「どうして、たばこはしょっちゅう値上げされるのか」と、愛煙家の方は不満に思っているのではないでしょうか。実は、たばこに課された税金が増えるため、結果として購買時に支払う金額が増額しています。
本記事ではたばこ税の仕組みや、たばこの価格に占める税額の割合などを解説します。なぜ、たばこの価格が上がるのかがわかる一方、スモーカーがどれほど税の負担をしているのかを知って驚くでしょう。
たばこ税とは?製造たばこの製造者、販売者が納税しなければならない税金
たばこ税とは、製造たばこの製造者および販売者が納めなければならない税金です。「製造たばこ」は聞き慣れない言葉かもしれません。「葉たばこを原料として喫煙用やかみ用、かぎ用に供し得る状態に製造されたもの」と「たばこ事業法」によって定義されています。
製造たばこには、紙巻たばこと葉巻たばこ、パイプたばこ、刻みたばこ、加熱式たばこ、かみ用たばこ、かぎ用たばこがあります。
なお、新世代のたばことして注目されているのが「電子たばこ」です。電子たばこはニコチンを含まず、たばこ税がかかりません。似てはいても、近年ブレイク中の「加熱式たばこ」はたばこ税がかかります。
たばこの価格には4種類もの税金が含まれている
製造たばこに課されるたばこ税。たばこ税は4種類の税金から成っており、それらがたばこの価格に含まれています。4種類の税金とは、次のとおりです。
- 国たばこ税
- 地方たばこ税
- たばこ特別税
- 消費税
地方たばこ税はさらに、都道府県たばこ税と区市町村たばこ税に分かれます。「そんなにたくさんの種類の税金が課されているのなら、たばこの値段は税金だらけでは」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。たばこの価格におけるたばこ税の割合は、次項でご説明します。
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たばこの税率はどれくらい?1箱あたり300円も税金を払ってるって本当?
「たばこ1箱あたりに税金300円がかけられている」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。実際のところ、4種類の税金は、たばこの価格にどの程度の割合を占めているのでしょうか。
以下で、たばこ税の割合と、たばこの税負担率は他商品と比較して高いのかをご紹介します。
たばこ税の割合
多く愛好されている一般的な紙巻たばこ(価格540円)に、どの程度の税金が含まれているのかを、下表にまとめました。
代表的な紙巻たばこ1箱あたりのたばこ税等の税額および税負担割合
①国たばこ税 | 126.04円 |
---|---|
②地方たばこ税 | 142.44円 |
③たばこ特別税 | 16.40円 |
④消費税 | 49.09円 |
①~④の合計額 | 333.97円 |
価格540円に占める税の割合 | 61.8% |
表より、税の合計額が333.97円であるとわかります。「たばこ1箱に税金300円」は事実でした。価格に占める税の割合が60%を超えているというのは、かなり衝撃的ではないでしょうか。
なお、実際には紙巻たばこは、1,000本を1単位として各税金を課されています。
たばこの税負担率は他の商品と比べても高い
「税金が価格の60%以上を占めているなんて、おかしい」と不満に思っている方も多いかもしれません。たばこは税負担率が高い商品として知られています。その他にも、ビールやウィスキーなど税の高さで知られる商品があります。
税負担率が高い商品のなかで、たばこはどのような存在なのか、高税負担の商品同士で比較しました。
出典:JT「たばこ税の仕組み」
たばこの他に、ビール、ウィスキー、ガソリン、灯油も税負担率が高いことで知られています。しかし、たばこの税負担率の高さは他4商品と比べても圧倒的です。ビールやガソリンの税負担率は40%台と高いですが、たばこと比べると低く感じることでしょう。
たばこの税率が年々上がっているのはなぜ?
長くたばこを吸っている方には「昔はもっとたばこが安かったのに、何度も値上げされた」という思いがあるかもしれません。なぜ、たばこは頻繁に値上げされるのでしょうか。
本項では、たばこ税の増加の推移と、たばこが増税される理由を解説します。
たばこ税の増加の推移
たばこ税は21世紀になってから、5回も増税されています。増税のたびに「増税前にたばこをまとめ買いしておこう」と、カートン買いをした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たばこ税はいつ、どの程度増税されたのかを下表にまとめました。
たばこ税の増税年と1本あたりの増税額
年・月 | 内容 | 1本あたりの増税額 |
---|---|---|
1998年12月 | たばこ特別税の創設 | 0.82円 |
2003年7月 | たばこ税の増税 | 0.82円 |
2006年7月 | たばこ税の増税 | 0.852円 |
2010年10月 | たばこ税の増税 | 3.5円 |
2018年10月 | たばこ税の増税 | 1円 |
2020年10月 | たばこ税の増税 | 1円 |
たばこが増税される理由
なぜ、たばこは頻繁に増税されるのでしょうか。「喫煙者に対する悪意としか思えない」とお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。
財政の税収を増やす方法として、たばこ税は増税されています。税金のなかでも、たばこ税は増税しやすい税です。たとえば、消費税を増税するとなると、全ての国民に関わるため、国民の反発もより大きくなります。
しかし、たばこはあくまでも嗜好品であるという観点と、昨今では「喫煙は良くないこと」という考え方も広まっているため、いっそうたばこ税を増税しやすいといえます。
たばこ税の使い道
たばこ税は国および地方自治体の一般財源として徴収されるため、用途は定められていません。住民の日常生活に不可欠のインフラの整備や、福祉や教育など公共のサービスを充実・向上させるために使われています。
まとめ:喫煙者はたばこ税の見直しや使い道について理解しておこう
たばこ税の仕組みや内訳、頻繁に増税される理由などをご紹介しました。自分が吸っているたばこの値段の6割以上が税金であるという点には、かなり驚かれたのではないでしょうか。
たばこ税は徴収後、自分の日常生活に関わるサービスやインフラに還元されるため、無駄に高いお金を払っているわけではありません。たばこ税の仕組みと使い道を理解しておけば、なぜ喫煙者だけがと増税の度に不満に思ったりせず済みます。本記事でたばこ税について再確認しておきましょう。