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資産運用

相続対策に悩む資産家や所得税を減らしたい個人投資家は、資産管理会社を設立することにより節税が可能です。資産家や個人投資家の中には「資産管理会社って何?」「資産管理会社の設立にはどんなメリットがあるの?」などの疑問を抱く人もいるでしょう。

本記事では、資産管理会社を活用した節税対策と相続対策について解説します。また、資産管理会社を設立するときの注意点も紹介するので、資産家や個人投資家の人は資産管理会社の活用を検討してみましょう。

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資産管理会社とは|設立目的と仕組み

資産管理会社とは、不動産や株などの保有資産を運用・管理する会社です。一般の会社とは異なり、業務は保有する資産の運用・管理に限定されます。まず最初に、資産管理会社の設立目的と仕組みについて見ていきましょう。

資産管理会社を設立して節税対策や相続対策

資産管理会社を設立する目的は、主に節税対策と相続対策です。

資産管理会社を活用することで、個人投資家は投資収益にかかる税金を減らすことができます。また、資産家は相続税を減らしたり、スムーズな相続が期待できます。

法人設立には費用や手間がかかるため、すべての投資家や資産家にとってメリットがあるとは限りませんが、投資収益や相続財産が多い人にとっては資産管理会社の活用は有効です。

個人投資家は合同会社を利用することが一般的

資産管理会社は、出資者=経営者となる合同会社を利用することが一般的です。株式会社を選択するケースもありますが、合同会社の方が法人設立のコストが低く、経営の自由度も高いからです。設立コストは次の通りです。

  • 合同会社:10万円~
  • 株式会社:25万円~

なお、不動産投資のために資産管理会社を設立する場合、不動産は個人が保有し資産管理会社に賃貸するケースが多いです。資産管理会社は転貸(サブリース)によって収益を上げることから、サブリース型と呼ばれます。

資産管理会社を活用した節税対策

次に、個人投資家の資産管理会社を活用した節税対策について説明します。サラリーマンや自営業者の人が副業として資産運用する場合にも活用可能です。

節税対策①:法人化により税率を下げる

節税対策の1つ目は、法人化によって運用収益に対する税率を下げることです。個人の収入に対する税率は最大55%(所得税率45%+住民税率10%)ですが、法人の収益に対する実効税率は約33%と大きく異なります。所得税率が高い人ほど、大きな節税効果が得られます。

ただし、個人と法人で税率が最大で22%(=55%ー33%)異なるわけではないので注意しましょう。所得税は累進課税で所得税率45%が適用されるのは、課税所得金額が4,000万円を超える部分だけです。所得税の計算方法についてより詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。

また、サラリーマンが副業として資産運用する場合、個人の総所得が下がることによって所得税率が低くなる可能性もあります。

節税対策②:所得を分散して税率を下げる

節税対策の2つ目は、家族などに所得を分散して税率を下げることです。家族を従業員(または役員)にして給与(または役員報酬)を支払うことで所得を複数人に分散したほうが、1人がまとめて受け取るより所得税率を下げられるからです。

また、家族に所得を分散させることで相続財産を減らしたり家族が相続税資金を貯めたりできるため、相続対策にも効果的です。

節税対策③:幅広い損益通算と繰越控除を活用する

節税対策の3つ目は、幅広い損益通算と繰越控除を活用することです。個人と比較して法人の方が損益通算(※1)の対象が広く、繰越控除(※2)の期間が長い(個人3年、法人10年)からです。

※1:複数の事業の損失と利益を合算すること。赤字の事業がある場合、他の利益から損失を差し
   引いて課税されます。
※2:損失を翌年度以降に繰り越すこと。翌年度以降の利益と損失を相殺できます。

また、経費と認められる範囲が広くなるなど、資産管理会社を活用することで税制上のさまざまなメリットを受けられます。

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資産管理会社を活用した相続対策

相続を心配している資産家には、資産管理会社を活用した相続対策がおすすめです。具体的な相続対策について説明します。

相続対策①:相続財産の評価額を下げる

相続対策の1つ目は、法人化によって相続財産の評価額を下げることです。資産管理会社を設立した場合、家族が相続する財産は株式(株式会社)または出資持分(合同会社※)となるため、その評価額を下げることで相続税を減らすことができるからです。

※合同会社の出資者が死亡して家族が出資持分を承継するには、定款に別段の定めが必要です。

評価額を下げるには、家族への給与(または役員報酬)などで支出を増やしたり、不動産購入などで資産の評価額を下げたりする方法があります。

相続対策②:生前贈与を効果的に活用する

相続対策の2つ目は、生前贈与を効果的に活用することです。生前に資産管理会社の株式等を家族に贈与することで、相続財産を減らせます。

贈与税は、贈与を受ける人1人当たり110万円まで非課税です(※)。相続人が複数いる場合、できるだけ多くの相続人に株式を贈与したほうが相続税の節税効果は高まります。また、株式等の評価が低い時期に贈与すれば、贈与税も抑えられます。

※2022年3月時点です。

相続対策③:相続をスムーズにする

相続対策の3つ目は、相続財産を株式等にすることで相続をスムーズにすることです。複数の相続人が財産を分割する場合、株式等は分割しやすいからです。

相続財産が不動産の場合、土地の分筆や売却が必要なケースもあります。また、土地の名義を変えるために不動産登記の費用や手間がかかります。

資産管理会社を設立するときの注意点

最後に、資産管理会社を設立するときの注意点について説明します。

注意点①:法人設立や運営に費用がかかる

注意点の1つ目は、資産管理会社の設立や運営には費用がかかることです。前述の通り、設立時には合同会社は10万円以上、株式会社は25万円以上の費用がかかります。登録免許税や定款の認証手数料、収入印紙代などの費用です。

さらに、設立手続きを司法書士などに依頼すると別途報酬の支払いが必要です。法人の経理処理を税理士に依頼すると毎年その費用が発生します。

注意点②:赤字でも法人住民税がかかる

注意点の2つ目は、赤字でも法人住民税がかかることです。個人の所得税や住民税、法人税は所得や利益がなければ課税されませんが、法人住民税は利益の有無に関わらず一定額(7万円以上)かかります

また、利益が出ない状態で資産管理会社の運営や維持に費用がかかれば、赤字額が膨らむことになります。

注意点③:節税にならない場合がある

注意点の3つ目は、資産管理会社を設立しても節税にならない場合があることです。資産運用で利益が出ないケースなどです。

また、資産管理会社の設立・運営費用が節税額を上回る場合、節税はできても法人化したメリットはありません。

まとめ:収入や資産の多い人はメリットの大きな資産管理会社の活用を検討しよう!

資産管理会社は、不動産や株などの保有資産を運用・管理する会社です。資産管理会社を活用することで、個人投資家は投資収益にかかる税金を減らすことができます。また、資産家にとっては相続税を減らしたり、スムーズな相続が期待できます。

一方、資産管理会社の設立や運営には一定の費用が必要です。利益が出なければ節税効果もないなどのデメリットにも注意しましょう

一般的に、資産運用による収入や保有資産が多い人ほど節税や相続対策の効果が期待できるため、該当する人は資産管理会社の活用を検討してみましょう。

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