ニュースレター登録

社会保険料控除とは?損しない年末調整や節税額の計算方法などわかりやすく解説

「社会保険料控除について、あまりよくわからない」
「年末調整の保険料控除申告書はどのように書けばいい?」

年末調整や確定申告の時期や、手取りを増やしたくて節税を考えているときなど、このように考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、社会保険料控除の基礎をわかりやすく解説したうえで、節税のためにどのような行動をとるべきか解説します。ぜひ社会保険料控除について正しく理解し、受けられる控除を逃すなど損しないためにお役立てください。
 

この記事を読んで、「得するお金のこと」についてもっとよく知りたいと思われた方は、お金のプロであるFPに相談することがおすすめです。
マネージャーナルが運営するマネーコーチでは、FPに無料で相談することが可能です。
お金のことで悩みがあるという方も、この機会に是非一度相談してみてください。
 

社会保険料控除とは?まずは社会保険料控除の概要を理解しよう

社会保険料控除は所得控除の一種で、自分または生計を一にする配偶者・親族の社会保険料を支払った場合に、その全額を所得から控除するものです。

一般的な給与所得者(サラリーマン)であれば、所得控除のなかでも社会保険料控除の金額が大きいため、節税の観点からは重要な位置付けにあります。

以降では、次の点について解説していきます。社会保険料控除の理解を深めていきましょう。

  1. 「生計を一にする配偶者や親族」とは
  2. 社会保険料控除の対象となるもの
  3. 社会保険料控除の計算方法


 

「生計を一にする配偶者や親族」とは

「生計を一にしている」とは、端的に言えば生活費の財布が同じ状態を指しています。

扶養控除や配偶者控除を受けるための要件とは別のものです。つまり、生計を一にする相手の所得が48万円以下といった所得による制限は設けられていません。

税法上では「生計を一にする」について明確には定められていませんが、通達によると次のような取扱いがされています。

  1. 同居している場合、明らかに生活が独立していると認められないかぎり生計を一するものとする
  2. 別居の場合、生活費や学費、療養費などを定期的に仕送りしている場合は生計を一にするものとする など


 

社会保険料控除の対象となるもの

社会保険料控除の対象となるものは、国税庁のタックスアンサーでは14項目が説明されていますが、ここでは主なものをわかりやすく言い換えて一部紹介します。

  1. 健康保険料(健康保険組合など)
  2. 国民年金保険料
  3. 厚生年金保険料
  4. 国民健康保険料または国民健康保険税
  5. 介護保険料
  6. 国民年金基金の掛金
  7. 厚生年金基金の掛金

ただし、実際に支払ったもののみが控除の対象となります。

給与所得者(サラリーマン)の場合、給与から健康保険料や厚生年金保険料などが控除されています。これも社会保険料控除の対象です。

ちなみに、国民健康保険料と国民健康保険税は自治体によって言い方や取り扱いが異なりますが、性質は同じものです。

その他、細かいケースについては後述します。
 

社会保険料控除額の計算方法

社会保険料控除額の計算方法は単純で、対象となる社会保険料の全額です。上限はありません。

社会保険料控除を申告すれば、所得税と住民税が安くなる

社会保険料控除は所得控除なので、課税対象となる所得を少なくし、結果的に税金を抑える効果があります。

以降では、実際にどのような仕組みで税金が安くなるのかについて、税金の計算方法を解説します。
 

社会保険料控除で所得税と住民税が安くなる仕組みと計算方法

そもそも所得税は、次のような流れで計算します。実際に納付する税額(申告納税額)についてはさらに計算がありますが、ここでは省略しています。

  1. 所得 = 収入 - 収入から差し引かれる金額
  2. 課税所得 = 所得 - 所得控除
  3. 所得税額 = 課税所得 × 所得税率(超過累進税率)
  4. 基準所得税額 = 所得税額 - 所得税額から差し引かれる金額(税額控除)


※2037年までは復興特別所得税も考慮されます。

上式では「所得」としていますが、実際には所得は10種類あり、さまざまな所得額を合算します。

社会保険料控除は上式「所得控除」の一種ですので、社会保険料控除が増えれば課税所得が減ります。その結果、所得税額も減るのです。

住民税は所得税と同じ控除額ではないため注意が必要です。例えば所得税の基礎控除は一般的に48万円ですが、住民税では43万円です。これらの結果、課税所得は住民税のほうが大きくなってしまいがちです。

子どもの国民年金保険料を負担したらいくら安くなる?

それでは、実際に社会保険料控除を正しく申告した場合にどのくらい税金が安くなるかシミュレーションしてみましょう。 ただし、税金の計算は複雑であり、あらゆる事情を考慮しますので本シミュレーションはあくまでも概算です。税金計算における前提条件は次のとおりとします。

  • 税金計算の対象者は親とする
  • 令和2年(2020年)分の所得を300万円として計算する
  • 生計を一にする子ども(21歳大学生)の国民年金保険料を1年分「19万8,480円」支払った
  • 親の基礎控除額は所得税48万円/住民税43万円
  • 親の扶養控除額は所得税63万円/住民税45万円(特定扶養親族1名)
  • 国民年金保険料を支払う前後の親の社会保険料控除額は72万円/91万8,480円
  • その他の所得控除や税額控除はないものとする
  • 復興特別所得税および住民税の均等割は考慮しない

<国民年金保険料を負担していない場合>


計算の流れ
計算式 結果
課税所得(所得税)※1 所得300万円
-所得控除183万円
117万円
所得税額 課税所得117万円 × 税率5% 5万8,500円
課税所得(住民税)※2 所得300万円 -
所得控除160万円
140万円
住民税額(所得割) 課税所得140万円 ×
税率10%
14万円
合計税額 所得税額5万8,500円 +
住民税額14万円
19万8,500円

※1: 所得税の所得控除総額は、48+63+72=183万円 ※2 : 住民税の所得控除総額は、43+45+72=160万円 <国民年金保険料を負担した場合>


計算の流れ
計算式 結果
課税所得(所得税)※1 所得300万円 -所得控除202万8,480円 97万1,520円
端数処理後:97万1,000円
所得税額 課税所得97万1,000円 × 税率5% 4万8,550円
端数処理後:4万8,500円
課税所得(住民税)※2 所得300万円 - 所得控除179万8,480円 120万1,520円
端数処理後:120万1,000円
住民税額(所得割) 課税所得120万1,000円 ×
税率10%
12万100円
合計税額 所得税額4万8,500円 +
住民税額12万100円
16万8,600円

※1 : 所得税の所得控除総額は、19.848+48+63+72=202.848万円 ※2 : 住民税の所得控除総額は、43+45+91.848=179.848万円

参照:国税庁「No.2260 所得税の税率」

参照:東京都主税局「個人住民税」

あくまでも概算ですが、子どもの国民年金保険料を1年分負担した場合、税金が3万円ほど安くなりました。

この記事の内容の他にも、「お金が貯まる29の知恵」を1冊の本にまとめました。
今ならLINE登録するだけで、無料でプレゼントしています。
この機会に是非一度LINE登録して、特典を今すぐ受けとってください。
 

社会保険料控除で損しないために、サラリーマンが年末調整でやること

サラリーマンの場合、社会保険料控除を受けるために重要なのは年末調整における「保険料控除申告書」です。そのなかでも「社会保険料控除」の欄に記入することになります。

以降では、サラリーマンが年末調整でやることを具体的に解説します。
 

まずは年末調整とは何か理解する

給与所得者にとって、年末調整は重要なものです。

そもそも年末調整とは何かご存知でしょうか。会社は従業員の所得税を給与から控除していますが、その金額が本当に納めるべき税金額とは限りません。

そのため、従業員が所得控除を受けられるときは所得控除を考慮し、源泉徴収した額と本来納めるべき額に差があれば、還付または徴収で精算するのです。この手続きを年末調整と呼んでいます。

他の所得や所得控除などがない場合は基本的に会社とのやりとりだけで所得税が精算されます。そのため、確定申告は基本的に不要です。

裏を返すと、確定申告をしない給与所得者は、年末調整で各種所得控除を正しく申告しなければ還付される税金も還付されません。そこで、保険料控除申告書を正しく提出する必要があります。
 

①社会保険料控除の対象となる個人の支払いがあれば金額を確認する

社会保険料控除は、自分自身が実際に支払った社会保険料が対象です。給与所得者であれば厚生年金保険料や健康保険料(健康保険組合など)は給与から控除されているため、特別に準備するものはありません。

例えば、以下のような場合は、個人支払い分の社会保険料となりますので金額を確認しておきましょう。

  • 会社で社会保険に未加入で、国民年金保険料や国民健康保険料(税)を支払った(おもにパート・アルバイト)
  • 年の途中で就職や転職し、その間に国民年金保険料や国民健康保険料を支払った
  • 生計を一にする親族の社会保険料を支払った
  • 任意継続被保険者として健康保険料などを支払った
  • 後期高齢者医療制度の保険料を支払った


 

②国民年金保険料または国民年金基金の掛金を支払った場合は証明書を用意する

先ほど紹介した個人支払い分の社会保険料のうち、証明書を用意するべきものは国民年金保険料または国民年金基金の掛金のみです。

それぞれ次のように証明書を用意します。
 


保険料控除申告書で証明書の添付が必要なもの
証明書の入手方法
国民年金保険料 日本年金機構から控除証明書が送付される
※ただし、9月分まで
国民年金基金の掛金 全国国民年金基金から控除証明書が送付される

③給与所得者の保険料控除申告書を確認・記入する

年末調整の時期には、保険料控除申告書を記入します。

保険料控除申告書の社会保険料控除欄には、次のように記入しましょう
 


社会保険料控除欄の記入項目
記入方法・記入例
社会保険の種類 国民年金
国民年金基金
国民健康保険
健康保険
介護保険
厚生年金
後期高齢者医療保険
保険料支払先の名称 日本年金機構
◯◯市
保険料を負担することになっている人(氏名) 本来、保険料を納めるべき人の氏名
例:山田 太郎
保険料を負担することになっている人(あなたとの続柄) 自分から見た続柄
例:本人/長男/長女/次男/次女/配偶者(妻)
あなたが本年中に支払った保険料の金額 1月から12月までの支払予定額
例:198,480(円)
合計(控除額) 「あなたが本年中に支払った保険料の金額」を合計した額
例:198,480(円)

参照:国税庁「令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書」
参照:国税庁「令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書の記載例」

なお、保険料控除申告書には社会保険料だけでなく小規模企業共済等掛金控除や生命保険料控除なども記入します。それぞれ以下の記事で解説していますので、あわせてご参考にしてください。
 

こんなときはどうすれば?ケース別の対応方法

社会保険料控除に関して、以下の状況ごとの対応方法を紹介いたします。

  • 年末調整で社会保険料控除を申告・記入し忘れた場合
  • 年の途中で就職/転職/退職した場合
  • 12月31日時点では扶養していない人の保険料を支払った場合

あてはまるものがある人は、損をしないように確認しましょう。

年末調整で社会保険料控除を申告・記入し忘れた場合

年末調整で社会保険料控除を申告していなかったり、記入できるものをし忘れたりした場合は、確定申告がおすすめです。

給与所得しかない人で年末調整の必要がない人でも、確定申告をしてはいけない決まりはありません。確定申告により所得税の還付を受けられる場合があります。
 

年の途中で就職/転職/退職した場合

年の途中で就職した場合には、状況に応じてそれぞれ次のようになります。ただし、細かい状況によってはこの限りではありません。
 


状況
社会保険料控除を全額受けるためにやること
12月時点で会社に勤めている 年末調整を受ける会社に前職の源泉徴収票を提出する
12月時点で会社に勤めていない 源泉徴収票をもとに自分で確定申告をする
退職翌日の月末以降も就職していない月がある 国民年金保険料/国民健康保険料を支払っているため、控除証明書を大切に保管しておく
※ただし、就職していない月に配偶者の被扶養者となっていた場合は、保険料を納付していないため例外

12月時点で会社に勤めていれば、基本的にその会社で年末調整をします。この際、前職の源泉徴収票を会社に提出しておけば、会社側が前職分もまとめて社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料など)を集計してくれるのです。

したがって、保険料控除申告書には前職で源泉徴収された社会保険料を記入する必要はありません。(会社が集計するため。)

また、退職翌日の月末以降も就職していない月があるなら、国民年金保険料と国民健康保険料を支払います。そのため、当てはまる方は控除証明書を保管しておきましょう。
参照:日本年金機構「会社を退職した時の国民年金の手続き」

例えば3月15日にA社を退職し、8月1日にB社に転職。その後B社に12月時点で在籍しているとします。

この場合、退職翌日(3月16日)の月末以降も就職していないため、3月分から国民年金保険料と国民健康保険料を支払います。その年に自分が支払ったものであれば、社会保険料控除の対象となります。

さらに12月時点で会社に勤めているので、前職分の源泉徴収票を提出すれば、12月時点の勤務先が前職分と自社分を合わせて年末調整で集計してくれます。勤務先経由で支払った保険料は、保険料控除申告書には記入しません。

なお、退職すると14日以内もしくは5日以内に国民年金の手続きが必要です。手続きについては以下を参照ください。

参照:日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」

「被扶養者」については、以下の記事を参考にしてください。

12月31日時点では扶養していない人の保険料を支払った場合

3月末までは扶養していたが、4月からは扶養していない人の保険料を支払った場合はどうなるのでしょうか。例えば、お子さんが4月に就職して扶養しなくなった場合などです。

この場合、保険料を支払った時点で生計を一にしていれば社会保険料控除に含められます。例えば国民年金保険料を毎月支払っているなら、3月末までに支払ったものは控除でき、4月以降に支払ったものは控除できません。

参照:国税庁「No.1130 社会保険料控除」
 

まとめ:社会保険料控除は全額控除されるため確実に年末調整・確定申告しよう

社会保険料控除は、自分が負担すべきものに加え、生計を一にする配偶者や親族の分を支払えばその全額が所得から控除できます。

サラリーマンの場合は、年末調整の保険料控除申告書で社会保険料控除を申告します。該当するものがあれば記入しましょう。なお、給与から控除された社会保険料は記入不要です。

お子さんの保険料を支払った場合や、年の途中で国民年金の第1号被保険者となった場合には社会保険料控除に含められます。社会保険料控除は節税効果が高いので、該当するものがあれば確実に申告しましょう。
 

この記事を読んで、「得するお金のこと」についてもっとよく知りたいと思われた方は、お金のプロであるFPに相談することがおすすめです。
マネージャーナルが運営するマネーコーチでは、FPに無料で相談することが可能です。
お金のことで悩みがあるという方も、この機会に是非一度相談してみてください。
 

よく読まれている記事 すべて見る