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家計

妊娠が分かると、「出産にはどれくらいの費用が必要なの?」「どの施設で出産しても出産費用は同じ?」といった疑問が浮かんでくるでしょう。

本記事では出産費用の平均を解説します。出産費用に差が出る要因や、出産費用の自己負担額をできるだけ軽くするために利用したい各種制度も紹介します。

必要な費用の詳細をあらかじめ確認し、出産に備えましょう。

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出産費用の平均はどれくらい?

出産時には、分娩費用に加え、入院費赤ちゃんの検査料が必要です。これらの費用は決して安価ではないため、出産前に確認しておく必要があります。

では、出産費用の総額は一体どれくらいになるのでしょうか。出産費用の平均額は以下の通りです。

項目 平均値 中央値
入院日数 6日 6日
入院料 112,726円 102,000円
室料差額 16,580円 0円
分娩料 254,180円 250,000円
新生児管理保育料 50,621円 51,500円
検査・薬剤料 13,124円 10,000円
処置・手数料 14,563円 5,560円
産科医療補償制度 15,881円 16,000円
その他 28,085円 18,440円
妊婦合計負担額 505,759円 493,400円

参考:国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」

上記の表から、分娩料が出産費用の半分を占めていることがわかります。なお、加入している健康保険組合から出産育児一時金として42万円(多胎妊娠の場合は人数分)を受け取ることができるため、出産時の実質的な負担は約10万円ほどです。

ただし、上記のデータは正常分娩における費用の平均額であり、帝王切開など正常分娩以外の方法で出産する場合の費用は上記と異なります。また、母体の回復状況によっては入院期間が延長することもあり、出産に必要な費用は人によって大きく異なる点に注意しましょう。
 

出産費用に差が生じる5つの要因

先述のように、出産には多額の費用がかかり、さらに出産費用は一律というわけではありません。そのため、「想定していたよりも安く済んだ」という人もいれば、「出産費用がかさみ、多額の自己負担が生じた」という人もいるでしょう。

出産費用に差が生じる主な要因として、以下の5つの項目を確認しましょう。

  • 都道府県
  • 利用する施設
  • 出産のタイミング
  • 分娩方法
  • 入院する病室

①都道府県

出産費用は、首都圏で高く地方では低いという傾向があります。出産費用の高い都道府県と低い都道府県は以下の通りです。

出産費用の高い都道府県 出産費用の低い都道府県
順位 都道府県 平均値 順位 都道府県 平均値
1位 東京都 621,814円 1位 鳥取県 396,331円
2位 神奈川県 564,174円 2位 熊本県 415,923円
3位 栃木県 543,475円 3位 沖縄県 418,164円

参考:国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」

東京都と鳥取県では20万円近い差があり、どこで出産するかによって出産費用が大きく異なります。居住している都道府県と里帰り先の都道府県の出産費用の平均値を確認した上で、里帰り出産を検討するのも良いでしょう。

②利用する施設

分娩できる施設は、産婦人科がある総合病院か産科・婦人科専門のクリニック(診療所)助産所の3ヶ所に限られます。施設ごとに常駐している医師やスタッフの数、設備が異なり、いずれの施設で出産するかによって出産費用にも差が生じます。

施設ごとの出産費用は以下の通りです。

施設 平均値
(総合)病院 511,652円
診療所 501,408円
助産所 464,943円

参考:国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)」

中には早期に分娩予約が必要となる施設もあるため、希望する分娩施設がある場合はあらかじめ詳細を確認しておきましょう。

③出産のタイミング

計画分娩などを除き、出産のタイミングを予測することはできません。そのため、出産日が祝日や年末年始に重なったという人もいるでしょう。日曜日や祝日、年末年始は休診という病院も多く、休診時の出産には休日加算があります。

また、平日・祝日を問わず、22時から6時の間に出産する場合は深夜料金が加算されます。

施設によっては休日加算や深夜加算料金を予め提示していることもあるため、施設側に問い合わせてみましょう。出産日が祝日・深夜になることも想定し、出産費用は多めに準備しておくことが大切です。

④分娩方法

分娩方法には、赤ちゃんが産道を通って出てくる経膣分娩の他に、手術で子宮から赤ちゃんを取り出す帝王切開があります。

正常分娩の平均額が約50万円である一方、帝王切開は手術を行うため健康保険の対象で、手術料や入院料の自己負担額は3割です。さらに民間の医療保険に加入している場合、帝王切開は給付金の支払い対象であることが多く、経膣分娩時と自己負担額が異なります。

最近では和痛分娩無痛分娩など、麻酔を用いて分娩時の痛みを和らげる出産方法を選択する人が増えています。これらの分娩方法は健康保険が適用されず、別途麻酔代実費で支払わなければなりません。そのため、一般的に和痛分娩や無痛分娩は正常分娩よりも高額です。
 

⑤入院する病室

分娩後約5日間は入院が必要です。分娩後の入院時に大部屋か個室のどちらに入院するかによっても、自己負担額は異なります。大部屋は個室よりも安い料金で利用できるものの、面会時や赤ちゃんの泣き声などで周囲に気を遣うことが多いのがデメリットといえます。

一方、個室はまわりを気にする必要がなく、トイレやシャワーも個室内に完備されていることが一般的です。しかし、個室は大部屋よりも多額の費用が必要です。施設によっては大部屋か個室を選択できるため、出産費用を確認した上で希望の病室を選びましょう。

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妊娠・出産時に利用したい各種制度や補助金

妊娠・出産にかかる費用には基本的に健康保険が適用されません。そのため、妊婦検診費用の助成をはじめ、各種制度が整備されています。以下で、妊娠・出産時に利用したい制度や補助金を解説します。

①妊婦検診費用の助成

妊娠から出産まで計14回程度の妊婦検診を受ける必要があります。検診では、エコーで胎児の状態を調べ、母体の血液検査や風疹の抗体検査などが行われます。妊婦検診費用の全国平均は105,734円で、この費用の多くは妊婦検診受診券(補助券)を利用することによって助成してもらうことができます。

ただし、施設によっては妊婦検診時に追加で費用が必要となることもあり、出産までに数万円の自己負担が発生する可能性がある点には注意しましょう。

②産科医療補償制度

産科医療補償制度とは、分娩時に何らかの理由で重度脳性麻痺になった赤ちゃんとその家族の経済的な負担を補償する制度です。分娩に関連して発症した重度脳性麻痺の赤ちゃんに対して一時金600万円と分割金2,400万円(年120万円を20回給付)、合わせて3,000万円が補償金として支払われます。

なお、補償の申請は満1歳の誕生日から満5歳の誕生日までです。

③出産育児一時金・出産手当金

健康保険加入者、もしくは夫の扶養に入っている人は、出産育児一時金を受け取ることができます。出産育児一時金として子供1人につき42万円が支給され、直接支払制度を利用することで、病院で支払う自己負担額から42万円を差し引くことができます。

また、会社員や公務員が出産した場合に、出産によって収入が減少する助成への休業補償を目的として出産手当金が支給されます。支給額は標準報酬月額を元に算出され、出産日以前42日目から出産日の翌日以降56日目までで会社を休んだ期間に対して支払われます。

なお、フリーランスなど自営業者は出産手当金の支給対象外です。
 

④高額療養費制度

同一月の医療費の自己負担額が高額である場合に、自己負担限度額を超過した医療費が後から払い戻される制度を高額療養費制度と言います。異常分娩などで入院が長期化して医療費が高額になった際に利用することで、出産費用の自己負担額を軽減することが可能です。また、長期の入院や帝王切開が決まっている際には、あらかじめ限度額適用認定証を提示すると、窓口での医療費清算時に自己負担限度額までで済みます。

加入している健康保険組合によって自己負担限度額が異なるため、出産前に確認しておくと安心です。

⑤医療費控除制度

出産にかかる費用のうち、入院費や分娩費、通院時・入退院時の交通費代は医療費控除の対象です。医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で医療費控除を利用することにより負担する税金を抑えることができます。

ただし、入院中の差額ベッド代や入院用品の購入代金、赤ちゃんのおむつ代やミルク代は医療費控除の対象外です。分娩や治療と直接関係のない費用は控除の対象と認められないため注意しましょう。

まとめ:出産費用の平均は約50万円!各種制度や補助金を利用しよう

出産にかかる費用の多くは健康保険の対象外であるため、出産には多額の費用がかかります。そのため、出産育児一時金医療費控除制度などを利用し、できるだけ自己負担を軽くできないか検討しましょう。

また、出産費用は都道府県や入院する病室ごとに大きく異なります。里帰り出産や大部屋の利用などで出産費用を抑えることができるかもしれません。出産に必要な費用を予め計算し、いざというときに慌てないよう出産費用を多めに用意しておくと良いでしょう。

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