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副業

副業のなかでも、起業という選択肢を考える人は少なくありません。一方で、起業に魅力を感じながらも敷居が高いと感じてしまい諦めている人もいるでしょう。

実は、副業として起業する場合でも月に1万円程度の収入から気軽に始められます。また、この他にも多くのメリットがあります。

そこで、この記事では副業から起業をするメリットを紹介します。どのような起業の方法があるのか、税金や社会保険など事前に知っておくべき注意点についても紹介するので、ぜひ起業の前の参考にしてください。

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副業から起業をするメリット4選

副業から起業をするメリットは次の4つです。それぞれ具体的に紹介していきます。

副業から起業するメリット

  • 本業の安定収入があるのでスモールスタートができる
  • 本業の安定収入をもとにチャレンジする余裕がある
  • ローンを組んだりクレジットカードを持ったりする余裕がある
  • やりたいことや得意なことを実践できるため自己実現を追求できる

 

本業の安定収入があるのでスモールスタートができる

起業のために本業を辞めてしまうと、本業の安定した収入がなくなってしまいます。もちろん、本業を辞めてしまうと毎月の生活費以上の収入を稼がなければなりません。

一方で、本業を続けながら副業を始めれば、毎月の生活費を本業収入でまかなえるため起業のスモールスタートが可能です。小規模な事業を始めることをプチ起業と呼ぶこともあり、例えば月1万円からの起業もできます。

本業があることで起業に使える時間は限られてしまいますが、リスクを抑えつつ小さく起業できることが副業から起業する大きなメリットです。

本業の安定収入をもとにチャレンジする余裕がある

副業として起業を始めると、本業の安定収入をもとにチャレンジする余裕があることもメリットです。

例えば、本業の安定収入をもとに高性能で高価なパソコンを購入できたり、スキルアップのためにスクールへ通えたりします。時間や費用を費やすことは同じですが、本業の安定収入があることで生活への影響を抑えることが可能です。

また、事業が失敗してしまってもまた別のことにすぐチャレンジできます。起業を通じて得た知識や経験、スキルを本業にも活かせると、なお効果的です。

ローンを組んだりクレジットカードを持ったりする余裕がある

起業後に住宅ローンを組んだり、事業用のクレジットカードを持ったりすることがあります。このとき、本業を辞めずに会社員のままであれば一般に審査で有利です。

例えば、ローンを組むときの審査で年収として含まれるものは、会社員と事業主で次のような違いがあります(貸金業法施行規則第10条の22)。

  • 会社員:給与
  • 事業主:事業所得の金額(安定的と認められるものに限る)

会社員を辞めて起業した場合、仮に売上(収入)が500万円であっても経費が500万円なら事業所得は0万円です。一方、会社員は年間給与500万円なら収入そのもの500万円が年収とされます。

年収の計算方法に違いがあるほか、各社の審査システムでは一般的に正社員という属性が高く評価される傾向にあるようです。

そのため、副業から起業を始めると、会社員の立場を利用して住宅ローンやクレジットカードなどの審査で有利になりやすいという点がメリットです。

やりたいことや得意なことを実践できるため自己実現を追求できる

次のように考えることはないでしょうか。

  • 本当はもっと他の仕事がしてみたい
  • 自分が得意なことを活かして稼いでみたい
  • 自分の考えや判断で仕事をしたい

実際、日本政策金融公庫が2021年7月に実施した「2021年度新規開業実態調査(PDF)」によると、開業動機は「自由に仕事がしたかった」が54.1%と最も多かったようです。

起業すると、比較的自由に仕事ができます。しかし、生活を考えると本業を辞める訳にもいかず「やりたいことがあってもできない」と考える人も多いでしょう。

そこで、前述したように副業として起業すれば生活への影響を抑えてスモールスタートができます。やりたいことや得意なことを実践しやすく、自己実現を追求できる点が副業から起業するメリットです。

副業でプチ起業をするならどのようなビジネスがある?

副業で起業するとき、インターネットを使って在宅でできるビジネスが現実的な選択肢といえます。

もちろん他にも選択肢は多くありますが、ここでは内閣官房の「フリーランス実態調査結果(PDF)」でフリーランスの例として挙げられている職種を紹介します。

副業から始められるプチ起業

  • デザイナー
  • システムエンジニア
  • Webライター
  • eコマース
  • ハンドメイド作家
  • 投資関係(株式、FX、不動産)

 

日本政策金融公庫が2021年7月に実施した「2021年度新規開業実態調査(PDF)」によると、「これまでの仕事の経験や技能を生かせる」事業を開業していることが多いようです。

以下の記事では、本記事で紹介した起業のほかさまざまな副業の方法を紹介していますのでぜひ参考にしてください。

副業から起業する場合の4つの注意点

副業から起業するメリットを紹介しましたが、注意点もあります。それぞれ解説しますので事前に把握しておきましょう。

副業から起業する場合の4つの注意点

  • 会社の就業規則で副業が禁止されていることがある
  • 節税のために税金と会計の知識が必要となる
  • 本業と副業のスケジュール調整が難しい
  • 起業した後に本業を退職しても原則として雇用保険は受けられない

 

会社の就業規則で副業が禁止されていることがある

まず、確認しておくべきことが、本業で勤めている会社の就業規則で副業が禁止されていないかどうかです。実際、パーソル総合研究所が2021年3月に行った調査(※)では、約半数の企業が副業を認めていないという結果が出ました。

なお、勤務時間以外は労働者の自由であることが原則であり、仮に就業規則で形式的に禁止されていても、以下の場合を除いて会社が副業を制限することは実質的にできないとされています。

会社が副業を制限できる場合

  • 労務提供上の支障がある
  • 業務上の秘密が漏洩する
  • 競業により自社に利益が害される
  • 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある

 

参考として副業・兼業ガイドラインの一文を引用します。

なお、副業・兼業に関する裁判例においては、就業規則において労働者が副業・兼業を行う際に許可等の手続を求め、これへの違反を懲戒事由としている場合において、形式的に就業規則の規定に抵触したとしても、職場秩序に影響せず、使用者に対する労務提供に支障を生ぜしめない程度・態様のものは、禁止違反に当たらないとし、懲戒処分を認めていない。

引用元:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(PDF)

とはいえ、副業で事業を始めることにより心身の負担が増え、健康や本業への支障が出る可能性もあります。そのため、事前に本業の勤め先と相談しておくことが理想的です。

※参照:パーソル総合研究所所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」(PDF)

節税のために税金と会計の知識が必要となる

副業の位置付けであっても、起業すると税金や会計の知識が必要です。

事業所得があるなら、売上や経費に関する取引ごとに、取引の相手方や金額などを帳簿に記入して保存しておかなければなりません(雑所得なら不要)。

確定申告ソフトなど会計の知識がなくても記帳できるサービスもありますが、それでも一定程度の会計知識が必要です。

また、事業所得や雑所得などの給与以外の所得が1円でもあれば住民税の申告が必要です。ちなみに、会社員で給与以外の所得が20万円を超えると所得税の確定申告が必要となります。所得税の確定申告をすると、あらためて住民税の申告をする必要はありません

税金には申告・納税義務のあるため、その義務を怠ると罰金のようなものが課されるペナルティがあります。ペナルティを受けないことはもちろん、どのようなものなら経費になるのかなど適切に納税・節税をするためには税金や会計の知識が必要です。

本業と副業のスケジュール調整が難しい

本業で会社に勤めていると、どうしても勤務時間中は副業に充てられません。

起業した事業でも、取引には納期が設定されていることが一般的です。そのため、限られた時間を使って仕事を進めなければなりません。結果として心身の健康を害しやすくなってしまいます。

本業を続けながら副業として起業すると、安定した収入を維持できる反面、時間をフルに使えないことや心身の健康管理に注意を要する点がデメリットです。

起業した後に本業を退職しても原則として雇用保険は受けられない

起業すると、雇用保険の基本手当の受給資格がないことを把握しておかなければなりません。

具体的には、起業して自営業者または法人の役員(名義だけの役員も含む)になっていると、原則として受給資格は認められません。参考として、以下に雇用保険の業務取扱要領(2021年12月29日確認時点)の一文を引用します。

内職、自営及び任意的な就労等の非雇用労働へ就くことのみを希望している者については、労働の意思を有するものとして扱うことはできない。

引用元:厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(令和3年9月28日以降)」(PDF)

副業の事業が軌道に乗って本業を退職するときは、今後は雇用保険の基本手当を受給できないことを把握したうえで慎重に判断をしましょう。

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個人事業主として副業から起業する際の法的手続きの流れ

起業といっても、大きく分けて個人事業主か法人の2つの選択肢があります。また、開業にあたって事務所の契約や認可の取得、開業のためのスキル習得などさまざまな流れがあります。

ここでは、多くの人に共通する「個人事業主として起業する際の法的手続きの流れ」を紹介するのでぜひ参考にしてください。

個人事業主として起業する際の法的手続きの流れ

  1. 個人事業の開業届出書を税務署に提出する
  2. 青色申告承認申請書を提出する
  3. 売上や経費について毎日記帳する

 

個人事業の開業届出書を税務署に提出する

事業を開始したときは、開業届を開業日から1ヶ月以内に税務署に提出しなければなりません。

なお、事業が小規模であっても提出できますし、税制上の優遇(青色申告特別控除など)を受けるためにも提出しておくことがおすすめです。

開業届の提出方法は、e-Taxか持参、郵送となっています。マイナンバーカードがあればe-Taxソフトで自宅から作成と提出が可能です。

青色申告承認申請書を提出する

開業届だけでなく、青色申告承認申請書も提出しておくことがおすすめです。青色申告とは、きちんと取引を記帳して正しく申告された人が利用できる税制上の優遇制度です。

優遇制度の一部である青色申告特別控除では、複式簿記で記帳し、確定申告期限内に青色申告決算書を添えて確定申告すると55万円の控除を受けられます。なお、e-Taxで確定申告すると65万円です。

例えば、100万円の売上(収入)があって経費が35万円だった場合、要件を満たすと65万円の青色申告特別控除によって事業所得が0円になります。

青色申告承認申請書は開業日から2ヶ月以内が提出期限です。e-Taxで開業届の提出後、そのまま青色申告承認申請書も続けて提出することをおすすめします。

売上や経費について毎日記帳する

事業所得や不動産所得、山林所得を生ずべき事業を行っている人は、取引ごとに帳簿に記帳しなければなりません。

現在では簿記・会計の知識がなくても複式簿記で記帳できるサービスがあるため、不安であればそのようなサービスを利用しても良いでしょう。

苦手だからといって記帳しなければ、正しく節税や納税ができず、ペナルティを受けることがあります。場合によっては税理士に相談するなどして対応しましょう。

なお、開業届を提出しておらず雑所得であれば記帳の義務はありません。

副業と起業に関するよくある質問

副業と起業に関するよくある質問をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

副業で起業すると社会保険はどうなる?

副業で起業したとき、社会保険の一般的な適用関係は以下のとおりです。本業を継続しているのであれば、けがや病気で働けなくなったときは傷病手当金がもらえ、年金も比較的多くもらえます。

  個人事業主 法人役員(取締役)
労災保険 本業で加入している 本業で加入している
雇用保険 本業で加入している 本業で加入している
厚生年金保険 本業で加入している
(国民年金第2号被保険者)
主たる事業所を選択しつつ、どちらでも加入する
(国民年金第2号被保険者)
健康保険 本業で加入している
(健康保険組合か協会けんぽ)
主たる事業所を選択しつつ、どちらでも加入する
(健康保険組合か協会けんぽ)

なお、本業を退職すると労災保険と雇用保険には加入せず、個人事業主の場合は国民年金の第1号被保険者となります。けがや病気で働けなくなったときの傷病手当金はもらえず、年金も比較的少なくなってしまいます。

  個人事業主 法人役員(取締役)
労災保険 加入しない 加入しない
雇用保険 加入しない 加入しない
厚生年金保険 加入しない
(国民年金第1号被保険者)
加入する
(国民年金第2号被保険者)
健康保険 加入する
(市町村の国民健康保険)
加入する
(協会けんぽ)

副業で起業すると本業の会社にばれない?

副業で給料をもらわなければ比較的ばれにくいものの、本業の会社に副業がばれる可能性はゼロにできないと考えておいたほうが良いでしょう。

例えば、次のようなケースでばれる可能性があります。

副業で起業したことが本業の会社にばれるケース

  • 年末調整で基礎控除申告書を提出するとき
  • 副業所得によって本業の会社が徴収する住民税の額が上がったとき
  • 法人役員となって報酬を受けるとき

まとめ:起業は副業から始めることがおすすめ!自分にあった起業を検討しましょう

起業するのであれば、本業を続けながら副業として始めることがおすすめです。本業の安定した収入をもとに、スモールスタートをしたり積極的なチャレンジをしたりできます。

一方で、副業で起業をする際には本業における就業規則の確認や心身の健康管理、税金に関する知識などが必要です。

この記事で紹介したメリットを最大限に活かしつつ、注意点を踏まえて自分にあった起業を検討してみましょう。

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