小さいお子さんがいらっしゃる方の中には「そろそろお小遣いをあげた方がいいだろうか」や「お小遣いはいくらぐらいあげればいいだろうか」と迷う方もいらっしゃるでしょう。
お小遣いは子供が自由に使えるお金を手に入れられるだけでなく、様々な学習をさせるためにも大切なものです。
この記事では、お小遣いをあげ始める年代やお小遣いの平均額、お小遣いを通した子供にとっての学びなどを解説します。
いくつのときからお小遣いをあげるか
お小遣いは子供が何歳になったら渡せばいいだろうか、と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
他の家庭では子供が何歳のときからお小遣いを渡しているかをご紹介します。
子供が低学年のときからお小遣いをあげている家庭が多い
「金融広報中央委員会」の調査では、小学生で70%強、中学生で83.2%、高校生では80.9%がお小遣いをもらっているという結果が出ています。
この調査を小学生について、さらに細かく年代別で見てみましょう。お小遣いをもらっている小学生(年代別)の割合は次の通りです。
- 小学校低学年:72.9%
- 小学校中学年:73.0%
- 小学校高学年:73.2%
この数字から、多くの家庭で小学校低学年のときからお小遣いをあげていることが分かります。
各年代のお小遣いの平均額
「お小遣いをいくらあげるか」はとても難しい問題です。他の家庭ではお小遣いをいくらあげているかを見ていきましょう。
小学生のお小遣いの平均額
小学生低学年・中学年・高学年の1か月のお小遣いの最頻値・平均値・中央値は表の通りです。
学年 | 最頻値 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|---|
低学年 | 500円 | 1,004円 | 500円 |
中学年 | 500円 | 864円 | 500円 |
高学年 | 500円 | 1,085円 | 1,000円 |
参考:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(2015年度)」
この結果を見ると最頻値や平均値には各学年で大きな違いはありませんが、中央値が高学年で突出しています。
また、中央値と平均値の値から見ると、低学年や中学年では各家庭でのお小遣いの金額にかなりのバラツキがあるようです。一方高学年では、金額において各家庭でのバラツキが小さくなり、おおむね1,000円程度のお小遣いをあげているように読み取れます。
低学年の時は、子供同士で遊ぶとしても、学校の帰り道や友達の家で遊ぶなどするため、お小遣いも低額で問題ないことが考えられますが、高学年になり、子供の交友範囲が広がったり、遊ぶ場所が広がることで、必要なお小遣い金額が上がるため、各家庭のばらつきが小さくなっていっていると考えられます。
中学生のお小遣いの平均額
中学生の1か月のお小遣いの最頻値・平均値・中央値は表の通りです。
最頻値 | 平均値 | 中央値 | |
---|---|---|---|
中学生 | 1,000円 | 2,536円 | 2,000円 |
参考:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(2015年度)」
この結果を見ると、多くの家庭では中学生にはお小遣いを1,000円程度をあげているようですが、それよりも多くお小遣いをあげている家庭もかなりあり、平均値・中央値は2,000円程度となっています。
このバラツキは、学年と子供の生活環境などによると予想できます。中学生になると、部活や塾などをするようになり、軽食などを買う必要も出てくるため高額になる子供もいるでしょう。
また通学で電車を使うような子も小学時代よりも増えていることでしょう。
高校生のお小遣いの平均額
高校生の1か月のお小遣いの最頻値・平均値・中央値は表の通りです。
最頻値 | 平均値 | 中央値 | |
---|---|---|---|
高校生 | 5,000円 | 5,114円 | 5,000円 |
この結果を見ると、高校生になると多くの家庭ではお小遣いを5,000円程度をあげているようです。バラツキも少なく、5,000円程度が一般的な額と言えるでしょう。
高校生にもなると、子供の自主性も育ってきていますし、将来のことも悩み始める時期でしょう。平均金額を目安にしつつも、子供の将来のために必要なものであれば、お小遣いと別に購入してあげる方針の家庭もあると考えられるため、平均額はあくまでも目安にして、子供と話し合って金額を決めることも大切です。
参考:大学生のお小遣い平均額
大学生では、自宅生と下宿生でお小遣いのあり方が変わります。自宅生の場合は「お小遣い」としてもらっていますが、下宿生では「仕送り」として、お金をもらっています。
自宅生の「お小遣い」と下宿生の「仕送り」の金額について、また自分で稼ぐアルバイト代についてご紹介します。
自宅生 | 下宿生 | |
---|---|---|
お小遣い・仕送り | 10,370円 | 71,880円 |
アルバイト | 39,860円 | 29,130円 |
参考:全国大学生活協同組合連合会「第57回 学生生活実態調査」
下宿生の場合は、家賃や生活費が必要となるため、金額が大きくなっています。
一方、自宅生の場合は生活費などは不要ですが、友人と遊んだり買い物をしたりするために、下宿生よりもアルバイトを多くしているようです。
お小遣いの使い道
子供たちはもらったお小遣いを何に使っているのでしょうか。年代によってその用途は様々です。
各年代別にお小遣いの使い道をご紹介します。
小学生は「お菓子やジュース」に使うことが多い
まずは小学生のお小遣いの使い道を見てみましょう。
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
低学年 | おかしやジュース | おもちゃなど | ゲームをする |
中学年 | おかしやジュース | ゲームソフトやおもちゃ類 | ゲームをする |
高学年 | おかしやジュース | ゲームソフトやおもちゃ類 | まんが |
参考:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(2015年度)」
小学生のどの年代でも、お小遣いの使い道は「おかしやジュース」が1位となっています。
他の上位の項目は「ゲーム」「ゲームソフトやおもちゃ類」がありますが、高学年になると「まんが」も使い道に入ってくることが特徴です。
中学生は「友達との外食・軽食代」に使うことが多い
次に中学生のお小遣いの使い道を見てみましょう。
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
中学生 | 友達との外食・軽食代 | おやつなどの飲食物 | 友達へのプレゼント |
参考:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(2015年度)」
中学生になると、「友達との外食・軽食代」や「おやつなどの飲食物」が上位に入り、食べ物にお金を使うようになることが分かります。
その他にも「友達とのプレゼント」が上位に入るように、交友関係のために使うお金が必要となることが分かります。
高校生は「友達との外食・軽食代」に使うことが多い
最後に高校生のお小遣いの使い道を見てみましょう。
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
高校生 | 友達との外食・軽食代 | おやつなどの飲食物 | 休日に遊びにいくときの交通費 |
参考:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(2015年度)」
高校生でも「友達との外食・軽食代」や「おやつなどの飲食物」が上位に入っています。高校生のお金の使い方の特徴は、3位には「休日に遊びにいくときの交通費」が入ることです。これは行動範囲が広がり、友人と休日に公共交通機関などを使って遠出をするようになることが見て取れます。
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お小遣いのあげ方
お小遣いには次のようなお金の渡し方があります。
- 都度型:必要な時にあげるパターン
- 定額型:毎月決まった金額をあげるパターン
- 報酬型:ご褒美にお小遣いをあげるパターン
- これら複数の型の組み合わせお小遣いをあげるパターン
それぞれの特徴やメリット・デメリットなどを見てみましょう。
①都度型:必要なときにあげるパターン
「都度型」とは、子供がお金を必要なときに必要な金額だけをその都度渡す方法です。
メリットは、子供の無駄遣いを前もって防止することができ、お金の使い道を把握することもできることです。
しかし、デメリットとして、「お金は必要になったらいつでももらえる」と子供が勘違いしてしまうと、計画的なお金の使い方が学べないことが挙げられるでしょう。
②定額型:毎月決まった金額をあげるパターン
「定額型」とは、月に1度(あるいは1週間に1度など)、決まった額のお金をお小遣いとして渡す方法です。
メリットは、子供が決まった額の中でやりくりをする方法を身に着けられるということです。
しかし、デメリットとして、定額のお金が毎月渡されるため、お金は何も努力しなくても手に入るもの、と子供が勘違いしてしまうことが挙げられるでしょう。
③報酬型:ご褒美にお小遣いをあげるパターン
「報酬型」とはテストでよい成績を取ったり、お手伝いをしたりするごとに、報酬としてお小遣いを渡す方法です。
メリットは、子供が成果を出すために自主的に動くようになることや、お金は何かの対価として得られるということを学べることです。
しかし、デメリットとして、報酬が得られないときや報酬の金額が見合わないときは、子供が行動を起こさなくなる可能性があります。
これら複数の型の組み合わせでお小遣いをあげるパターン
また、これまでご紹介した3つの方法を組み合わせてお小遣いを渡すパターンもあります。
例えば月々に決まった金額をお小遣いとして渡しながら、何かお手伝いをしてくれたときに臨時的にお小遣いを渡したり、友達と遊びに行くときに少し余分にお小遣いを渡す方法です。
次に紹介する「お小遣いの意味」を参考にお小遣いから何を学んでほしいかを踏まえて、最適な方法でお金を渡してください。
お小遣いを子供にあげる意味
お小遣いは子供が自由に使えるお金を渡すだけのものではありません。子供たちはお小遣いを通して、様々なことを学んでいきます。
お小遣いを通して子供が学べることには次のようなものがあります。
- お金の使い方
- お金の管理方法
- 我慢すること
- 貯金をすること
- お金の使い方のルール
具体的にそれぞれについて、紹介していきます。
子供に「お金の使い方」を学ばせる
お小遣いは、子供が初めて手にする自分で自由に使えるお金です。
お金を使うことで、お金は使えばなくなってしまうことや、節約しておけば次に使えるお金が多くなること、また、お金の貸し借りにはリスクを伴うこと、などお金を使う上での基本的なことやマナーを学ぶことができます。
子供に「お金の管理方法」を学ばせる
お金は使えばなくなるものであり、何にいくら使ったかを把握しておくことが必要である、ということを子供に学ばせることができます。
「お小遣い帳」などで使ったお金とその項目を記録させることもよい経験となるでしょう。これは将来のお金の管理をすることにも繋がる大切な学びです。
子供に「我慢すること」を学ばせる
お金は使うとなくなってしまうため、子供は自然と我慢することを学びます。
本当にほしいもののために今はお菓子やジュースなどを我慢して来月にほしいおもちゃを買う、お小遣いの金額には見合わないものを買うのを諦める、ということを通して無駄遣いをひかえ必要なものを買う、ということを学んでいきます。
子供に「貯金すること」を学ばせる
もらったお金を全部使ってしまうのではなく、将来に備えて少しずつ貯める必要がある、ということを学ばせることができます。
ほしいものがお小遣いの金額を超えているとき、毎月計画的に節約をしてお金を貯めていくことで、大きな金額のものを買うという経験ができます。
これは大人になってからも大切な感覚で、ただなんとなくお金を使ってしまうのではなく、本当にほしいものを買う、ということの訓練になるでしょう。
子供に「お金の使い方のルール」を学ばせる
お金の使い方のルールを知ることで、将来のお金に関するトラブルを避けることが可能になります。
例えば友達とのお金の貸し借りはしない、ということや、もらった金額内でやりくりすること、など将来にも役立つルールをきちんと教えていきましょう。また、「欲しいものがあるから」というような理由でお小遣いを前借りするようなことも、させてはいけません。
お小遣について注意したいポイント
最後に、お小遣いを子供にあげる時に注意したい大切なポイントをいくつかご紹介します。
- お小遣い金額については子供と定期的に話し合って決める
- お小遣いを使って買うもの事前に決めておく
- お金の大切さを経験させる
お小遣い金額については子供と定期的に話し合って決める
お小遣いの金額が高額すぎても、子供が贅沢な生活に慣れてしまったり、無駄遣いをしたり、低額すぎても、子供が本当に必要なものを購入できなくなってしまいます。
金額を決定する時は、その時の子供の年齢に見合った金額を渡すことが大切です。本記事の「各年代のお小遣いの平均額」を参考にしたり、同級生の友達とも会話をして、必要な金額の目安を知りましょう。
その上で、子供と必要な金額について定期的に話し合いをすることも大切です。子供のお小遣いアップの理由に納得できれば、増額してあげることも大切です。
お小遣いを使って買うものを事前に決めておく
お小遣いを使って買うものを事前に決めておくことも大切です。そうすることで、無駄遣いを避けることができるようになります。買うものを決めずに何となくお金を使ってしまうと、すぐにお小遣いはなくなってしまい本当に必要なものが買えなくなってしまうだけでなく、子供にも計画性が身に付きません。
また、お小遣いで買うものと親が買うものをルールとして決めておきましょう。たとえば、学校でも必須の文房具やノート類などは親が買い、お菓子やジュース、おもちゃのような少額で子供の楽しみのために買うような物は子供がお小遣いで買う、というようなルールです。
このようなルールであれば子供も納得しやすく、自分の欲しいもののために無駄遣いも避けられるようになります。
お金の大切さを経験させる
前章の「お小遣いを子供にあげる意味」でも解説した通り、お小遣いを通して、お金の重要性や貯金の方法についてはきちんと教えていきましょう。大人になってからも絶対に必要となる大切な能力です。
お金を渡すときの些細なコミュニケーションも大切です。例えば、毎月同じ日に渡すことで、次の一か月の中で「どのようにお金を使おうか」子供が自然に習慣づけて考えるきっかけになるでしょう。
渡すときに、渡す金額を伝えたり、今月は何に使うのかのコミュニケーションを取ることで、子供が計画をもって自分のお金を管理できているか確認でき、本当に必要な目的でお小遣い金額の増額を検討しても良い場合は、その相談のきっかけづくりにもなるでしょう。
何となくお金を使うのではなく、何か少し高額なものを買うために毎月決まった額をコツコツと貯金していくことで、子供に「計画性」や「我慢をする」ということが身につきます。貯金額が目標額に達する経験をすることで、子供は達成感を味わい、またコツコツと貯金をすることができるようになります。
まとめ:お小遣いはただお金を渡すだけでなく、大切な学びを提供するものである
子供へのお小遣いの開始時期や、各年代の金額の相場、さらにお小遣いのあげ方やお小遣いを通して子供が学習できることなどについてご紹介しました。
お小遣いは単に自由に使えるお金、という意味だけでなく、子供にとって将来役立つ学びを提供するものです。お金を使う際のルールや決まりごとなどを適切に教えていくことで、子供たちはしっかりとお金に関して自己管理ができるようになっていきます。
子供の将来のためにも、お小遣いを活用し、将来のための金銭管理能力を身に付けさせていきましょう。