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家計

自動車にかかる税金の負担は軽くありません。実際、日本自動車工業会(JAMA)と日本自動車連盟(JAF)は、自動車にかかる税金の負担についてそれぞれ以下のように表現しています。

  • JAMA:高すぎる自動車ユーザーの税負担
  • JAF:過重で不合理な自動車税制

自動車税制について深く知らなくても、自動車に関する税金が高いと感じる方は多いでしょう。そのため、減税や補助金に関する情報を知りたいと考えることは当然です。

そこで、この記事では自動車にかかる税金の概要や減税、補助金の情報についてわかりやすく解説します。

「減税や補助金を受けるためにはどうすればいいか」がわかります。ぜひお役立てください。

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自動車にかかる税金には何がある?

まずは、自動車にかかる税金について解説します。

自動車にかかる税金は「車体課税」と総称されており、自動車の取得・保有・利用に対してそれぞれ以下の税金が発生します。

  • 取得:自動車税環境性能割(※)
  • 保有:自動車税種別割(※)
  • 利用:自動車重量税

※軽自動車は軽自動車税
参照:財務省「自動車に係る課税関係」(PDF)

なお、「走行」にかかる税金としてガソリン車なら揮発油税、ディーゼル車なら軽油引取税があります。

これらの税は業者が納めている税金ですが、自動車を使用する方もガソリン価格などで負担していることも把握しておきましょう。例えば、揮発油税が増税されるとガソリン価格もその分上がります。

ちなみに、揮発油税は1リットルあたり53.8円です(2021年8月現在)。

次に、揮発油税や軽油引取税などを除く車体課税について解説します。取得・保有・利用にかかる3つの税金についてそれぞれ確認していきましょう。

自動車税環境性能割(取得時)

自動車税環境性能割は、2019年10月1日の消費税10%増税時に導入されたものです。これまでの自動車取得税に代わる制度として導入されました。

自動車税環境性能割の概要は以下のとおりです。

  • 税額:自動車の通常の取得価額×税率0~3%
  • 免税点:通常の取得価額が50万円以下

「環境性能割」の名のとおり、環境性能に応じて税率が0%から3%の1%ずつ段階的に定められている点が特徴です。

具体的には、電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車は税率0%の非課税です。1~3%のどの税率になるかについては、令和12年度燃費基準の達成率に応じて定まります。

自動車税種別割(新規登録時と毎年4月1日)

自動車税種別割は、新車登録時と毎年4月1日に発生する税金です。自動車の所持に対して課税される税金といえます。

3ナンバーまたは5ナンバーであるいわゆるマイカーは、総排気量に応じて1年間の税額が決まります。例えば、2019年10月1日以後に初回新規登録を受けた総排気量1.5リットルの車は、30,500円です。

  • 総排気量1.0リットル以下:25,000円
  • 総排気量1.0リットル超え1.5リットル以下:30,500円
  • 総排気量1.5リットル超え2.0リットル以下:36,000円
  • 総排気量2.0リットル超え2.5リットル以下:43,500円

参照:e-Gov法令検索「地方税法第177条の7」

自動車税種別割は、自営業者の住民税や国民健康保険料と同じく普通徴収されます。5月頃に納税通知書が届くため、コンビニや銀行など指定の場所と方法で納付しなければなりません。

自動車重量税(車検証の交付・更新時)

自動車重量税は、車検期間や車両重量に応じて発生する税金です。乗用車は初回が3年、2回目以降は2年が車検証の有効期間なため、2回目以降は2年分の自動車重量税を払います。

また、税率は本則税率と当分の間税率に分けられており、税額は以下のとおりです。

本則税率と当分の間税率:

  • 本則税率:エコカー減税の対象となる自動車に適用される税率
  • 当分の間税率:エコカー減税の対象にならない自動車に適用される税率

乗用車の自動車重量税(普通車2年):

  • エコカー(最大2回免税):0円
  • エコカー(本則税率):車両重量0.5トンごとに5,000円
  • エコカー外(当分の間税率):車両重量0.5トンごとに8,200円
  • エコカー外(13年重課):車両重量0.5トンごとに11,400円
  • エコカー外(18年重課):車両重量0.5トンごとに12,600円

参照:国土交通省「自動車重量税額について 継続車検を受ける場合」(PDF)

なお、ユーザー車検ではなく整備業者などに車検を依頼する場合は、自動車重量税も車検代に含まれています。

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自動車の減税や補助金を受ける6つの方法とは?

ここまで自動車に関する税金の概要を紹介してきました。

自動車重量税においては「エコカー減税」に言及しましたが、ここからはその他の減税措置や補助金制度を含め、自動車に関する優遇を受ける方法を紹介していきます。

方法①EVやPHVを購入する

自動車に関する税金を抑える方法として、最も直接的に効果が出る方法はEVやPHVに買い替えることです。

なお、EVは電気自動車を、PHVはプラグインハイブリッド自動車を意味しています。EVやPHVは、以下のとおり税金面で非常に優遇されています。

  • 自動車税環境性能割:非課税
  • 自動車税種別割:初回新規登録の翌年度分の税金が約75%軽減
  • 自動車重量税:初回検査と2回目検査の2回分免除

つまり、自動車を買ったときの環境性能割は0円で、登録翌年度の種別割は75%軽減、さらに合計5年分の自動車重量税が0円となるのです。

エコカー減税とは

エコカー減税とは、自動車重量税を25%から100%軽減する措置です。エコカー減税の対象車となるには、以下の要件を満たす必要があります。

車種 措置内容
・電気自動車
・プラグインハイブリッド自動車
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車
2回免税
令和12年度燃費基準
120%以上達成
令和12年度燃費基準
90%以上達成
免税
令和12年度燃費基準
75%以上達成
50%軽減
令和12年度燃費基準
60%以上達成
25%軽減

※すべて、以下①と②を両方満たしている必要があります。
①平成30年排出ガス規制50%以上低減
②令和2年度燃費基準の達成
参照:財務省「租税特別措置法等の改正」(PDF)

なお、現行法上は2023年4月30日まで期間限定の特別措置という位置づけにあり、2023年5月以降はどうなるかわかりません。

CEV補助金とは

CEVとは「クリーン・エナジー・ビークル」の略称で、日本語で「クリーンエネルギー車」と呼ばれているものです。

主に経済産業省の予算で行われる事業で、正式には「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」と呼びます。

CEV補助金は、事務局が承認した車種を購入して届出日から原則として1ヶ月以内に申請すると、審査のうえ性能に応じた補助金を受け取れるものです。ただし、一定期間内に車両を手放すと返金しなければなりません。

  • 補助対象車両:CEVとして事務局が承認した車種
  • 補助金額:充電走行距離や電費性能などに応じて算定(上限あり)
  • 申請書提出期限:原則として届出日から1ヶ月以内
  • 審査期間:概ね2ヶ月
  • 車両の保有義務:届出日から4年または3年

なお、上記は一例であり、詳細は年度や事業ごとに異なります。申請の際は必ず次世代自動車振興センターのホームページを確認してください。

参考:次世代自動車振興センター「補助金情報」

方法②燃費性能の良い自動車を購入する

これまで紹介してきた電気自動車やプラグインハイブリッド車はもちろんですが、ガソリン車でも環境性能が良ければ減税されます。

具体的には、自動車税環境性能割と自動車重量税の減税です。

自動車税環境性能割:

車種 登録車 軽自動車
電気自動車 非課税 非課税
プラグインハイブリッド自動車
燃料電池自動車
天然ガス自動車
令和12年度燃費基準
85%以上達成
令和12年度燃費基準
75%以上達成
1%
令和12年度燃費基準
60%以上達成
2% 1%
上記以外 3% 2%

参照:財務省「地方税法等の改正」(PDF)

詳細は後述しますが、2021年中に購入した自家用乗用車は上記から税率が1%低減されます。自動車重量税の減税については、本記事「エコカー減税とは」で記載した表のとおりです。

CEV車は自動車税種別割も減税される一方、ガソリン車は種別割の減税は適用されません。運送業者などが保有する「営業用の乗用車」は、種別割の軽減が適用されます。

方法③軽自動車を購入する

普通車より軽自動車のほうが自動車に関する税金を抑えられます。具体的には以下のとおりです。

  • 軽自動車税環境性能割:普通車は税率が最大3%だが、軽自動車は最大2%
  • 軽自動車税種別割:13年経過車でも12,900円と、普通車よりも安い税率が設定されている
  • 自動車重量税:ほとんどの軽自動車が車両重量1.0トン以下のため税率が低い

軽自動車税種別割:

車種 種別割
電気軽自動車等 2,700円
令和2年度燃費基準
+30%以上達成
5,400円
令和2年度燃費基準
+10%以上達成
8,100円
上記以外 10,800円
13年重課 12,900円

参照:世田谷区「軽自動車税(種別割)のあらまし」

種別割について、普通車は総排気量1.0リットル以下でも25,000円であり、軽自動車は13年重課の場合でも12,900円です。

なお、軽自動車も普通車と同様に2021年中の購入で環境性能割が1%軽減され、最大で1%となっています。

方法④2021年中に購入する(環境性能割の臨時的軽減)

ここまで何度か紹介していますが、2021年中に自動車を購入すれば、環境性能割が1%軽減されます。つまり、普通車であれば最大2%、軽自動車は最大1%の税率です。

この措置を「環境性能割の臨時的軽減」といいます。もともと2019年10月1日から消費税が10%に増税されたことに対する措置でしたが、延長を重ね今回が2回目の延長となりました。

自動車の取得価額が300万円であれば3万円の減税となるため、近く買い替えを検討している人はぜひ2021年中の買い替えを目指しましょう。

方法⑤古い車は買い替える(グリーン化特例の重課)

ここまで「13年重課」と表現していましたが、これは種別割のグリーン化特例に関する措置です。

グリーン化特例によって電気自動車等の税金が1回限り75%減税される一方で、登録から13年を経過したガソリン車は普通車で15%、軽自動車で20%ほど増税されてしまいます。

とはいえ、「長年の愛車をそう簡単には手放せない」と考える人もいるでしょう。特にこだわりがない場合は買い替えを検討することをおすすめします。

方法⑥65歳以上ならサポカー補助金を利用する

補助金制度は「CEV補助金」を説明しましたが、65歳以上ならCEV補助金とサポカー補助金を併用することもできます。

サポカー補助金とは、CEV補助金と同じく経済産業省が行う事業による補助金で、正式には「安全運転サポート車普及促進事業費補助金」です。

(1)衝突被害軽減ブレーキや(2)ペダル踏み間違い急発進抑制装置などの先進安全技術を搭載した車をサポカーと呼び、最大10万円の補助金がもらえます。

  (1)かつ(2) (1)のみ
普通車 10万円 6万円
軽自動車 7万円 3万円
中古車 4万円 2万円

参照:次世代自動車振興センター「サポカー補助金概要」(PDF)

事務局はCEV補助金と同様に「次世代自動車振興センター」ですので、詳細は事務局ホームページを参照ください。

まとめ:自動車の減税や補助金を活用して負担を抑えましょう

自動車に関する税金3つと減税のコツなどをまとめます。

 税金  課税
タイミング
税額 減税のコツ
自動車税
環境性能割
取得時 通常の取得価額×0~3% ・エコカーを選ぶ
・2021年中に買い替える
自動車税
種別割
毎年4月1日 総排気量に応じた税額 ・エコカーを選ぶ
・総排気量の低い車を選ぶ
自動車
重量税
車検時 環境性能と車両重量に応じた税額 ・エコカーを選ぶ
・車両重量の低い車を選ぶ
・13年経過車は買い替える

以上に加え、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などのCEVはCEV補助金を受けられる可能性があります。また、65歳以上であればサポカー補助金を受けられる可能性があるため、申請忘れがないようにしておきましょう。

まとめると、自動車の減税や補助金は「軽」「エコ」「安全」がキーワードといえます。

一方で、現在の車から買い替える予定がない場合は、税制上の優遇や補助金の対象になることは難しいです。この場合は、車検費用や高速道路代などの維持費を抑えることを意識しましょう。

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