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家計

住宅ローンの金利には大きく分けて「変動金利」と「固定金利」があり、どのローンにするかを決める際に重要なポイントになります。

しかし、変動金利の詳細について、よく分かっていない方もいるのではないでしょうか。

本記事では「変動金利」の特徴や固定金利との違い、メリット・デメリット等を紹介します。

なお、住宅ローンでマイホームを購入した場合、所定の条件を満たしていると住宅ローン控除を受けられます。大きな節税となるため、ぜひ住宅購入の際は確認することをおすすめします。

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住宅ローンの「変動金利」とは

住宅ローンには金利が一定の「固定金利」と変動する「変動金利」の2種類があり、ローンを利用する際にはどちらかを選ぶことになります。

変動金利とは、経済の状況などによって金利が変動する仕組みのことです。「店頭表示価格(基準金利)」から優遇金利などを差し引くことで金利が決まります。

変動金利の仕組み

変動金利は固定金利よりも金利が低いことから人気のタイプですが、一度契約した金利がずっと続く固定金利と比べて仕組みは複雑です。

ここでは変動金利で金利が変動するルールについて解説します。

仕組み①:元利均等返済では「5年ルール」がある

日本銀行では日本の景気動向から政策金利を決めており、政策金利は銀行が企業に融資する際の「短期プライムレート」に連動します。変動金利は短期プライムレートの影響を受けて決まる仕組みです。

金利の見直しタイミングが半年に一度訪れますが、見直し後にすぐに金利が変動するわけではありません。

元利均等返済方式を採用した金融機関ではいわゆる「5年ルール」を採用している場合があり、その場合は金利が上がっても5年間は返済額が変わりません。

ただし、本来支払うべき利息がなくなるわけではなく、金利上昇で返済額が増加した分は未払い利息として残ることになります。

仕組み②:「125%ルール」がある

125%ルールとは、「月々の返済額の上昇幅は前回支払額の125%まで」というルールです。

金利が急上昇した場合、そのまま金利が上昇するとローンの返済が困難になりますが、上昇幅が抑えられることで返済への影響が軽微になります。

ただし、こちらも5年ルールと一緒で、本来支払うべき利息がなくなるわけではありません

仕組み③:金利上昇は固定金利のあとにくる

短期プライムレートに影響される変動金利と違い、固定金利は「国債の利回り」の影響を受けます。よって、金利見直しのタイミングが毎月発生する特徴があります。

変動金利は半年に1回の見直しのため、変動金利が上がる頃には先に固定金利の方が上がっています

住宅ローンを組んだ過半数が変動金利を選択している

住宅金融支援機構が行っている「民間住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査)」によると、住宅ローン利用者が選択した金利タイプの内訳は以下のとおりです。

  変動型 固定期間選択型 全期間固定型
2022年4月調査 73.9% 17.3% 8.9%
2021年10月調査 67.4% 21.7% 10.9%
2021年4月調査 68.1% 20.7% 11.2%
2020年11月調査 62.9% 24.5% 12.6%
2018年5月調査 60.2% 26.6% 13.2%

2022年4月の調査では変動金利を選んだ人が73.9%と、全体の3分の2以上を占める結果になりました。対して固定期間選択型は17.3%で、残りの8.9%が全期間固定型となっています。

2023年1月時点の変動金利は固定金利よりも低く、1.0%を大きく下回ります。この金利の低さが人気の一因といえるでしょう。

変動金利の住宅ローンを選択するメリット・デメリット

変動金利を選択することでメリットを享受することができますが、一方でデメリットもあることに注意が必要です。

ここでは変動金利のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。住宅ローンを組む前やローンの借換えをする前に、メリット・デメリットを把握しておきましょう。

メリット

変動金利の最大のメリットは「金利の低さ」です。

たとえば「三菱UFJ銀行の住宅ローン」を2023年1月に借りた場合に適用される金利は以下のとおりです。

  三菱UFJ銀行住宅ローンの金利
変動金利 年0.345~0.475%
固定10年 年0.92~1.05%

固定金利でも十分に低い水準といえますが、変動金利は年0.5%を切っていて更に低い水準です。

また、返済額が急激に上昇しない設定がされている点もメリットです。前述の通り、変動金利の返済額の見直しは半年ごとに行われますが、5年ルールが適用される住宅ローンでは5年間は返済額が変わりません。上昇する場合も金融機関によっては、金利の上昇幅が1.25倍以内に抑えられます。

デメリット

変動金利の金利設定は固定金利よりも低い反面、金利が変動すると返済総額が変化する点がデメリットです。

毎月の返済額が変わってしまい、返済計画に狂いが生じる場合があります。激変緩和措置により毎月の返済額がただちに変わらないとはいえ、返済額に占める利息の割合は増加してしまいます

返済額に占める利息割合が増えると元金の返済が進まず、完済が遠のいてしまう可能性があります。

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変動金利・固定金利の住宅ローン返済シミュレーション

具体的に、変動金利と固定金利でどれくらい返済額に違いがあるのでしょうか。

金融広報中央委員会の「借入返済額シミュレーション」でチェックしてみました。

【前提条件】
・借入金額:4,000万円
・返済期間:35年
・返済方法:元利均等返済
・手数料は考慮しない

  変動金利
適用金利0.5%
全期間固定金利
適用金利1.2%
返済総額
(金利変動なし)
43,610,280円

毎月の返済額:103,834円
49,005,600円

毎月の返済額:116,680円
返済総額
(10年経過後と25年経過後に0.2%ずつ上昇)
44,508,660円

毎月の返済額:
初回から 103,834円
10年目から 106,403円
25年目から 107,467円
返済総額
(5年経過後と15年経過後に0.5%上昇)
47,734,560円

毎月の返済額:
初回から 103,834円
10年目から 111,625円
25年目から 117,123円

金利の変動が小さいほど変動金利が有利です。

一方、金利変動が大きいほどメリットが薄まってしまうことがお分かりいただけるでしょう。

なお、住宅ローンのシミュレーションは表計算ソフトのエクセルでも可能です。エクセルを使った住宅ローンシミュレーション方法に関しては、以下の記事を参考にしてください。

変動金利の金利が上がることへの対策

変動金利は今後の政策金利次第で上昇する可能性もあり、契約を検討している場合は金利上昇への対策を考えておくことが大切です。

対策①:繰上げ返済の計画を立てて資金を貯めておく

住宅購入時には、手元の資金を頭金として全て使ってしまう方も少なくありません。ですが、金利変動を考えると、自己資金は余裕を持って残しておくことをおすすめします

手元にお金が残っていれば、金利動向を見ながら早いタイミングで繰り上げ返済をする余裕が生まれるためです。

住宅購入時に自己資金を使い切ってしまった場合でも、金利上昇のリスクがあることを念頭に、ボーナス等から少額でも繰り上げ返済用に資金を振り分けたいものです。

対策②:借換えを検討する

金利の変動によっては、金利が低い商品への借換えを検討することも考えましょう。金利が低い住宅ローンに借り替えることで、返済総額を安くする効果があります。

ただし借り換えの際には、「事務取扱手数料」「登記関連費用」などの諸費用が発生します。諸費用の負担を含めても経済的メリットがあるのか、借換え前に確認しましょう。

対策③:金利が安いうちにこまめに繰上げ返済をする

貯金等でまとまった資金ができたら、金利が上がってしまう前に繰り上げ返済をすることを検討しましょう。金利が低いうちに返済してしまうことで、金利上昇リスクを抑えることができます。

そこで、住宅ローンを決める際は繰り上げ返済の手数料体系も確認しましょう。金融機関によって繰り上げ返済時に発生する手数料の有無や金額が異なるため、繰り上げ返済に手数料がかかりにくい金融機関が候補になります。

まとめ:変動金利は将来の金利上昇リスクを理解しておくことが大切

変動金利は固定金利よりも金利設定が低い点がメリットです。

「5年ルール」「125%ルール」といった激変緩和措置もあり、金利上昇時もすぐに急激な返済額の上昇がないような仕組みの変動金利の住宅ローンもあります。

ただし、激変緩和措置があっても返済額に含まれる利息割合は上昇しており、元金の返済が遅くなる等のデメリットもあります。

繰り上げ返済を上手に活用し、金利が低いうちに返済を進めるなど、金利上昇リスクを織り込んで利用することが大切になるでしょう。

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