合わせて設定できます。個人向け国債でも、1年経過後は中途換金が可能です。
結婚資金や車の購入費も同じ扱いです。金額と時期が決まっている支出は、値動きのある資産から外します。
10年以上先に使う資金なら、株式を組み入れる余地があります。下落しても回復を待てる時間があるためです。
使う時期が5年から10年の資金は、中間の扱いになります。半分を預金、半分を投資信託に分ける方法も有効です。
時期が近づいたら、投資部分を段階的に現金へ移します。使う直前に相場が下がっていても、必要な金額は確保できます。
移す作業は1年から2年かけて分散させると安全です。
生活防衛資金
生活防衛資金は、収入が途絶えたときに生活を支える資金です。生活費の6か月分から1年分を、すぐ引き出せる形で確保します。
置き場所として適しているのは、普通預金かネット銀行の預金です。定期預金に入れると、必要なときの引き出しに手間がかかります。
月の生活費が25万円なら、150万円から300万円が目安です。会社員より収入が変動しやすい自営業なら、1年分を確保する判断もあります。
生活防衛資金を投資に回すと、下落局面で取り崩す事態になります。損失を確定させたうえで生活費に充てる、最も避けたい展開です。
防衛資金を確保したうえで、余った資金を運用へ回します。順番を逆にしないことが、長期の運用を続ける条件です。
3年以内に使う資金と生活防衛資金は、年利1%でも問題ありません。増やす資金と守る資金を分け、生活費6か月分は投資に回さないことが原則です。
生活費25万円の家庭なら、生活防衛資金は150万円から300万円が目安です。普通預金に置き、すぐ引き出せる状態を保ちます。
| 資金の性格 | 使う時期 | 置き場所 | 狙う利回り |
|---|---|---|---|
| 生活防衛資金 | 不定 | 普通預金 | 問わない |
| 住宅の頭金・教育資金 | 3年以内 | 定期預金・個人向け国債 | 年1%前後 |
| 老後資金 | 10年以上先 | NISAで投資信託 | 年5%前後 |
まとめ
年利1パーセントで100万円を運用しても、30年で増えるのは約34万7,000円です。同じ100万円を年利5%で回した場合の約432万円と比べると、差は3倍以上に開きます。
運用益には20.315%が課税されるため、年利1%は税引後0.80%です。72の法則で計算すると、元本が倍になるまで90年かかります。
物価上昇率2%を引くと、実質利回りはマイナス1.2%になります。預金に置いたまま何もしない選択も、購買力を減らすリスクを取っている状態です。
利回りを引き上げる方法は、NISAで課税をなくすか、株式やREITを2割から3割組み入れるかの2つです。債券8割・株式2割なら、期待リターンは年2%前後まで上がります。
一方で、年利1パーセントが正解になる資金もあります。
- 生活防衛資金(生活費6か月分〜1年分、普通預金)
- 3年以内に使う住宅の頭金や教育資金(定期預金・個人向け国債)
- 金額と時期が決まっている結婚資金や車の購入費
増やす資金と守る資金を分けてから、置き場所を決めましょう。










