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資産運用

「今後のためにも金融資産を持つことが大事」とよく耳にします。しかし、金融資産とは何なのか、具体的に問われるとわからないという人もいるはずです。また、「金融資産と言われても何だか難しそう」とためらってしまい、具体的になにをすればよいのか分からない人もいるでしょう。

そこで、本記事では金融資産とは何かを具体的に解説します。また、金融資産を持つメリットと金融資産が有するリスク、金融資産を評価する際の指標についても解説しているので、金融資産の全体像が把握できます。

日本人が一般的にどの程度金融資産を持っているのか、最新調査から紹介しているので、ぜひ自分の状況と照らし合わせてみてください。

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金融資産とは何か?実は身近な資産も含まれている

「資産」は、「金融資産」と「実物資産」の2つに分けられます。実物資産とは実体のある資産であり、土地・建物など不動産や、宝石・貴金属、美術品などが例として挙げられます。実物資産は目に見える実物がある反面、現金化に時間がかかります。

一方、金融資産は「実体はないが資産として評価額を算出でき、現金化が可能である」資産です。例えば株式の場合は、かつては有価証券という書類のみが存在し、2009年からは上場株式がペーパーレスとなりました。そのため、実物はありません。

しかし、株式は常に評価額を算出でき、即座に現金化できます。株式だけではなく、すぐに現金を引き出せる銀行への預貯金も金融資産です。「自分は金融資産を保有していたのか」とお気づきになった人もいらっしゃるのではないでしょうか。

金融資産には具体的に何がある?それぞれの特徴をご紹介

「金融資産について大まかに理解したが、もっと具体的に知りたい」という人もいるでしょう。金融資産は次の4種類に大別できます。

  • 預貯金
  • 投資信託
  • 生命保険
  • 株式

それぞれ特徴や強みが異なるため、今の自分にとって増やしやすい金融資産に取り組むことがおすすめです。それぞれの種類について、以下で解説します。

預貯金|流動性、安全性が高い

預貯金は、都市・地方銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行などで扱われています。金融機関にお金を預けることで、元本が保証され利息を受け取れる金融商品です。流動性つまり現金化のしやすさに優れており、必要な時にすぐに現金を引き出せます。

また、銀行の破綻など万一の事態になった場合でも、元本1,000万円までとその利息が保護されるため安全性も高いといえます。

投資信託|複利で何十年後に大きく増やせる

投資信託とは、投資家が出したお金を投資の専門家が運用する金融商品です。1人あたりの出資額が小さくても、数多くの投資家のお金をひとまとめにするため、国内外の株式や債券など、さまざまな投資対象への投資が可能です。

投資信託で得た利益を元本に加えて再投資すると、複利効果が働いてより利益を増やすことができます。長期間運用すればするほど複利効果は大きく作用するため、投資信託は早めに始めると資産形成の効果が高くなるでしょう。

生命保険|払戻金や満期金がある場合のみ

生命保険も金融資産のひとつです。ただし、掛け捨ての生命保険は金融資産ではありません。払戻金や満期保険金がある生命保険は、金融資産に数えられます。

払戻金があるのは養老保険や終身保険、学資保険など契約期間が長い保険や貯蓄性のある保険に限られます。

株式|値上がり益だけでなく、配当金を得られることも

株式は金融資産であり、資産運用の代表的な方法の一つでもあります。株式投資の運用益として真っ先に頭に浮かぶのは値上がり益(キャピタルゲイン)ではないでしょうか。株式を安くなっている時に買い、高くなった時に売ることで値上がり益を得られます。

また株式には、インカムゲインと言い値上がり益だけではなく、株式は保有しているだけで配当金や株主優待を得られることがあります。

配当金や株主優待の有無は企業次第であり、必ずしもある訳ではない点にご注意ください。また、企業業績によって配当金が減ったり株主優待がなくなったりすることもあります。

金融資産を持つメリットとは何か?

「毎月給与を受け取るし、金融資産をさほど必要としていない」と思う人もいるかもしれません。しかし、金融資産を持っていると次の3つのメリットを得られます。

  • 投資なら複利効果を得られる
  • 急な出費にもすぐに対応できる
  • 将来何かあった時に使えるお金が増える

いずれも金融資産ならではのメリットであり、毎月の収入(キャッシュフロー)のみでは得られません。自分の人生設計をよりよくするためには、金融資産は不可欠です。以下で各メリットについて解説します。

投資なら複利効果を得られる

金融資産の中でも、投資信託や株式など投資を行っていると複利効果を得られます。投資信託で受け取る分配金や、株式で得られる配当金を、元本に再投資すると利益をより大きく増やせます。この元本とその利益の双方にさらに利益がつくことが、複利効果です。

例えば「元本が100万円で毎年の収益率が10%」という投資を10年間続けた場合、収益を再投資するかしないかで、次の結果となります。

  • 再投資した場合:10年後は合計約259万円
  • 再投資しなかった場合:10年後は合計200万円

複利効果によって、10年間で59万円の差がつきます。投資をする際は、利益を消費せずに複利効果を活用できるよう再投資してください。

急な出費にもすぐに対応できる

金融資産があると、入院関連費用やお祝い金など緊急の出費にもすぐに対応できます。毎月の収入のみで生活していると急な出費が必要な場合、消費者金融などを利用せざるを得ません。何かあった時のために、ぜひ一定額の金融資産を準備しておきましょう。

金融資産の中でも、流動性が高いすなわち現金化しやすいのは預貯金です。投資信託や生命保険、株式は流動性で劣っており、現金化するのに時間や手間がかかります。預貯金をある程度用意しておくと、さまざまな出来事に対応できます。

将来何かあった時に使えるお金が増える

金融資産を増やしていくと、将来何かあった時に使えるお金を増やせます。自分の人生設計を描く際に、結婚や出産、マイホーム購入、子どもの教育費、老後の生活などを想定します。それらの各ライフイベントでどの程度お金が必要になるか、計算してみましょう。

子供のための資産形成ついて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

必要な金額から逆算して、金融資産を形成することも可能です。投資信託や株式など投資なら、長期間の複利効果で資産を増やせる可能性があります。自分の生活を充実させ、豊かな選択肢を持つためにも、金融資産を作っておきましょう。

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金融資産を持つリスクとは?株式などはハイリスクであることを念頭にいれよう

金融資産には、種類によってはリスクがあります。リスクとは「運用で得られる成果の振れ幅」です。リスクが大きいほど、運用の結果で大きな収益を得られる可能性もある一方で大きな損失を被る可能性もあります。

金融資産のリスクと収益(リターン)は比例関係にあります。「ローリスク・ローリターン」の代表例は預貯金です。一方、「ハイリスク・ハイリターン」の代表例は株式です。

株式には世界情勢などによる株価変動や、企業業績悪化による株価急落など、元本割れのリスクがあります。株式投資をする際はリスクを念頭にいれた上で、無理のない金額で行いましょう。

金融資産の一般的な保有割合を紹介

「世間ではどの程度金融資産を持っているのか」と気になる人も多いでしょう。2021年の調査によると、単身世帯の金融資産保有額の平均値は1,062万円で、中央値が100万円です。

二人以上世帯の場合は、金融資産保有額の平均値が1,563万円で中央値が450万円です。

中央値とは、金融資産保有額を少ない人から順に並べた時にちょうど真ん中に位置する人の値であり、世帯全体の実感に近いといえます。

自分の金融資産保有額と、調査の中央値を比較して参考にしてみてください。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2021年(単身世帯調査)」
   金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2021年(二人以上世帯調査)」

資産形成について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

金融資産を評価する際に重要な3つの指標

金融資産には4種類あり、それぞれ特徴が異なります。各金融資産を選択する際に、次の3つの指標に基づいて評価と判断を行ってください。

  • 収益性
  • 流動性
  • 安全性

これらの指標を理解した上で、目的や計画、自分の性格などに合った金融資産を選ぶと、より無理なく増やすことかできます。また、これら3つの指標をすべて満たす金融資産はないことも念頭に置いてください。どの指標を重視するのか、優先順位をつける必要があります。

各指標について、以下で解説します。

収益性|高いリターンが得られるのか?

収益性は、運用によって高いリターンが得られるかどうかを示します。株式は収益性が高いといえるでしょう。一方、預貯金は収益性が低いです。メガバンクやゆうちょ銀行の場合、普通預金の利息は年0.001%。

将来のライフイベントに備えるためには、収益性の高い金融商品を保有すると、資産を形成しやすいでしょう。

流動性|お金が必要なときにすぐに現金にできるか?

流動性は、お金が必要な場合にすぐに現金化できるかどうかを示します。預貯金は現金を即座に引き出せるため、流動性が高いと言えます。

お金が必要な際に自由に現金にできることは、緊急時への備えとして重要なポイントです。

安全性|元本割れを起こさないか?

安全性は、元本割れを起こさないかどうかを示します。安全性が高いのは預貯金です。元本割れはなく、銀行が破綻した場合も1預金者あたり元本1,000万円までとその利息は保証されます。

一方、株式や投資信託は元本割れを起こす可能性が常にあり、安全性は預貯金にくらべると低くなります。将来のためには、安全性の高い預貯金も一定用意した上で、株式や投資信託で運用を行うことが望ましいです。

まとめ:金融資産を保有して、将来に役立てよう!

全4種類の金融資産の概要と、金融資産を保有する3つのメリット、金融資産を評価する3つの指標を解説しました。金融資産は、豊かなライフプランの実現のためには不可欠です。急速に増やすことは難しいため、早めに取り組むと複利効果を活用して資産形成がしやすいでしょう。

また、3つの指標である収益性と流動性、安全性を兼ね備えた金融資産はありません。それぞれの指標に優れた金融資産をバランスよく組み合わせることが大切です。自分に合う金融資産を保有して、充実した将来のために役立ててください。

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