遠出の際に高速道路を利用するとどうしても高速道路代がかかってしまいます。そこで、ETC割引やETCマイレージサービスをうまく使って高速道路代を抑えたいと考えるのも当然といえるでしょう。
確かに、ETC割引やETCマイレージサービスを使えば高速道路代を抑えられます。しかし、これらの割引やポイントの付き方は少し複雑です。
そこで本記事では、高速道路代を抑えるためのETC割引やETCマイレージサービスについてわかりやすく紹介します。割引サービスなどを利用するコツや注意点もわかりますので、ぜひ高速道路代を抑えるために役立てください。
そもそも高速道路のETC割引とは?
そもそも高速道路のETC割引とはどのようなものか確認しましょう。高速道路のETC割引について、概要を以下の一覧表にまとめました。
ETC割引の種類 |
対象条件 |
対象道路 |
割引内容 |
平日朝夕割引 |
ETCマイレージサービスに登録後、以下時間内に料金所通過 平日朝:6~9時 平日夕:17~20時 |
地方部高速道路(※1) |
利用5~9回:約30%還元 利用10回以上:約50%還元 (※2) |
休日割引 |
土・日・祝日 |
30%割引 |
|
深夜割引 |
毎日0~4時 |
高速道路(※3) |
※1:NEXCO3社および宮城県道路公社の仙台松島道路の地方部高速道路で、東京・大阪近郊区間を除く
※2:最大100km相当分を、利用月の翌月20日に付与
※3:NEXCO3社および宮城県道路公社の仙台松島道路で、京葉道路・第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路を除く
参照:ドラぷら(NEXCO東日本)「ETC割引・各種割引」
大まかにまとめると以下の通りで、平日朝夕や休日・深夜に高速道路を利用すると30%以上の割引や還元が受けられます。
- 地方部の高速道路では、平日朝夕に5回以上利用すると30~50%の還元
- 地方部の高速道路では、土日祝日に利用すると30%の割引
- 地方部に限らず、深夜帯に利用すると30%割引
割引や還元の対象となる道路は細かく定められていますので、詳細は道路会社のホームページを参考にしてください。
また、一部の高速道路では上記の他に割引が適用される場合もあります。
高速道路代を抑えられるETCマイレージサービスとは?
高速道路代を賢く抑えるためには、ETCマイレージサービスの利用が欠かせません。
なお、先ほど紹介したETC割引のうち、「平日朝夕割引」はETCマイレージサービスに登録していなければ適用されません。そこで、高速道路代を抑えるために重要なETCマイレージサービスについて紹介していきます。
概要 |
登録申し込みが完了したETCカードでの通行料金支払額に応じてポイントが付く ポイントは還元額(無料通行分)に交換して利用できる |
登録方法 |
インターネットまたは郵送 ※インターネットは当日の走行からポイントの対象 |
登録情報 |
名前・生年月日・住所・電話番号 ETCカード番号・有効期限・車両番号・車載器管理番号 |
ポイント付与 |
走行の翌月20日に付与 道路事業者間での合算はできない(NEXCO3社および宮城県道路公社を除く) |
ポイント有効期限 |
ポイント付与年度の翌年度末(3月末) ※還元額(無料通行分)に交換したら有効期限はない |
還元額への交換方法 |
ポイント自動還元サービス マイページ 自動音声ダイヤル 事務局へ電話 |
参照:ETCマイレージサービス「1.サービスの概要」
ETCマイレージサービスは、ETCカードでの通行料金支払額に応じて各道路事業者ごとに定められたポイントが翌月20日に付与されるサービスです。
貯まったポイントは、道路事業者ごとに定められた交換単位に応じて還元額(無料通行分)に交換できます。なお、登録や年会費は無料のため登録して損することはありません。
ETCマイレージサービスの実質還元率はどのくらい?
ETCマイレージサービスの概要を紹介しましたが、気になるのは「どれくらいお得になるのか」という点です。つまり、還元率(割引率)がどのくらいかということです。
実際の還元率は道路事業者やポイントの交換方法などにより異なります。
それでは、道路事業者別の還元率を順に求めてみましょう。
ETCマイレージサービスの還元率を計算する方法
還元率は以下の式で計算できます。
還元率=(基本ポイント付与率+加算ポイント付与率※)×交換率
※一部の道路事業者は、月間利用額に応じた加算ポイントがある
例えば支払額10円に1ポイントが付き、加算ポイントはなし、1,000ポイントを500円分に交換できるなら以下のとおり5%です。つまり、1万円の支払額に対して500円が還元されます(NEXCO3社の例)。
還元率5%=(基本ポイント付与率10%+加算ポイント付与率0%)×交換率50%
- 1万円の支払額に対して、1,000ポイントが付与される(基本ポイント付与率10%)
- 1,000ポイントを500円分に交換する(交換率50%)
- 1万円の支払に対して500円分が還元される(還元率5%)
道路事業者別の還元率一覧表
実質還元率がいくらになるのか、道路事業者ごとに以下の表にまとめました。
道路事業者 |
還元率(付与率×交換率) |
NEXCO3社 宮城県道路公社 |
1,000ポイント:5% 3,000ポイント:8.3% 5,000ポイント:10% |
本州四国連絡高速道路株式会社 |
|
愛知県道路公社 |
1~19% |
神戸市高速道路公社 |
3~13% |
広島高速道路公社 |
1~20% |
福岡北九州高速道路公社 |
参照:ETCマイレージサービス「1.サービスの概要」
NEXCO3社と宮城県道路公社、本州四国連絡高速道路株式会社の高速道路では、5,000ポイントを交換した場合には還元率が10%です。
その他の道路事業者の場合は、加算ポイントに応じて還元率が異なります。各道路事業者別の付与率や還元率については、ETCマイレージサービスのサイトや道路事業者のサイトをご確認ください。
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ETCマイレージサービスをお得に使うための5つのコツ
ETCマイレージサービスの概要や還元率について紹介してきました。ここでは、ETCマイレージサービスをお得に使うためのコツを5つ紹介します。
クレジットカードを持っていなくてもETCカードを持っておく
ETCマイレージサービスを利用するためには、ETCカードを持っていることが前提です。
ETCカードはクレジットカード会社の審査を経て発行するのが一般的です。しかし、中には審査に通らない人やクレジットカードを持ちたくない人もいるでしょう。
このような場合、高速道路各社が提供するETCパーソナルカード(パソカ)を利用することがおすすめです。
概要 |
有料道路のお支払いに利用できるデポジット型ETCカード |
デポジットの目安 |
平均利用月額の4ヶ月分 |
利用限度額 |
デポジットの80% |
通行料金の精算 |
指定金融機関口座から引き落とされる |
年会費 |
年会費1,257円(税込) |
パソカはデポジット型(預託保証金)のETCカードで、デポジットの80%を限度に利用でき、年会費は1,257円(税込)となっています。
平日朝夕割引やマイレージサービスで年会費のもとが取れそうであれば、ぜひ検討してみましょう。もとが取れなくても、スムーズに高速道路を走行できるメリットがあります。
参考:ETCパーソナルカードWebサービス「ETCパソカとは」
ETCマイレージポイントの有効期限に注意する
ETCマイレージのポイントには有効期限があるため注意が必要です。
ポイントの有効期限はポイント付与年度の翌年度末までのため、遅くとも1年に1回、3月に還元できるポイントがないか確認しましょう。
ポイントは走行月の翌月20日に付与されますので、毎月20日にETCマイレージサービスのマイページで確認するのが理想です。
せっかく貯めたポイントを失効させないように、定期的に確認しましょう。
ポイント自動還元サービスを利用する
ETCマイレージサービスのポイントには有効期限がありますが、ポイント自動還元サービスを利用することもおすすめです。
自動還元サービスは、所定ポイント数が貯まったら自動的にポイントを還元額に交換するサービスで、利用すると有効期限を気にする必要がなくなります。さらに、NEXCO3社などポイントの交換単位で交換率(還元率)が変わる場合でも、最も交換率の良い状態で自動的に交換(還元)されるので安心です。
ただし、本来は100ポイントや200ポイントで交換できるものも、1,000ポイント(NEXCO3社と本州四国連絡高速道路は5,000ポイント)貯まるまで自動交換されない点には注意しておきましょう。
平日朝夕割引を積極的に利用する
平日朝夕割引は、積極的に利用しないと還元が適用されません。具体的には、月間5回以上利用しなければ還元率が0%で、4回以下は還元されません。
10回以上利用すると還元率は50%になるため、平日朝夕割引は積極的に利用しましょう。
ドライブ計画を立てておく
平日朝夕割引や深夜割引は、一定の時間内に対象道路の料金所を通過しなければ適用されません。ETC割引でいう朝は6~9時で、夕方は17~20時です。また、深夜は0~4時です。
通勤での利用であれば問題ないかもしれませんが、プライベートでの利用であれば、上記の時間帯に料金所を通過できるよう事前にドライブ計画をきちんと立てておくと良いでしょう。
ETCマイレージサービスを利用する際の注意点
ETCマイレージサービスを利用する際の注意点は、以下の3つです。
- ポイントの有効期限は翌年度末まで
- ポイントは道路事業者ごとに貯まり、合算はできない(還元額の利用は共通して可能)
- 複数のETCカードでのポイントは合算できない
せっかく貯めたポイントを失効させるのは、非常にもったいないです。そのため、本記事で紹介した「自動還元サービス」を利用したり、定期的にポイントを確認したりして失効を防ぎましょう。
また、ポイントは道路事業者ごとに貯まり、合算ができないことには注意が必要です。「少しだけ利用して貯まったポイント」が還元額(無料通行分)に交換できない場合もあります。
複数のETCカードを保有している場合、特別な理由がなければ、マイレージサービスに登録したETCを優先的に利用するようにしましょう。
高速道路ETCマイレージサービスの登録と利用手順
最後に、高速道路のETCマイレージサービスへ登録する方法と利用手順を解説します。
環境構築 |
ETCカードとETC車載器を準備 |
登録申し込み |
インターネットや郵送で申し込む |
走行 |
登録したETCカードで料金所を通過する |
参考:ETCマイレージサービス「新規登録の手順」
以上のように、ETCの利用環境を構築して登録したうえでETCを利用すれば、マイレージサービスによるポイント還元を利用できます。
まとめ:高速道路代を抑えるためにETCマイレージサービスを有効活用しましょう
高速道路代を抑えるためには、ETC割引やETCマイレージサービスの利用が欠かせません。
ETC割引は、毎日深夜0~4時に対象道路を走行、土日祝日に対象道路(地方部)を走行、平日朝6~9時か夕方17~20時に対象道路(地方部)を走行すると受けられます。
ETCマイレージサービスは、マイレージサービスに登録したうえでETCを利用すると、道路事業者ごとに定められた付与率・加算率でポイントが付与され、一定の交換率で還元額(無料通行分)に交換できるサービスです。
平日朝夕割引もETCマイレージサービスも、登録しなければ適用されません。登録に年会費などの費用もかからないため率先して登録しておきましょう。
ぜひ本記事を参考にして、賢く高速道路代を節約してみてください。