保険契約には「満期を迎える」他にも「契約途中で解約する」ということもあります。何らかの事情があって解約を検討することもありますが、果たして本当に生命保険を解約しても問題ないのでしょうか?
生命保険を解約することで払戻金を得られますが保障は終了します。解約した後に保険金を受領するライフイベントが発生した場合、保険金が受け取れないため損をする可能性もあります。そうしたデメリットを最小限に抑えるためには、適切に検討したうえで解約するべきです。
本記事では、生命保険を解約するデメリットや、解約時のデメリットを抑える方法について解説します。生命保険の解約を検討されている方は、解約する前にこの記事をご覧になってください。
生命保険契約が終了する2つの条件
一般的に、生命保険は2つのパターンで契約が終了することになるでしょう。
- 満期到来
- 解約
条件①満期を迎える
保険契約の契約時に定められた保険期間が満了したら、保険契約は終了します。
定期型の生命保険契約の場合、契約期間が定められています。条件次第では契約を更新できる場合もありますが、更新しない、または更新できない条件を満たしている場合には期間の到来に伴い生命保険契約は終了します。
条件②途中で解約する
保険契約が満期を迎えていない場合でも、契約者から意思表示することで保険契約を途中で解約することもできます。
例えば契約者が60歳になったら満期になる保険契約を、50歳の時点で終了させたい事情があるとします。契約者が保険会社に対して解約の意思表示をすることで、その時点で生命保険契約を終了させることが可能です。逆に、保険会社(保険者)の側から保険契約を解除するケースもあります。
生命保険を解約する主な理由
生命保険の解約手続きを面倒に感じる方も多いですが、その手間をかけてでも生命保険を解約したい事情があるはずです。考えられる主な理由としては、以下の3つが考えられます。
- まとまったお金(解約返戻金)が必要
- 保険料の支払いが難しい
- 他の保険商品に乗り換えたい
理由①まとまったお金(解約返戻金)が必要
1つ目の理由は「まとまったお金が必要になった」という事情です。
生命保険は、解約時に「解約払戻金」が契約者に支払われます。これは、一般的に「それまでに払い込んでいる保険料 ✕ 一定割合」の金額になることが多いです。契約後すぐに解約するなどの特殊な事情がなければ、相応の金額を解約払戻金として得られるでしょう。
場合によっては数百万円のお金が得られるため、まとまったお金が必要になった際の対応策として有効な手段となります。
理由②保険料の支払いが難しい
2つ目の理由は「保険料の支払いが難しくなった」という事情です。
生命保険は、保険料払込期間は保険料を毎月支払うことになります。保険契約の内容によっては、毎月数万円の保険料を負担しなければならないケースもあり、家計の収支が変化したことでその負担が支えきれなくなるケースも考えられます。
保険契約を見直すという方法もありますが、解約することで保険料負担は0円になります。加えて解約払戻金も得られるので、家計の負担を大幅に軽減する方法として活用できます。
理由③他の保険商品に乗り換えたい
3つ目の理由は「他社の保険契約に乗り換えたい」という事情です。
もし、契約中の保険契約よりも魅力的な生命保険を見つけたら、そちらに乗り換えたいと思うこともあるでしょう。人によっては複数の保険契約を結ぶこともありますが、1つの保険契約だけでカバーできた方が手続きの複雑化等の問題を回避できます。
新しい保険契約が旧契約の保険契約内容をカバーできるのであれば、現在契約中の生命保険は不要になります。手続きや保険料の問題を抱えないためには、旧契約を解約して新契約1本に絞った方が効率的です。
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生命保険を解約するデメリット
さまざまな事情で生命保険を解約すること自体は仕方のないことでしょう。しかし、深く検討せずに生命保険を解約すると、想定していないデメリットに悩まされる可能性があります。最低限、以下の4つの解約デメリットについては把握しておきましょう。
- デメリット①元本割れすることがある
- デメリット②課税される可能性がある
- デメリット③加入していた保障がなくなる
- デメリット④同じ内容で再加入できない可能性が高い
デメリット①元本割れすることがある
解約時に得られるお金は「元本割れ」のリスクがあることを把握しておきましょう。
基本的に、保険料払込期間が満了する前の段階で生命保険を解約した場合の払戻率は、100%を下回ることが多いです。つまり、払い込んだ保険料の全額が返ってこない可能性があります。
解約時の解約払戻金の払戻率は保険契約の内容次第ではありますが、場合によっては払い込んだ保険料の60~70%程度しか支払われない可能性があります。契約内容によっては、「解約すると金銭面で損をする可能性がある」ことは念頭に置いておきましょう。
デメリット②課税される可能性がある
解約時の返戻金には、「税金が課せられる可能性がある」ことを理解しておきましょう。
保険契約に関連して受け取ることができるお金は「所得税(保険料負担者と受取人が同じ場合)」または「贈与税(保険料負担者と受取人が別の場合)」が課せられる可能性があります。所得税は払戻率が100%以上の場合、贈与税は金額が110万円超の場合に課税される(他にも贈与がある場合は合算し計算します)可能性が高いです。
返礼率が100%を超え、受け取った返戻金が支払った保険料の総額より多く保険の解約によって利益を得られる場合は、所得税の課税対象となります。
デメリット③加入していた保障がなくなる
生命保険を解約するということは「契約内容で受けていた保障が終了する」ということです。
生命保険をはじめとする各種保険契約は、保険料を負担することでいざという時にまとまったお金などの保障が期待できます。保険料負担は決して軽いものではないですが、いざという時の備えとして民間保険契約は公的制度ではカバーしきれない部分を補うことができる点がメリットです。
解約するということは、それまで保険契約で得られていた保障が終了するということです。もし、解約後に事故などでまとまったお金が必要になっても、すでに保障は終了しているので貯金等で賄わなければならなくなります。
デメリット④同じ内容で再加入できない可能性が高い
生命保険を解約しても再加入すれば良いと思われる方も多いでしょうが、「全く同じ条件で加入できるとは限らない」という点に留意する必要があります。
一般的に、生命保険は加入希望者の希望時点での年齢や既往歴など、保険者にとってリスクになる部分を見て加入の是非や保険料が問われます。生命保険を解約するということは、基本的に最初に加入していた保険契約よりも年齢や既往歴などのリスクが高まった状態で再加入を希望することになるのです。
つまり、最初に加入していたときよりも加入の条件が厳しくなる可能性が高いです。
生命保険を解約する適切なタイミング
生命保険を解約することで発生するリスクを少しでも抑えるためには、適切なタイミングで解約することをおすすめします。
例えば「あと数か月で払戻率がアップすることがわかっている」「直近で事故やケガのリスクが高い行動をする予定がある」のであれば、少し待ってから解約したほうがリスクが少ないです。解約払戻金の金額については、保険会社に問い合わせるか、ユーザー専用ページから調べるといった方法があります。
解約する際には、安易な考え方で解約しないことです。解約タイミングを数か所決めて、それぞれのタイミングで解約した際の払戻金やその他のリスクをシミュレートし、最も損やリスクの少ないタイミングを見計らってから解約を決めましょう。
まとめ:生命保険は綿密なシミュレーションと検討を行って解約しましょう
本記事では、生命保険の解約について解説しました。以下の内容を押さえておきましょう。
- 生命保険を解約する際の払戻金は元本割れする可能性がある
- 払戻金には税金が課せられる可能性がある
- 綿密なシミュレートを経てから解約するのがおすすめ
生命保険は相応のお金が動く保険商品ですから、解約を検討するにあたっては安易な考えで結論を出さないことが重要です。場合によっては一部解約などの方法でリスクを回避できる可能性があります。生命保険の悩みについては、保険会社やお金の問題に詳しい専門家に相談することで、リスクを軽減することができます。