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家計

「人生の中でもいろいろ大きなイベントがある時期だから、30代の間に貯金をして備えたい」と思う方は多いでしょう。一人暮らしでも、家族と暮らしていても、30代は費用がかさむ時期です。世間の30代がどの程度貯金をしているのか、気になるかもしれません。

そこで本記事では、最新調査結果による30代の平均貯蓄額をご紹介します。また、30代以降に必要となる費用項目や、貯金方法、資産運用方法もあわせて解説しています。

今はまだ貯金ができていないかもしれません。しかし、本記事を読むとどの程度のお金が必要かがわかり、具体的に貯金の目標額を決めて将来に備えられます。

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30代の平均貯蓄額と中央値を状況別に紹介

いずれの世帯形態も平均値と中央値に差があり、二人以上世帯が一人世帯よりも多く貯金していることがわかります

なお、平均値はデータ総数をデータ個数で割った数値です。平均値はよく用いられますが、データの大小等に偏りがある場合、実態を反映しにくいことがあります。

一方、中央値はデータを大きさ順に並べて、真ん中にあたる数値です。平均値と共に検討することで、より実態をつかめます。

各世帯形態ごとに、平均貯蓄額と中央値をより詳しくご紹介します。

一人世帯30代の平均貯蓄額と中央値

まずは一人世帯の実態に着目してみましょう。30代の一人世帯は、独身者が大半を占めていると考えられます。貯金の平均値は484万円、中央値は75万円でした。

実際はどの貯金額が多いのか、以下の表にまとめました。

金融資産なし 32.1%
100万円未満 18.5%
100~200万円未満 8.6%
200~300万円未満 5.6%
300~400万円未満 5.2%
400~500万円未満 2.5%
500~700万円未満 7.1%
700~1,000万円未満 3.7%
1,000~1,500万円未満 4.6%
1,500~2,000万円未満 3.7%
2,000~3,000万円未満 2.5%
3,000円万円以上 2.8%
無回答 2.8%

一人世帯の約3割が、貯金なし、とわかりました。また、貯金額200万円以下が全体の6割を占めていることが読み取れます。

平均値は484万円、中央値は75万円だった結果と一緒に考えると、中央値のほうがより実情を表しているとわかります。貯蓄の多い一部の高所得者が平均値を引き上げ、中央値との間に剥離が生じているのです。ご自身の貯金が多いのか少ないのか、世間と比べたいときは中央値を参考にしましょう。

二人以上世帯30代の平均貯蓄額と中央値

結婚して、配偶者や子供と暮らす30代の方も多いはずです。出費の多い二人以上世帯の貯金額の平均値は526万円、中央値は200万円でした。

実際はどの貯金額が多いのか、検討しやすいように下記の表にまとめました。

金融資産なし 23.9%
100万円未満 13.4%
100~200万円未満 10.3%
200~300万円未満 6.9%
300~400万円未満 6.3%
400~500万円未満 3.5%
500~700万円未満 9.4%
700~1,000万円未満 7.3%
1,000~1,500万円未満 6.6%
1,500~2,000万円未満 3.5%
2,000~3,000万円未満 3.9%
3,000円万円以上 2.2%
無回答 2.6%

貯金なしの二人以上世帯は23.9%いることがわかりました。単身世帯の結果と比較すると割合は少なくなっており、家族のために貯金をしていると伺えます。

貯金ゼロ世帯が23.9%いるのにもかかわらず、平均値は526万円でした。やはり、平均値ではなく中央値の200万円が、より実態に近いといえるでしょう。

また、単身世帯は貯金200万円未満が6割を占めているのに対し、二人以上世帯の貯金額にはバラツキが生じています。貯金額1,500万円未満まで、どの数値も均等に分布している結果となりました。

【知っておきたい】30代以降で必要になる費用

世間の30代の貯蓄額がわかりましたが、そもそも、なぜ30代の間に貯金をしておく必要があるのでしょうか。一般的に30代は、人生の中でも大きなライフイベントが多い時期です。そのため、何かと出費がかさみがちです。

また、自分の老後について準備を始める時期でもあります。30代以降、必要になる主な費用項目としては、次の6点が挙げられます。

  • 結婚
  • 出産
  • 住宅購入
  • 子供の教育
  • 老後
  • 緊急時

それぞれの費用について、どのような内訳なのか、どの程度の金額が必要かといった目安を以下で解説します。

結婚に必要な費用

多くの方にとって、結婚は人生の一大イベントです。「婚姻届の提出だけでいい」という方や「結婚式も披露宴も思いきりやりたい」という方など、人によってさまざまでしょう。最新調査によると、結婚関連費用総額の平均は469万2,000円です。

婚約指輪35万7,000円や、結婚指輪25万1,000円(二人分)、結婚式と披露宴362万3,000円などを総計した金額です。もちろん、両家の親御さんから援助があるかもしれませんが、自分たちで貯蓄をしておく必要もあります。希望どおりの素敵な結婚式ができるように、二人で協力して貯蓄しましょう。

参照:ゼクシィ結婚トレンド調査2020

出産に必要な費用

厚生労働省の資料によると、入院・分娩などの出産に直接関わる費用の平均額は、46万217円(令和元年)です。この費用以外にも、出産前の妊娠検診費用が約10万円かかります。また、マタニティウェアやベビー用品も必要です。出産関連費用の総額は、70万円程度と推測できます。

出産時には健康保険から、赤ちゃん一人につき42万円が「出産育児一時金」として支給されます。そのため、実質必要な金額は約30万円です。ただし、無痛分娩を望む場合は自己負担金額が増えます。

参照:厚生労働省保険局「令和2年第136回社会保障審議会医療保険部会資料」

マイホームなど住宅購入に必要な費用

30代に入ると、自分や家族が心置きなく生活できるように、マイホームの購入を考えることも多いでしょう。国土交通省の調査によると、住宅購入費は「中古・新築」「マンション・戸建」など条件によって異なりますが、平均額が最も低い中古戸建で2,585万円です。

また、物件の種類にかかわらず、頭金の平均額は1,000万円を超えています。その他、不動産業者に支払う仲介手数料や、登記や契約に関する費用が必要です。必ずしも頭金に1,000万円いるわけではありませんが、ある程度まとまった金額を用意する必要があります。

参照:国土交通省「令和元年度住宅市場動向調査報告書」

子供の教育費用

世帯を構えた時に、住宅購入費と同じくらい高額な費用になるのが、子供の教育費用です。「子供の進学先が公立と私学のどちらか」「習い事をどの程度するか」などで、教育費はまったく異なります。幼稚園から高校まですべて公立の場合は約541万円ですが、すべて私立なら約1,830万円です。

大学に進学するなら、国公立大学の4年間の学費総額は約242万円、私大文系の総額は約397万円、私大理系は約541万円です。さらに、大学進学の際に下宿する可能性もあります。その場合は、さらに費用がかかります。

参照:
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」
文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」

老後に必要な費用

「老後は年金だけでは足りず、2,000万円必要」と、話題になりました。現役時代の収入や、自営業か勤め人かといった条件によって、老後に受け取れる年金は異なります。国民年金と厚生年金の最新受給額は、次のとおりです。

  • 国民年金(老齢基礎年金満額)が6万5,075円
  • 厚生年金(夫婦二人分の老齢基礎年金を含む標準的年金額)が22万496円

参照:日本年金機構「令和3年4月からの年金額等について」

老後に必要となる生活費をシミュレーションし、年金のみでは不足する額面を、今から貯めておきましょう。特に、自営業者などは国民年金のみですので、厚生年金をもらえる勤め人と比べて、より多額を準備しておく必要があります。

緊急時のために残しておきたい費用

突然勤務先が倒産したり、病気やケガで入院するなど、不測の事態が起こる可能性があります。そのような緊急時に貯金があると、しばらく働けない場合でもあせらずに済みます。

緊急時の資金として用意しておきたい目安額は、手取りの3~6カ月分です。収入が途絶えたとしても、3~6カ月は落ち着いて生活できます。また、入院費や医療費も緊急時資金があれば、安心して払えます。いざという時のために、できるだけ早く用意しておきましょう。

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30代の理想の貯蓄額・目安はいくら?

安心のために最低限準備しておきたいお金

30代の貯蓄額がわかりました。世間と比べ自分の貯蓄が少なかった...と落ち込む方もいるかもしれません。しかし、不安になる必要はありません。

30代と一括りにしても、家族構成や生活スタイルはそれぞれ異なります。何かと出費が多い30代ですが、安心して生活するために以下の2つを重点的に貯めておくのをおすすめします。漠然と貯めるのではなく、何のための貯蓄なのかを理解して行動に移しましょう。

  1. 緊急予備資金
  2. 老後資金

結婚をして家庭を持った方や独身の方、ご両親と同居されている方。生活スタイルがさまざまな30代ですが、全ての方に言えるのが緊急予備資金と老後資金です。

なんとなく貯めておきたい、と一度は思ったことがあるのではないでしょうか。必要だとわかっていても、具体的にいくら必要なのかを把握していないと、なかなか貯めづらいです。具体的な目標をそれぞれ提示するので、あなたにあった目標額を決める参考にしてください。

緊急予備資金とは

被災など、生活上のリスクへの備えとして、一般的には月の生活費の3ヵ月から6ヵ月分、場合によっては 1年~2年分の資金をもっておくと、いざというとき大変役立ちます。この資金のことを緊急予備資金といいます。

引用元:災害に備える くらしとお金の安心ブック

病気やケガで突然入院したり、職を失ったり。誰にでも起こりうるので、予期せぬトラブルに備え緊急予備資金を貯めておきましょう。

貯蓄額の目安は月の生活費の3~6ヶ月分です。いつ不測の事態が起こるかわからないので、優先して貯めることをおすすめします。

まずは毎月の生活費を洗い出してください。家賃や光熱費、通信費、ローンの返済などです。最低限で構いません。

その生活費を3~6倍にした金額が、あなたが緊急予備資金として貯める目標金額です。余裕がある方は、1~2年分貯めるのも検討してください。多いに越したことはありませんが、家計を圧迫しては本末転倒です。無理なく貯められる額を設定しましょう。

老後資金とは

老後資金とは定年後にかかる費用を全て含めた資金を指します。つまり、日々の生活費や医療費、介護費だけでなく、趣味のための娯楽費なども含みます。

引用元:夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介

金融庁が2019年に発表した「老後資金2,000万円問題」をご存知でしょうか。老後に夫婦2人が標準的な生活を送ろうとすると、公的年金だけでは月5.5万円不足するため、30年で1,980万円必要になるという内容です。

2,000万円は誰にとっても大金で、その金額に驚いて当然。しかし、これはあくまで平均から算出したもので、皆が該当するわけではありません。あなたの状況に置き換えてみましょう。日本年金機構によると、最新の年金金額は以下のとおりです。

  • 国民年金(老齢基礎年金満額) 6万6,250円
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) 22万4,482円

あなたが老後に必要になる生活費をシミュレーションしてみてください。そこから、年金では足りない額を算出し、今から貯めておくのをおすすめします。

上記に示した厚生年金額はあくまで標準的な値です。毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で、あなたが将来受け取れる年金の見込み額が確認できます。

自営業の方は国民年金を受給するので、より不足が生じると考えられます。安心して老後が送れるよう、より多くの金額を貯めておきたいです。

30代の貯金を成功させる方法5選

「いろいろ費用がかかることはわかったけれど、どう貯めればいいかわからない」と悩む方もいらっしゃるでしょう。そこで、30代におすすめの貯金に成功する方法5選をご紹介します。

  1. 先取り貯金を徹底する
  2. 固定費の削減をする
  3. 家計簿アプリを使って支出の把握・見直しをする
  4. お金の専門家に相談する
  5. 積立投資など資産運用をする

これらを実行することで、効率的に貯金ができ、各種費用に必要な金額をまかなえます。それぞれの方法について、以下で詳しくご説明します。

①先取り貯金を徹底する

貯金ができない場合、先取り貯金を徹底的に行ないましょう。「手元のお金が余ったら貯金する」という考え方では、なかなか貯金がはかどりません。お金ができれば先に一定額を貯金し、残ったお金で生活すると貯金が着実に増えます。

先取り貯金は、毎月給料日に天引きされる自動的なシステムがおすすめです。社内預金や、財形貯蓄などを活用するといつのまにか貯金が増えています。

②固定費の削減をする

貯金を増やすためには、固定費の削減が効果的です。無駄な出費を減らそうとする時、食費や外出費などを削りがちですが、それは効率的ではありません。食費などの変動費は削減しても大きな効果がないうえに、ストレスだけがたまってしまいます。

毎月の出費で大きな割合を占める固定費を削減すると、簡単に出費が減らせます。

  • 住居費:家賃を下げられないか検討する
  • 通信費:スマホの月額料金を格安プランに変えるか、契約を格安スマホに変える
  • 水道光熱費:会社ごとに料金を比較し、安い会社に切り替える
  • 保険料:不要な保険に加入していないか見直す
  • サブスクリプションサービス:使っていないサービスは解約する

いったん下げてしまうだけで、その後支出が減ったままになるので、ストレスフリーな貯金が可能です。

③家計簿アプリを使って支出の把握・見直しをする

家計簿アプリを使うと、結果的にお金が貯まります。「なかなかお金が貯まらない」という方は、実はどれだけ支出しているかを把握できていないことが多いです。「ぜいたくはしていないけれど、自分の支出額を把握していない」という状態では、貯金は難しいです。

家計簿をつけて支出管理をすると、無駄な支出が一目瞭然です。「家計簿は続けられない」という方も、家計簿アプリなら簡単です。アプリが自動的に記録していくので、後から見直すだけで済みます。支出を把握し、見直すことで貯金につながります。

④お金の専門家に相談する

「努力してもなぜかお金が貯まらない」という時もあります。そのような場合は、ファイナンシャルプランナーなどのお金の専門家に相談してみましょう依頼者が何のためにどの程度貯めたいのか、ファイナンシャルプランナーの方が目標を設定し家計をチェックしてくれます。

自分で気づかなかった無駄な支出を指摘され、目が覚める気持ちになることも。無理のない家計管理方法や、毎月の貯金額の目安なども指導してくれます。プロの作成するプランに従えば、より簡単に目標を達成できます。

⑤積立投資など資産運用をする

先取り貯金ができたなら、同じ感覚で行なえる積立投資などの資産運用もおすすめです。毎月一定額を投資信託などで積み立てて運用することで、貯金の利息よりも高い運用益をねらえます。

「投資をしたことがないので不安」と思うかもしれません。そこで、次項で具体的な資産運用方法をご紹介します。どの方法も簡単で、投資初心者が安心して行なうことができる運用方法です。

上手に資産運用するための方法3選

安心して資産運用できる、おすすめの積立投資3つをご紹介します。

  • つみたてNISA
  • 個人型確定拠出年金「iDeCo」
  • 積立式定期預金

いずれも、最初に金額や運用先を設定するだけで、毎月定額を積み立てて運用する仕組みです。そのため、投資未経験者も簡単に始められます。また、リスクが低いことも特徴です。

つみたてNISA

つみたてNISAは、少額から資産運用を始められる制度です。証券会社によっては、毎月100円から運用できます。政府によって支援されており、運用で得られる利益はすべて非課税です。

少額の分散投資を長期保有する目的で作られた制度であり、運用益非課税メリットを最大40年間得られます。購入できる金融商品は、条件に合った一定の投資信託に限られており、投資初心者も安心して始められます。

個人型確定拠出年金「iDeCo」

個人型確定拠出年金「iDeCo」は、自分で運用する年金であり、税制面で優遇措置がとられています。60歳になるまで毎月一定額を積み立てて運用し、60歳になれば年金または一時金として受け取ることができる仕組みです。運用商品は、投資信託や保険、定期預金から選べます。

「iDeCo」の税制面での優遇措置は、次の3点です。

  • 毎月の掛金が所得控除される
  • 運用で得られる利益はすべて非課税となる
  • 受け取り時も、年金なら公的年金等控除、一時金なら退職所得控除が適用される

老後の備えができるだけではなく、税制面で大きなメリットを得られます。

積立式定期預金

元本割れリスクがない資産運用として、積立式定期預金が挙げられます。「預金だから貯金なのでは」と思うかもしれませんが、定期預金も資産運用の1つです。定期預金は預金保険機構の預金保護の対象なので、銀行が破産しても1つの銀行につき元本1,000万円と利息分は保証されます。

給与振込口座のある銀行で、積立式定期預金を始めると、給料日に自分の設定した金額が自動的に定期預金口座に移されます。何も考えなくても、自動的に毎月着実に資産を増やすことができ、他の資産運用と両立することも可能です。

まとめ:30代はライフイベントを見越して計画的に貯金をしよう

30代の貯金の実態や貯めておきたいお金、貯金を成功させる方法についてお伝えしました。特に以下の3つは覚えておいてください。

  • 世間の貯金額の幅は広い
  • 予期せぬトラブルや老後に備えて、貯金する
  • 貯金だけでなく資産運用も選択肢に入れる

支える家族がいる方は、生活費や教育費がかさみがちです。そんな家庭持ちの方でも独身の方でも、老後資金と緊急時への備えは最低限貯めておくのをおすすめします。たとえ何が起こっても、安心して生活したいと思うのは当然です。そのために、30代で計画的に貯金をしましょう。

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