他者とのコミュニケーションが難しい場合や、極端なこだわりがある場合には発達障害と診断されることがあります。既に発達障害と診断された人は「保険に加入できるのだろうか?」という疑問をお持ちではないでしょうか。
結論から言うと、発達障害を抱えていても生命保険に加入することができます。今回は、加入時の注意点や公的医療保険制度についても解説します。ぜひこの記事を読んで、保険加入の不安を解消するための参考にしてください。
発達障害を抱える人が保険に加入する際の3つの注意点
大人の発達障害が話題になるなど、発達障害への関心は徐々に高まっています。自閉症やアスペルガー症候群などの総称である発達障害は、脳の特性であり病気とは異なります。
しかし、「発達障害を抱えていると保険に加入できないのではないか」と悩む人も多いのではないでしょうか。実際は、発達障害を抱えていると選択肢は少なくなることがあるものの生命保険への加入は可能です。加入時の注意点を予め知っておくと安心です。
発達障害を抱える人が保険に加入する際は以下の3点に注意しましょう。
- 健康状態の告知
- 保険期間
- 保障金額
①健康状態の告知
保険に加入する際、被保険者は現在の健康状態や過去の傷病歴、通院歴などをありのままに告げることが求められ、これを告知と言います。
生命保険は多くの人が保険料を出し合って互いに保障しあう制度です。加入時点で健康状態の良くない人が無条件で契約した場合、保険金や給付金の支払いの観点から加入者間の公正性を担保できなくなります。そのため、保険に加入する際は告知が必要です。
告知内容は保険会社や保険の種類によって異なります。
発達障害に関する受診歴や医師からの診断内容をきちんと把握し、正確な告知を心がけましょう。
注意:告知義務違反
加入時点の健康状態や既往症について事実を告げなかったり、病気を隠して虚偽の告知を行うことを告知義務違反と言います。告知義務違反の場合、保険会社から契約を解除されたり、保険金や給付金が支払われない可能性があります。
②保険期間
保険加入時には健康状態の告知が必要なため、加入時に一生涯の保障を確保できるという点では終身保険がおすすめです。定期保険は一定期間の保障で、仮に更新を繰り返したとしても保障はいずれ消滅します。
体の状態が悪化することも想定して保険期間を検討しましょう。
③保障金額
契約途中で保障金額を引き上げたい場合はその都度告知が必要です。結婚や出産を迎え保障内容を見直す際、健康状態次第では保障金額を増額できない可能性があります。
保険は数年、数十年と長期間加入するため、必要であれば加入当初から大きな保障を確保しましょう。
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発達障害を抱える人の保険加入の流れ
ここからは発達障害を抱える人が保険に加入する際の手続きの流れを解説します。手続きの流れは以下の4つのステップに分けることができます。
- 加入しやすい保険を探す
- 告知項目を確認する
- 契約手続きを行う
- 保険証券を保管する
STEP1.加入しやすい保険を探す
先述のように、保険加入の際には健康状態の告知が必要です。告知内容によっては加入できない保険がある一方で、持病や既往症、通院歴がある人でも加入できる保険があります。
①引受基準緩和型保険
加入の基準となる健康状態の範囲を通常よりも広くした引受基準緩和型保険があります。持病や既往症があっても加入できる保険として販売されています。しかし、保険料は通常型と比べて割高になる傾向があるため注意が必要です。
②共済保険
民間の保険と比べて告知内容が少ない保険が用意されています。たとえば、「ぜんち共済」といった発達障害をはじめ、さまざまな病気を持つ人向けに販売されている保険があります。
③学資保険
教育資金の積み立てを目的として加入する学資保険は、契約者の告知のみで加入できることが多く、子供の告知は必要ありません。そのため、子供が発達障害を抱えているとしても問題なく加入できるでしょう。
④無選択型保険
年金保険などの貯蓄性の高い保険は無選択型保険と呼ばれ、告知が不要、もしくは必要であっても告知項目が少数です。
STEP2.告知項目を確認する
加入時の告知条件が比較的緩い保険であっても、どのような内容を告知しなければならないのか事前に確認しましょう。
加入時の告知内容は、仮に加入できなかったとしても保険会社に記録が残る場合があります。やみくもに加入手続きを行うのではなく、当てはまる告知項目がないかどうか確認しておくと安心です。
STEP3.契約手続きを行う
契約時には、申し込み書への署名と告知が必要です。生命保険会社が契約を承諾した際に、契約上の責任(保障)を開始する時期を責任開始日と言います。
通常、告知をした日から遡って保障が開始されますが、保険会社ごとに差があるため責任開始日は契約時に確認しておきましょう。
STEP4.保険証券を保管する
申し込み書類と告知内容は生命保険会社によって審査され、生命保険会社が承諾した時点で契約は成立します。その後、郵送などで保険証券が送られてくるため、手元で保管しましょう。
活用したい!3つの公的医療保険制度
発達障害を抱えている場合は以下の公的医療保険制度の活用を検討しましょう。ここでは以下の3つの公的保険制度を解説します。
- 高額療養費制度
- 傷病手当金
- 子供向け医療費助成制度
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療機関などで支払う医療費が1ヵ月の上限額を超えた場合、その超えた金額を支給する制度です。上限額は年齢や所得に応じて決定されます。
長期間の入院など、医療費が嵩むことが予想される場合は、予め高額療養費制度について確認しておくと安心です。なお、高額療養費の詳細は以下でご確認ください。
傷病手当金
業務外の理由で療養のために働けない場合は傷病手当金を受給することができます。傷病手当金は支給を始めた日から起算して1年6ヵ月を超えない期間の受給が認められています。
また、受給金額は1日につき、直近12ヵ月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の、3分の2の金額です。
子ども医療費助成制度
子ども医療費助成制度とは、病院などで診療を受けた際に保険診療が適用された医療費と訪問看護利用料の自己負担の一部を居住している自治体が助成するものです。
子ども医療費助成制度を利用することで、1医療機関ごとに1日当たり最大数百円程度で受診できます。自己負担額は居住する自治体ごとに異なるため、利用前に確認しましょう。
まとめ:発達障害を抱えていても加入できる保険はある
保険に加入する場合は健康状態の告知が必要です。発達障害を抱えていても告知内容に該当しなければ問題なく加入することができます。虚偽の内容を告知すると、告知義務違反となり、保険会社から契約を解除されることがあるため注意しましょう。
保険商品の中には、緩和型の保険など健康面に不安がある人でも加入できる商品があります。申し込み前に告知内容を確認し、加入後は保険証券を保管します。
発達障害だからと諦めず、必要に応じて公的医療保険の利用も検討しながら自分に合う保険を探しましょう。