「自分はあまり貯金できていないけれど、他の人はどうなの」と気になる人は多いでしょう。しかし、他人の懐具合は気になるけれど、なかなか親しい間柄でも聞きづらい情報です。
そこで本記事では、世代別にみた貯金ゼロの割合と、平均貯金額、貯金の目標額を最新データから紹介します。貯金ゼロの人の特徴も紹介しているので、自分が該当するか確認してみてください。
また、貯金があると安心な5つのシーンと、貯金が貯まりやすい貯金体質になるための5つのステップを解説しています。本記事で紹介する5つのステップを順にこなし、無理なくお金を貯めてください。
貯金ゼロの人は世代別にどれくらいいる?
「自分は貯金ゼロだけれど、世間の人はどうなの」と気になるのではないでしょうか。最新データによる世代別の貯金ゼロの割合を、次の表にまとめました。
世代別の貯金ゼロの割合
単身世帯 | 2人以上世帯 | |
---|---|---|
20代 | 39.0% | 37.1% |
30代 | 36.3% | 22.7% |
40代 | 35.7% | 24.8% |
50代 | 35.7% | 23.2% |
60代 | 28.8% | 19.0% |
参考:
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」
単身世帯と2人以上世帯に分けて調査されています。どの世代においても、単身世帯の方が貯金ゼロの割合が多く、3~4割を占めています。家族を抱えていないため、貯金の必要に迫られていない事が考えられます。
2人以上世帯では、30~50代にかけて貯金ゼロの割合が減っています。夫婦共働きの場合は、単身世帯より貯金しやすいといえるでしょう。また、子育てなど、家族のために貯金する意識が働いているとも考えられます。
世代別の平均貯金額とは?
「貯金ゼロの割合はわかったけれど、いくらくらい貯金しているのかも気になる」という人も多いでしょう。そこで、世代別の平均貯金額を表にまとめました。
世代別の平均貯金額
単身世帯 | 2人以上世帯 | |
---|---|---|
20代 | 179万円 | 212万円 |
30代 | 606万円 | 752万円 |
40代 | 818万円 | 916万円 |
50代 | 1,067万円 | 1,386万円 |
60代 | 1,860万円 | 2,427万円 |
参考:
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」
全ての世代で2人以上世帯が単身世帯より平均貯金額が多いことがわかります。家族の有無が貯金行動に影響を与えているかもしれません。世帯の人員数を問わず、若年のうちは貯金額が少なく、年を重ねるごとに貯金額が増えています。
貯金ゼロの人の特徴
「貯金したいのに、なかなかお金を貯めることができない」と、貯金がゼロという状況を不思議に思う人もいるのではないでしょうか。貯金がゼロという人は、以下のような特徴に該当する可能性が高いです。
- 貯金の目的や目標額が定まっていない
- 衝動買いなど無駄遣いが多い
- そもそも自分の収入を把握していない
貯金ができない理由と改善策について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
【世代別】貯金の目標額
貯金に取り組む場合、まずは自分の年齢ならどの程度貯金すべきか、目標を設定しましょう。「平均貯金額は自分には目標が高すぎて無理」と思うかもしれません。平均値よりも調査対象の実態を反映している中央値を、目標額にすることをおすすめします。
中央値とは、データを大きさ順に並べて中央に位置する値です。貯金額は分布の偏りがあるため、平均値よりも中央値が「一般的な金額」といえます。世代別の貯金額の中央値は、次のとおりです。
世代別の貯金額の中央値
単身世帯 | 2人以上世帯 | |
---|---|---|
20代 | 20万円 | 63万円 |
30代 | 56万円 | 238万円 |
40代 | 92万円 | 300万円 |
50代 | 130万円 | 400万円 |
60代 | 460万円 | 810万円 |
参考:
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」
貯金額の中央値は平均貯金額と比べて少ないため、まずは中央値を目標に設定してみましょう。世代別・年収別の貯金の目安をより知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
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貯金があると安心な5つのシーン
「貯金ゼロでも今まで何とかやってこれたから、焦らなくても大丈夫」と思う人もいるかもしれません。しかし、ライフステージの変化によって、まとまったお金が必要になることがあります。特に大きなライフイベントは、次の5点です。
- 転職の費用
- 結婚の費用
- 子供の教育資金
- 住宅資金
- 万が一の病気や事故の費用
これらのライフイベント時に、貯金があると安心して対応できます。各ライフイベント時にどのようなお金が必要になるか、以下で解説します。
①転職の費用
今後退職を考えた場合、退職してから転職先を探す場合、貯金が一定額必要です。「失業保険がもらえるからどうにかなる」と思う人もいるでしょう。
しかし、自己都合で退職すると、失業保険が給付されるのは3ヶ月後になるので、最低でも生活費3ヶ月分の貯金が必要です。できれば6ヶ月分用意できると、より落ち着いて転職活動に取り組めます。
②結婚の費用
将来結婚する場合、結婚式関連で費用がかかると推測されます。最新調査による結婚式関連費用の全国平均額は、次のとおりです。
- 婚約指輪:35万円
- 結婚指輪:25万4,000円
- 挙式や披露宴:292万3,000円
300万円以上貯金しておくと、希望に沿った結婚式ができるでしょう。また、引越しや家具・家電の購入などの費用も用意が必要です。
参考:株式会社リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」
③子供の教育資金
子供がいる場合、教育資金が必要です。最新調査によると、幼稚園から高校卒業まで全て公立の場合の学習費総額は541万円、全て私立の場合は1,830万円です。公立と私立で金額が大きく異なるとわかります。
また、高校卒業後に大学や専門学校への進学を予定している場合、さらに貯金をしておくと自宅外通学など子供の選択肢を増やせます。
参考:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
④住宅資金
マイホーム購入を考えている場合、早めに住宅資金を貯めておきましょう。住宅ローンを組む時、頭金を新築なら物件価格の2~3割、中古なら4割を目安にすることがおすすめです。
住宅購入時期と希望物件価格から逆算し、早めに貯金しておくと住宅ローンの返済も楽に行えます。
⑤万が一の病気や事故の費用
病気や事故は、避けたいと思っていても誰にでも起こり得るアクシデントです。万が一入院する場合、自己負担費用が発生します。入院時の自己負担費用の平均額は20万8,000円で、1日当たりの平均自己負担額は2万3,300円です。
いざという時に備えて、上記の自己負担費用平均額よりも多めに貯金をしておくと、入院時にあわてずに済みます。
参考:公益財団法人生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
貯金体質になるための5つのステップ
起こり得る様々なライフイベントに備えて、貯金があると安心できると紹介しました。貯金が重要なことがわかっていても、なかなか貯金できないという人もいるでしょう。そこで、誰でもできる貯金体質になるための5つのステップを紹介します。
- 家計の収支を把握する
- 貯金の目標額を決める
- 不要な出費を減らす
- 先取貯金をする
- 資産形成に挑戦する
これら5つのステップを順番に実行すると、無理なく貯金することができます。以下で各ステップについて詳しく解説します。
ステップ1:家計の収支を把握する
貯金や節約を始める前に、まず家計の収支を把握し、現在の家計の状態を確認しましょう。貯金ゼロの人は、収入や支出を認識していない場合が多いです。収支を把握するおすすめの方法は、家計簿をつけることです。
家計簿を1ヶ月つけるだけで、今まで気づいていなかった色々な事実を発見できます。家計簿のつけ方に関する詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。
ステップ2:貯金の目標額を決める
家計の収支を把握した後は、貯金の目標額を具体的に決めましょう。貯金の目標額を決めるには、ライフプランを設計して、各ライフイベントに必要な費用を試算すると、自然と導き出せます。
ご自身の今後の人生を想定して、ライフプランを作ってみてください。将来像を明確にイメージすることで、貯金へのモチベーションも上がります。
ステップ3:不要な出費を減らす
貯金の目標額が決まったら、不要な出費を減らしてその分を貯金に回しましょう。家計の収支を把握した段階で、様々な無駄遣いを発見する人が多いです。「おやつ代が思った以上に多い」「コンビニに行き過ぎてる」など、今まで気づかなかった浪費が見えてきます。
それらの不要な出費を減らすことで、貯金ができます。いきなり全てをカットするのではなく、少しずつ減らすようにすると続けられます。
ステップ4:先取貯金をする
無駄遣いを少しずつ減らしながら、給与が振り込まれた時に決めた金額を自動的に貯金する、先取り貯金をすると着実にお金が貯まります。使う前に貯金する仕組みなので、浪費して貯金に失敗することがありません。
手元にお金があると使ってしまう人には効果的な方法といえるでしょう。先取り貯金について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
ステップ5:資産形成に挑戦する
お金が一定額貯まって資金に余裕が出てきたら、資産形成にも挑戦しましょう。資産をコツコツと増やすことで、安心して、安定した生活が送れます。さらに資産を増やせたなら、本格的な運用に取り組むことも可能です。
資産形成の方法には、貯金の他、投資信託や、株式投資、債券、不動産投資など様々な方法があります。初心者にも取り組みやすいものが多く、少額からの投資も可能です。資産形成の方法に関する詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ:貯金ゼロの人もライフステージに合わせて無理なく貯金を始めましょう
最新データによる、世代別にみた貯金ゼロの割合と、平均貯金額、貯金の目標額を紹介しました。自分が同世代の中で、どのようなポジショニングになっているかが認識できたのではないでしょうか。
貯金の必要となるシーンと、貯金体質になる5つのステップも解説しました。貯金ゼロの状態は、何かあった時には対応ができない状態です。ライフプランを描き、5つのステップに従って、無理なく貯金を始めてください。