新型コロナウイルスの影響があったり光熱費の高騰や物価高であったりと、家計への負担が増えている昨今。節約志向になっている家庭も多いのではないでしょうか。家計を改善するためには一般的に食費は月収の15%以内が理想とされており、生活費の中で大きな割合を占める「食費」を見直すことが重要です。
そこで本記事では、食費を節約するための3つのコツや、具体的な節約術7つについて紹介します。逆に「効果がない節約術」についても紹介しますので、家計を見直したい人はぜひ参考にしてください。
食費の節約を成功させて貯金するコツ3選
食費の節約を成功させるには細かな節約テクニックも重要ですが、その前に「いかに計画的に食費をコントロールできるか」が重要です。
食費の節約を成功させるための3つのポイントを紹介します。
節約のコツ1:食費が「月収の15%程度」に収まるように計画する
理想的な目標数字を掲げても、節約の取り組みで上手く行かないと長続きしません。「少し頑張れば達成できる」程度の目標からはじめ、成功体験を重ねながら少しずつ理想に近づけていきましょう。
食費が収入の何%が理想かは家庭によっても異なりますが、一般的には月収の15%以内に収めるのが良いとされています。月収20万円の家庭なら、30,000円以内が目標数値です。
まずは自身の家庭の食費が収入の15%以内に収まっているかを確認しましょう。
食費も含めた家計の適切な収支バランスについては、以下の記事を参考にしてください。
節約のコツ2:1ヶ月の食費を把握する
食費に限った話ではありませんが、節約の基本は1ヶ月単位の支出を把握することです。毎月いくら使っているか分からないと、いくら節約すれば良いのか分かりません。
単発の買い物で値引き品シールを追い求めるだけでは、1ヶ月トータルでどれだけ節約できたかが分からないので節約の効果が出ない場合もあります。
1ヶ月トータルで食費を管理するのが苦手なら、スマホアプリを使う方法が効果的です。家計簿アプリではクレジットカードと連携することができ、請求先から「どの費用にいくら使ったか」を自動的に振り分けてくれます。
節約のコツ3:自炊と外食の予算を決めてお金を分ける
前述の「家計調査」では二人以上では食費全体の10%以上、単身世帯の約20%が「外食費」で占められていました。単身世帯では1人で食事をする機会が多く、比率が高くなっていることが特徴です。
毎月の食費が高い家庭は外食費が高い傾向にあり、いかに外食の比率を減らすかが課題になるでしょう。とはいえ、「絶対に外食をしない」という目標は現実的ではありません。
いままで自炊の経験があまりない人が、いきなり毎食作るのはハードルが高すぎます。「週末だけ」「簡単なものから始める」といった具合に、できるレベルからコツコツ始める方がいいでしょう。
いきなり無理な目標を立てず、まずは食費の予算を自炊と外食に振り分けることをおすすめします。予算の範囲内で外食を取り入れれば、無理のない節約につながります。
水道光熱費にも注意しましょう
自炊の場合、電気代や水道代、ガス代がかかります。外食費が減った分、これらの支出が増えてしまったら家計の改善にはなりません。
「水をこまめに止める」「冷蔵庫を開けっぱなしにしない」といった細かな対策を通じて、水道光熱費が上がらないように気をつけましょう。
電力会社やガス会社の切り替えで、根本的に水道光熱費を見直す方法も有効です。
生活における食費の適正金額とは
節約するには、食費の相場や適正な金額について把握することが重要です。ここでは総務省「家計調査」の結果をもとに、食費の平均額や適正な金額についてチェックしていきましょう。
1ヶ月あたりの食費の平均
総務省統計局の「2021年家計調査」によれば、「二人以上の世帯」「単身世帯」それぞれの1ヶ月あたりの食費の平均は以下のとおりです。
費目 | 二人以上の世帯の月平均額 | 単身世帯の月平均額 |
---|---|---|
穀類 | 6,389円 | 2,671円 |
魚介類 | 6,031円 | 2,220円 |
肉類 | 7,901円 | 2,231円 |
乳卵類 | 4,022円 | 1,697円 |
野菜・海藻 | 8,793円 | 3,693円 |
果物 | 3,035円 | 1,591円 |
油脂・調味料 | 3,823円 | 1,472円 |
菓子類 | 6,469円 | 2,881円 |
調理食品 | 11,363円 | 7,264円 |
飲料 | 4,953円 | 3,055円 |
酒類 | 3,601円 | 2,186円 |
外食 | 9,380円 | 7,324円 |
食費合計 | 75,761円 | 38,410円 |
1ヶ月の食費の平均は二人以上の世帯で「75,461円」、単身世帯で「38,410円」になっています。
ただし、これらは外食や酒・飲料を含めた数値です。単純に自炊だけを計算した場合(外食、酒、飲料を抜いた食費)は二人以上の世帯で57,527円、単身世帯で25,845円になります。
1ヶ月の食費の「エンゲル係数」の目安
公的なデータから読み取れる平均額は分かりましたが、実際は家庭ごとの収入によって「食費にどれだけのお金を使うか」は変わってきます。そこで参考になるのが「エンゲル係数」です。
エンゲル係数とは、家庭のうち食費が占める割合のことで、「エンゲル係数(%)=食料費 ÷ 消費支出 × 100」で求めることができます。
前述の家計調査によれば、2021年二人以上世帯の平均エンゲル係数は「27.2%」でした。消費支出の4分の1程度が食費の計算です。
家庭のエンゲル係数を計算してみて平均よりも高い場合、一般家庭よりも食費にお金を回しすぎの可能性があります。
この記事の内容の他にも、「お金が貯まる29の知恵」を1冊にまとめました。
今ならLINE登録するだけで、無料でプレゼントしています。
この機会に是非一度LINE登録して、特典を今スグ受け取ってください。
食費を節約できる簡単な7つの方法
食費を節約するために取り入れたい、今すぐ簡単にできる節約方法を7つご紹介します。
節約術1:買い物リストに書いたもの以外は買わない
食費が大きく膨らんでしまう原因が「ついで買い」です。スーパーやコンビニでは買い上げ点数を多くしてもらうために店内にさまざまな工夫が施されています。
たとえば「関連陳列」。スーパーではジャガイモの隣に人参やカレー粉を配置するといったように関連メニューを想起させる配置になっており、買う予定にない食材でも、ついつい買ってしまいがちです。
不要な商品を買わないために、「買い物リストに書いた商品以外は買わない」というルールを先に作ってしまいましょう。
冷蔵庫の中身を確認して食事の献立と必要な食材を書き出し、リストにある食材だけを買うことで「重複買い」も防ぐことができます。食材が使いきれずに賞味期限が切れてしまう無駄な食材の購入を防ぐためにも、冷蔵庫の中身を把握してから買い物に行くと良いでしょう。
節約術2:買い物の回数を減らすために、まとめ買いをする
食費を減らす方法で簡単かつ効果的なのは、そもそも「スーパーやドラッグストアに行かないこと」です。買い物に行くと、気を付けていても必要ない食品や嗜好品をつい買ってしまうものです。
必要な食材はできる限り減らし、頻度も「週に1回のみ」と決め、それを守ることで買い上げ点数を減らす効果があります。
また、買い物リストを詳細に作成すれば、冷蔵庫の中身を把握できるというメリットもあります。
食費が増えてしまう1つの原因が「重複買い」です。お金を余分に使ってしまう上に食材が使いきれず、賞味期限が切れてしまいます。
冷蔵庫の中身を把握することで無駄な食材の購入を防ぐ効果が期待できます。
節約術3:コンビニの利用しすぎを避ける
24時間いつでも利用できて何でも揃っているコンビニは、日常生活で欠かせない存在です。
ただし、節約のためには利用し過ぎないようにしましょう。24時間営業の光熱費や人件費がかかることから、商品の価格がスーパーマーケットよりも割高な設定になっているためです。
単身世帯では仕事終わりにスーパーを利用できず、ついコンビニを利用してしまうこともあるかもしれません。不足品をコンビニで購入することを繰り返していると節約につながらないので注意が必要です。
買い物リストに記載した商品を週末の一度の買い物で買ってしまい、コンビニでの買い足しを防ぐことで節約につながります。
節約術4:クレジットカードなどのキャッシュレスで買い物する
現金で食料品を購入している人は、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済でお金を支払うことで収支の改善につながります。
キャッシュレスで決済するとポイントが貯まり、貯まったポイントを決済金額に充当したり、商品券等と交換したりすることが可能です。
ただし、ポイントをただ貯めたままにしても節約効果は得られません。貯めたポイントをどのように使用するかを決めておくことも忘れないようにしましょう。
また、キャッシュレス決済には決済履歴が残されるため、家計簿として利用することもできます。
節約術5:節約の効果が大きな食材を使う
食費の節約には自炊が前提ですが、使う食材によっては必ずしも節約に繋がらない場合があります。特に野菜は季節や天候で値段が変わりやすく、高騰したものを使うと家計に影響が出ることも少なくありません。
「節約に向く食材」を積極的に取り入れることで効果的に節約ができます。
節約に向く食材とは、「値段が安く安定していて、ボリュームがある食材」のことです。豆腐や鶏のむね肉、豚コマ、きのこ類、キャベツ、人参、じゃがいも、もやし等が代表的な節約食材とされています。
また、缶詰やレトルト食品を購入する際は、「プライベートブランド商品」を積極的に利用する方法もあります。
プライベートブランドは低価格が特徴な、小売り業者や卸店が独自に販売するブランドのことです。イオンの「トップバリュー」やセブンイレブンの「セブンプレミアム」など、一度は使ったことがある人も多いのではないでしょうか。
人件費や配送費用などが削減されていることで、有名メーカーが作るナショナルブランドに負けない品質を保ちながら販売価格が抑えられています。パッケージやブランドの違いだけで中身は同等で価格も安いため、プライベートブランド商品を積極的に利用していきたいところです。
節約術6:余った食材で作り置きをする
食材はあえて1日では使い切らず、翌日のおかずにも利用すると節約につながります。
一度の自炊で多めに作った料理を冷蔵・冷凍保存することで食材を無駄なく使い切ることができ、食費をかけずに食卓の品目を増やすことも可能です。
それでも余った作り置きは食べ残しがないように弁当に活用したり、味に飽きたら別の料理に加えてリメイクしたりするといった工夫をしましょう。
節約術7:電子レンジや冷凍庫を積極活用する
セールなどで食品をまとめ買いすると、余ってしまって冷蔵庫に入りきらないことも少なくありません。そこで活用したいものが「冷凍庫」と「電子レンジ」です。
まとめ買いをした食品を冷凍保存し、必要な時に電子レンジで解凍することで食材を傷めずに使い切ることができます。
使いたい量だけ小分けにして冷凍することで解凍・再冷凍の手間が減り、時間と電気代の節約にも繋がります。
かえって逆効果?やらないほうが良い食費の節約方法
「まとめて買い物をする」「コンビニの利用を避ける」といった基本的な対策を徹底することで食費を節約できるのはすでに紹介したとおりです。
ただ、中には効果がありそうでもあまり節約にならなかったり、かえって逆効果になったりする節約方法もあります。
何軒もスーパーをはしごして回る
「広告を見比べて10円でも100円でも安いスーパーをはしごする」というのは、よくイメージしがちな節約方法ですが、おすすめはできません。
何件も買い物すると帰宅する頃にはクタクタになってしまいます。自炊する気が起きずに総菜に頼ると本末転倒です。
また、移動手段に車を利用した場合は、節約できた食費よりもガソリン代の方が高くつく可能性もあります。
料理に手間ひまをかけすぎる
節約を目指すあまり、ずっと自炊を続けるのは現実的ではありません。ストレスを貯め込んでしまうと、かえって逆効果になることも考えられます。
手の込んだ料理や失敗する可能性が高い料理を選ぶと、やる気が維持できないかもしれません。失敗しにくい簡単な料理から始めて、長く続けるほうが節約につながるのでおすすめです。
また、忙しい時や気分が乗らないときは外食を上手に取り入れることで息抜きも必要です。無制限に外食を利用せず、月の予算を決めておけばお金を使い過ぎる心配もありません。
単価が高い食品を購入してしまっている
スーパーで買い物をしていて、しっかりまとめ買いもしているのになかなか食費が抑えられないという場合の多くは「単価が高い食品を購入してしまっている」ことが原因です。
せっかく、コンビニに行くのも控えて、スーパーでなるべくまとめ買いをしていても単価が高い食品(行くスーパーが高級スーパーマーケットやお惣菜やお弁当ばかり買っている)だと本末転倒です。
スーパーで買い物をしていてしかもまとめ買いしているのに、なかなか食費が下がらないという方は何をどこで買っているのかという点も意識してみましょう。
よくある質問
Q:食費を安く済ませるコツは?
A:今すぐにできる、食費を節約できる簡単な7つの方法を紹介します。
- 買い物リストに書いたもの以外は買わない
- 買い物の回数を減らすために、まとめ買いをする
- コンビニの利用しすぎを避ける
- クレジットカードなどのキャッシュレスで買い物する
- 節約の効果が大きな食材を使う
- 余った食材で作り置きをする
- 電子レンジや冷凍庫を積極活用する
Q:一人暮らしで食費を節約するにはどうしたらいい?
A:上記も活用してほしいですが、それに加えて一人暮らしでの食費を抑えるポイントを紹介します。
- あらかじめ食費の予算を決める
- なるべく自炊して作り置きをする
- お弁当や水筒を持っていく
- 安い食材を購入する
- 自炊が楽になる調理家電を揃える
- コンビニやデリバリーの利用を控える
Q:食費節約で失敗しがちなポイントは?
A:
- 何軒もスーパーをはしごして回る
- 料理に手間ひまをかけすぎる
- 購入した食品をうまく使い切れていない
- 単価が高い食品を購入してしまっている
Q:一般的な家庭の食費はいくら?
A:二人以上の世帯で「月75,461円」、単身世帯で「月38,410円」、四人家族の食費の平均は「月84,143円」(総務省データ)。
Q:1回のスーパーの買い物でいくら使うのが目安?
A:スーパーマーケットでの1回あたりの利用平均額は、約5000円です。
Q:週に何回スーパーに行く?
A:おすすめしているのは、週に1回でまとめ買いです。約半数の人が週に1~2回買い出しに行くデータもあります。
Q:スーパーは何時に行くのが安い?
A:値引きシールが貼られるのは基本的に夕方からスーパーの閉店数時間前なのでその時間帯でしょう。また、早朝から営業しているスーパーがあれば前日残ったものが高い値引き率で売られていることもあるので翌朝一番がねらい目でしょう。
Q:業務スーパーが安い理由は?
A:豊富なオリジナル商品の展開や、流通業者を間に挟まないことによって仕入れコストを削減しているのが安さの秘密です。大容量の商品や、価格が比較的安いかつ家庭にありがたい冷凍の食品も多数揃えているのでぜひうまく活用していきましょう。
Q:一番節約できるものは何か
A:家計の支出で最も節約でき、かつ効果が大きいのは「固定費」です。固定費は毎月一定の金額の出費があります。食費は毎月の金額がかわる「変動費」に分類されます。家庭のエンゲル係数を計算してみて平均よりも高い場合、一般家庭よりも食費にお金を回しすぎの可能性があるのでその場合は食費の見直しもしましょう。
まとめ:計画をたてて食費を割り振れば節約につながる
家計のなかでも割合が大きな「食費」について、節約のためのコツや具体的な節約方法を紹介しました。
一般的に食費は月収の15%以内が理想とされているので、月収20万円の人なら月30,000円以内に収めるように計画を立てましょう。
買い物の回数が増えるほど「ついで買い」をしてしまうため、まとめ買いや買い物リストの活用によって買い物回数をできるだけ減らすことを意識してください。
「節約に向いた食材を使う」「冷凍庫・電子レンジなどを効果的に活用する」などのポイントを押さえれば、節約が苦手な方でも食費を節約することができるでしょう。