電力といえば従来は、東京電力や関西電力など居住地域の大手の会社と契約する選択肢しかありませんでした。しかし、近年は新電力が続々と出現し、好きな電力会社のサービスを選べるようになっています。「大手から新電力に変えるのは少し不安」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、新電力のメリット7点とデメリット5点を紹介します。メリットとデメリットを知ることで、新電力にするかどうか判断がしやすくなります。
また、新電力に切り替える際におさえておきたいポイントや、契約に必要なものもあわせて紹介しているので安心してください。手続きがスムーズに進められます。新電力が使えるチャンスを活かして、お得な生活を送りましょう。
新電力は電力自由化に伴って新たに参入した電気事業者のこと
「そもそも新電力が何かわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。新電力とは、2000年から段階的に開始され2016年に本格的に行われた「電力の小売り全面自由化」に伴った、新規参入の電気事業者です。
これまでは、電力を使うために東京電力など居住地域の大手電力会社と契約するしかありませんでした。しかし、大手が電力市場を独占している状況は健全でないため、政府が電力の自由化に踏み切り競争を促しました。その結果、誰でも電力供給事業者になることができるようになりました。また、電気料金やサービスにも差が出てきて、消費者が選択できるようになりました。
現在の私達には従来の電力から様々な新電力まで、幅広い選択肢があります。自分の要望に合う新電力を選ぶことで、今までよりも安い料金で電気が使えるかもしれません。ぜひ、広告等で目にする新電力をまずは気軽に調べてみてください。
解約時の違約金発生や対応していない建物がある?新電力のデメリット5選
「一刻も早く新電力に変えた方がお得では」と気が急ぐかもしれませんが、お待ちください。まず、新電力のデメリットについて確認しておきましょう。次の5点です。
- 電力会社によっては違約金が発生する
- 建物によっては電力会社を自由に選択できない場合がある
- 自分に合った電力会社やサービス・プランの見極めが必要
- 倒産や撤退のリスクはゼロではない
- 市場連動型プランは電気料金が高騰するリスクがある
デメリットを熟知しておくと、自分が新電力にするかどうかを適切に判断できます。以下で各デメリットについてご説明します。
①電力会社によっては違約金が発生する
新電力を契約した場合、電力会社によっては解約時に違約金が発生する恐れがあります。従来の大手電力会社との契約では、違約金や最低契約期間がなく、引越し時に解約するだけで済みました。
しかし、新電力は2年契約など一定の契約期間を定めている場合があり、期間内に事情があって解約すると違約金が発生することも。引越しや転勤の可能性がある方は、各会社の契約プランをしっかりとご確認ください。
②建物によっては電力会社を自由に選択できない場合がある
現在お住まいの建物がマンションやアパートなど集合住宅の場合、電力会社を自由に選べない可能性があります。集合住宅では、管理会社や大家さんが一括契約をしているケースがあり、その場合は個人で個別契約ができません。
お住まいの建物がどのような電力契約をしているのか、まずは管理会社や大家さんに確認をする必要があります。一括契約がなされている場合、個別契約に切り替えられるか交渉してみてください。
③自分に合った電力会社やサービス・プランの見極めが必要
新電力を契約する場合、自分に合った電力会社やサービス・プランの見極めが必要です。従来の大手電力しかない頃は、各エリアに1社のみであったため考える必要はありませんでした。しかし、新電力は事業者数が多いうえに、各社のサービスやプランも多彩です。
「どの会社のどのプランが自分に合うか」をしっかり検討して選ぶ必要があります。何となくで選ぶと、電気料金がかえって割高になってしまうことも。各社公式サイトの電気料金シミュレーションなどで、どのプランが適しているのか順番にチェックしてみましょう。
④倒産や撤退のリスクはゼロではない
新電力の場合、倒産や撤退のリスクがあり得ると認識しておきましょう。従来の大手電力は倒産・撤退のいずれも心配不要でした。しかし、新電力は民間事業であり、小規模の事業者も多いため倒産や撤退も起こり得ます。
契約している新電力が倒産や撤退した場合、従来の大手電力会社が経過措置として電力を供給するので、電気自体は使えます。ただし、その間に支払う電気料金は割高になるため、早く次の新電力と契約することがおすすめです。
⑤市場連動型プランは電気料金が高騰するリスクがある
新電力には「市場連動型」と「市場連動型以外」の2種類のプランがあります。このうち市場連動型プランは、状況によって電気料金が高騰するリスクがあるのでご注意ください。市場連動型とは、電気料金が日本卸電力取引所での取引価格に連動して決まるプランです。
例えば、冬期に寒波が発生して火力発電の燃料が不足すると、電気の取引価格=市場価格が高騰し、電気料金も連動して高くなります。新電力によっては、電気の市場価格の異常高騰時は、追加料金を請求しないというケースもあるので、事前に各社にご確認ください。
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新電力は電気代節約になる?新電力のメリット7選
「新電力はデメリットが多いのでは」と不安になったかもしれません。しかし、新電力はメリットの方がはるかに多いです。次の7点が主なメリットです。
- 大手電力会社よりも電気代節約につながる
- ガスとセットで契約すると割引が受けられる
- ポイント還元で電気代が実質オトクになる可能性がある
- 選ぶ電力会社によっては環境保全に貢献できる
- ライフスタイルに合わせたプランを選べる
- 地元の電力会社を応援できる
- 災害時などのリスク軽減になる
新電力を利用すると、デメリットやリスクを上回るメリットを享受できます。どのようなメリットなのか、以下でそれぞれについてご紹介します。
①大手電力会社よりも電気代節約につながる
新電力は大手電力会社よりも電気料金が安い場合が多いため、電気代の節約ができます。そもそも電力の自由化は、大手による独占状態を解消して、電力市場に競争をもたらすために行われました。
電力の自由化に伴う競争によって、各社がお得なサービスや料金プランを展開しています。大手と比べて後発になる新規事業者は、魅力的なプランで顧客を獲得する必要があるからです。そのため、新電力は料金がリーズナブルな場合が多いです。
②ガスとセットで契約すると割引が受けられる
新電力は電気料金単体でも安いですが、例えばガスとセットで契約すると割引が受けられ、さらにお得になることがあります。事業者によって、ガス以外にも水道料金やインターネット料金、携帯電話料金などを電気料金とセットで契約可能です。
セットで契約すると、電気料金だけではなく組み合わせたものの料金も割安になりお得です。電気とガスの組み合わせの場合、どちらも安くなるので光熱費が削減できます。
③ポイント還元で電気代が実質オトクになる可能性がある
新電力の事業者によっては、電気代の支払いのたびにポイント還元が行われます。電気料金自体は他社と差がない場合でも、ポイント還元で実質的にリーズナブルになる場合があります。
貯まったポイントを日常のショッピングに使うこともできますし、電気料金をポイントで支払うことも可能です。新電力を選ぶ時には、ポイント還元サービスがあるかどうかも、ぜひチェックしてみてください。
④選ぶ電力会社によっては環境保全に貢献できる
環境問題に関心がある方には新電力をおすすめします。新電力によっては、二酸化炭素排出を考慮して再生可能エネルギーを使っているため、環境保全に貢献できます。
太陽光発電や風力発電、バイオマス発電など、地球温暖化を考慮した電力なら地球に優しいです。これら再生可能エネルギーを用いたプランがある電力会社を選ぶと、通常の生活を送りながら地球環境保護に協力できます。
⑤ライフスタイルに合わせたプランを選べる
自分や家族のライフスタイルに合わせたプランを選べることも、新電力の魅力です。従来の大手電力会社では、電気料金は一律でライフプランを反映させる余地はありませんでした。
新電力なら、例えば次のようなプランがあります。
- 日中は仕事や学校で家にいない人のために、夜間の電気料金が安くなるプラン
- 休日は家族が家で過ごす人のために、休日の電気料金が安くなるプラン
自分や家族が電気をよく使う時間帯は電気料金が安く設定されるため、支払い額が大きく削減されます。新電力にしかないメリットなので、ぜひご一考ください。
⑥地元の電力会社を応援できる
新電力は全国に数多くあるので、あなたの地元にも新電力会社があるかもしれません。その会社と契約することで、地元の電力会社を応援できます。
地元から離れて引越ししても、その電力会社がカバーしているエリア内なら、契約続行が可能です。あなたの地元にどのような電力会社があるか、一度調べてみてはいかがでしょうか。
⑦災害時などのリスク軽減になる
新電力と契約しておくと、地震などの災害時にリスクを軽減できます。従来の大手電力会社は、東北電力や東京電力、中部電力などエリアごとに区切られています。そのため、ある地域で地震や水害などの災害が発生すると、地域全体が復旧するまで停電が続く可能性が高いです。
一方、新電力はエリアで区切られていないため、ある地域が災害に遭って停電になっても他地域から電力を調達できます。そのため、停電が長期にわたるリスクを軽減でき、災害地域であってもより早く電力を使える可能性があります。
「電気の品質が落ちる」はウソ!契約前に知っておきたいポイント4選
「新電力のメリットはわかったけれど、やっぱり大手に比べて品質が落ちるのでは」「そもそも切り替えの手間がかかりそう」など、不安に感じるかもしれません。これらの不安は、誤解であることが多いです。新電力は誤解されやすいため、確認しておきたいポイント4つを紹介します。
- 新電力で停電しやすくなることはない
- 切り替えによる工事は不要
- ほとんどの電力会社はWebからの申し込みで契約完了
- 電気の周波数が異なる地域の電気利用も可能
新電力に関する世間のうわさには、間違っているものもあります。ぜひ新電力の正しい情報を理解してください。
①新電力で停電しやすくなることはない
「新電力は不安定ですぐ停電しそう」とお考えではないでしょうか。新電力で停電しやすくなることはなく、大手と同様の安定供給を行っています。電力の供給網自体は送配電専門の企業が提供しており、新電力も大手と共通の供給網を使っています。
そのため、電気の品質は大手と新電力は変わらず停電リスクも同じです。万一、新電力独自のシステムによって停電した場合は、大手が代わりに電力を供給します。
②切り替えによる工事は不要
「電力の切り替えで工事があると面倒くさい」とためらっているかもしれません。実は、大手から新電力への切り替えによる工事は不要です。
ただし、ご使用中の電気メーターがスマートメーターでない場合は、メーター取替工事を行うこともあります。この取替工事は原則無料で、手続きも必要ありません。新電力の申し込みをするだけで、電力会社が取替工事をしてくれます。
③ほとんどの電力会社はWebからの申し込みで契約完了
「電力の切り替えなんて、手続きが難しそう」と思う方もいらっしゃるでしょう。実は新電力の申し込み手続きはとてもシンプルです。新電力の場合、ほとんどの電力会社はウェブサイトから申し込むだけで契約が完了します。
現在利用中の電力を切り替えるだけなので、申し込むだけでOKです。ウェブサイトなら24時間いつでも申し込めるため、ご都合の良い時に申し込みできます。
④電気の周波数が異なる地域の電気利用も可能
日本の電気の周波数は、東日本が50Hz、西日本が60Hzと東西で異なっています。「西日本在住なら、東日本の新電力は使えないのか」とがっかりするかもしれません。しかし、電気の周波数が異なる地域の電力でも使えるため、地域を超えて電力会社を選べます。
周波数の異なる地域へ送電する時には、周波数変換設備で適切に変換して届けるため、問題なく利用できます。また、最近の家電には周波数に合わせて自動調整するヘルツフリー家電も増えているため、周波数の違いはそれほど気にする必要はありません。
契約時に必要なものは?電力会社切り替えの準備
新電力を契約する際には、以下の情報を手元に準備しておきましょう。
- 契約者の氏名と住所、電話番号
- クレジットカード
- 22桁の供給地点特定番号
- 現在契約中の電力会社のお客様番号
上記の情報があれば、会社の公式サイトからいつでも申し込み可能です。22桁の供給地点特定番号と現在のお客様番号は、検針票に記載されています。「検針票を見てもわからない」という場合でも、申し込みを受け付けてもらえる場合もあります。
ただし、クレジットカードは必要です。新電力では「クレジットカードのみ対応」という場合もあるため、クレジットカードを作っておく方が安心でしょう。
まとめ:新電力で賢く節約しよう!
新電力の概要や、メリット・デメリットなどについてご紹介しました。長いキャリアのある大手電力会社と比較して、新規参入の新電力に何となく不安を感じていた方も、不安が解消されたのではないでしょうか。
新電力は、自分に合ったプランを選ぶととてもお得です。停電リスクも大手と変わらず、災害時にはむしろ大手よりもリスクを減らせます。メリットが豊富な新電力を利用して、かしこく楽に節約してください。
電気代以外の光熱費についても知りたい方は、下記記事も併せてご覧ください。