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不妊治療に必要なお金はどれくらい?新しい助成金制度の内容も解説

by 【監修者】大野翠

子供を望んでいる夫婦の中には不妊治療を利用する人もいるでしょう。しかし、不妊治療にはさまざまなステップがあり、選択する治療方法によっては多額のお金が必要です。

本記事では、不妊治療の詳細や実際の治療時に必要なお金を解説します。令和3年1月より拡充された助成金制度についても紹介するので、不妊治療を検討している人や実際に不妊治療を利用している人はぜひ参考にしてください。

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不妊治療とは

日本生殖医学会によると、不妊症とは何らかの治療をしないと自然に妊娠する可能性がほとんどない状態と定義され、このような状態の夫婦に不妊治療が行われます。不妊治療は一般不妊治療高度不妊治療に大別でき、夫婦の状況に応じてさまざまな治療があります。

参考:一般社団法人 日本生殖医学会「不妊症とはどういうものですか?」

不妊治療の種類や方法ついて以下で解説します。

一般不妊治療

不妊治療にはいくつかのステップがあり、一般的にはさまざまな検査をした後に、それぞれの夫婦の状態に合わせて治療を行います。

タイミング法や人工授精は一般不妊治療として実施されます。一般不妊治療である4つの治療法の詳細は以下の通りです。

タイミング法

タイミング法は、排卵日を予測し、性交のタイミングを医師が指導して妊娠に導く方法です。不妊治療の中でも身体的、経済的な負担が軽い治療方法です。

排卵誘発法

妊娠を希望する女性の中には排卵がスムーズに起こらないケースもあります。このような場合に、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を起こさせる方法が排卵誘発法です。

内視鏡手術

不妊の原因を取り除く目的で子宮鏡や腹腔鏡といった内視鏡手術が行われることがあり、卵管のまわりが癒着している場合や子宮内膜症といった病気の場合に用いられる方法の1つです。

人工授精

排卵時期に併せて子宮口から精液を子宮内に直接注入する方法を人工授精と言います。子宮内に注入された精子が受精し、妊娠に至るまでの過程は自然妊娠と全く同じです。

高度不妊治療

一般不妊治療を行ったものの妊娠に至らなかった場合は、さらに治療内容をステップアップさせ、高度不妊治療を行うことが可能です。

高度不妊治療は体外受精や顕微授精など、身体の外で受精させる方法で、特に体外受精による妊娠は年々増加しています。高度不妊治療の詳細は以下の通りです。

体外受精

排卵直前に体内から取り出した卵子と精子を身体の外で受精させるのが体外受精です。採取した精子を洗浄・濃縮するなどの処理を行い、採取した卵子と受精させ、後日受精卵を子宮内に移植します。

顕微授精

体外受精を実施しても妊娠しなかった場合、顕微授精を行います。顕微授精は顕微鏡で確認しながら1つの精子を卵子に直接注入する方法です。

不妊には男性に原因があることも考えられ、精子の状態が好ましく場合は最初から顕微授精を提案されることがあるほか、精子の数が極端に少ない場合は顕微授精が唯一の選択肢です。

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不妊治療にかかるお金の詳細

不妊に悩む夫婦の状況に応じて、さまざまな治療が実施されます。不妊治療は、一般不妊治療よりも高度不妊治療のほうが高額になる傾向があります。

不妊治療にかかるお金の詳細を以下で解説します。

一般不妊治療

一般不妊治療の多くは健康保険が適用され、例えば、タイミング法であれば1回数千円程度です。しかし、一般不妊治療の1つのである人工授精は保険適用外で1回あたり1~2万円がかかります。

高度不妊治療

高度不妊治療は健康保険の対象外のため費用は全額自己負担です。1回あたり20~60万円が目安とされるものの、クリニックや治療内容によって大きく差が生じます。
 

不妊治療費の総額

タイミング法のみで妊娠することができることもあれば、人工授精や体外受精などにステップアップしていく必要があるなど、不妊治療の内容や治療期間は夫婦の状況などに応じてさまざまです。

そのため、通院開始から妊娠に至るまでの治療費の総額にも大きな差が生じます。不妊治療費の総額はどれくらいなのか以下のグラフを見てみましょう。

出典:NPO法人Fine「不妊治療と経済的負担に関するアンケート 2018」

不妊治療を受けている夫婦の中には、総額500万円以上ものお金がかかったというケースもあることがわかります。

不妊治療を専門としているクリニックの中には、それぞれの不妊治療にかかる費用の概算をあらかじめ提示しているクリニックがあるため、治療にかかるお金をある程度予測することが可能です。

不妊治療は、場合によっては全額自己負担になることを想定し、不妊治療にかかる費用を事前に確認しておくといいでしょう。

不妊治療の助成金制度とは

妊娠を望んでいるものの、治療費の負担が原因で不妊治療に踏み出せないという夫婦もいるでしょう。このような夫婦が、治療費を理由に子供を持つことを諦めることがないよう、公的な助成制度があることをご存知でしょうか。

不妊治療の助成金制度について以下で詳しく解説します。

助成金制度の概要

以前から不妊治療者を対象に公的な助成制度が設けられていましたが、これまでの制度は利用者の所得に一定の基準があったほか、助成額も十分とはいえない金額でした。

妊娠・出産を希望する世帯をさらに広く支援するために、不妊治療の中でも特に経済的な負担が大きい体外受精顕微授精を対象として、令和3年1月以降に終了した治療を対象に助成事業が拡充されました。
 

対象者

不妊治療の助成金制度は、体外受精および顕微授精以外の治療法では妊娠の見込みがないか、または非常に少ないと医師に診断された夫婦が対象です。

なお、治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満であることも対象者の条件として設定されています。助成金の利用時には妻の年齢を考慮し、早期の利用を検討しましょう。

助成額

これまでは初回のみ30万円で1回につき15万円が助成されていましたが、事業拡充後は1回30万円に助成額が引き上げられました。

先述のように、体外受精や顕微授精は1回あたり20~60万円の自己負担が発生することを考えると助成額の引き上げにより、治療費の一部もしくは全部がカバーできるようになります。

助成回数

拡充前は生涯で通算6回まで(40歳以上43歳未満は3回)でしたが、令和3年1月より1子ごとに6回まで(40歳以上43歳未満は3回)に変更されました。特に、2人以上の子供を希望する夫婦にとって、助成回数の変更は非常に大きな意味があるといえます。

申請方法

不妊治療の助成金制度の実施主体は都道府県や指定都市、中核市です。そのため、助成金は居住する自治体を通じて申請します。

申請時は住所を管轄する保健所や保健局に書類を送付しますが、自治体によっては各窓口まで直接持参する必要があるため、申請方法については居住する自治体のホームページなどを確認しましょう。

また、助成金制度の利用申請には、各実施主体ごとに異なる期限が設けられています。申請方法の確認時に、申請期限も併せて確認しておくと安心です。

医療費控除を積極的に活用しよう

不妊治療は多額のお金がかかることも想定されるため、できるだけ自己負担を軽くしたいと望む人が多いでしょう。不妊治療の中には、医療費控除の対象となる費用が含まれていることもあり、この場合は確定申告時に医療費控除を活用するといいでしょう。

医療費控除の対象として、各種検査や人工授精の費用があります。一方、マタニティーヨガの利用料や排卵検査薬・妊娠検査薬の購入代金は医療費控除の対象ではありません。

また、漢方薬やサプリメントがセルフメディケーション税制の対象商品であれば、これらの購入費用を申告することで所得控除が利用できます。ただし、医療費控除をセルフメディケーション税制は併用できない点に注意しましょう。

まとめ:不妊治療は高額になることも!助成金や医療費控除の利用を

体外受精など高度不妊治療を受ける場合は、令和3年1月より拡充された不妊治療の助成金制度を利用することができないか確認しましょう。

また、できるだけ自己負担を減らすために医療費控除もしくはセルフメディケーション税制が利用できないか確認することも大切です。

子供を希望している夫婦にとって、不妊治療を始めるかどうか、いつまで治療を続けるのかといった選択は非常に悩ましいものです。不妊治療にかかるお金を確認しながら、必要に応じて適切な不妊治療を受けましょう。

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