最近、FIREという言葉がメディアでよく紹介されており、気になっている人も多いでしょう。
「定年になる前にリタイアして悠々自適」というイメージがあるかもしれません。そのような自由な生活に憧れても、自分には無理と諦める人もいるのではないでしょうか。
しかし、FIREはやり方を間違えなければ達成可能な目標です。本記事では、FIREの概要やメリット・デメリット、FIRE実現までのステップとおすすめの資産運用方法を解説します。FIREについて具体的に知ることで、FIREになる道が見えてきます。
FIREへの取り組みが早ければ早いほど、FIREの実現が近づくため、本記事を読んでぜひFIREのための行動を始めてみてください。本記事を読めば、無理なくFIREを達成する方法がわかります。
FIREとは?
FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字から来た言葉であり、「経済的自立と早期リタイア」を意味します。
日本では定年まで働く、もしくは定年以降も再雇用されて勤務するという考え方が一般的です。一方、FIREは定年前にリタイアして経済的に自立した自由な生活を送るという新たな考えで、終身雇用が期待できない現在、多くの現役世代から注目されています。
多くの人は、「FIREはお金持ちだけが可能なのでは」と疑問を持つかもしれません。確かに、従来の早期リタイアなら一定の裕福な層に限定されますが、FIREは単なる早期リタイアではないため、多くの人が実現可能です。
以降では、多くの人が実現可能なFIREとは何なのか具体的に解説します。
早期リタイアとはどう違う?
FIREと早期リタイアは混同されがちですが全く異なります。早期リタイアは、一定額の退職金や遺産、年金を得た人が定年前に退職し、年金と貯金を頼りに生活します。徐々に貯金を取り崩すため、退職までにまとまった貯金を用意しなければなりません。
一方、FIREは資産運用の運用益でリタイア後の生活をまかなうスタイルです。貯金を取り崩して生活するのではないため、リタイア前に多額の貯金を必要としません。そのため、従来の早期リタイアとは異なり、FIREは多くの人が実現可能といえます。
FIRE実現の目標は「4%ルール」を基準にする
FIREを成功させるためには、投資元本と運用益、必要生活費の3要素から成る「4%ルール」を知っておきましょう。4%ルールとは、「投資元本と運用益の合計のうち毎年4%だけ取り崩す」という考え方です。
4%ルールはアメリカの研究「トリニティスタディ」に基づいています。トリニティスタディでは、毎年4%の資産の取り崩しであれば、資産を目減りさせず持続できると報告されています。よって、必要生活費が資産の4%であれば、FIREが可能といえるでしょう。
例えば毎月の生活費が20万円、すなわち年間生活費が240万円の場合の必要な資産額を計算してみます。資産額Xを求める式は「X×0.04=240万円」なので、X=6,000万円です。資産額を年間生活費で割ると、6,000万円÷240万円=25となります。
つまり、年間生活費25年分の資産を用意できれば、FIREを始められるといえます。
FIREのメリットとデメリット
FIREには多くの魅力がある一方、デメリットも存在します。メリットのみに気を取られて、デメリットを知らずにFIREを目指し始めることは危険です。
以降でFIREのメリットとデメリットについて解説するので、FIREを始める際の参考にしてみてください。
FIREのメリット
FIREのメリットは、時間や場所、仕事などあらゆる束縛から解放された自由な生活ができることです。資産運用はネットがあればいつでもどこでも可能なため、好きな時に好きな場所で自分のやりたいことを実践できます。
趣味や家族との時間を充実させたり、新たな仕事に挑戦したり、可能性は無限大です。生活費は資産運用でまかなうため、仕事をする場合も収入を気にせずやりがいを優先させることができます。
経済的自立を得ている分、真に自由な生活を過ごせます。
FIREのデメリット
反対に、FIREには以下のようなデメリットも存在します。
- 年利4%を実現し続けるのは簡単ではない
- 急な出費(入院や親の介護など)があると、生活が難しくなるおそれがある
- キャリアの形成・蓄積がしづらい
- 勤務していた場合、厚生年金を満額受給できなくなり、受取年金額が減る
これらのデメリットを回避するために、投資元本以外に一定の余剰資金を用意しておくのがおすすめです。
また、FIREを実践する中で、自分自身のスキルアップを行なっておくと後のキャリアにつながります。
FIRE実現までのステップ
「FIREに憧れるけれどどうすればいいのかわからない」と悩む人もいるでしょう。実は、FIREは正しい順序で行うと無理なく実現できます。FIRE実現までのステップは、次の3段階です。
- ステップ1:収支を把握する
- ステップ2:FIRE実現の目標資産額を算出する
- ステップ3:目標資産額到達に向けて資産形成をする
各ステップでやるべきことは難しくはありません。誰でも始めて継続することができます。各ステップについて以下で解説します。
ステップ1:収支を把握する
まず、現在の収支を把握します。貯蓄額やその他資産を洗い出し、毎月の収入と支出を明確にします。案外、自分がどれだけ出費しているのか認識している人は少ないです。毎月の支出額がFIREの目標資産額の決定要素となるため、正確に把握しましょう。
家計の収支把握に役立つアイテムが、家計簿です。家計簿を1ヶ月つけるだけで、家計が見える化され、出費額だけではなく今後削減できる無駄遣いもわかります。「家計簿は続かない」という人には、簡単に家計収支を記録・計算してくれるアプリがおすすめです。
家計簿についての詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。
ステップ2:FIRE実現の目標資産額を算出する
1ヶ月あたりの支出額=生活費が確定すると、12をかけることで年間生活費が確定します。前述のとおり、FIREに必要な資産額は年間生活費の25倍が目安です。
毎月の生活費と年間生活費をもとにしたFIREへの目標資産額の目安の一覧は次の通りです。
生活費と目標資産額
毎月の生活費 | 年間生活費 | 目標資産額 |
---|---|---|
10万円 | 120万円 | 3,000万円 |
15万円 | 180万円 | 4,500万円 |
20万円 | 240万円 | 6,000万円 |
25万円 | 300万円 | 7,500万円 |
30万円 | 360万円 | 9,000万円 |
この表を用いると、簡単に目標資産額の目安を知ることができます。
ステップ3:目標資産額到達に向けて資産形成をする
FIREするための目標資産額が明確になった段階で、目標実現に向けて資産形成をします。「資産形成は難しそう」と捉えがちですが、資産形成も正しい手順を進めば無理なく行えます。次の3つの行動を実践してみてください。
- 支出をコントロールする:支出を減らした分、資産が増える。固定費削減が効果的
- 収入を増やす:社内規定に反さない場合、副業がおすすめ
- 資産形成をする:資産ゼロ状態から始められるので、誰でも取り組み可能
支出を減らし収入を増やしたら、資産形成を行うのがポイントです。資産形成の詳しい解説や実践方法については、以下の記事を参考にしてください。
この記事の内容の他にも、「お金が貯まる29の知恵」を1冊にまとめました。
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FIRE実現におすすめの4つの資産運用方法
運用できる資金が確保できたら、「FIREのためにはどんな資産運用が適しているの?」と疑問を抱く人もいるでしょう。資産運用には数多くの方法があり、リスク・リターンの大きさも幅広いです。
資産運用の方法の中でも、FIREの実現には中長期にわたってリスクを回避しつつ安定したリターンを得られる運用方法が適しています。おすすめの資産運用法は次の4点です。
- 投資信託
- 株式投資
- REIT(不動産投資信託)
- 不動産投資
それぞれの概要およびFIREに適している理由について以下で詳しく解説します。
①投資信託
投資信託とは、出資者の資金をひとまとめにして、運用の専門家が複数の投資先で運用し、運用益を出資者に分配する方式です。プロが運用するため、投資の知識がない人も始めやすいといえるでしょう。
また、投資先が国内外の株式や債券に分散しているため、リスクが低減されます。投資信託には、毎月一定金額で購入し積み立てる積立投資が行えるケースが多いです。積立投資なら少額で始められるため、初心者・資金がない人も今すぐ開始できます。
②株式投資
株式投資は、自分で選んだ企業の株式を購入して運用する方法です。株式投資では、次の3つの運用益を見込めます。
- 値上がり益:買値よりも高い価格で売却することで得られる
- 配当:株式を保有することで得られる
- 株主優待:株式を保有することで得られる
値上がり益を狙う場合、成功すると大きなリターンを得られます。配当等が目的の場合は安定したリターンを獲得できるため、目的に応じて適切な株式に投資するのがおすすめです。
ただし、社会情勢の急変などによって株価暴落のリスクがある点に注意が必要です。
③REIT(不動産投資信託)
REIT(不動産投資信託)は、出資者のお金をまとめて、業者が不動産に投資をする方式です。出資者には、投資先不動産から発生する家賃収入や、売却益などが分配されます。投資先はプロである業者が選定するため、出資者に不動産の知識が少なくてもかまいません。
REITは最低投資額が10万円前後と低いため、手持ち資金がさほどない場合も始められます。また、運用益が家賃収入の場合、受取金額が推定できるため、資産運用計画を立てやすいのも魅力です。
④不動産投資
不動産投資は、不動産を購入して家賃収入を得る方法と不動産の売却益で収入を得る方法があります。不動産投資はFIREを実現するうえで取り組んでおきたい運用方法といえます。まず、不動産は物件価値の変動が少ないため価格暴落のリスクが低く安定したリターンを見込めるのが特徴です。
株式投資には価格変動がつきものであるのに対し、不動産なら運用可能な物件を購入すると、借り手がいる限り長期にわたり安定した運用益を得られます。
「そんな良い物件をどうやって探せばいいの」と思うかもしれません。専門業者に相談すると、現在の資金力に合う適切な投資用物件を探してくれます。また、購入後も物件管理を管理会社に任せることが可能なので、時間や労力を浪費せずに済みます。
不動産投資についての詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ:FIREを目指すなら早めの取組を!自分に合った方法で始めよう
FIREの概要やメリット・デメリット、FIRE実現までの3ステップとおすすめの4つの資産運用方法について解説しました。
FIREは従来の早期リタイアとは異なり、資産家ではない人も目指せる新たなリタイアの方法です。
資産運用によって経済的自立を目指すため、投資元本となる必要な資産額を早く用意できるとより早くFIREを実現できます。FIREを目指すなら、今すぐ取り組むことがおすすめです。無理せず自分に合った資産運用方法でFIREを目指してみてください。